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福岡県第1区

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本の旗福岡県第1区
行政区域 福岡市東区(南東部の一部を除く)・博多区
(2024年1月1日現在)
比例区 九州ブロック
設置年 1994年
2022年区割変更)
選出議員 井上貴博
有権者数 436,572人
1.925 倍(一票の格差鳥取1区との比較)
総務省・2023年9月1日)
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福岡県第1区(ふくおかけんだい1く)は、日本衆議院における選挙区1994年平成6年)の公職選挙法改正で設置。

区域

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現在の区域

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2022年令和4年公職選挙法改正以降の区域は以下のとおりである[1][2][3]。2022年の区割り変更に伴い、東区の一部(多々良第一・多々良第二・八田・青葉第一・青葉第二の各投票区)が4区へ移行した。

2022年以前の区域

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1994年平成6年)公職選挙法改正から2022年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[4][5]

  • 福岡市
    • 東区
    • 博多区

歴史

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福岡県庁博多駅歓楽街中洲福岡空港などを有する、福岡市の中心。福岡市役所のある2区とともに九州の中枢として発展している。

都市選挙区であり、民主党松本龍が民主支持層のみならず、建設業界や自民党地方議員層にまで広がる支持層をしっかりまとめ、小選挙区制導入以後第45回衆議院議員総選挙まで小泉旋風が吹き荒れた郵政解散でも落選の難を逃れて議席を守った[6](自民党候補は選挙区落選で比例復活)。

2012年第46回衆議院議員総選挙では自民党は、当初古賀誠幹事長の秘書だった新開裕司を擁立する予定だったが、安倍晋三総裁の総合的な判断によって、新開は比例九州ブロックに回され、祖父から3代県会議員を務めていた井上貴博を擁立、井上は保守層を中心に幅広い支持を集めて初当選した[7]。松本は前年の東日本大震災の被災地をめぐる発言が問題視され、比例復活もできず落選した。

2014年第47回衆議院議員総選挙では井上と新開との公認争いで自民党内が分裂し、最終的に両者が無所属で出馬した。同選挙では高島宗一郎福岡市長などに支持された井上が新開や民主党元職の山本剛正を抑え再選[8]、自民党の追加公認を受けた[9]。このことによって福岡県は同選挙において小選挙区が10以上ある都道府県のうち唯一自民党が小選挙区の全議席を独占した都道府県となった。

2017年第48回衆議院議員総選挙では新開は不出馬で井上が公認を得た。これにより井上が前回より4万票近く票を伸ばし圧勝。立憲民主党に鞍替えした山本は比例復活もできず落選。また前回から引き続いて福岡県は自民党が小選挙区で全勝している。また前回のこの自民党が公認調整ができなかった選挙区で勝った方を追加公認するやり方がこの選挙において山梨2区埼玉11区岡山3区などで用いられた。

2021年第49回衆議院議員総選挙では山本が日本維新の会に移籍し、立憲民主党は社会保険労務士の坪田晋を擁立したが、井上が前回より2千票程上乗せして4選。坪田は2位であったが、西日本で立憲の支持が広がらなかった影響で落選、山本は3位も12年ぶりに比例復活での当選となった。

2024年第50回衆議院議員総選挙では井上が前回より得票を減らしたものの5選。立憲の丸尾圭祐は2位であったが、比例でも次点で落選、山本は3位で比例復活もならず落選となった。

小選挙区選出議員

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選挙名 当選者 党派
第41回衆議院議員総選挙 1996年 松本龍 民主党
第42回衆議院議員総選挙 2000年 民主党
第43回衆議院議員総選挙 2003年
第44回衆議院議員総選挙 2005年
第45回衆議院議員総選挙 2009年
第46回衆議院議員総選挙 2012年 井上貴博 自由民主党
第47回衆議院議員総選挙 2014年 無所属
第48回衆議院議員総選挙 2017年 自由民主党
第49回衆議院議員総選挙 2021年
第50回衆議院議員総選挙 2024年

選挙結果

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第50回衆議院議員総選挙2024年(令和6年)10月27日 福岡県第1区

時の内閣:石破内閣 解散日:2024年10月9日 公示日:2024年10月15日
当日有権者数:44万719人 最終投票率:46.98%(前回比:減少0.58%) (全国投票率:53.85%(減少2.08%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
井上貴博62自由民主党70,408票
35.18%
――公明党推薦
丸尾圭祐42立憲民主党55,343票
27.65%
78.60%
山本剛正52日本維新の会34,346票
17.16%
48.78%
緒方貴恵40参政党18,872票
9.43%
26.80%
綿貫英彦58日本共産党13,107票
6.55%
18.62%
村田峻一32社会民主党8,067票
4.03%
11.46%
第49回衆議院議員総選挙2021年(令和3年)10月31日 福岡県第1区

時の内閣:第1次岸田内閣 解散日:2021年10月14日 公示日:2021年10月19日
当日有権者数:45万3215人 最終投票率:47.56%(前回比:減少0.36%) (全国投票率:55.93%(増加2.25%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
井上貴博59自由民主党99,430票
47.51%
――公明党推薦
坪田晋37立憲民主党53,755票
25.69%
54.06%
比当山本剛正49日本維新の会37,604票
17.97%
37.82%
木村拓史35日本共産党18,487票
8.83%
18.59%
第48回衆議院議員総選挙2017年(平成29年)10月22日 福岡県第1区

時の内閣:第3次安倍第3次改造内閣 解散日:2017年9月28日 公示日:2017年10月10日
当日有権者数:43万3508人 最終投票率:47.92%(前回比:増加4.74%) (全国投票率:53.68%(増加1.02%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
井上貴博55自由民主党97,777票
49.17%
――
山本剛正45立憲民主党51,063票
25.68%
52.22%
石井英俊41希望の党35,870票
18.04%
36.69%
立川孝彦66日本共産党14,158票
7.12%
14.48%
第47回衆議院議員総選挙2014年(平成26年)12月14日 福岡県第1区

