このレビューはネタバレを含みます
誘われて国立映画アーカイブにて。
全く前情報なしで見たのだけれど、すごく重層的に見えてびっくりした。
見てる間は64年の映画だと知らなかったので、昔(太平洋戦争)の話なのか、安保闘争の話なのか、どっちだろう、とか思いながら見てた。
いずれにせよ、名前に違う非常に政治的な(という言い方は適切じゃないかも)映画だった。
ハナ肇は、戦争で少年戦車隊?の生き残り。弟のロクちゃんは鳥の鳴き真似だけしている障害者。母親は耳が遠くなってる。
この家族はとても貧しく、明言されてるわけではないが村八分のような状況。
土地を狙う元地主、お金に汚い議員、などが分かりやすい悪役。
そして噂好きでサボってばかりいる町人ズ。
以下、気になったところ。
擬似天皇制を見てしまう。
いろいろあってハナ肇は隠してた戦車で地主や議員の家を破壊するんやけど、戦車には愛国87の登録が。(ハナかな)。愛国と書かれた戦車が、地主の家を壊す。
そこに至る責任を誰も取らない感じ(町人が「わしゃ知らん、」みたいにいう)に宙吊りになる戦争責任をみたり。
海に沈む戦車、「鳥になって死んだ」と言われる弟ロクちゃんがその戦車と一緒に「海に沈む」とか。
山の向こうの発達した街との格差(落差)とか。
事件から数年後、たまたま釣りにきた谷啓たちに話す形で語られる構造とか。
岩下志麻がめっちゃきれいとか(仲里依紗に似てる)。
岩下志麻の快気祝いに、岩下志麻から直接ハナ肇が誘われるねんけど、行ったら身分違いや言われて追い返されるんですが、この辺の構造(入口の厳粛さと飲み会のらんちきさ。追い返されたハナ肇も悪酔いして暴れるんですが、そこに差はほとんどない。刀振り回すやつもいたし)。
八つ墓村みたいでもあるなと思ったら書いてる人いた。
あとゴジラみたいだとも思ったらそれも書いてる人もいた。
でもいずれも「戦争」に対しての眼差しが足りないように感じた。
時間ないから今度続き書こう…。