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2013年12月28日 (土) 03:21時点における版
KJ法(-ほう)は、文化人類学者の川喜田二郎(東京工業大学名誉教授)がデータをまとめるために考案した手法である。KJは考案者のイニシャルにちなむ。
データをカードに記述し、カードをグループごとにまとめて、図解し、論文等にまとめてゆく。共同での作業にもよく用いられ、「創造性開発」(または創造的問題解決)に効果があるとされる。
概要
川喜田は文化人類学のフィールドワークを行った後で、集まった膨大な情報をいかにまとめるか、試行錯誤を行った結果、カードを使ってまとめてゆく方法を考え、KJ法と名付けた。またチームワークで研究を進めてゆくのに効果的な方法だと考え、研修方法をまとめ、『発想法』(1967年)を刊行した。それ以降、川喜田が企業研修や琵琶湖移動大学などで指導を行い、普及を図った。
次第にKJ法の名称も一般化し、企業研修や学校教育、各種のワークショップなど様々な場面で広く用いられるようになった(大学で経営工学などを専攻すると、カリキュラムの中で集中的に取り上げられることもある)。
フィールドワークで多くのデータを集めた後、あるいはブレインストーミングにより様々なアイディア出しを行った後の段階で、それらの雑多なデータやアイディアを統合し、新たな発想を生み出すためにKJ法が行われるのが一般的である。
多くの断片的なデータを統合して、創造的なアイディアを生み出したり、問題の解決の糸口を探ってゆく。プロセスそのものは川喜田の著作に明確に記されており、一見シンプルで容易にみえる。しかし、プロセスの随所で細かい注意が必要であり、実際に使いこなすためには訓練が必要である。
KJ法の進め方
KJ法は4ステップからなる。
- カードの作成
- 1つのデータを1枚のカードに要約して記述する。(※1枚に1つのデータだけ。複数書き込まない。)
- グループ編成
- 数多くのカードの中から似通ったものをいくつかのグループにまとめ、それぞれのグループに見出しをつける。
- 図解化(KJ法A型)
- 叙述化(KJ法B型)
様々な用途に合わせて色々なサイズのカードが用意されている。
注意点
上記のようにKJ法は様々な場面で用いられており、正しく学んだことがない人が教育・指導していることも多いと言われる。インターネット上にあるKJ法の解説にも不正確なものが散見される。
「KJ法」は(株)川喜田研究所が商標登録し(登録商標日本第4867036号)、正規の教育・コンサルティングを行なうための認定を行っている。また、コンピュータで使えるソフトウエアで、KJ法を使えると称したものが配布・販売されているが、「KJ法を使える」ことを謳うだけであれば商標の使用にはあたらないものの、川喜田研究所から商標の使用許諾を受けずに「KJ法」を商標として使用している場合には商標権侵害になる。
参考文献
- 川喜田二郎 『発想法 – 創造性開発のために』中公新書 1967年 ISBN 978-4-12-100136-8
- 川喜田二郎 『続発想法 - KJ法の展開と応用』中公新書 ISBN 978-4-12-100210-5