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しんたろー

正体のしんたろーのレビュー・感想・評価

正体(2024年製作の映画)
4.8
一家惨殺事件の犯人として死刑囚となった鏑木慶一が何か意図を持って脱獄を図るシーンから始まり、ラストシーンに至るまで、息つかせぬスピード感とテンポでストーリーを目まぐるしく展開させながらも、しっかりと時系列や伏線の回収、登場人物たちの細やかな描写、その全ての箇所において名前や肩書き、姿形を変えながらも、信念を持って動く主人公の起伏を視聴者に丁度いい塩梅で提示している映画としてまず面白いという点、それだけで大満足な作品であることは間違いない。その上、逃げることで伝える逃げないことの重大さ、正体=正しく在ること、を静かに、でもしっかりと伝えるメッセージ性のバランスが絶妙で、ただ重たい作品なわけではなくエンタメとして成立させている。
藤井道人の現時点での最高傑作でありながら、横浜流星が積み上げてきたものが結実した代表作となるべき作品。
吉岡里帆、山田杏奈、森本慎太郎、山田孝之、皆素晴らしい。拍手。
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