「
「野田版 鼠小僧」は、2003年に上演された野田秀樹と十八世中村勘三郎のタッグ作。2005年にシネマ歌舞伎の第1弾として上映された同作が、「月イチ歌舞伎」2025シーズンの冒頭を飾る作品として4月4日から全国公開される。
鶴松は、本作の重要な役どころ・孫さん太役に子役として出演。この共演をきっかけに勘三郎に誘われ中村屋の部屋子となり、歌舞伎俳優としての道を歩み始めた重要な作品だ。観客からの拍手の中、舞台挨拶に登壇した鶴松は「今月30歳を迎えたばかりの“おじさん太”でございます(笑)」とあいさつ。当時子役として演じた役名・孫さん太にちなんだ自己紹介に、会場は笑いに包まれた。
「野田版 鼠小僧」出演時の勘三郎との思い出を、鶴松は「カーテンコールの時にいち子役の僕を呼んで、毎回抱きかかえるようにしてくれて。歌舞伎座の2000人の観客の前で、舞台の中心にいるなんて、ありえないことです」と振り返る。さらに「1日だけ、出演の前にあいさつに行くことを忘れた日があって、そのことを謝ったときに『そんなのはどうでもいいんだよ。芝居がいいんだから』と言ってくださった」と、鶴松にほれ込んだ勘三郎の様子が垣間見えるエピソードを披露した。
中村屋の“兄”である中村勘九郎と中村七之助からは「しょっちゅう、お前は『鼠小僧』のときが一番良かったと言われます(笑)」と明かし、「お兄さんたちは当時はまだ若くて怒られることが多く、子供ばっかり褒められて嫌だったんだろうな。今、仕返しをされています(笑)」と仲の良さをのぞかせた。
今年20周年を迎えるシネマ歌舞伎については、「古典の作品をもっとやって欲しい。古典の演目には、実はすごく細かい決まりがあって、例えば黒目の動かし方とか。そういった部分は客席からは見えにくいので、寄りで撮るとよくわかると思う」と提案。最後に、観客に向け「人生のターニングポイントとなった舞台を見てくださりありがとうございました。こんなにたくさんの方が足を運んでくださり、皆さんが味方でいてくれることが自分のモチベーション。今後も中村屋をよろしくお願いいたします」と呼びかけた。
さて @sate618
一般家庭に生まれ育ち、子役から歌舞伎座で主演を務めるまでになった方。
歌舞伎役者を続けながら、都立高校から一般受験で早慶に合格し、早稲田の演劇コースへの秀才、努力の人。
普段のフリートークは大体サウナの話。
こんな人もいるんだな〜と覚えておくと、歌舞伎にちょっと興味が持てるかも? https://t.co/nv5KXArkZo