1940年、神戸。聡子は貿易会社を営む夫の優作と穏やかに暮らしていた。ある日優作は、仕事で渡った満州の地で衝撃的な国家機密を目撃し、その事実を公表しようと秘密裏に動いていた。そんな中、聡子の幼なじみでもある憲兵隊の泰治が優作への疑いを強めていく。一方聡子は、優作が売国奴と疑われようとも、夫を信じてついていくことを決意する。
いやあ、これはキャスティングの妙。
夫のためならば残酷なこともできてしまう女の射抜くようなまなざしも、夫と心が通じ合ったと思い喜ぶ少女のようなはしゃぎ方も、どちらも完璧な蒼井優。とんでもなく可愛かったな。
ジュエリーの露店で優作が聡子に言った「どちらもにすればいい」は、わたしが日頃から自分で自分に言っている言葉だが、これがまた人に言われると一気にご機嫌になってしまうくらい嬉しい言葉だということも知っているので、思わず「いいな〜」とつぶやいてしまった。