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ゲティスバーグ演説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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現存するゲティスバーグ演説原稿

ゲティスバーグ演説(ゲティスバーグえんぜつ、The Gettysburg Address)とは、1863年11月19日ペンシルバニア州ゲティスバーグにある国立戦没者墓地の奉献式において、アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンが行った演説である。


概要

ゲティスバーグ演説は、257語1449字という極めて短いスピーチであったにもかかわらず、リンカーンの演説の中では最も有名なものであり、また歴代大統領の演説の中でも常に第一に取り上げられるもので、独立宣言合衆国憲法と並んで、アメリカ史に特別な位置を占める演説となっている。特に「...人民の、人民による、人民のための政治... (...government of the people, by the people, for the people...)」という一節が有名。

この日ゲティスバーグにはカメラマンもいたが、マイクロフォンなどない時代、リンカーンの演説が始まってもカメラマンはそれに気づかず、ようやく気づいて写真を撮ろうとした頃にはもう演説が終わっていたという。そのためこの歴史的演説を行っているリンカーンの鮮明な写真は存在しない。また演説そのものはリンカーンが祈るような小さな声で述べ、だれも注目しなかったが、たまたま書き留めていた記者が記事にして爾後有名になった。

ゲティスバーグ演説の「人民 (People)」

ゲティスバーグ演説でリンカーンは、「国民 (Citizen)」という言葉を避け、「人民 (People)」という言葉を使用している。これは二つに割れた国家を再び一つに統合することに腐心していたリンカーンが、南部諸州の人々に特に気を使っていたことがその背景にある。リンカーンが訴えかけていたのは、北部アメリカ合衆国の国民でも、南部アメリカ連合国の国民でもなく、分け隔てないすべての人民に他ならなかったのである。「合衆国 (Union)」と言う言葉を避け、「国家 (Nation)」と言っているのも、同じ理由からである。

ゲティスバーグ演説と日本国憲法

1946年GHQ最高指令官として第二次世界大戦後の日本占領の指揮を執ったダグラス・マッカーサーが、日本国憲法草案の前文に、このゲティスバーグ演説の有名な一節を織り込んだことはあまり知られていない。

"Government is a sacred trust of the people, the authority for which is derived from the people,
the powers of which are exercised by the representatives of the people, and the benefits of which are enjoyed by the people."

この一文はそのまま和訳され、日本国憲法の前文の一部となった。第二行がそれである。

「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し
その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」

関連項目

外部リンク

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