Zapteryx exasperata

Zapteryx exasperata
保全状況評価[1]
DATA DEFICIENT (IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
界 : 動物界 Animalia 門 : 脊索動物門 Chordata 綱 : 軟骨魚綱 Chondrichthyes 目 : ノコギリエイ目 Rhinopristiformes 科 : Trygonorrhinidae 属 : Zapteryx 種 : Z. exasperata
学名
Zapteryx exasperata (Jordan & Gilbert, 1880)
英名
Banded guitarfish

Zapteryx exasperataはノコギリエイ目に属するエイの一種である。

太平洋東部、米国のカリフォルニア州からメキシコのマサトラン（カリフォルニア湾を含む）に分布し、水深200メートル以浅の沿岸に生息する。ペルーからも報告があるが、これは同属のZapteryx xysterの誤認と考えられる^[1]。

体盤は菱形^[2]。背面は暗褐色から茶褐色で横縞がある^[3][4]。眼は大きく、吻は丸く短い。尾の長さは体盤と同程度か短い^[2]。背面には細かい棘を持ち、正中線上には第一背鰭まで大きな棘が並ぶ^[4]。最大で全長124センチメートルの記録がある^[5]。性的二形があり、雌は雄より大きい^[6]。

IUCNは保全状況に関してデータ不足としている^[1]。メキシコでは、特にカリフォルニア湾における漁業で、繁殖期である春に水深9-22メートルで最もよく漁獲される^[6]。これらの漁業は繁殖に影響を与えていると思われるが、現在のところ保護活動は行われていない。人には無害であるが、接近には敏感に反応する^[7]。

捕獲される個体の年齢は平均で雌18歳、雄14歳。寿命は最大で22年と推定されている^[5]。

底生の無脊椎動物や魚類を餌とする^[7][8][9]。食物連鎖の上位に位置し、沿岸岩礁の底生生物相においては頂点捕食者である。カリフォルニア湾での調査では、幼魚は甲殻類（主にカニ）も食べていたが、成体になるとほぼ硬骨魚のみを餌としており特にPorichthys margaritatus（ガマアンコウの一種）を専食していた。また、少数ではあるが遊泳性の魚類を捕食していることも確認された^[8]。

生殖周期は1年である。妊娠期間は3-4ヶ月で、7月下旬から8月上旬の海水温が最も高い時期に浅い内湾の砂地で出産する^[10][11]。変温動物であるため、水温が高いほど幼魚の成長速度と生存率が向上する。産仔数は母体の大きさによって変わるが、4-11の範囲で平均7である。出生時は平均で全長18センチメートル程度^[10][11]。雄は7歳/全長68センチメートル、雌は9歳/全長77センチメートルで性成熟する^[5][11]。胎児は卵黄を主な栄養源とする卵胎生である^[10]。受精卵の性比は等しいが、成体の個体数は雌の方が多い^[11]。

地域によって繁殖パターンが異なることも知られている。バハ・カリフォルニア・スル州では、雌雄は春に交尾のために集まるが、その後すぐに分散し、雌のみが出産のために浅い海域に集まるが^[5][6]、カリフォルニア湾ではそのような性的隔離は見られない^[11]。また、バハ・カリフォルニア・スル州では排卵から妊娠までにある程度の期間が空くのに対し、カリフォルニア湾では排卵直後に妊娠して胚休眠（英語版）を行うことが知られている^[10][11]。^[11]。環境圧によりこのような差異が生じていると考えられるが、正確な原因は不明である^[11]。