気合い入っている時のファスビンダー映画。
「人は誰かと共にしか生きていけないが、その方法を知らない」という『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』の台詞の通り、ファスビンダー映画の登場人物達が抱えるのは関…
監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
主演:ダーク・ボガード
原作:ウラジミール・ナボコフ「絶望」
著名なスタッフが集い、初めて脚本を他人に任せ、セリフも全編英語で、破格の制作費を掛け(ファ…
ナボコフの原作は未読。主人公ヘルマン・ヘルマンは妻の浮気やら大恐慌やらナチスによるユダヤ人迫害やらでどんどん抑鬱が進み、今の生活を捨ててドイツから脱出する事を夢見ている。ドッペルゲンガーをテーマとし…
>>続きを読むファスビンダ-監督が自選する自作ベストの3位。主人公が人生の繰り返しに飽き飽きし、人生をリセットして別の人間に成りすまそうとする話。アールデコ調の屋敷で家具やガラ越しの画を檻のように見立てている。監…
>>続きを読むボガードといえば私にとってはロージーで、ロージーといえば「Mr.Klein」(パリの灯は遠く)という映画がありまして、
それも舞台は戦時下、存在しない(であろう)doubleに追われるという物語なの…
ファスビンダーXダーク・ボガード主演という事でずっと観たかった作品。退屈な日常と愚かな妻にうんざりして、相変わらず中年危機に瀕しているダーク・ボガードが自分にそっくりの男と出会い、自分の身代わりにそ…
>>続きを読むウラジミール・ナバコフ原作。
チョコレート工場の社長を務めるヘルマンヘルマンはロシア移民のユダヤ系ドイツ人。ワイマール共和国でナチスが徐々に支持を拡大していく時代に、彼は自分の存在を消してしまいたい…
kogel mogelを作るオープニングから鷲掴み。バルハウス映像とラーベン音楽の絡み付きが極まっており、終盤の内面世界と現実が混在する編集にはこういう作劇を飛び越える感覚こそファスビンダーの真骨頂…
>>続きを読む実は西ドイツ三部作前後のファスビンダー作品はそれ以前と比べたら苦手な作風に変わったと感じてはいたのだけど、その兆しがある意味で最も顕著に見られる作品。
というのもファスビンダーはこの頃、というより…