J-MELO
『J-MELO』(ジェイメロ)は、2005年10月7日からNHKワールドTVおよびテレビジャパンで毎週放送されている、日本の全世界向け音楽番組である。
概要
編集「JAPAN」と「Melody」・「Mellow」を掛け合わせた[注釈 1]「J-MELO」という番組名が示す通り、日本の音楽を世界に発信する番組で、NHKワールドが世界約160の国と地域に向けて放送する、日本の放送史上初の全編英語の日本音楽番組。
放送されている国のうち、100か国以上からメールや写真が寄せられている。外国人向けという局の方針上、番組は全て英語で進行されるが、アーティストとのトークパートだけは日本語で進行する(画面上に英語の字幕を付ける対応をしている)。「日本を拠点に活動するアーティスト」で海外でも活動するアーティストが中心に出演し[注釈 2]、最新のヒット曲だけでなくポップス、ロック、ジャズ、クラシック、トラッドなどジャンルを超えたゲストを招きながら、日本の音楽とアーティストを全世界へ発信している。
J-WAVE、ニッポン放送、スポーツニッポン、『日経エンタテインメント』、『声優グランプリ』等、他の放送局とのコラボレーションや、編集部への直撃取材をたびたび行っている。そのため、NHK以外のマスコミ関係者もたびたび登場する。
歴史
編集2005年10月番組開始。当初は海外での放送だけで、PVを流すだけの簡素な作りだった。
2006年4月からは、マンスリー・ゲストと呼ばれるゲストが毎月1組ずつスタジオに招かれ、トークや演奏が行われるようになった。この頃から日本国内での放送を開始したが、当時はデジタル教育テレビのマルチ編成023chでの不定期放送だったことに加え、送信所・中継局の数も少なかったことから、地上デジタル放送が受信できない多くの地域では日本国内でNHKワールドTVを直接受信している世帯を除いて本番組の視聴ができなかった。
2007年4月からは、ゲストが増員され、また、有名ミュージシャンからの日本語でのコメントも多数寄せられるようになった。
2007年10月からは、さらに多くのゲストが登場するようになり、玄人好みや、新進気鋭のミュージシャンも出演してきた。
2007年11月14日にはZepp Tokyoで、初の公開収録となる「J-MELOスペシャルライブ〜Live to the World〜」が行われた。翌年から、夏フェス・冬フェスとして現在まで[いつ?]に4回開催。NHK総合テレビとNHK-BSで放送されている。
2008年4月4日の放送からは、スタジオ(収録はCT-511スタジオ)も一新し、番組自体がパワーアップしている。 また、国内放送では総合テレビ深夜に、毎週放送[注釈 3]されることになった。
2009年に入ると、日本音楽の一方的紹介から一歩進み、メールの紹介だけでなく写真や動画の投稿、日本国内へのさまざまな募集など、世界中の視聴者との相互交流を目指した演出上の変化が見られる。
2010年からは、ディスカバラー、スーパーバイザーなど、数々の準レギュラーが登場する。
2012年4月の放送より国内放送が総合テレビからBSプレミアムに変更された。[1]
2015年10月2日、放送開始10周年を記念したムック本「『J-MELO』が教えてくれた世界でウケる『日本音楽』」が発売[2]。
2018年度まではほぼ毎週放送(月末の一部はアンコール回)されていたが、2019年度から2022年度は月末に『SONGS OF TOKYO』が放送された週は放送休止となり、アンコール回は不定期の編成だった。2023年から『SONGS OF TOKYO』は定時レギュラー終了(不定期の特番で放送予定)したため、再び毎週の放送(月末の一部のアンコールも復活)に戻ることになった。
出演者
編集- VJ
- 番組の司会者は、VJあるいはビジュアル・ジョッキーと呼ばれる。
- 2005年10月 - 2007年3月:竹松舞
- 2007年4月 - 2008年9月:melody.
- 2008年10月 - 2010年3月:May J.[3]・シャンティ・スナイダー[注釈 4]
- 2010年4月 - :May J.
