シー・シェパードによる調査捕鯨船へのテロ行為によって、それまで無関心だった日本の世論も、捕鯨に関心を持つようになってきたように見える。しかし、どちらかというとその関心は「反捕鯨活動」への関心であるような嫌いもある。 日本人として捕鯨をどう捕らえるのか、それを学ぶ機会はあまりにも少ない。以前私が紹介した『最近捕鯨白書』にしても、国際捕鯨委員会(IWC)を中心とした国際的な動きが中心に書かれていた。 そこへ現れたのが「箸を持った憂国の士」小泉武夫氏である。 「もやしもん」のモデルであると言われる発酵学の権威が、日本における鯨食の歴史、捕鯨に関する科学的な分析、捕鯨・反捕鯨を取り巻く国際政治、栄養学や医学、鯨料理のレシピ・・・とまさに縦横無尽に鯨を語ってくださる。 今の日本では捕鯨は特定の地域だけの伝統産業のように言われているが、実は古事記には、神武天皇が鯨を食べたという記述があり、万葉集には「