フランス¶
FEC - Fichier des Écritures Comptables¶
FEC Fichier des Écritures Comptables 監査ファイルには、会計年度の全ての会計データと全ての会計仕訳帳に記録された項目が含まれています。ファイル内の項目は、時系列順に並んでいなければなりません。
2014年1月1日以降、すべてのフランス企業は、税務当局の監査請求に応じて、このファイルを作成・提出することが義務付けられています。
FEC インポート¶
Odoo企業版のフランス語 会計ローカライゼーションパッケージ には、古いソフトウェアから既存のFECファイルをインポートできるようにする FECインポート 機能(モジュール名: l10n_fr_fec_import
) が含まれており、新規ユーザの導入がより簡単になりました。
この機能を有効にするには、
で FECインポート を有効にし、保存 して下さい。次に、
に行き、FECファイルをアップロードし、インポート をクリックします。注釈
ファイルフォーマット¶
FECファイルは、XML形式には対応していないため、CSV形式のみとなります。
注釈
FEC CSV ファイルは、データテーブルを表すプレーンテキストフォーマットを持ち、最初の行がヘッダで、各仕訳のフィールドリストを定義し、続く各行が1つの会計仕訳を表し、あらかじめ決められた順序はありません。
当社のモジュールでは、ファイルが以下の技術仕様を満たす必要があります:
エンコーディング: UTF-8, UTF-8-SIG および iso8859_15.
セパレータ: これらのいずれか:
;
or|
or,
またはTAB
ラインターミネータ: CR+LF (
\r\n
) および LF (\n
) 両方の文字グループがサポートされています。日付フォーマット:
%Y%m%d
フィールドの説明と用途¶
# |
フィールド名 |
説明 |
試用 |
フォーマット |
---|---|---|---|---|
01 |
仕訳帳コード |
台帳コード |
|
英数字 |
02 |
JournalLib |
仕訳帳ラベル |
|
英数字 |
03 |
EcritureNum |
仕訳の各仕訳帳シーケンス番号に固有の番号付け |
|
英数字 |
04 |
EcritureDate |
会計仕訳日 |
|
日付 (yyyyMMdd) |
05 |
CompteNum |
口座番号 |
|
英数字 |
06 |
CompteLib |
勘定科目ラベル |
|
英数字 |
07 |
CompAuxNum |
第2アカウント番号(NULL可) |
|
英数字 |
08 |
CompAuxLib |
第2アカウントラベル(NULL可) |
|
英数字 |
09 |
PieceRef |
ドキュメント参照 |
|
英数字 |
10 |
PieceDate |
ドキュメント日付 |
|
日付 (yyyyMMdd) |
11 |
EcritureLib |
会計仕訳ラベル |
|
英数字 |
12 |
借方 |
借方金額 |
|
フロート |
13 |
貸方 |
貸方金額 (フィールド名"Crédit"は不可) |
|
フロート |
14 |
EcritureLet |
会計項目相互参照 (null可) |
|
英数字 |
15 |
DateLet |
会計仕訳日 (null可) |
未使用 |
日付 (yyyyMMdd) |
16 |
ValidDate |
会計仕訳検証日 |
未使用 |
日付 (yyyyMMdd) |
17 |
Montantdevise |
通貨金額 (null可) |
|
フロート |
18 |
Idevise |
通貨識別子 (null可) |
|
英数字 |
上記の他の項目の代わりにこの2つの項目を使用することができます。
12 |
Montant |
金額 |
|
フロート |
13 |
Sens |
クレジット用に "C" またはデビット用に "D" 可 |
determines |
文字 |
導入詳細¶
以下の会計エンティティがFECファイルからインポートされます: 勘定科目、仕訳帳、取引先、記帳。
当社のモジュールが、ファイル内で使用されるエンコーディング、ラインターミネータ文字、セパレータを決定します。
その後、全ての明細行にヘッダーに対応する正しい数のフィールドがあるかどうかのチェックが行われます。
チェックに合格すると、ファイルは完全に読み込まれ、メモリに保持され、スキャンされます。会計エンティティは、次の順序で1種類ずつインポートされます。
アカウント¶