- ミュージック・ディスカバラー
- インタビューやリポートを行う。
- スーパーバイザー
- 視聴者の投稿にコメントする。
- 2010年1月 - :早川大地・スコット・マーフィー・モーニング娘。
- スペシャル・コメンテーター
- ゲスト一覧
コーナー
編集- Club J-MELO
- 観客を招いて行うスタジオライブ。
年 | Vol | 出演者 |
---|---|---|
2008年 | 1 | 雅-miyavi-・大萩康司 |
2 | 山下洋輔 | |
3 | 小曽根真&塩谷哲 | |
4 | 沖仁&SoulJa | |
5 | 村治佳織&村治奏一 | |
6 | 渡辺香津美・本田雅人・松本圭司・グレッグ・リー・則竹裕之・May J.・シャンティ・スナイダー | |
2009年 | 7 | ランキン・タクシー |
8 | Rie fu&LEO今井 | |
9 | ショーン・レノン | |
10 | 小野リサ | |
11 | 五嶋龍 | |
12 | 上原ひろみ | |
13 | SOIL&"PIMP"SESSIONS | |
14 | 野呂一生 | |
15 | 神保彰 | |
2010年 | 16 | ディアマンテス・大城クラウディア |
17 | MONKEY MAJIK | |
18 | オレスカバンド | |
19 | 渡辺貞夫 | |
20 | 大西順子 | |
21 | BONNIE PINK | |
22 | THE BOOM | |
23 | シャンティ・スナイダー |
地上波での放送内容
編集2008年3月まで
編集放送は総合テレビジョン。
放送日 | タイトル | 内容 |
---|---|---|
2006年4月9日 | スプリングスペシャル | ジャズ・ピアニストの山下洋輔が日本の音楽の講師役で登場。 |
2006年6月 | 再編集版#1 | ユニークバンド特集(聖飢魔II、BEAT CRUSADERS、倭製ジェロニモ&ラブゲリラエクスペリエンス、氣志團、渋さ知らズ)と、服部克久のダイジェスト。 |
2006年8月6日 | サマースペシャル | デーモン小暮閣下が、三橋貴風、友吉鶴心、雷電湯澤、石川俊介、石黒彰と共に出演。デーモン小暮閣下はラリー・キングショー以来となる全編英語で、日本のロックと邦楽についての持論を語った。 |
2006年10月1日 | 再編集版#2 | 団塊の世代特集(吉田拓郎、井上陽水、南こうせつ、小田和正、矢沢永吉)に加え、村治佳織、BONNIE PINKがゲスト出演した。視聴率がポップジャムを上回った。 |
2006年12月17日 | ウインタースペシャル | ゴダイゴ(ミッキー吉野、タケカワユキヒデ、浅野孝己、スティーブ・フォックス、トミー・スナイダー)が出演した。 |
2007年3月11日 | ゲスト総集編 | 世界志向の音楽家たち、と題され、2006年度の地デジ版に出演した山中千尋、村治佳織、BONNIE PINK、melody.、服部克久、レナード衛藤、PE'Z、渋さ知らズ、KEMURI、ラウドネスのダイジェストが放送された。 |
2007年6月 | 再編集版#3 | J-TRADと沖縄の再編集版。 |
2007年8月 | ゲストハイライツ | melody.が招いた、2007年4月以降のゲスト(m-flo、上原ひろみ、安良城紅、矢野沙織、the pillows、五嶋龍、クリスタル・ケイ、NORA、Monkey Majik)のハイライト。 |
2007年10月1日 | J-MELOスペシャル | KONISHIKI、Emyli、JYONGRI、日野皓正、渡辺香津美が出演。NHKワールドで放送された「サマースペシャル」に日本語字幕を付加したもの。この回と上記のゲストハイライツを合わせたものは、BS2、BSハイビジョンでも放送された。 |
2007年10月28日 | J-MELO in 沖縄 | 2007年9月に放送された沖縄特番の再編集版。 |
2007年12月16日 | ゲストハイライツ | melody.が招いた、2007年10月以降のゲスト(渡辺貞夫、小曽根真、神保彰、村治佳織、村治奏一、クリス&祥子、ギターウルフ、RIZE、WISE、May J.)のハイライト。 |