時の内閣:第2次安倍改造内閣 解散日:2014年11月21日 公示日:2014年12月2日
当日有権者数:40万7501人 最終投票率:43.18%(前回比:減少9.37%) (全国投票率:52.66%(減少6.66%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
井上貴博52無所属59,712票
36.34%
――×
山本剛正42民主党42,960票
26.15%
71.95%
新開裕司46無所属31,087票
18.92%
52.06%×
比江嶋俊和67日本共産党18,906票
11.51%
31.66%
金出公子67無所属6,764票
4.12%
11.33%×
明石健太郎42みらい党4,883票
2.97%
8.18%
  • 井上は当選後に自由民主党の追加公認を受ける。
  • 新開は2023年の福岡市議会議員選挙に参政党公認で立候補し当選。
第46回衆議院議員総選挙2012年(平成24年)12月16日 福岡県第1区

時の内閣:野田第3次改造内閣 解散日:2012年11月16日 公示日:2012年12月4日 最終投票率:52.55% (全国投票率:59.32%(減少9.96%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
井上貴博50自由民主党96,706票
48.33%
――
竹内今日生38みんなの党45,014票
22.50%
46.55%日本維新の会推薦
松本龍61民主党36,632票
18.31%
37.88%国民新党推薦
比江嶋俊和65日本共産党15,992票
7.99%
16.54%
犬丸勝子57無所属5,762票
2.88%
5.96%×
第45回衆議院議員総選挙2009年(平成21年)8月30日 福岡県第1区

時の内閣:麻生内閣 解散日:2009年7月21日 公示日:2009年8月18日 (全国投票率:69.28%(増加1.77%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
松本龍58民主党123,441票
52.78%
――
遠藤宣彦46自由民主党88,648票
37.90%
71.81%
内田裕53日本共産党18,046票
7.72%
14.62%
宮崎道秀51幸福実現党3,753票
1.60%
3.04%
  • 遠藤は第46回で千葉6区から立候補するも、落選(日本維新の会)。
第44回衆議院議員総選挙2005年(平成17年)9月11日 福岡県第1区

時の内閣:第2次小泉改造内閣 解散日:2005年8月8日 公示日:2005年8月30日 (全国投票率:67.51%(増加7.65%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
松本龍54民主党99,939票
47.27%
――
比当遠藤宣彦42自由民主党92,891票
43.93%
92.95%
橋本英一57日本共産党18,611票
8.80%
18.62%
第43回衆議院議員総選挙2003年(平成15年)11月9日 福岡県第1区

時の内閣:第1次小泉第2次改造内閣 解散日:2003年10月10日 公示日:2003年10月28日 (全国投票率:59.86%(減少2.63%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
松本龍52民主党92,969票
54.56%
――
富永泰輔28自由民主党53,611票
31.46%
57.67%
大島久代47日本共産党15,940票
9.35%
17.15%
藤本豊52無所属4,179票
2.45%
4.50%×
伊藤育子67無所属3,711票
2.18%
3.99%×
第42回衆議院議員総選挙2000年(平成12年)6月25日 福岡県第1区

時の内閣:第1次森内閣 解散日:2000年6月2日 公示日:2000年6月13日 (全国投票率:62.49%(増加2.84%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
松本龍49民主党82,241票
46.33%
――
西田藤二48自由民主党68,483票
38.58%
83.27%
大賀サワ子56日本共産党19,690票
11.09%
23.94%
石田美香34自由連合7,101票
4.00%
8.63%
第41回衆議院議員総選挙1996年(平成8年)10月20日 福岡県第1区

時の内閣:第1次橋本内閣 解散日:1996年9月27日 公示日:1996年10月8日 (全国投票率:59.65%(減少8.11%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
松本龍45民主党74,537票
46.66%
――
西田藤二45自由民主党56,748票
35.52%
76.13%
大賀サワ子52日本共産党21,839票
13.67%
29.30%
山口実47日本新進党[注 1]6,629票
4.15%
8.89%

脚注

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注釈

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  1. ^ 新進党とは別の政治団体

出典

[編集]
  1. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第210回国会 制定法律の一覧 >公職選挙法の一部を改正する法律 法律第八十九号(令四・一一・二八)”. 衆議院 (2022年11月28日). 2023年2月23日閲覧。住居表示などにより変更する可能性がある。
  2. ^ 福岡県”. 総務省. 2023年1月10日閲覧。
  3. ^ 区割り変更地図_福岡県福岡市”. 総務省. 2023年1月10日閲覧。
  4. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第131回国会 制定法律の一覧 >法律第百四号(平六・一一・二五)”. 衆議院 (1994年11月25日). 2021年10月3日閲覧。地名は1994年(平成6年)当時のものである。
  5. ^ 福岡県”. 総務省. 2021年10月3日閲覧。
  6. ^ 【建設】松本龍氏落選の衝撃~建設業界の変化に左右された福岡1区”. ネットアイビーニュース (2012年12月20日). 2015年5月24日閲覧。
  7. ^ 衆院選・福岡1区 民主牙城を崩した井上貴博氏(自・新)「厳しい戦いだった」”. ネットアイビーニュース (2012年12月17日). 2015年5月24日閲覧。
  8. ^ 【福岡1区】井上貴博氏が保守分裂を制す”. ネットアイビーニュース (2014年12月15日). 2015年5月24日閲覧。
  9. ^ 福岡1区“仁義なき戦い”自民分裂選で井上氏が勝利 産経新聞 2014年12月14日

関連項目

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