ロケット・トゥ・ロシア
『ロケット・トゥ・ロシア』 | ||||
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ラモーンズ の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | ニューヨーク メディア・サウンド[2] | |||
ジャンル | パンク・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | サイアー・レコード | |||
プロデュース | トニー・ボンジョヴィ、トミー・ラモーン | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ラモーンズ アルバム 年表 | ||||
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『ロケット・トゥ・ロシア』(Rocket to Russia)は、アメリカ合衆国のパンク・ロック・バンド、ラモーンズが1977年に発表した3作目のスタジオ・アルバム。
背景
[編集]「シーナはパンク・ロッカー」は、本作に先がけてリリースされたシングル曲で、1977年5月にイギリス盤シングルが発売され、2か月後には母国アメリカでも発売された[6]。この曲は、前作『リーヴ・ホーム』(1977年)のアメリカ盤再発LP (SR 6031)にも収録されており[7]、本作にはアルバム・ヴァージョンが収録されたが、2001年に発売された本作のリマスターCDにはシングル・ヴァージョンもボーナス・トラックとして追加された[8]。
「ドゥ・ユー・ウォナ・ダンス」は、ボビー・フリーマンが1958年にシングル・ヒットさせた曲で、本作以前にも多数のアーティストによるカヴァーが存在するが、William Ruhlmannはオールミュージックにおいて「ザ・ビーチ・ボーイズのヴァージョンに最も近い」「爽快だが、ボビー・フリーマンとは似ても似つかない」と評している[9]。また、「サーフィン・バード」はザ・トラッシュメンが1963年に発表した曲(ただし、実際にはThe Rivingtonsの曲"The Bird Is the Word"と"Papa-Oom-Mow-Mow"の改作)のカヴァーである[10]。
本作リリース後、トミー・ラモーンはプロデューサーとしての仕事に集中するためバンドを脱退した[11]。なお、トミーはラモーンズの1984年作品『トゥー・タフ・トゥ・ダイ』にも共同プロデューサーとして参加している[11]。
反響・評価
[編集]アメリカのBillboard 200では49位に達し、バンド初の全米トップ100アルバムとなった[4]。また、本作からシングル・カットされた「ロッカウェイ・ビーチ」はBillboard Hot 100で自身最高の66位を記録し、続く「ドゥ・ユー・ウォナ・ダンス」は同86位に達した[4]。
スウェーデンでは『ラモーンズの激情』(1976年)以来となるアルバム・チャート入りを果たし、4回(8週)トップ40入りして最高31位を記録した[3]。イギリスでは2週全英アルバムチャート入りし、最高60位となった[5]。
Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて満点の5点を付け「『ロケット・トゥ・ロシア』は、以前の作品よりもクリーンな音作りを誇示し、ラモーンズの音楽に更なる力強さをもたらした」「『ラモーンズの激情』ほどの革命的インパクトはないにせよ良いアルバムで、1970年代後半における最上のレコードの一つ」と評している[12]。『ローリング・ストーン』誌が選出した「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」では106位にランク・インした[13]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はラモーンズ作。
- クレティン・ホップ - "Cretin Hop" - 1:56
- ロッカウェイ・ビーチ - "Rockaway Beach" - 2:06
- ゴーン・トゥモロウ - "Here Today, Gone Tomorrow" - 2:49
- ロケット・ラヴ - "Locket Love" - 2:11
- アイ・ドント・ケアー - "I Don't Care" - 1:39
- シーナはパンク・ロッカー - "Sheena Is a Punk Rocker" - 2:49
- ハッピー・ファミリー - "We're a Happy Family" - 2:40
- ティーンエイジ・ロボトミー - "Teenage Lobotomy" - 2:01
- ドゥ・ユー・ウォナ・ダンス - "Do You Wanna Dance?" (Bobby Freeman) - 1:55[14]
- アイ・ウォナ・ビー・ウェル - "I Wanna Be Well" - 2:28
- アイ・キャント・ギヴ・ユー・エニシング - "I Can't Give You Anything" - 2:01
- ラモーナ - "Ramona" - 2:38
- サーフィン・バード - "Surfin' Bird" (Carl White, Alfred Frazier, John Harris, Turner Wilson) - 2:37[15]
- ホワイ・イズ・イット・オールウェイズ・ディス・ウェイ - "Why Is It Always This Way?" - 2:22
2001年リマスターCDボーナス・トラック
[編集]- ニードルズ&ピンズ(アーリー・ヴァージョン) - "Needles & Pins (Early Version)" (Sonny Bono, Jack Nitzsche) - 2:24
- スラッグ(デモ) - "Slug (Demo)" (Joey Ramone) - 2:23
- イッツ・ア・ロング・ウェイ・バック - "It's a Long Way Back to Germany" - 2:22
- アイ・ドント・ケアー(シングル・ヴァージョン) - "I Don't Care (Single Version)" - 1:40
- シーナはパンク・ロッカー(シングル・ヴァージョン) - "Sheena Is a Punk Rocker (Single Version)" - 2:48
参加ミュージシャン
[編集]脚注・出典
[編集]- ^ Swanson, Dave (2015年11月4日). “The History of the Ramones' 'Rocket to Russia'”. Ultimate Classic Rock. Loudwire Network. 2017年12月23日閲覧。
- ^ CD英文ブックレット内クレジット
- ^ a b swedishcharts.com – Ramones - Rocket To Russia
- ^ a b c “The Ramones - Awards”. AllMusic. 2016年4月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月23日閲覧。
- ^ a b RAMONES songs and albums | full Official Chart history
- ^ “Single Stories: Ramones, "Sheena Is a Punk Rocker"”. Rhino Entertainment (2017年10月26日). 2017年12月23日閲覧。
- ^ Ramones - Leave Home (Vinyl, LP, Album) at Discogs - アメリカ盤再発LPの情報。
- ^ Ramones - Rocket To Russia (CD, Album) at Discogs - 2001年リマスターCDの情報
- ^ Ruhlmann, William. “Do You Want to Dance - Bobby Freeman - Song Info”. AllMusic. 2017年12月23日閲覧。
- ^ “Surfin' Bird by The Trashmen”. Songfacts. 2017年12月23日閲覧。
- ^ a b Coleman, Miriam (2014年7月12日). “Tommy Ramone Dead at 65”. Rolling Stone. 2017年12月23日閲覧。
- ^ Erlewine, Stephen Thomas. “Rocket to Russia - Ramones”. AllMusic. 2017年12月23日閲覧。
- ^ “Ramones, 'Rocket to Russia' - 500 Greatest Albums of All Time”. Rolling Stone. 2017年12月23日閲覧。
- ^ オリジナルはボビー・フリーマン。
- ^ オリジナルはザ・トラッシュメン。