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ドント・レット・ミー・ダウン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビートルズ > 作品リスト > ドント・レット・ミー・ダウン
ビートルズ > 曲名リスト > ドント・レット・ミー・ダウン
ドント・レット・ミー・ダウン
ビートルズ with ビリー・プレストン楽曲
英語名Don't Let Me Down
リリース
  • イギリスの旗 1969年4月11日
  • アメリカ合衆国の旗 1969年5月5日
  • 日本の旗 1969年6月1日
A面ゲット・バック
録音
ジャンル
時間3分35秒
レーベルアップル・レコード
作詞者レノン=マッカートニー
作曲者レノン=マッカートニー
チャート順位
後述を参照
ビートルズ シングル U.K.U.S. 年表
ビートルズ シングル 日本 年表
ビリー・プレストン シングル 年表
  • 神の掟 b/w ホワット・アバウト・ユー
  • (1969年)
パスト・マスターズ Vol.2 収録曲
ゲット・バック
(9)
ドント・レット・ミー・ダウン
(10)
ジョンとヨーコのバラード
(11)
ミュージックビデオ
「Don't Let Me Down」 - YouTube

ドント・レット・ミー・ダウン」(Don't Let Me Down)は、ビートルズの楽曲である。1969年4月にシングル盤『ゲット・バック』のB面曲として発売された。レノン=マッカートニー名義となっているが、ジョン・レノンによって書かれた楽曲。1969年に行なわれたゲット・バック・セッション中にレコーディングされた本作には、ビリー・プレストンエレクトリックピアノで参加しており、シングル盤には「ザ・ビートルズ・ウィズ・ビリー・プレストン」と表記されている[注釈 1][3]

背景・曲の構成

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「ドント・レット・ミー・ダウン」は、レノンが後に妻となるオノ・ヨーコに向けたラブソングとして書いた楽曲[4]ポール・マッカートニーは「ジョンはヨーコと一緒にいて、ヘロイン中毒で偏執病に陥っていて危なかった。興奮したり、笑い出したり、密かに恐怖を感じていたこともあっただろう。『ドント・レット・ミー・ダウン』は、そんなジョンの心の叫びだった。ヨーコにそう言おうとしてたんだね。『ここから抜け出す。弱さをすべてさらけ出す。だから僕をがっかりさせないで』って…泣いて助けを求めていた」と語っている[5]

曲のキーはEメジャーで、ヴァースコーラス、ブリッジは共に4拍子となっているが、ヴァースに移行する際に4分の5拍子に変わる[6]。音楽学者のアラン・ポラック英語版は「ベースリードギターで交互に入るヴァースでオクターブで演奏する対位法のメロディは、ビートルズの作品でよく見られる、斬新なインストゥルメンタルのタッチの1つ」と述べている[7]

レコーディング・リリース

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「ドント・レット・ミー・ダウン」は、1969年に行なわれたゲット・バック・セッション中にレコーディングされ、複数のテイクが存在している。1969年1月28日にレコーディングされたテイクは、同年4月に発売された『ゲット・バック[注釈 2]』のB面曲として発売された[8]。B面曲ながら、Billboard Hot 100で最高位35位を記録した[9]。本作は1969年秋に発売が予定されていたアルバム『ゲット・バック』にも収録される予定となっていたが[10]、同作は発売延期の末に未発表となった。その後フィル・スペクターによって再プロデュースされ、アルバム『レット・イット・ビー』として発売されたが、本作は未収録となった。

1969年1月30日にアップル・レコード本社の屋上で行われたビートルズ最後のライヴ「ルーフトップ・コンサート」では2回演奏され、1回目の演奏が映画『レット・イット・ビー』に収録され[10][11]、2回の演奏と繋ぎ合わせた音源が2003年11月に発売された『レット・イット・ビー...ネイキッド』に収録された[11]。2015年に発売された映像作品『ザ・ビートルズ 1+』に収録されたミュージック・ビデオは、ルーフトップ・コンサートでのライブ映像で構成されているが、音源は『レット・イット・ビー...ネイキッド』収録テイクが使用された[12]

1969年1月28日のテイクは、『ヘイ・ジュード』、『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』、『パスト・マスターズ Vol.2』、『モノ・マスターズ』などのコンピレーション・アルバムにも収録されており、1988年に公開された『イマジン』のサウンドトラック・アルバムにも収録された。

評価

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オールミュージック』のリッチー・アンターバーガー英語版は「ビートルズの最も強力なラブソングの1つ」[13]と評していて、スティーヴン・トマス・アールワインは「胸を締めつけるようなソウル」と評している[1]。ジャーナリストのロイ・カー英語版トニー・タイラー英語版は「苦悩の専門家ジョン・ウィンストン・オノ・レノンによる素晴らしいすすり泣き。今日まで最も過小評価されているビートルズの重要な曲の1つ」と評している[14]

クレジット

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※出典[15]

チャート成績

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チャート (1969年) 最高位
ベルギー (Ultratop 50 Wallonia)[16] 1
US Billboard Hot 100[9] 35
チャート (2021年) 最高位
US LyricFind Global (Billboard)[17] 12