2007年12月31日[注釈 6] | Eメールアワード2007 | 世界中から番組に寄せられたEメールの集計データに基いた特番。記念すべき第1回の2007年国別ベスト3は#3アメリカ・#2ペルー・#1フィリピン、アーティスト別ベスト3は#3KAT-TUN・#2melody.・#1L'Arc〜en〜Cielだった。 |
2008年3月1日[注釈 7] | J-MELO ウィンタースペシャル〜Live to the World〜 | Zepp Tokyoで行われた公開収録ライブ。indigo blue、Metis、PE'Z、ヒダじんぼ(ヒダノ修一、神保彰)、coba、吉田美奈子、渡辺香津美が出演。 |
2008年3月8日 | ゲストハイライツ&J-MELO in 徳島 | melody.が招いた、2008年1月以降のゲスト(少年ナイフ、ZEEBRA、塩谷哲、POLYSICS、indigo blue、宮本笑里、田中ロウマ)と、徳島ロケのハイライト。 |
この他に、徳島県域・総合テレビで放送されている「あわメロクリスマススペシャル」にmelody.がゲストで呼ばれた際に、J-MELOが紹介された(2007年12月)。
2008年4月から
編集2008年4月以降、国内放送でのレギュラー放送はNHK総合テレビ「ミッドナイトチャンネル[注釈 8]」に移行する。デジタルだけでなくアナログでも放送されるため日本国内のすべての地域で本番組の視聴が可能となる。
2010年4月から9月19日までは毎週日曜深夜(月曜未明)0:30 - 1:00、同年9月26日から2011年3月までは毎週日曜深夜(月曜未明)0:20 - 0:50、2011年4月から2012年3月まで毎週日曜深夜(月曜未明)1:00 - 1:30に放送。ただし次の地区は別番組のため時間が異なっている。
- 近畿地方は、『西方笑土』、『上方落語の会』の放送のため原則として1:45 - 2:15に時差放送される[注釈 9]。
- 東海・北陸地方は、毎月1回『サタテン』の一か月放送分を再放送するため1時間遅れで放送される。
- 北海道地方では過去に2010年10月から12月まで『北海道クローズアップ』の再放送および過去の名作選など北海道地方に関連した番組のアンコール放送を行なうため3日遅れの毎週水曜深夜(木曜未明)1:30 - 2:00[注釈 10]に北海道ローカルで時差放送されていたが、2011年1月からは東京からの放送と同一時刻の放送に戻った。一時期、同年12月15日・22日深夜放送分も、北海道地方では地域番組差し替えの関係で未放送に終わった回がある。
日本国内での放送はNHKワールド・プレミアムよりも5日、NHKワールドTVよりも7日それぞれ早い先行放送となっている。
BS波での放送
編集2007年以降、BS2とBSハイビジョンで、J-MELOスペシャルを放送している。
2012年4月より地上波の総合テレビからBSプレミアムに移動してレギュラー放送が行なわれることになった(国際放送初回放送より5日遅れの放送)。
2023年3月を以てBSプレミアムでのレギュラー放送が終了した[4]。
- サマースペシャル2007
- Live to the World Flight 001
- 2008年2月放送。Zepp Tokyoで開催された初の公開ライブ。出演はmelody.、indigo blue、Metis、PE'Z、coba、ヒダじんぼ(ヒダノ修一・神保彰)、吉田美奈子、渡辺香津美。
- 夏フェス2008〜Live to the World Flight 002〜
- 2008年8月放送。SHIBUYA-AXで開催された公開ライブ。出演はmelody.、やなわらばー、日野皓正クインテット、少年ナイフ、ZEEBRA。
- この模様は国際放送では8月3日、9日、10日、17日に放送(本編時間は44分)。国内での放送は総合テレビでは9月13日深夜に行われた。BS(国内向け衛星波)ではBS2では8月31日、BSハイビジョンでは9月20日未明にそれぞれ放送された。国際放送とアナログBS2は16:9レターボックス放送で、国際放送では画面下に「J-MELO Live to the World Flight 002」とテロップ表示。デジタルBS2は16:9フルサイズのSD放送でBSハイビジョンはハイビジョン放送である。BSでの本編時間は89分。なお、BS2での番組案内ではmelody.が自ら日本語によるコメントで見所を紹介している。
