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デイヴィッド・スティルウェル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
空軍准将時代のスティルウェル(2014年9月)

デイヴィッド・スティルウェル英語: David R. Stilwell)は、アメリカ合衆国外交官。元軍人

空軍出身者で東アジア勤務経験が豊富であることから、2019年にアメリカ合衆国国務次官補(東アジア・太平洋担当)に抜擢された。韓国語中国語に堪能、中国語での名前は史 達偉(ス・ダウェイ)。日本語はあいさつ程度だが、娘が日本の慶應義塾大学に留学しており親日家とされている[1]

経歴

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日本青森県三沢基地における第35戦闘航空団司令官を務めるスティルウェル大佐
中国北京駐在武官として勤務するスティルウェル准将(2012年)

1980年アメリカ空軍に入隊、1983年まで大韓民国烏山空軍基地で勤務した。米国空軍士官学校で歴史を学び(1987年卒業)、ハワイ大学マノア校アジア学と中国語を学んだ(1988年卒業)[2]。1993年-1995年にはF-16 (戦闘機)パイロットとして群山空軍基地で勤務した。2008年-2010年三沢基地の第35戦闘航空団の司令官に就任。2011年-2013年には、在中華人民共和国大使館の駐在武官を経験。その後、アメリカ国防総省のアジア戦略立案部門の幹部となり、2015年に予備役となっていた[3][4]

2018年10月17日ドナルド・トランプ政権下のアメリカ合衆国国務次官補(東アジア・太平洋担当)に指名。このポストは、前任のスーザン・ソーントン(次官補代行)が2018年7月に退任以降空席であった[5]。2019年3月、アメリカ上院は聴聞会を開催。2019年6月13日、上院は次官補の承認案を可決した。

2019年7月11日-14日、外務次官補として初来日。外務省防衛省国家安全保障会議の担当者ら日米同盟北朝鮮イラク問題について協議。その後フィリピン、韓国、タイを訪問した[6]。韓国では、日韓関係が輸出管理の問題で冷却化が進んでいたこともあり、両国の関係が話題となったと見られているが、日本側からは「(アメリカは)日韓関係を仲介しない」との報道が行われたことに対し、韓国側では「(アメリカは)韓日問題の解決を支援」との報道が行われるなど内容にはズレが見られた[7]

2019年11月、訪韓を前に日本のNHKのインタビューに応じ、「韓国が(日韓秘密軍事情報保護協定破棄を)決定を再考する時間はまだある。韓国にとどまるよう説得を続けたい」と語り、韓国側を説得する意欲を見せた[8]。11月5日-7日のスケジュールで、防衛費の負担金増を求める国務省のキース・クラック国務次官(経済成長・エネルギー・環境担当)、ジェームス・デハート防衛費分担金特別協定交渉首席代表らと訪韓。スティルウェルは、金鉉宗国家安全保障室第2次長などに会い、日韓秘密軍事情報保護協定などの懸案について協議したが、韓国側の見解を覆すには至らなかった[9][10]

脚注

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  1. ^ 「日本に戻れてうれしい」 スティルウェル国務次官補が来日”. iza (2019年7月11日). 2019年7月11日閲覧。
  2. ^ David R. Stilwell - United States Department of State” (英語). アメリカ合衆国国務省. 2019年7月11日閲覧。
  3. ^ 米議会、スティルウェル米国務次官補の指名を承認…朝鮮半島ラインアップが完成”. ハンギョレ (2019年6月15日). 2019年7月11日閲覧。
  4. ^ 米国務次官補、初外国訪問で来日”. 時事通信 (2019年7月11日). 2019年7月11日閲覧。
  5. ^ 米国務次官補に元軍高官・スティルウェル氏を指名”. 産経新聞 (2018年10月18日). 2019年7月11日閲覧。
  6. ^ 米国務次官補「同盟強化を期待」 就任後初来日”. 日本経済新聞 (2019年7月11日). 2019年7月11日閲覧。
  7. ^ 日韓メディア、米国務次官補の発言めぐる報道に「ズレ」”. 2019-07-18レコードチャイナ (2019年7月18日). 2019年8月28日閲覧。
  8. ^ 米国防次官補「韓日関係の緊張は中国と北朝鮮に利益」”. 中央日報 (2019年11月7日). 2019年11月7日閲覧。
  9. ^ 米国務次官補、GSOMIA維持求め遠回しに圧力…青瓦台「見解変わらない」”. 朝鮮日報 (2019年11月7日). 2019年11月7日閲覧。
  10. ^ 米首席代表、分担金に加えホルムズ派兵も韓国に要求”. 朝鮮日報 (2019年11月8日). 2019年11月9日閲覧。