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ASP 【Application Service Provider】 アプリケーションサービスプロバイダ

概要

ASP(Application Service Provider)とは、ソフトウェアインターネットなどを通じて利用者に提供するサービス事業者のこと。そのようなサービスを「ASPサービス」あるいは「SaaS」(Software as a Serviceサービスとしてのソフトウェア)という。事業者ではなくサービスを指して「ASP」と呼ぶこともある。

ASPは利用者に提供するソフトウェアを、インターネットなどのネットワークに接続されたサーバコンピュータに展開する。利用者Webブラウザや専用のクライアントソフトなどを通じてサーバに接続し、これを利用する。

誰でも自由にすぐ使えるサービスもあるが、多くは会員制となっており、登録や契約が必要となる。有料のものと無料のもの、一部が有料のものに分かれ、無料のものは広告が表示され広告料などで運営されることが多い。

有料の場合、期間ごとに一定の料金(日額、月額、年額など)を課す方式が多いが、利用回数や何らかの使用量に応じて都度課金・従量課金する場合や、基本機能が無料で便利な機能や追加のデータ保管容量などに課金する場合がある。

従来からパッケージライセンスの管理に悩んでいた企業や官庁などに向けて業務用ソフトウェアでいち早く広まった業態だが、近年ではWeb技術やインターネット回線の高度化により消費者向けのソフトウェア製品でもネットサービス化が進んでいる。

利用者にとっての利点・欠点

ASPのイメージ画像

利用者にとっては、手元のコンピュータソフトウェアを導入したり、最新版に更新したりする手間が省け、また、特定の一台のコンピュータに限らずいつでもどこでもインターネットを通じて自分のソフトウェアデータアクセスできる利点がある。

また、従来は固定的に購入・導入してきたパッケージソフトに比べ、必要なときに必要なだけ使うといった柔軟な使用方法を選ぶことができ、分野によっては無料あるいは廉価でパッケージ版に近い機能を利用できる場合もある。

ただし、利用のためにはインターネットなどを通じて事業者のサーバアクセス可能でなければならず、オフライン環境では利用できないか、機能が大幅に制限される。また、有料の場合は月額固定料金か利用実績に応じた従量課金となるが、利用期間や使用法によっては買い切り型のパッケージ製品より割高となる場合もある。

事業者にとっての利点・欠点

ASPのイメージ画像

事業者にとっては、顧客が操作するソフトウェアを手元のサーバで集中的に管理・提供する形となるため、顧客にソフトウェアを配布するよりバージョンアップや不具合対応などに素早く取り組むことができる。有料版の不正利用や海賊版の流通なども防止することができる。

ただし、アプリケーションを配備して顧客に提供するためのサーバ群や通信回線などを整備・運用しなければならず、アプリケーションを提供し続ける限り設備や人員など固定的に運営費用がかかる。また、ソフトウェア自体に問題がなくてもサーバ運用上の事故でサービス提供が中断することもあり、機会損失やクレームの原因となる。

一方、買い切り型のパッケージは一度販売してしまえば同じ顧客から追加で収入を得ることは難しいが、サービスとして月額料金や従量課金などで提供すれば定期的・継続的に売上を得ることができる。無償で提供して多くの利用者を集め、広告や別の有償サービスへ誘導して収益化するなど、ビジネスモデルの柔軟性が高い。

アフィリエイトサービスプロバイダ

「ASP」という略語は、成果報酬型広告アフィリエイト広告)の配信事業者である「アフィリエイトサービスプロバイダ」(Affiliate Service Provider)を指すことがある。広告主から委託を受けて契約するWebサイトなどに広告を配信し、購入実績などの成果に応じてサイトに報酬を支払う。

アフィリエイト広告とは成果報酬型ネット広告で、サイト運営者は商品を推薦するページなどを作成し、広告主のサイトリンクを張り閲覧者を誘導する。そのリンクを経由して訪れた閲覧者が製品購入や会員登録などを行うと、サイト運営者に所定の報酬が支払われる。

ASPは広告主とメディア運営者を仲介するサービスで、広告主となるオンラインショップやネットサービス事業者などがASPに商材のプロモーションを依頼し、ASPは契約するWebサイトメールマガジンなどのメディア運営者に広告料の支払い条件などとともに案件を紹介する。

案件を受託したサイトには広告が掲載され、ASPは表示回数やクリック数、そのサイト経由の利用者の購買実績などを調べて集計する。製品が売れた数やユーザー登録の件数など、事前に定めた条件に応じて、メディア側に広告料が支払われる。

サービス名運営対象商品・サービス
AmazonアソシエイトアマゾンジャパンAmazon.co.jpで販売している商品
楽天アフィリエイト楽天楽天内ショップの商品、楽天のサービスなど
TGアフィリエイトリンクシェア・ジャパン
(楽天グループ)
楽天取扱商品、提携ECサイト商品など
リンクシェアアフィリエイト楽天取扱商品、提携サイト金融系サービスなど
バリューコマースアフィリエイトバリューコマースYahoo!ショッピング・ヤフオク!取扱商品など
A8.netファンコミュニケーションズ提携サイト商品・サービスなど
アフィリエイトBフォーイット提携サイト商品・サービスなど
アクセストレードインタースペース提携サイト商品・サービスなど
▲ 日本の主なアフィリエイトサービスプロバイダ(ASP)
(2023.4.19更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

試験出題履歴

ITパスポート試験 : 令5 問4 平29春 問23 平24春 問26 平22春 問13

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。