Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

コンテンツにスキップ

九鬼巧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
九鬼 巧 Portal:陸上競技
選手情報
フルネーム くき たくみ
ラテン文字 Takumi Kuki
国籍 日本の旗 日本
競技 陸上競技 (短距離走)
種目 100m
所属 NTN陸上競技部
大学 早稲田大学
生年月日 (1992-05-18) 1992年5月18日(32歳)
出身地 和歌山県有田市
身長 170cm
体重 67kg
成績
地域大会決勝 東アジア大会
4x100mR 2位 (2009年)
国内大会決勝 日本選手権
100m 2位 (2012年)
4x100mR 優勝 (2012, 2013年)
自己ベスト
60m 6秒72 (2011年)
100m 10秒19 (2013年)
200m 21秒21 (2012年)
400m 50秒28 (2014年)
獲得メダル
陸上競技
日本の旗 日本
東アジア大会
2009 香港 4x100mR
世界ユース選手権
2009 ブレッサノーネ メドレーR
編集 テンプレートのヘルプを表示する

九鬼 巧(くき たくみ、1992年5月18日 - )は、和歌山県有田市出身の陸上競技選手。専門は短距離走100mの自己ベストは日本学生歴代9位タイの10秒19。2012年ロンドンオリンピック男子4×100mリレー日本代表である。

経歴

[編集]

和歌山県有田市出身。A型。有田市立宮原小学校、有田市立文成中学校、和歌山県立和歌山北高等学校早稲田大学(スポーツ科学部)卒業。NTN所属。

小・中学生時代

[編集]

地元の陸上クラブ「紀の国ジュニアアスリートクラブ」(現・紀の国アスリートクラブ)に入り[1]、小学5,6年時に4×100mリレーのメンバーとして全国小学生陸上に出場した。

有田市立文成中学校の3年時に全日本中学校選手権100mで8位入賞、日本ジュニア室内大阪60m(中学)では初の日本一に輝いている。

高校生時代

[編集]

2008年

[編集]

4月、和歌山県立和歌山北高等学校に進学。1年時には、インターハイ県大会100mにおいて自身初の10秒台となる10秒98(-0.9)をマークするも、近畿大会の準決勝で敗退し、個人種目でのインターハイ出場を逃した[2]

2009年

[編集]

6月のインターハイ近畿大会100m決勝において2009年ユース世界最高記録となる10秒34(+1.9)をマーク[3]。7月に世界ユース選手権100mで6位入賞、スウェーデンリレーで日本ユースチーム(九鬼-山縣亮太-茅田昴-籾木勝吾)の1走を務めて銅メダルを獲得した。7-8月のインターハイでは100mを制して初の高校王者に輝き、10月の日本ユース選手権100mも制して高校2冠を達成。。12月には東アジア大会4×100mリレーの日本代表に高校生ながら選出され、日本チーム(九鬼-木村慎太郎藤光謙司-荒尾将吾)の1走を務めて銀メダルを獲得した[4]

2010年

[編集]

7月の世界ジュニア選手権100mで準決勝敗退、4×100mリレーでは日本ジュニアチーム(九鬼-女部田亮-木村淳-飯塚翔太)の1走を務めて4位入賞を果たした。同月のインターハイ100mを昨年に続いて制し、25年ぶり5人目の2連覇を達成した[5][注 1]

大学生時代

[編集]

2011年

[編集]

4月、早稲田大学スポーツ科学部に進学。大学1年時に関東インカレ100mで山縣亮太と共に1年生で決勝に進出したが、結果は4位に終わった(山縣は2位)。

2012年

[編集]

4月の織田記念国際100m予選で高校2年時にマークした10秒34を更新する10秒25(+2.0)の自己ベスト(当時)をマーク。6月の日本選手権100m予選では10秒23の自己ベスト(当時)をマークし、ロンドンオリンピックのB標準(10秒24)も突破して決勝に進出したが、決勝では優勝した江里口匡史と0秒01差の2位に終わった。この結果を受けて8月のロンドンオリンピック4×100mリレーの日本代表に選ばれたが、補欠として本大会は出番なしに終わった。

2013年

[編集]

9月の日本インカレ100m準決勝を日本歴代10位タイ(当時)の記録となる10秒19(+0.3)で通過。決勝はタイムを落としたものの10秒33で制し、自身初となる個人種目の大学タイトルを獲得した[6]

2014年

[編集]

10月12日に行われた所沢市選手権では競技人生初となる400mを走り[7]、50秒28をマークした[8]

社会人時代

[編集]

2015年

[編集]

4月、NTNに入社[9]

