さすが
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日本語
[編集]語源1
[編集]形容動詞
[編集]- 評判や実力などにふさわしいだけものを確認し、改めて感心すること。やはり大したものだ。それだけのことはある。
- (古語)ある物事を一応は認めながら、一方でそれとは反対の気持ちが残ったりして、そのまま容易に認めることができないこと。そうも言っていられないこと。裏腹な態度を見せたり、逆の気持ちを抱いたりすること。
- 人知れぬ、御心づからのもの思はしさは、 いつとなきことなめれど、かくおほかたの世につけてさへ、わづらはしう思し乱るることのみまされば、もの心細く、世の中なべて厭はしう思しならるるに、さすがなること多かり。(人に知られていない、ご自身から求めての恋の悩みは、いつものことのようではあるが、このように世間のもろもろのことでも、めんどうにお悩みになることばかり増えて、どうにも心細く、世の中がすっかり嫌になっておしまいになるものの、そうも言っていられないことが多くある。)(『源氏物語』)
発音
[編集]活用
[編集]活用と結合例
名詞
[編集]さすが【当て字:流石、遉】 予想や期待、評判のとおりで、納得するさま。
- (「さすがの~も」「さすがの~でさえ」などの形で)ふつうよりも実力があるものでも、特定の条件下では、そうせざるをえないということ。あるいは、ふつうよりも能力が劣るものでも、特定の条件下では、そうできるということ。さしもの~も。あれほどの〜ですら。
- さすがの酒豪たちも、ウイスキイのドブロクは敬遠の様子でした。(太宰治『美男子と煙草』)
- かごいりチミーは ぽかぽか きしべの おちついた わがやへ かえりたくなっていました。 たべものも あいませんし、 うるさくて ねむれませんし。 なんにちか すると、 げっそりしてきたので、 さすがの まちねずジョニーも きづいて、 どうしたのかと たずねます。(ベアトリクス・ポッター『まちねずジョニーのはなし』)
副詞
[編集]- (また「さすがは」「さすがに」などの形で)予想や期待、評判のとおりで、納得するさま。やはり。たいしたもので。
- (「さすがに」の形で)ふつうのものを上回るような能力や意思、性質、勢いなどをもってしても動かしがたい何らかの特別な状況や事情のため、やむを得ずそうせざるをえない、ということ。あるいは、ふつうのものを下回るような能力やふつう以上に抑制的な意思、性質などであっても、何らかの特別な状況下では、そのようなことが可能となる、ということ。どうしたって。いくら何でも。いたしかたなく。やはり。
- (古語・廃語) (また「さすがに」の形で)ある物事を認める一方で、特定の条件下では、それとは反対の気持ちを抱くさま。とは言え。そうは言っても。しかし。
- かやうに憎からずは、聞こえ交はせど、け近くとは思ひよらず、さすがに、言ふかひなからずは見えたてまつりてやみなむ、と思ふなりけり。(このように好意を持って、手紙をやりとりなさるものの、深い関係になろうとまでは思っていない、とは言っても、それなりの女だくらいには思っていただいたところで終わりにしよう、と考えるのだった。)(『源氏物語』)
発音
[編集]類義語
[編集]語源2
[編集]- 「さすかたな」の転(国史大辞典)
名詞
[編集]語源3
[編集]- 「さすがね」の転(日本国語大辞典)