全ての会計仕訳は勘定科目に関連しており、その勘定科目はフィールド CompteNum
によって決定されます。
コード照合¶
同じような勘定科目コードがすでにシステムに存在する場合、新しい勘定科目コードを作成する代わりに、既存の勘定科目コードが使用されます。
Odooの勘定科目は通常、会計ローカライズのデフォルト桁数を持っています。FECモジュールはフランスのローカライゼーションに関連しているため、デフォルトの桁数は6桁です。
つまり、勘定科目コードの末尾の0は右トリミングされ、FECファイルの勘定科目コードとOdooに既に存在する勘定科目コードの比較は、コードの最初の6桁のみで行われます。
Example
ファイル内の勘定科目コード 65800000
はOdooの既存の勘定科目 658000
と照合され、新しい勘定科目を作成する代わりにその勘定科目が使用されます。
消込可能フラグ¶
勘定科目が最初に表示される明細に EcritureLet
フィールドが記入されている場合、技術的には 消込可能 としてフラグが立てられます。このフラグは、会計仕訳が別の仕訳と照合されることを意味します。
注釈
明細にこのフィールドが記載されていない場合でも、まだ記録されていない支払と消込する必要がある場合、これは問題ではありません。この場合、仕訳明細のインポートがそれを必要になった時点で、勘定科目に消込可能のフラグが立てられます。
勘定科目タイプとテンプレート照合¶
勘定科目の タイプ は FEC 形式では指定されていないため、新規 勘定科目はデフォルトの 流動資産 という種類で作成され、インポート処理の最後に、インストールされている勘定科目表テンプレートと照合されます。また、消込 フラグもこの方法で計算されます。
照合は一番左の桁から行われ、まず全ての桁を使用し、次に3、2の順に使用します。
Example
名称 |
コード |
全比較 |
3-桁比較 |
2-桁比較 |
---|---|---|---|---|
テンプレート |
|
|
|
|
CompteNum |
|
|
|
|
結果 |
一致が ありました |
勘定科目の種類は、勘定科目テンプレートに従って、支払可能 と 消込可能 のフラグが付けられます。
仕訳帳¶
複数のFECファイルをインポートする場合も、仕訳帳はOdooに既に存在する仕訳帳と照合され、重複を防ぎます。
類似の仕訳帳がすでにシステムに存在する場合は、新規仕訳帳を作成する代わりに、既存の仕訳帳を使用します。
新規仕訳帳には、プレフィクスとして FEC-
という文字列が付きます。
Example
ACHATS
-> FEC-ACHATS
仕訳帳はアーカイブされ ない ため、ユーザは自由に使用できます。
仕訳帳タイプ決定¶
仕訳帳のタイプも(勘定科目と同じように)フォーマットで指定されていないため、最初は`一般`というデフォルトタイプで作成されます。
インポートプロセスの最後に、関連する仕訳と勘定科目に関する規則に従ってタイプが決定されます:
銀行
: これらの仕訳帳の仕訳には、常に流動性勘定に影響する明細(借方または貸方)があります。現金
/銀行
は入替えることができるので、この条件が満たされると、どこでも銀行
が設定されます。販売
:これらの仕訳帳の仕訳は、ほとんどが税金収益勘定の借方明細と受取税勘定の貸方明細です。販売返金仕訳帳の項目は、借方/貸方が逆になっています。購買
: これらの仕訳帳の仕訳は、ほとんどが支払勘定の貸方明細と経費の借方明細です。購買返金仕訳帳の項目は、借方/貸方が逆になっています。一般
: その他全て。
注釈
仕訳帳タイプの識別には最低3回の仕訳が必要です。
仕訳帳タイプを決定するには、仕訳の70%が基準に該当する必要があります。
Example
ある journal_id
を共有する仕訳を分析しているとします。
移動 |
カウント |
パーセンテージ |
---|---|---|
販売勘定明細があり、購買勘定明細がないもの |
0 |
0 |
購買勘定明細があり、販売勘定明細がないもの |
1 |
25% |
流動性勘定明細があるもの |
3 |
75% |
Total |
4 |
100% |
仕訳帳の タイプ
は 銀行
になります。銀行の仕訳率(75%)がしきい値(70%)を超えているからです。
取引先¶
各取引先はその 参照
をフィールド CompAuxNum
から保ちます。
注釈
これらのフィールドは、会計/監査目的のため、会計専門家側の旧FECインポートに準じて、検索可能です。
ちなみに
ユーザは、データクリーニングアプリで取引先をマージすることができます。仕入先と顧客、または類似の取引先仕訳は、類似の仕訳でグループ化されたシステムの支援を受けて、ユーザがマージすることができます。
