電気自動車
電気自動車(でんきじどうしゃ, EV(Electric Vehicle))とは、電気モーターを動力として動く自動車の事。排気ガスを排出しないので、環境にやさしいとの声がある一方で、電気を作る段階での大気汚染を指摘する声もある。いずれにせよ、局所的な大気汚染を緩和するには有効な手段と考えられる。
電気自動車の歴史は古く、蒸気機関、ガソリンエンジンと自動車の動力源として覇権を争っていた。1899年に初めて100km/hを突破した自動車は電気自動車であり、各車輪に電気モーターを備えた四輪駆動車も、ローナー社在籍当時のフェルディナント・ポルシェによって1900年に開発されている。このような状況から、特にアメリカ合衆国では電気モーターにのみ将来性があると考えられており、最初のガソリンエンジン車が登場するのは1891年と、電気自動車に5年遅れての登場となった。
国内における開発ではダイハツが1970年に開催された大阪万博の会場輸送用に生産されたものや、NECラミリオンエナジー(NECと富士重工業の合弁会社)の5分の充電で100キロの航続距離が可能なものや、東京電力と三菱自動車が共同で開発している家庭で充電できるもの等、各社が開発を進めている。また、個人で乗用車を自家用車に改造する人もおり、改造申請はガソリン車のように排気ガス検査がないため、わりと簡単にできるといわれている。
現在、電気自動車は最高速度、加速性能などでガソリンエンジン車と遜色ない性能を持つが、航続距離やバッテリーの充電時間や寿命の短さ、また価格などの面からなどの問題から本田技研工業等、各メーカが開発を進めていたが現在では燃料電池自動車や他の技術へとシフトしていったりと、本格的な普及には至っていない。特定の場所での特定用途に使われるのが中心である。自動車といえるかは微妙だが、フォークリフトやゴルフカートでは電動式のものが少なくない割合を占めている。ただ、電気駆動とガソリンエンジン駆動を組み合わせたハイブリッド車が、最近普及し始めてきている。
関連項目
発売されたことのある車種
外部リンク
- 日本EVクラブ - 自動車評論家の舘内端が主催
- 慶應義塾大学電気自動車研究室 - 慶應義塾大学が開発した電気自動車「エリーカ」の紹介