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NFC 【Near Field Communication】

概要

NFC(Near Field Communication)とは、最長十数cm程度までの至近距離で無線通信う技術。広義にはそのような近距離無線通信の総称、狭義にはその標準規格であるISO/IEC 18092(NFC IP-1)やNFCフォーラム仕様などを指す。

10cm程度の距離に近接させた電子機器やICカードなどの間で数百kbpsキロビット毎秒)までの速度でデータを伝送できる無線通信で、装置をかざしたり重ねるだけですぐに通信できる手軽さが大きな特徴である。

非接触ICカードの通信方式として用いる場合は電池や電源が不要で、アンテナが電波を受信する際の電磁誘導で発生した電力だけで通信データの書き換えができることも大きな利点である。

非接触ICカードとして交通機関のICカード乗車券やカード型電子マネー、各種の身分証、ICタグRFID)などに広く用いられているほか、スマートフォンなどの携帯情報機器に内蔵されて機器間の通信電子マネー機能などに用いられている。

歴史と規格

1990年代にソニーの「FeliCa」(フェリカ)やオランダのフィリップス(現NXPセミコンダクターズ)社による「Mifare」(マイフェア)などが開発され、2000年頃からIC乗車券などで実用化が始まった。いずれも13.56MHz電波を用い、標準では100400kbps程度で通信ができる。

2000年に非接触ICカードの標準規格としてISO/IEC 14443が策定され、MifareはType A仕様としてその一部に採用された(他に当時の米モトローラ社などが推したType B仕様がある)。また、2004年には近距離無線の通信規格としてISO/IEC 18092(NFC IP-1)が策定され、Mifareに加えてFeliCaがType F仕様として収録された。

2004年にはソニーとフィリップス、フィンランドのノキア(Nokia)社が業界団体のNFCフォーラム(NFC Forum)を設立し、これら公的な規格に加えて機器間でやり取りするデータ形式などを定めた包括的な標準仕様を発行するようになった。同フォーラムの主催する互換性テストに合格した機器には「N」の文字をかたどったNFCロゴの掲示が許可される。

(2019.8.28更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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