移動¶
仕訳は提出後すぐに記帳済となり、EcritureLet
フィールドを使用して仕訳自体の照合を行います。
EcritureNum
フィールドは仕訳の名前を表します。このフィールドが埋められていない場合は PieceRef
フィールドを使用します。
丸め問題¶
借方および貸方には、通貨に関連した精度の丸め公差があります(つまり、EURの場合は0.01)。この許容差の下で、仕訳に新規明細が追加され、丸め差異インポート と名付けられ、勘定科目を対象とします:
658000
追加借方用の多様な管理手数料758000
追加貸方用の多様な管理製品
仕訳名なし¶
EcritureNum
が記入されていない場合、PieceRef
フィールドも仕訳名を決定するのに適し ていない可能性があります(これは会計仕訳明細参照として使用される可能性があります)。そのため、実際にどの明細書を1つの仕訳でグループ化するのかを確認する方法がなく、バランスの取れた仕訳を作成することができません。
最後の試みは、同じ仕訳帳と日付(JournalLib
, EcritureDate
) の明細を全てグループ化することです。このグループ化によってバランスの取れた仕訳(合計(貸方) - 合計(借方) = 0)が生成された場合、仕訳帳と日付の異なる組合わせごとに新規仕訳が生成されます。
Example
ACH
+ 2021/05/01
--> 名前 20210501
の仕訳帳 `ACH`上の新規仕訳
この試みが失敗した場合、ユーザには不均衡と思われる全ての仕訳明細がエラーメッセージとして表示されます。
取引先情報¶
明細に取引先情報が指定されている場合、対象となる仕訳帳が 買掛金 または 売掛金 のタイプであれば、その情報は会計の仕訳自体にコピーされます。
エクスポート¶
フランス語の 会計ローカライゼーションパッケージ をインストールしていれば、FECをダウンロードできるはずです。そのためには、 にアクセスして下さい。
ちなみに
サブメニュー FEC が表示されない場合は、 :menuselection:`アプリ`で アプリ フィルタを削除し、France-FEC という名前のモジュールを検索し、インストールされていることを確認して下さい。
フランス会計レポート¶
フランス会計をインストールした場合、フランス特有の会計レポートを利用することができます:
会計帳簿
損益計算書
フランス税制
OdooでVAT不正防止認証を取得¶
2018年1月1日より、フランスとDOM-TOMにおいて新しい不正防止法が施行されました。この新しい法律では、販売データの改ざん防止、セキュリティ、保管、アーカイブに関する一定の基準が規定されています。これらの法的要件はOdooのバージョン9以降に実装されており、モジュールと適合証明書をダウンロードすることができます。
自分の会社は不正防止ソフトウェアを使用する必要がありますか?¶
以下の場合、貴社はOdooのような不正防止現金レジソフトを使用する必要があります(CGI art. 286, I. 3° bis):
フランス、またはどのDOM-TOMでも課税対象となります(VAT免税ではありません)、
あなたの顧客の中には個人もいます(B2C)。
この規則は企業規模を問わず適用されます。自営業者はVATが免除されるため、影響を受けません。
Odooで認定資格を取得¶
Odooへの準拠は非常に簡単です。
御社は税務当局から、御社のソフトウェアが不正防止法に準拠していることを証明する適合証明書の提出を求められています。この証明書はOdoo SAからOdoo企業版ユーザに付与されます: こちら. Odooコミュニティ版を使用している場合、 Odoo企業版にアップグレード するか、Odooサービスプロバイダーに連絡する必要があります。
不適合の場合、7,500ユーロの罰金が科せられる恐れがあります。
認定を受けるには、以下の手順に従って下さい:
Odoo POS をご利用の場合、フランス - POS向けVAT 不正防止認証 (CGI 286 I-3 bis) モジュールを インストール して下さい。 に行き、アプリ フィルタを削除し、 l10n_fr_pos_cert を検索して、モジュールをインストールします。
会社に国が設定されていることを確認して下さい。そうでないと、変更不可能性チェックのためのエントリが暗号化されません。会社データを編集するには、
にアクセスして下さい。新しい国を作成しないで下さい。Odoo SAが発行する必須適合証明書をダウンロードして下さい: ここ.
