ハラルド・ツア・ハウゼン
Harald zur Hausen ハラルド・ツア・ハウゼン | |
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生誕 |
1936年3月11日 ドイツ国 ゲルゼンキルヒェン |
死没 |
2023年5月29日 (87歳没) ドイツ ハイデルベルク |
国籍 | ドイツ |
研究分野 | ウイルス学 |
研究機関 | ルプレヒト・カール大学ハイデルベルク |
主な業績 | ヒトパピローマウイルス |
主な受賞歴 |
ノーベル生理学・医学賞(2008) ガードナー国際賞(2008) |
プロジェクト:人物伝 |
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ハラルド・ツア・ハウゼン(Harald zur Hausen、(ドイツ語発音: [ˈhaʁalt tsuːɐ̯ ˈhaʊzn̩] ( 音声ファイル)、1936年3月11日 - 2023年5月28日[1])は、ドイツのウイルス学者。ゲルゼンキルヒェン出身。 2008年にフランソワーズ・バレシヌシおよびリュック・モンタニエとともにノーベル生理学・医学賞を受賞した。
経歴
[編集]ボン大学、ハンブルク大学で医学を学んだあと、1960年ハインリッヒ・ハイネ大学デュッセルドルフからM.D.を取得した。その後は同大学の医療微生物研究所で医療助手として2年間、研究助手として3年勤務した。その後に渡米し、フィラデルフィア小児病院のウイルス研究所で3年半勤務し、1968年にペンシルベニア大学で助教授となった。1969年にドイツに戻り、ユリウス・マクシミリアン大学ヴュルツブルクを経て、1972年よりエアランゲン・ニュルンベルク大学、1977年よりフライブルク大学の教授を歴任した。
1983年から2003年まで、ハイデルベルクのドイツがん研究センター Deutsches Krebsforschungszentrum) の理事会長を務め、2010年末までInternational Journal of Cancer の編集長を務めた。
パピローマウイルスの発見
[編集]研究領域は腫瘍ウイルスの研究である。1976年、ヒトパピローマウイルス(HPV)が子宮頸がんの原因に重要な役割を果たすという仮説を発表した。1983-4年に、子宮頸がんを起こす2種類のパピローマウイルス(HPV16とHPV18)を共同研究者ともに同定した。これにより、2006年には、子宮頸がんの感染をヒトパピローマウイルスワクチンで予防できるようになった。
また、尖圭コンジローマを引き起こすウイルス(HPV 6)の発見、最近発見されたヒトメルケル細胞ポリオーマがんを引き起こすサルリンパ球向性ポリオーマウイルスの発見、ならびにエプスタイン・バール・ウイルスを用いて不活化細胞を誘導し、ホルボールエステルを用いてウイルスを複製する技術を開発した。パピローマウイルスおよび子宮頸がんに関する彼の研究は、最初の解明であったため多くの科学的批判を受けたが、他の高リスクのパピローマウイルスについても拡大され、確認された。
2008年、医学に貢献したためガードナー国際賞を受賞[2]。同年、ヒト免疫不全ウイルスを発見したリュック・モンタニエとフランソワーズ・バレ=シヌシとともに、ノーベル生理学・医学賞を受賞した[3]。
2008年のノーベル賞では、同年にカロリンスカ研究所ノーベル委員会のメンバーであったボ・エンジェリンが、HPVワクチンの特許権を有するアストラゼネカの理事会にも参加していたことが判明し、物議をかもした[4]。これは、アストラゼネカがノーベルウェブとノーベルメディアとのパートナーシップを結び、ドキュメンタリーや講演会を開催して賞の認知度を高めたことでさらに悪化した[4]。しかし共同研究者らは、受賞は当然であると感じており[5]、ノーベル委員会と総会の幹事は、投票時にアストラゼネカのHPVワクチンの特許について知らなかったと述べている[4]。
受賞歴
[編集]- 1975年 ロベルト・コッホ賞
- 1986年 Charles S. Mott Prize
- 1994年 パウル・エールリヒ&ルートヴィヒ・ダルムシュテッター賞
- 1996年 エルンスト・ユング賞
- 2004年 ドイツ連邦共和国功労勲章
- 2005年 プリンス・マヒドール賞
- 2006年 ウィリアム・コーリー賞
- 2007年 ウォーレン・アルパート財団賞
- 2008年 ガードナー国際賞、ノーベル生理学・医学賞
脚注
[編集]- ^ “Nobel laureate Harald zur Hausen has passed away” (英語). dkfz.de. (2023年5月29日) 2023年5月30日閲覧。
- ^ “Harald zur Hausen”. The Gairdner Foundation. 2008年7月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年5月25日閲覧。
- ^ “The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2008”. Nobelprize.org (2008年10月6日). 2008年10月6日閲覧。 2008 Nobel Prize winner "for his discovery of human papilloma viruses causing cervical cancer"
- ^ a b c Cohen, Jon (December 15, 2008). “A Nobel Prize for Overblown Controversy?”. Science Insider (American Association for the Advancement of Science). オリジナルの14 June 2013時点におけるアーカイブ。 27 July 2012閲覧。
- ^ Cohen, J.; Enserink, M. (2008). “HIV, HPV Researchers Honored, but One Scientist is Left Out”. Science 322 (5899): 174–175. doi:10.1126/science.322.5899.174. PMID 18845715.
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 20世紀ドイツの生物学者
- ドイツのウイルス学者
- ドイツの医師
- ドイツのノーベル賞受賞者
- ノーベル生理学・医学賞受賞者
- ガードナー国際賞受賞者
- ロベルト・コッホ賞受賞者
- 国立科学アカデミー・レオポルディーナ会員
- ハイデルベルク科学アカデミー会員
- DDR科学アカデミー会員
- 米国科学アカデミー外国人会員
- アメリカ科学振興協会フェロー
- アメリカ哲学協会外国人会員
- ヨーロッパ・アカデミー会員
- ヨーロッパ科学芸術アカデミー会員
- 欧州分子生物学機構会員
- ハンガリー科学アカデミー会員
- ポーランド科学アカデミー会員
- ドイツ連邦共和国功労勲章受章者
- フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルクの教員
- アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルクの教員
- ユリウス・マクシミリアン大学ヴュルツブルクの教員
- ペンシルベニア大学の教員
- ゲルゼンキルヒェン出身の人物
- 1936年生
- 2023年没