激写
『激写』(げきしゃ)は、写真家・篠山紀信が女性たちをモデルに撮影したグラビア写真シリーズに冠されたタイトルである。
概要
[編集]『激写』シリーズは、雑誌『GORO』(小学館)に連載された。「激写」と名づけられた最初のグラビアは、『GORO』の創刊1周年にあたる1975年5月22日号(通巻第24号)に掲載された山口百恵のグラビアである。
素人女性モデルのヌード写真や、当時の人気歌手山口百恵、岩崎宏美、南沙織(のち篠山夫人となる)、女優水沢アキらの写真が人気を集めた。
1975年には、『激写』シリーズの作品を集めた写真集『激写・135人の女ともだち』(小学館)が刊行され、70万部を超えるベストセラーとなった。また、『別冊BIG GORO 激写』という篠山が全撮影を行った大判の個人誌も発行されている。さらに、1979年には、『NHK特集』で山口百恵の多数のスチル写真で構成された番組、『激写・山口百恵』が放映された。1982年からは『激写文庫』が刊行されている。当時、流行語となり、例えば「激安」のように「激〜」という造語が多く造られた。
なお、「激写」は、小学館により、写真集などについて商標登録されている(商標登録第1480595号、商標登録第2690769号)。
激写関連写真集等
[編集]激写文庫(旧)
[編集]B6判変型(文庫版より若干大きい判型)。
- 石井めぐみ そっと (1982.5)
- 川島なお美 わたし (1982.5)
- 川村ひとみ ようこそ (1982.5)
- 木村理恵 いつのまに (1982.5)
- 杉田かおる ひとり (1982.5)
- 西島玲子 じゃ、また (1982.5)
- 浜田朱里 わらって (1982.5)
- 吉川とも子 バンビ (1982.5)
激写文庫(新)
[編集]文庫判。26~30には連続した番号が振られているが、タイトルは「新・激写文庫」となっている。
- 水沢アキの情熱 (1986.3)
- 山口百恵の時代から (1986.3) 山口百恵・田中こずえ・中村久美・沢木陽子・中村れい子他
- 10人の10代物語 (1986.3) 洞口依子・佐藤留美他
- 松本小雪という不思議少女 (1986.3)
- わたしの部屋みせてあげる (1986.3) 松本朗子・長谷川しおり他
- 感謝状8人のアイドル様 (1986.5) 川島なお美・石野真子・宮崎美子他
- 休日の少女たち (1986.5) 村山くみ子・杉本まり子・秋山ゆかり他
- 女優の秘密 (1986.5) 川上麻衣子・倍賞美津子・賀田裕子他
- 恋人ごっこ (1986.5) 愛&愛子・紀子&裕子他
- いさ子の夏奈津子の冬 (1986.5) 鷲尾いさ子・山本奈津子
- 樋口可南子・贅沢な時間 (1986.10)
- 旅をしましょう、いっしょに (1986.10) 小沢真美子・久保田礼子他
- 3つの密室 (1986.10) 秋元ともみ・篁友紀子・杉田かおり
- シシリーの風-カリフォルニアの太陽 (1986.10) 沢田和美・森下愛子
- Tokyo 7 girls (1986.10) 柳沢淑子・西尾めぐみ他
- 明日嵐がくる (1989.1) 名取裕子
- メガロポリス・トーキョー (1989.1) 高樹沙耶
- 8年が過ぎた (1989.1) 洞口依子
- 亜熱帯 (1989.1) 青山知可子
- 雪がやんで泣いた (1989.1) 寺田まなみ
- レイコ&麗奈 (1991.5) 葉山レイコ・村上麗奈
- 20歳の光と影 (1991.5) 山本京子・椎名はるか
- あれ以前それ以前 (1991.5) 盛本真理子・かいはるみ・穂高奈々
- 充分な青春 (1991.5) 大野由里子・川副優子・山崎由香子
- 5 queens (1991.5) 沢田夏子・西部裕子他
- はじまりの春、おわりの冬 (1994.1) 西奈真里
- 鷲尾いさ子 CIAO! (1994.1)
- 今日のために生まれた (1994.1) 河合みわこ・神菜萌子他
- 美しい悪戯 (1994.1) 氷室由季・飯村いづみ・荒井晶子
- 三人関係 (1994.1) 真田一未・花梨奈・矢島知香
その他写真集
[編集]- 激写・135人の女ともだち (1979年 小学館)
- FIFTEEN'S (1988年 小学館) 小原靖子(相原勇)、洞口依子他
- 5 QueenS 激写15周年記念 GORO SPECIAL MOOK (1990年 小学館) 山口芳美、沢田夏子他
- 激写2000 (2000年 小学館) 美崎涼香(秋菜里子)、葵みのり、武田和季他
DVD
[編集]激写QUEENコンテスト
[編集]1989年、『GORO』の創刊15周年記念企画として、激写QUEENコンテストが行われた。激写のモデルを一般公募するのは、14年の激写の歴史上初めてのことであった。
1989年5月11日号(No.10)で募集を告知。2,544名の応募者から20名の最終ノミネートを選出し、9月14日号(No.18)から10月12日号(No.20)の3号にわたり読者投票を実施。最終的には、篠山紀信、長友啓典、編集長の3名の審査委員により、以下の受賞者が決定された[1]。
病気療養を理由に活動しなかった有沢を除き、受賞者は『GORO』の激写に登場したほか、翌1990年には激写15周年を記念して、受賞者5名の写真集『5 QueenS』が出版された。
脚注
[編集]- ^ 5 QueenS 激写15周年記念 GORO SPECIAL MOOK (1990年 小学館)