- 冬フェス2008〜Live to the World Flight 003〜
- 2008年12月放送。SHIBUYA-AXで開催された公開ライブ。出演はオルケスタ・デ・ラ・ルス、シーナ&ザ・ロケッツ、DEPAPEPE、Jazztronik、May J.、シャンティ・スナイダー。
- 夏フェス2009〜Live to the World Flight 004〜
- 2009年9月放送。SHIBUYA-AXで開催された公開ライブ。出演は大貫妙子、小松亮太、マーティ・フリードマン、中孝介、May J.、シャンティ・スナイダー。
- 春フェス2010〜Live to the World Flight 005〜
字幕・画質・音声
編集- 字幕
- 日本語字幕
- 外国人向け国際放送であるNHKワールドTVを除き、国内外の放送(NHK総合テレビジョン・NHKワールドプレミアム・テレビジャパンなど)では日本語字幕が表示されている。
- 英語字幕
- 外国人向け国際放送であるNHKワールドTVでは、日本語には英語字幕を表示している。
- 画質環境
- 標準画質で放送される国内のアナログ放送では当初は4:3サイズにして放送していたが、2010年7月から2011年の地上デジタル放送の完全移行までは16:9のレターボックス放送となっていた(岩手県・宮城県・福島県は2012年3月まで)。
- 標準画質で放送される海外向けのNHKワールドTVのPAL方式放送、NHKワールド・プレミアムは、開始当初は16:9映像をサイドカットした4:3サイズにして放送していたが、2012年4月以降は16:9レターボックス放送となった[注釈 11]。
- 2009年4月よりNHKワールド・プレミアムでの放送が土曜日の10:05 - 10:35に時間帯を移し、同時にノンスクランブル放送で視聴可能となっていた[注釈 12]。
- 音声環境
- 日本国内での放送はステレオ放送だが、海外向けの放送はモノラル放送となっている。
脚注
編集注釈
編集- ^ J-MELOというネーミングは、番組開始当初のディレクター(現在[いつ?]のプロデューサー)が思いついたタイトル候補の中から、友人であるデーブ・スペクターが選んだものである。
- ^ 海外在住の日本人や、日本人以外の音楽家も出演する。
- ^ ただし、放送がないときもある。
- ^ スナイダーは2011年2月14日放送(総合テレビにおける初回放送)でもゲストとして出演し、1度限りの再会を果たした。
- ^ ほぼ1か月に1回登場する。
- ^ デジタル教育テレビでは同年12月20日に放送。
- ^ 2月29日深夜。BSハイビジョンでは2月11日、BS2では2月17日に放送。地上波は45分バージョン、BSは90分バージョンで放送。
- ^ 土曜深夜枠で時間不定。これは直近のアンコールアワーの終了時間にもよるため。
- ^ ただし主に第1・3日曜深夜を中心とした放送設備点検がある日は、その時間の都合上休止となる場合もある。
- ^ 9月30日(26日深夜)放送分のみ2:20 - 2:50。
- ^ 日本国内でのアナログ放送が16:9レターボックス放送化された2010年7月以降も2012年3月まではサイドカットでの放送を継続していた。
- ^ 2011年3月まで。2011年4月以降は土曜深夜の時間帯に移動するためスクランブル配信に戻る。
出典
編集- ^ 平成24年度国内番組編成計画 (PDF) - NHK経営情報(2011年12月13日)
- ^ “NHK「J-MELO」10周年本にMay J.、HYDE、小室、つんく♂ら登場”. 音楽ナタリー (2015年10月2日). 2015年10月2日閲覧。
- ^ May J. Family
- ^ “https://twitter.com/nhk_musicjp/status/1636698898914787328?s=46&t=_J6-7PSsktZX3F2BTHm6eg”. Twitter. 2023年3月17日閲覧。
外部リンク
編集- J-MELO | TOP - 番組公式サイト
- J-MELO | BS Premium - 番組公式サイト(放送情報のみ)
- J-MELO - NHK放送史
- 世界180カ国に発信する全編英語の邦楽番組、新VJにトミー・スナイダーの娘ら - ORICON STYLE(記者会見記事)