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「三匹の子豚」の版間の差分

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* [[NHK教育テレビジョン|NHK教育テレビ]]の『[[天才てれびくん]]』の枠内で放送された[[アニメ]]『[[アリス探偵局]]』(1995年~1997年)には、三匹の子豚の子豚とオオカミをモデルにしたキャラクター、グー・スー・ピー三兄弟と大家のウルフさんが登場する。
 
=== ディズニーのアニメ ===
{{ウィキポータルリンク|ディズニー}}
{{Infobox Film|
| 作品名 = 三匹のこぶた
| 出演者 = [[ビリー・ブレッチャー]]
| 配給 = [[ディズニー]]
| 公開 = [[1933年]][[5月27日]]
| 製作国 = [[アメリカ合衆国|アメリカ]]
| 言語 = [[英語]]
| 前作 = [[ノアの箱船 (シリー・シンフォニー)|ノアの箱船]]
| 次作 = [[おとぎの王国]]
}}
 
今日におけるこの物語の最も有名なバージョンは、制作[[ウォルト・ディズニー]]、監督[[バートン・ギレット]]により、[[ユナイテッド・アーティスツ]]から[[1933年]][[5月27日]]に配給された短編[[アニメーション]]映画『三匹の子ぶた』(原題:Three Little Pigs)である。[[シリー・シンフォニー]]第37作として製作。この短編では三匹の子豚に以下の名前が与えられている。[[フルート]]を吹きながらわらの家を建てる子豚はファイファー・ピッグ(声:ドロシー・コンプトン)、[[ヴァイオリン]]を奏でながら木の枝の家を建てる子豚はフィドラー・ピッグ(声:メアリー・モーダー)、レンガの家を建てて安全を手に入れた後で初めて[[ピアノ]]を弾く子豚はプラクティカル・ピッグ(声:ピント・コルヴィグ)である。末の弟プラクティカルは兄たちをかくまい、ビッグ・バッド・ウルフを追い払った後に兄弟にいたずらを仕掛け、ウルフや二人の兄よりも優秀であることを示してみせる。ビッグ・バッド・ウルフ役の[[声優]]は[[ビリー・ブレッチャー]]であった。
 
この映画は当時の観客の間で目ざましい成功を呼び起こし、公開後何か月にもわたり上映され続けた。多くの映画館ではこの作品がどれだけロングランを続けているかの指標として、映画のポスターにあごひげを書き加えた。
 
アニメーション史研究家の間では、『三匹の子ぶた』は、単純な「善玉」と「悪玉」ではない個性を備えた複数のキャラクターを描き分けた、最初のアニメーション作品であると考えられている。わらの家と木の枝の家を建てた子豚は軽はずみで無用心であり、レンガの家を建てた子豚は用心深く生真面目である。
 
ビッグ・バッド・ウルフが戯画化された[[ユダヤ人]]の行商人に扮装する場面は、後に配給されたフィルムでは削除され、ウルフが[[フューラー・ブラッシュ]]社(アメリカの有名なブラシ販売会社)の訪問販売員を装うという、比較的差し障りのない場面が代わりに挿入された。
 
この作品のために作曲されたオリジナル曲『狼なんかこわくない』(原題:Who's Afraid of the Big Bad Wolf?)は、ベストセラー・シングルとなった。[[第二次世界大戦]]に先立つ数年間に[[ナチス]]が[[ドイツ]]の領土を拡張していた時期に、戦争を行うことなく[[アドルフ・ヒトラー|ヒトラー]]に領土拡張を許した欧米諸国の無関心さを指摘するのにこの歌が使われた。
 
=== ディズニーによる続編 ===
{{ウィキポータルリンク|ディズニー}}
ディズニーは数編の『三匹の子ぶた』の続編を制作したが、いずれも最初の作品ほどには成功しなかった。最初の続編は前作と同じくバートン・ギレットに監督され、[[1934年]][[4月14日]]に公開された『赤ずきんちゃん』(原題:The Big Bad Wolf)である。この作品では前作の四匹に加えて、狼が[[悪役]]として登場する別の民話から採用された[[赤ずきん]]と、そのおばあさんの二人が新キャラクターとして追加された。
 
物語の筋書きは非常に単純だった。プラクティカル・ピッグは三匹の豚が共同で住むための住居の増築に取りくんでいた。そこに通りがかった赤ずきんに、フィドラー・ピッグとファイファー・ピッグはおばあさんの家まで送っていこうと申し出る。プラクティカルからの忠告に逆らって、三人は近道として[[森]]を通り抜けようとする。三人は[[女装]]したウルフに出くわし、辛くも難を逃れる。ウルフは赤ずきんに先んじておばあさんの家に駆けつける。ウルフはおばあさんを[[タンス|衣装ダンス]]に閉じ込めると、孫娘の到着を待つ。やがて赤ずきんがやって来るが、おばあさんの手助けにより衣装ダンスの中に逃げ込む。その後、フィドラーとファイファーは弟に助けを求める。駆けつけたプラクティカルが焼けた[[石炭]]と[[ポップコーン]]をウルフのズボンに入れ、ウルフを追い払う。この短編はいくつもの[[ギャグ]]が含まれていたが、前作の商業的成功を繰り返すには至らなかった。この作品は現代の視聴者から見てもそれなりに楽しめるものの、前作よりは大きく劣っている。
 
この続編のそれなりの、しかし、前作には遠く及ばない成功が、ディズニーをしてそれまでに得た栄誉に甘んじさせず、[[マルチプレーン・カメラ]]の開発や史上初の長編アニメーション映画『[[白雪姫 (アニメ映画)|白雪姫]]』の制作のような、リスクの大きい計画に邁進させ続けた要因となったと考えられている。ディズニーの名言は、長年にわたってしばしば繰り返されてきた。「ブタで、ブタを越えることはできないよ(you can't top pigs with pigs)」。
 