人物・エピソード

[編集]
  • 有田みかんの産地として有名な和歌山県有田市出身で、実家はみかん農園を経営している[2]
  • 陸上は小学4年時に3つ上の兄の影響で始める[10]。兄は筑波大学大学院を卒業した短距離走選手で、スポーツ選手のスプリントコーチなどを務めている。2011年日本インカレ100mで4位入賞の実績を持ち、自己ベストは10秒45[11]。兄弟で国民体育大会4×100mリレーに和歌山県代表として出場、日本インカレ100mなどで兄弟対決が実現している。
  • 小学生の時は野球もやっており、少年野球クラブでは三塁を守っていた[1]。しかし中学入学と同時に野球との掛け持ちをやめて陸上に専念した[12]
  • 目標・憧れの選手は100m元世界記録保持者であるモーリス・グリーン[13]
  • 高校2年時のインターハイ100mは、10秒34という出場選手中トップの持ちタイムで出場したが、自分でもこのタイムはまぐれだと思っていたのでプレッシャーはなかったという。しかし、インターハイ王者として臨んだ国民体育大会100mはプレッシャーがあり、決勝前には帰りたくなったという[2]
  • 九鬼水軍九鬼氏)の末裔」と報じられている[14][リンク切れ]

自己ベスト

[編集]

記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 大会 備考
屋外
100m 10秒19 (+0.3) 2013年9月6日 日本の旗 東京都 日本インカレ 日本学生歴代9位タイ
200m 21秒21 (+1.8) 2012年4月20日 アメリカ合衆国の旗 ウォルナット マウント・サック・リレー
400m 50秒28 2014年10月12日 日本の旗 所沢市 所沢市選手権
室内
60m 6秒72 2011年2月5日 日本の旗 大阪市 日本ジュニア室内大阪

主要大会成績

[編集]

備考欄の記録は当時のもの

国際大会

[編集]
大会 場所 種目 結果 記録 備考
2009 (高2) 世界ユース選手権 イタリアの旗 ブレッサノーネ 100m 6位 10秒88 (-1.2)
メドレーR 3位 1分52秒82 (1走)
日韓中ジュニア交流競技会 大韓民国の旗 木浦 100m 3位 11秒05 (-0.7)
4x100mR 2位 41秒19 (1走)
100m 3位 11秒10 (-2.7)
4x100mR 2位 41秒11 (1走)
東アジア大会 (en 香港の旗 香港 4x100mR 2位 39秒40 (1走)
2010 (高2) 日中ジュニア室内 日本の旗 大阪 60m 2位 6秒79
2010 (高3) 世界ジュニア選手権 カナダの旗 モンクトン 100m 準決勝 10秒71 (+2.6)
4x100mR 4位 39秒89 (1走)
2011 (高3) 3カ国ジュニア室内 日本の旗 大阪 60m 優勝 6秒74
2014 (大4) 日中韓3カ国交流陸上 中華人民共和国の旗 金華 4x100mR 3位 40秒72 (3走)
2017 (社3) アジア選手権 (en インドの旗 ブバネーシュワル 100m 準決勝 10秒54 (+1.4)
デカネーション フランスの旗 アンジェ 100m 6位 10秒78 (+0.5)
2018 (社4) 日中韓3カ国交流陸上 日本の旗 札幌 100m 優勝 10秒51 (+2.3)
4x100mR 優勝 39秒42 (1走)

日本選手権

[編集]

4x100mRは日本選手権リレーの成績

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2011 (大1) 日本選手権 横浜市 4x100mR 4位 40秒16 (1走)
2012 (大2) 日本選手権 大阪市 100m 2位 10秒30 (0.0)
横浜市 4x100mR 優勝 39秒53 (1走)
2013 (大3) 日本選手権 調布市 100m 7位 10秒36 (+0.7)
横浜市 4x100mR 優勝 39秒40 (2走)
2014 (大4) 日本選手権 福島市 100m 8位 10秒38 (+0.6)
横浜市 4x100mR 2位 39秒02 (2走)
2015 (社1) 日本選手権 新潟市 100m 準決勝 10秒75 (-1.4)
2016 (社2) 日本選手権 名古屋市 100m 8位 10秒53 (-0.3)
2017 (社3) 日本選手権 大阪市 100m 8位 10秒45 (+0.6)
2018 (社4) 日本選手権 山口市 100m 8位 10秒44 (+0.6)