注釈
2017年12月18日より前に作成されたシステムにモジュールをインストールするには、モジュールリストを更新する必要があります。そのためには 開発者モード を有効化します。その後、アプリ メニューに移動し、トップメニューの モジュールリストを更新 を押して下さい。
オンプレミスでOdooをご利用の場合、事前にインストールを更新し、サーバを再起動する必要があります。
不正防止モジュールの初期バージョン(2017年12月18日以前)をインストールしている場合は、アップデートが必要です。モジュールの名前は France - Accounting - Certified CGI 286 I-3 bis です。モジュールリストの更新後、アプリ*で更新されたモジュールを検索し、それを選択して*アップグレード*をクリックします。最後に、次のモジュール *l10n_fr_sale_closing がインストールされていることを確認します。
不正防止機能¶
不正防止モジュールは、以下の機能を導入しています:
不変性: POSオーダ、顧客請求書、仕訳の主要データを取消または変更する方法を全て無効化;
セキュリティ: 不変性を検証するための連鎖アルゴリズム;
保管: 期間と累積合計(日、月、年)の両方の計算と自動販売クロージング。
不変性¶
会社がフランスまたはDOM-TOMにある場合、支払済のPOSオーダ、確認済の顧客請求書、仕訳の主要データを取消し、修正する可能性のある方法は全て無効化されます。
注釈
複数の会社で構成されている環境では、その会社のドキュメントだけが影響を受けます。
セキュリティ¶
改ざんできないようにするため、オーダや仕訳帳は検証済みに暗号化されます。この番号(またはハッシュ)は、ドキュメントのキーデータと先行ドキュメントのハッシュから計算されます。
このモジュールは、データの不変性をテストするためのインターフェイスを導入しています。検証済のドキュメントで何らかの情報が変更された場合、テストは失敗します。アルゴリズムは全てのハッシュを再計算し、最初のものと比較します。失敗した場合、システムはシステムに記録された最初の破損ドキュメントを指摘します。
マネジャー のアクセス権を持つユーザは、不変性チェックを起動することができます。POSオーダの場合、
に進みます。顧客請求書または仕訳の場合は に進みます。ストレージ¶
システムはまた、日次、月次、年次ベースで自動販売締めを処理します。このような締めは、その期間の販売合計と、システムに記録された最初の販売エントリからの累積総合計を明確に計算します。
締めは、POS、請求、会計アプリの フランス取引明細 メニューにあります。
注釈
締めでは、販売仕訳帳(仕訳帳タイプ = 販売)の仕訳の合計が計算されます。
複数の会社が存在する環境では、このような締めは企業ごとに行われます。
POSオーダは、POS セッションの終了時に仕訳として記帳されます。POSセッションの終了はいつでも行うことができます。ユーザが毎日行うように促すために、モジュールは24時間以上前に開いたセッションを再開できないようにします。そのようなセッションは再度販売する前に閉じなければなりません。
期間の合計は、記帳日に関係なく、同じ種類の仕訳が前回の決算の後に全て済んでいるかどうかで計算されます。すでに締め切られた期間に新しい販売取引を計上した場合、その取引は次の締めでカウントされます。
責任¶
モジュールをアンインストールしないで下さい! そうすると、ハッシュがリセットされ、過去のデータの不変性が保証されなくなります。
ユーザは自分のOdooインスタンスに責任を持ち、十分な注意を払って使用しなければなりません。データの不変性を保証するソースコードを変更することは許可されていません。
Odooが認定していないサードパーティアプリケーションによってモジュールの機能が変更された場合、Odooは全ての責任を免除されます。
詳しい情報¶
この法律に関する詳細は、以下の公式ドキュメントをご覧下さい。