[[リル・バッド・ウルフ]]はディズニーの[[漫画]]に登場するキャラクターである。悪者になろうとしないリル・バッド・ウルフは父ビッグ・バッド・ウルフの悩みの種だった。事実、リルのお気に入りの遊び相手は三匹の子豚だった。
 
== 関連項目 ==

2008年10月19日 (日) 12:04時点における版

三匹の子豚(さんびきのこぶた)は喋る動物たちが登場するおとぎ話である。この物語の出版は18世紀後半にさかのぼるが、物語そのものはもっと古くから存在していたと考えられる。この民間伝承として語り継がれてきた物語は、1933年ウォルト・ディズニーによるアニメーション作品により有名になった。

日本では1960年代に制作された着ぐるみ人形劇ブーフーウー』で有名。

あらすじ


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


三番目の子豚はレンガで家を建てる

母さんは三匹の子豚たちを自活させるために、外の世界に送り出す。

一番目の子豚はわらで家を建てるが、がわらの家を吹き飛ばし、子豚を食べてしまう。狼と子豚との遭遇は、以下の有名なフレーズで記述される。

One day the big bad wolf came and knocked on the first little pig's door and said "Little pig, little pig, let me come in." And the little pig answered "No, no, I won't let you come in, not by the hair on my chinny chin chin." "Well," said the wolf, "then I'll huff and I'll puff and I'll blow your house in." So he huffed and he puffed and he blew the house down and ate the little pig.
ある日、大きな悪いオオカミが、最初の仔ブタの扉を叩いて言いました。「仔ブタくん仔ブタくん、おれを中に入れておくれ」仔ブタは答えて言いました「いやだ、いやだよ、入れてやらない。ぼくのあご、あご、あごのひげにかけて中にいれてやるもんか」「そうかい」オオカミは言いました「それならおれは腹を立て、ぷーぷー息を吹きつけて、おまえの家を吹き飛ばす」。そしてオオカミは腹を立て、ぷーぷー息を吹きつけて、仔ブタの家を吹きとばし、仔ブタを食べてしまいました。

二番目の子豚はで家を建てるが、やはり狼との同様のやり取りの末に、一番目の子豚と同じ運命を辿る。

三番目の子豚はレンガで家を建てる。狼はいくら息を吹き付けても、レンガの家を吹き飛ばすことはできなかった。狼は三番目の子豚を家の外におびき出そうとたくらむが、子豚は常に狼の裏をかく。最後に狼は煙突から忍び込もうとするが、三番目の子豚が用意した煮えたぎる一杯の熱湯に飛び込んでしまう。子豚は狼を料理すると、そのまま食べてしまう。

この物語の中で用いられるフレーズと得られる教訓は、西洋文化の伝統として受け継がれてきた。

近年の版では、他のおとぎ話と同様に、この物語もオリジナルの版より穏健な内容に差し替えられ、もはや狼と子豚はお互いに食べ合ったりはしない。

物語の歴史

伝統的なバージョン

このおとぎ話は1812年に初版が発行され、1857年まで複数の加稿された版が重ねられた、ヤーコプ・グリムとヴィルヘルム・グリムによる童話集『グリム童話』(Kinder- und Hausmärchen、子供と家庭のための童話)に収録されている『狼と七匹の子山羊』と幾つかの共通点を持っている。

三匹の子豚と大きな悪い狼の物語は、イギリスのシェイクスピア学者ジェイムズ・オーチャード・ハリウェル=フィリップスにより1843年に初版が発行された『Nursery Rhymes and Nursery Tales』に収録されたことで、19世紀後半に広まったと考えられる。この物語のバリエーションは、共にジョエル・チャンドラー・ハリスによる1881年の『ウサギどんとキツネどん』(原題:Uncle Remus: His Songs and Sayings)と、1883年の『Nights with Uncle Remus』に見られ、これらのバリエーションでは子豚たちは「ウサギどん(Brer Rabbit)」というキャラクターに置き換えられている。最も知られたこの物語の形式は、ほぼ間違いなくジョセフ・ジェイコブスの『English Fairy Tales』によるものである。この本は1898年に初版が発刊され、資料としてハリウェルの名が記されている。

三匹の子豚が登場する作品

  • 『三匹の子豚』は、ティーチャー・イン・ロールにおける重要な実習問題でもある(詳細は英語版Teacher in roleの記事を参照せよ)。
  • NHK総合テレビでは、『三匹の子ぶた』の後日談を描く着ぐるみ人形劇『ブーフーウー』(1960年~1967年)が放送された。このドラマでは三匹の子豚に、ブー、フー、ウーという名前が与えられている。
  • ビッグ・バッド・ウルフが主役として登場するビル・ウィリンガムアメリカン・コミックフェーブルズ』の二番目のシリーズで、三匹の子豚は重要な役割を演じる。
  • 『3びきのかわいいオオカミ』(原題:The Three Little Wolves and the Big Bad Pig)と題されたユージーン・トリビザスによる近年の改作では、伝統的な物語における登場人物たちの役割が交換されている。この改作では三匹の小さなオオカミの兄弟がレンガの家と鉄の家を大きな悪いブタに壊されるが、最後に花の家を建ててブタと和解する。
  • NHK教育テレビの『天才てれびくん』の枠内で放送されたアニメアリス探偵局』(1995年~1997年)には、三匹の子豚の子豚とオオカミをモデルにしたキャラクター、グー・スー・ピー三兄弟と大家のウルフさんが登場する。


関連項目

外部リンク