カバー・バージョン

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脚注

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注釈

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  1. ^ プレストンは、ビートルズのレコーディングに参加した多くの演奏者の中で唯一公式にクレジットされたプレイヤーである。
  2. ^ 「ゲット・バック」も、同じく1969年1月28日にレコーディングされた楽曲である。

出典

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  1. ^ a b Erlewine, Stephen Thomas. “Hey Jude - The Beatles | Songs, Reviews, Credits”. AllMusic. All Media Group. 2020年11月24日閲覧。
  2. ^ Kot, Greg (2003年11月17日). “Let it be, Paul”. Chicago Tribune. Tribune Publishing. 2022年2月8日閲覧。
  3. ^ Lewisohn 1996b, p. 172.
  4. ^ Sheff 2000, p. 204.
  5. ^ Miles 1997, pp. 535–536.
  6. ^ Hal Leonard 1993, pp. 220–224.
  7. ^ Pollack, Alan W. “Notes on "Don't Let Me Down"”. 2020年11月24日閲覧。
  8. ^ Lewisohn 1988, p. 168.
  9. ^ a b The Hot 100 Chart”. Billboard (1969年5月24日). 2020年11月24日閲覧。
  10. ^ a b Lewisohn 1988, p. 196.
  11. ^ a b Winn 2009, p. 260.
  12. ^ ビートルズのルーフトップ・ライヴ:バンド最後の公でのパフォーマンス”. uDiscover. UNIVERSAL MUSIC JAPAN (2020年1月30日). 2020年11月26日閲覧。
  13. ^ Unterberger, Richie. “Don't Let Me Down - The Beatles | Song Info”. AllMusic. All Media Group. 2020年11月24日閲覧。
  14. ^ Carr & Tyler 1975, p. 78.
  15. ^ MacDonald 2005, pp. 332–333.
  16. ^ "Ultratop.be – The Beatles with Billy Preston – Don't Let Me Down" (in French). Ultratop 50. 2020年11月24日閲覧。
  17. ^ The Beatles Chart History (LyricFind Global)”. Billboard. 2022年3月12日閲覧。
  18. ^ Unterberger, Richie. Through the Morning, Through the Night - Dillard & Clark | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月24日閲覧。
  19. ^ Marcia Griffiths - Don't Let Me Down / What Happen Man - Harry J - Jamaica”. 45cat. 2020年11月24日閲覧。
  20. ^ Greene, Jo-Ann. Liquidator - Harry J All-Stars | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月24日閲覧。
  21. ^ Hamilton, Andrew. Rough Edges - Ben E. King | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月24日閲覧。
  22. ^ Viglione, Joe. It Looks Like Snow - Phoebe Snow | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月24日閲覧。
  23. ^ 大物日本人アーティストが参加!レノン・トリビュート”. ORICON NEWS. オリコン (2005年9月16日). 2021年2月10日閲覧。
  24. ^ ultratop.be - Ryan Paris - Don't Let Me Down”. ultratop.be. 2020年11月24日閲覧。
  25. ^ Erlewine, Stephen Thomas. To See the Lights - Gene | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月24日閲覧。
  26. ^ I Am Sam (2001) - Soundtracks”. IMDb. Amazon.com. 2020年11月24日閲覧。
  27. ^ Erlewine, Stephen Thomas. Fly on the Wall: B-Sides & Rarities 1991-2000 - Paul Weller | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月24日閲覧。
  28. ^ In the Hills of California - Greg Brown | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月24日閲覧。
  29. ^ Across the Universe (2007) - Soundtracks”. IMDb. Amazon.com. 2020年11月24日閲覧。
  30. ^ ジ・アグロライツ「UNLEASHED LIVE Vol.1」 | SIWI-171”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク. 2020年11月24日閲覧。
  31. ^ 【2014年グラミー特集】ポール・マッカートニー&リンゴ・スター、ザ・ビートルズのトリビュート公演でも共演”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2014年1月29日). 2022年7月6日閲覧。

参考文献

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  • Carr, Roy; Tyler, Tony (1975). The Beatles: An Illustrated Record. New York: Harmony Books. ISBN 0-517-52045-1 
  • Hal Leonard Publishing Corporation, ed (1993). The Beatles - Complete Scores. Milwaukee: Hal Leanord. ISBN 0-7935-1832-6 
  • Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. ISBN 0-517-57066-1 
  • Lewisohn, Mark (1996b). Anthology 3 (booklet). Apple Records.
  • MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). ISBN 1-84413-828-3 
  • Miles, Barry (1997). Paul McCartney: Many Years From Now. New York: Henry Holt and Company. ISBN 0-8050-5249-6. https://archive.org/details/paulmccartneyman00mile 
  • Sheff, David (2000). All We Are Saying: The Last Major Interview with John Lennon and Yoko Ono. New York: St. Martin's Press. ISBN 0-312-25464-4 
  • Winn, John C. (2009). That Magic Feeling: The Beatles' Recorded Legacy, Volume Two, 1966-1970. New York: Three Rivers Press. ISBN 978-0-307-45239-9 

外部リンク

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