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ひらもち

ジャッキー・コーガンのひらもちのレビュー・感想・評価

ジャッキー・コーガン(2012年製作の映画)
3.0
体調が優れず家でぐったりしている時に、何もすることがないので何か映画を観ようと思い、買ったばかりの本作をチョイス。
何も考えずに観られる作品だと思っていたのだが、まさかメッセージ性の強い作品だったとは。
2周目、元気な状態で観たらまた評価が変わるかも。


ジャケ写からは激渋なブラピがショットガンをぶっ放して人を殺しまくる作品かのように感じられるが、実際は全然違う。

演説やニュースの音声を多用し、アメリカの政治や社会を風刺・批判しているが、正直分かりにくかった。作品内のストーリーと演説の内容を乖離させることで、アメリカ社会の理想と現実を表現していると思われるのだが、このシステムが逆効果なような気がする。演説やニュースの映像とフィクションの部分が分離しているように感じられ、無理矢理メッセージ性を加えているような気がしてしまった。

しかし、メッセージ性云々の話の前に、単純に映画としての面白さがイマイチ。全体的に無名俳優が主演を務めていそうな予算感で、ブラピやレイ・リオッタが出演している分上がったハードルは超えられていないように感じる。

かなりのシーンを会話劇が占めているが、どれも女絡みのワンパターンな話ばかりで、あまり面白くない。ここにもう少し物語の伏線が散りばめられていたり、話の内容そのものにレパートリーがあったら良かったのだが。
セリフによっては風刺が効いているものもあったので、こうしたセリフを中心に展開していって欲しかった。

ここまで色々と文句を垂れてしまったが、もちろん良いところもある。
映画全体が持つ、ハードボイルドな雰囲気は悪くないし、スローすぎる事を除けば、最初の殺害シーンはとてもカッコよかった。
ラストのシーンも、ちゃんと風刺を効かせられている感じがして良かった。
そして何より、ブラピがカッコいい。ブラピでちょっと評価を上げている節もある。
本来であれば、自分の好きなタイプの作品なのではないかなと。


カンヌのコンペティション作品でパルム・ドールを競っていたり、海外のレビューサイトの評価がそこまで低くもないことから、外国の方から観るとそれなりによく出来ていると感じる作品なのかもしれない。

邦題とジャケ写で間違ったイメージを与えているのが、何よりの失敗なのかもしれない。
コンテンツとしては非常に珍しく、事前に情報を入れておく必要のある、ネタバレ必須の作品である。
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