その他

[編集]
大会 場所 種目 結果 記録 備考
2003 (小5) 全国小学生陸上 東京都 4x100mR 予選 54秒52 (3走)
交流 54秒72 (3走)
2004 (小6) 全国小学生陸上 東京都 4x100mR 予選 54秒40 (2走)
交流 54秒84 (2走)
2007 (中3) 全日本中学校選手権 利府町 100m 8位 11秒35 (-1.7)
国民体育大会 秋田市 200m 予選 23秒58 (0.0)
4x100mR 予選 41秒63 (1走)
2008 (中3) 日本ジュニア室内大阪 大阪市 60m 優勝 6秒97
2008 (高1) インターハイ 熊谷市 4x100mR 準決勝 41秒73 (2走)
国民体育大会 大分市 100m 6位 10秒93 (+0.7)
2009 (高1) 日本ジュニア室内大阪 大阪市 60m 2位 6秒93
2009 (高2) インターハイ 奈良市 100m 優勝 10秒44 (+1.1) 10年ぶりの2年生優勝[注 2]
4x100mR 準決勝 41秒92 (2走)
国民体育大会 新潟市 100m 2位 10秒44 (0.0)
日本ユース選手権 甲府市 100m 優勝 10秒54 (-0.1) 大会記録
200m 2位 21秒74 (-0.8) 同着
4x100mR 8位 42秒52 (2走)
2010 (高3) 織田記念 広島市 100m B決勝5位 10秒58 (+1.6)
インターハイ 沖縄市 100m 優勝 10秒66 (-2.1) 25年ぶり史上5人目の2連覇
200m 予選 22秒25 (-1.1)
4x100mR 準決勝 41秒67 (2走)
国民体育大会 千葉市 100m 2位 10秒47 (0.0)
4x100mR 準決勝 40秒97 (2走)
2011 (高3) 日本ジュニア室内大阪 大阪市 60m 2位 6秒72
2011 (大1) ゴールデングランプリ川崎 川崎市 4x100mR 4位 39秒48 (1走)
関東インカレ (1部) 東京都 100m 4位 10秒67 (-2.6)
4x100mR 3位 39秒78 (1走)
日本学生個人選手権 平塚市 100m 5位 10秒52 (+0.4)
200m 準決勝 21秒69 (+1.5)
サマー・ゲームス 東京都 100m 7位 10秒62 (+2.0)
4x100mR 5位 40秒50 (2走)
日本インカレ 熊本市 100m 準決勝 10秒58 (-0.9)
4x100mR 8位 40秒17 (1走)
国民体育大会 山口市 100m 予選 10秒94 (-1.4)
4x100mR 予選 41秒47 (2走)
2012 (大2) 織田記念 広島市 100m 5位 10秒42 (0.0)
ゴールデングランプリ川崎 川崎市 100m 8位 10秒37 (+2.9)
関東インカレ (1部) 東京都 100m 2位 10秒50 (-1.2)
4x100mR 優勝 39秒62 (2走)
日本インカレ 東京都 100m 4位 10秒75 (-2.9)
4x100mR 優勝 39秒19 (2走)
国民体育大会 岐阜市 100m 4位 10秒40 (+0.6)
4x100mR 予選 41秒61 (2走)
2013 (大3) 織田記念 広島市 100m 予選 10秒54 (+0.1)
関東インカレ (1部) 東京都
横浜市
100m 7位 10秒69 (-1.4)
4x100mR 2位 38秒81 (2走)
布勢スプリント 鳥取市 100m 決勝 10秒55 (-0.4)
トワイライト・ゲームス 東京都 100m 6位 10秒50 (+0.1)
日本インカレ 東京都 100m 優勝 10秒33 (+0.5) 準決勝10秒19 (+0.3):日本歴代10位タイ
4x100mR 2位 39秒11 (2走)
国民体育大会 調布市 100m 6位 10秒58 (-1.7)
4x100mR 予選 41秒46 (2走)
実業団・学生対抗 平塚市 100m 3位 10秒45 (+2.9)
メドレーR 優勝 1分52秒38 (2走)
2014 (大4) 織田記念 広島市 100m 2位 10秒25 (+0.7)
関東インカレ (1部) 熊谷市 100m 4位 10秒30 (+1.6)
4x100mR 予選 DQ (2走) オーバーゾーン (1-2走)
布勢スプリント 鳥取市 100m 6位 10秒44 (+1.8)
Spitzen Leichtathletik ルツェルン 100m 決勝 10秒65 (-0.8)
ナイトオブアスレチックス ヒュースデン
=ゾルダー
100m 7位 10秒54 (+0.4)
日本インカレ 東京都 100m 3位 10秒38 (-0.4)
4x100mR 2位 39秒10 (2走)
国民体育大会 諫早市 100m 予選 10秒63 (-0.2)
4x100mR 準決勝 40秒30 (2走)
2015 (社1) 織田記念 広島市 100m B決勝 DNS 予選10秒59 (-0.1)
国民体育大会 和歌山市 100m 7位 10秒51 (-1.1)
4x100mR 準決勝 40秒99 (2走)
布勢スプリント 鳥取市 100m 3位 10秒44 (+0.3)
エコパトラックゲームズ 袋井市 100m 3位 10秒45 (+0.2)
2016 (社2) 布勢スプリント 鳥取市 100m 8位 10秒42 (-0.5)
オールスターナイト陸上 平塚市 100m 4位 10秒33 (+2.6)
メドレーR 2位 1分51秒37 (2走)
全日本実業団選手権 大阪市 100m 6位 10秒54 (+0.5)
4x100mR 3位 39秒58 (2走)
国民体育大会 北上市 100m 9位 10秒52 (+0.8)
4x100mR 準決勝 42秒14 (1走)
2017 (社3) 織田記念 広島市 100m 4位 10秒39 (-0.3)
布勢スプリント 鳥取市 100m 4位 10秒20 (+1.9)
オールスターナイト陸上 平塚市 100m 4位 10秒39 (+1.0)
トワイライト・ゲームス 東京都 100m 6位 10秒46 (+0.6)
全日本実業団選手権 大阪市 100m 4位 10秒35 (+0.2)
4x100mR 優勝 39秒06 (2走)
国民体育大会 松山市 100m 7位 10秒44 (0.0)
4x100mR 予選 41秒43 (2走)
2018 (社4) 織田記念 広島市 100m 7位 10秒47 (+1.3)
全日本実業団選手権 大阪市 100m 5位 10秒35 (0.0)
4x100mR 2位 39秒71 (2走)
国民体育大会 福井市 100m 3位 10秒80 (-5.2)

