女性監督ディアーヌ・キュリスが自身の少女時代の体験を基に作り上げた初監督作。
1963年のパリ、両親が離婚して母親と暮らす13歳の妹・アンヌと15歳の姉・フレデリックの1年間。

姉妹が通う高校は監督が実際に通っていたパリ9区に実在するリセ・ジュール・フェリー校。
主人公はアンヌ。姉妹は夏休みには父親の暮らすノルマンディーの海岸地方に長期滞在している様子。
姉にはそこで出会ったマルクという彼氏がいるし、母親にも彼氏がいるし、初潮もなかなかこないし、性/異性にも興味あるし、みんな履いてるストッキングを買って欲しいし、女性教師たちは厳格/クセ強め/意地悪いし、学校の成績も悪いし....と、悶々の日々。

アンヌのませた友達が得意げに話す性がらみの話(爆笑)や、なぜか毛皮着てる体育の教師など、笑かし要素もそこかしこに。

一方、姉フレデリックは、彼女自身や周りの複雑な人間模様や社会問題系も絡み・・・

原題「Diabolo Menthe（ディアボロ・マント）=ペパーミント・ソーダ」は、大人ぶりたいアンヌが友達と入ったカフェでオーダーしたもの（姉に見つかり結局飲めてないけど）。

カラフルな色彩、ファッション(校内で羽織る、このジャケ写のベージュの白衣みたいなのも可愛い)、姉妹や友人たちの瑞々しい表情、様々な出来事... ほろ苦い、若き日のタイムカプセル的な名作です。

ディアーヌ・キュリス初監督作品の自伝的青春映画。1963年のパリを舞台に、10代の少女たちを描く♡♬*ﾟ

ファッションが可愛いのは当然、可愛いキッチンも見逃せない。パリの女子校だなんてそれだけでオシャレ。時には喧嘩もするけれど、結局のところ仲良しな姉妹が微笑ましい。ストッキングへの憧れは成長のあらわれ。初潮をむかえるも、母からの祝福がビンタにはびっくり。特に大きな事件も起こらず、淡々と進行していくのが実にフランス映画らしい。

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全カット嬉しい。画面端でカット止められる止められない関係なく子供たちが暴れている（『ごめん』とか）のではなく、端正にそれぞれの生徒がまったくちがう動きをしている異常さ（リュミエール的な感じやね）。ひたすら画面端の小物を見ているだけで楽しい、ウェス・アンダーソン感。