Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

コンテンツにスキップ

Þ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Þþᚦ
初期近代英語で書かれたウィリアム・シェイクスピアの墓
Thorn with stroke(Middle English that.svg、現在のThat)が変形してYの上にTが付いている。

Þ, þ (ソーン, thorn, þorn)は、ルーン文字の第3字母 (スリサズ, thurisaz, þurisaz)に由来するラテン文字である。アイスランド語古英語で用いられる。音価無声歯摩擦音[θ]有声歯摩擦音[ð]を表す。

"thorn"という名前は「植物の棘」を意味する名詞に由来する。古くは"thurs"と呼ばれたが、これは「巨人」を意味する名詞に由来する。

アイスランド語では現代の正書法でも用いられている。古英語にも存在したが、のちに y と混同され、たとえば定冠詞 þe を ye と書いたり、本来の þ を y [j] のように発音することも行われた。なお正式に表記できない環境では、一般に“th” で代用される。

ゴート語のラテン文字への翻字では、ゴート文字𐌸に対応して用いられる。

ソーンはルーン文字からラテン文字へ借用された二つの文字のうちの一つ(もう一つはǷ)である。

文字コード

[編集]
大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
Þ U+00DE 1-9-52 Þ
Þ
Þ
þ U+00FE 1-9-83 þ
þ
þ
ソーン
記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+16A6 - ᚦ
ᚦ
スリサズ

略語

[編集]
  • Middle English the.svg – (þe) 中英語の略語で、現在のthe
  • Middle English that.svg – (þt) 中英語の略語で、現在の that
  • Middle English thou.svg – (þu) レアな中英語の略語で、現在の thou (初期の頃には þu もしくは þou と書かれた。)
  • (ys) 初期近代英語の略語で、現在のthis
  • EME ye.svg – (ye) 初期近代英語の略語で、現在の the
  • EME that.svg – (yt) 初期近代英語の略語で、現在の that

出典

[編集]

関連項目

[編集]
  • Ϸ(ショー)- ギリシア文字。形状が似ているが歴史的には全くの無関係。