徳川家康 (松本清張)
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徳川家康 | |
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作者 | 松本清張 |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 伝記 |
発表形態 | 書き下ろし |
刊本情報 | |
出版元 | 大日本雄弁会講談社 |
出版年月日 | 1955年4月25日 |
装幀 | 梁川剛一 |
口絵 | 木下二介 |
挿絵 | 木下二介 |
総ページ数 | 275 |
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『徳川家康』(とくがわいえやす)は、松本清張による伝記。徳川家康の生涯を、少年少女向けに書き下ろした著作である。1955年4月、大日本雄辯会講談社より『世界伝記全集』の1冊として刊行された。
主な登場人物
[編集]- 徳川家康
- 主人公。三河の国の一部分をおさめる小さな大名、松平広忠の子として生まれる。おさないときの名は竹千代。
- 今川義元
- 駿河・遠江・東三河の3カ国にまたがる領土をもった大名。
- 鳥居元忠
- 竹千代より三つ年上で、岡崎からつれていった家来。
- 織田信長
- ばか殿さまのうわさがあったが、尾張の国を平定し勢いさかんな大名。
- 武田信玄
- 甲斐をおさめ、その兵は精鋭無比、兵法軍略はその右に出る者がないと言われる大名。
- 豊臣秀吉
- 信長のかたきの明智光秀をだれよりも早く討ち、信長のあとつぎのような実力をもった百姓出身の男。
- 石田三成
- 秀吉の気に入りで出世し、秀吉の死んだあと、家康をたおさねばならぬと思うようになる。
- 真田幸村
- 信州上田の城主であった真田昌幸の子で、大坂夏の陣では大坂方につく。
構成
[編集]講談社版(火の鳥伝記文庫を含む)と角川文庫版の2種類が、著者生前から刊行され、異なる章立てを持っている。
- 講談社版では、大きく3章で構成、細かく節が立てられ、すべての漢字にふりがなが付されている[1]。著者自身による解説が付されている。
1 春を待つ芽
- 戦国の子
- 敵の手に
- 苦労
- 成人
- 独立
- 信長の手
2 戦旗
- 信玄
- 鉄砲
- 信康
- 信長の死
- 小牧山
- 長久手
- 和平の動き
- 対面
- 小田原城
- 江戸と京
- 次の者
- 風雲
- 関ヶ原へ
- 雨と霧と旗
- 戦いのあと
3 完成への道
- 世界の窓
- 江戸つくり
- 秀頼母子
- 鐘
- 冬の陣
- 夏の陣
- その後
- 学問
- 知足
- たいの天ぷら
- その死
- 角川文庫版は、以下のように章立てが変更され、ふりがなの省略が行われている。
- 戦国の子
- 成人
- 武田信玄
- 信長の死
- 和平
- 江戸と京
- 雨と霧と旗
- 江戸つくり
- 秀頼母子
- 風雲
- 学問
- その死
書誌情報
[編集]- 講談社版
- 大日本雄辯会講談社『徳川家康』(世界伝記全集 19)1955年4月25日発売、装幀 梁川剛一、函絵・口絵・さしえ 木下二介
- 火の鳥伝記文庫『徳川家康』1982年9月30日発売、ISBN 978-4061475229 カバー絵 柳柊二、表紙絵・さし絵 木俣清史
- 講談社『徳川家康』(少年少女伝記文学館 9)1988年2月1日発売、ISBN 978-4061946095 さしえ 稲木皓人
- 火の鳥伝記文庫『徳川家康 新装版』2017年10月19日発売、ISBN 978-4061499140 カバー絵 寺田克也、さし絵 八多友哉
- 角川文庫版
- 『徳川家康』1964年1月20日発売、ISBN 978-4041227114
- 『徳川家康 新装版』2022年10月24日発売、ISBN 978-4041123362
エピソード
[編集]- 著者は家康の功績について本文中で「戦国乱世をしずめて、250年太平の基をきずいたのは功労である。江戸の町を開いたことも、手柄のひとつであろう」[2]と述べ、また講談社版掲載の自作解説で「家康がつくったのは、組織であった。徳川幕府が260年あまりもつづいたのは、組織制度の力であった。そのことを考えついた家康の頭脳には、他の戦国名将のだれもが足もとにもおよばない」と記している[3]。日本近世史学者の大石学は、児童向けでありながら、清張の人物論と歴史観がクリアに記されていると評している[4]。
- 1992年に韓国語訳『松本清張의德川家康』が出版された。後藤長男の漫画が挿入されているが、集英社版の学習漫画『世界の伝記』シリーズ『徳川家康』(1989年刊行)の後藤による漫画が流用されている[5]。
脚注・出典
[編集]- ^ 表記については初刊以後、漢字からひらがなに改めた箇所とひらがなから漢字に改めた箇所の両方がある。
- ^ 「その死」の節。
- ^ 大日本雄辯会講談社版ではまえがき「この伝記を読む人に」。火の鳥伝記文庫版では「江戸260余年の基礎をきずいた家康」。
- ^ “大石学 松本清張歴史・時代小説考 -歴史学・時代考証からのアプローチ” (PDF). 北九州市立松本清張記念館 (2016年3月). 2023年2月5日閲覧。
- ^ “松本清張の韓国における翻訳現況と特徴” (PDF). 北九州市立松本清張記念館 (2020年3月31日). 2023年2月5日閲覧。