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 蒲田勝(1957年・1958年)、藤本泰三(1967年・1968年)、都筑政則(1978年・1979年)、菊池勝彦(1984年・1985年)に続き
  2. ^ 1999年大会の北村和也(佐賀北)以来

出典

[編集]
  1. ^ a b 高校日本一スプリンター、始球式に 高校野球和歌山大会 asahi.com 朝日新聞社 (2010-7-10) 2013年12月2日閲覧。
  2. ^ a b c 「追跡 沖縄インターハイ 2年連続高校最速王 25年ぶりの快挙達成への軌跡」『月刊陸上競技』第44巻第11号、講談社、2010年10月号、106-114頁。 
  3. ^ 2009年100mユース世界ランキング”. 国際陸上競技連盟. 2015年8月9日閲覧。
  4. ^ 日本代表結果 日本陸上競技連盟 (PDF, 172 KB) 2013年12月2日閲覧
  5. ^ 25年ぶり!九鬼、男子100メートル連覇 スポニチ Sponichi Annex (2010-7-31) 2013年12月2日閲覧。
  6. ^ 早大・九鬼 10秒33V 陸上日本学生対校男子100M決勝 スポニチ Sponichi Annex (2013-9-8) 2013年12月2日閲覧。
  7. ^ 2014年10月11日の本人のツイッターより
  8. ^ 第15回所沢市陸上競技選手権大会”. 早稲田大学競走部 (2014年10月12日). 2014年10月13日閲覧。
  9. ^ 「アスリート進学・就職情報 part1」『月刊陸上競技』第49巻第1号、講談社、2015年1月号、50-51頁。 
  10. ^ 九鬼巧スペシャルインタビュー第1回「九鬼巧×陸上競技」 WasedaWillWin.com (2012-9-1) 2013年12月2日閲覧。
  11. ^ 自己紹介(兄;靖太) 九鬼家のダッシュ!! (2013-12-7) 2013年12月28日閲覧。
  12. ^ 自己紹介(弟;巧) 九鬼家のダッシュ!! (2013-12-7) 2013年12月28日閲覧。
  13. ^ プロフィール”. NTN陸上競技部. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月26日閲覧。
  14. ^ 九鬼、早大で壮行会「4人に残れるように」 - サンスポ・ドットコム(2012年7月19日)

外部リンク

[編集]
記録
前年
ジャマイカの旗 デクスター・リー
(10秒36)
男子100m
ユースシーズンベスト記録保持者
(10秒34)

アメリカ合衆国の旗 Prezel Hardy / タイ記録保持者
2009年
次年
アメリカ合衆国の旗 Miles Shuler-Foster
イギリスの旗 David Bolarinwa
(10秒39)
先代
石本ファルーク
(10秒60)
日本ユース選手権男子100m
大会記録保持者
(10秒54)

2009年10月17日 - 2010年10月16日
次代
大瀬戸一馬
(10秒53)
功績
4人目
菊池勝彦
1984年・1985年
インターハイ男子100m
連覇達成選手

2009年2010年
6人目
大嶋健太
2014年2015年