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単層

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ペルーに所在する約1億4000万年前の頁岩層。

単層(たんそう、bed、layer、stratum[1]:135)は、地層の最小単元である。反対に表現すると、多くの単層が積み重なったものが地層となる[2]:126

日本語で「単層」と呼称されるものは、英語では異なる意味合いを持つ語を示すことがある。「bed」はチャールズ・ライエルが、著書「地質学原理英語版」第4版にて、堆積岩による層のことを指している[3]:89。「layer」は薄い「bed」、もしくは層理によって区別される「bed」の部分のことを指す[3]:89-90。また「stratum」は性質が同様な岩石による板状の物を指す[3]:90

これを形成する粒子の性質から、一つの堆積過程によって形成されたと考えられる単元のこと[注釈 1]を指す[4]:3。これらが集積すると(もしくは累層)となる[4]:2。また、堆積物を記載する際において、同じような性質の単層をまとめて単層群(cosets、bedsets)といい、これが同一の環境を示す堆積相となる[5]:75

平山 & 鈴木 (1968)によると、単層それぞれの研究と地層の研究とを対照させることによって、精度の高い堆積構造などの研究を行うことが可能である[6]:59

層理などとの関係

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層理: bedding)や葉理: lamination)と単層は密接な関係があるが、それらとは異なる。なお、ここで指す「層理」や「葉理」は成層構造: stratification)をなす(単層ではない)層や状態のことである。また地層を構成する(単層ではない)それぞれの層自体のことも「層理」(bed、beds)や「葉理」(lamina、laminae)と呼称することがある[5]:72

例えば斜交葉理は単層内部にある[7]:45

脚注

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注釈

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  1. ^ 単層の例として、平 (2004, p. 3)においては、層厚が30 cmの砂岩層が一度の堆積によって形成された場合を挙げている。

出典

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  1. ^ 日本地質学会 編『地質学用語集』共立出版、2004年9月。ISBN 978-4-320-04643-6NCID BA68979936OCLC 76914697OL 31850919M 国立国会図書館書誌ID:000007496141 全国書誌番号:20681658 
  2. ^ 天野一男、秋山雅彦 著、日本地質学会フィールドジオロジー刊行委員会 編『フィールドジオロジー入門』 1巻、共立出版〈フィールドジオロジー〉、2004年。ISBN 978-4-320-04681-8NCID BA66873107OCLC 61181118OL 30402958M 国立国会図書館書誌ID:000007329920 全国書誌番号:20585031 
  3. ^ a b c 鈴木淑夫『岩石学辞典』朝倉書店、2005年3月20日。ISBN 978-4-254-16246-2NCID BA71383832OCLC 676398314OL 31671122M LCCN 2005-442243 国立国会図書館書誌ID:000007687072 全国書誌番号:20767683 
  4. ^ a b 平朝彦『地層の解読』 2巻、岩波書店〈地質学〉、2004年7月。ISBN 4-00-006241-7NCID BA68101069OCLC 169956808国立国会図書館書誌ID:000007442541 全国書誌番号:20662351 
  5. ^ a b 加藤碵一、脇田浩二、今井登、遠藤祐二、村上裕『地質学ハンドブック』朝倉書店、2011年。ISBN 978-4-254-16270-7NCID BB06950397OCLC 763083068国立国会図書館書誌ID:0000112444469 全国書誌番号:21967075 
  6. ^ 平山次郎、鈴木尉元「単層の解析:その実際と堆積学的意義について」『地球科学』第22巻第2号、地学団体研究会、1968年、43-62b、doi:10.15080/agcjchikyukagaku.22.2_43ISSN 0366-6611NAID 110007089756国立国会図書館書誌ID:8295986 
  7. ^ 神奈川県立生命の星・地球博物館 編『岩石・鉱物・地層』 1巻(新版)、有隣堂、横浜〈かながわの自然図鑑〉、2016年3月。ISBN 978-4-896-60221-0NCID BB20973621OCLC 985974798OL 30692387M 国立国会図書館書誌ID:027092645 全国書誌番号:22696825 

関連項目

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  • 層序学
  • 層序単元
  • 層理 - : bedding
    • 級化層理 - 下から上に向かって砕屑物が細粒化する構造のこと。
    • 斜交層理 - 規模によっては斜交葉理とも呼ばれる、層理面と斜めに交わっている構造のこと。
  • 葉理 - : lamination
  • 地層 - : strata。層状の重なり・岩体のこと。
  • 鍵層
  • 地質調査 - 地質を調査すること。
    • 地質図 - 地質構造を表現した図のこと。
    • 走向 - 層理面(地層面)とその水平面が交わることで形成される線のこと。
    • 傾斜 - 走向に対して直交した向きの傾き。

外部リンク

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