繰延費用

繰延費用前払金 ( 前払費用 としても知られる)は、いずれもまだ受け取っていないプロダクトやサービスに対してすでに発生している費用です。

このような費用は、プロダクトやサービスの代金を既に支払っているが、まだ受け取っていないか、まだ使用していないため、支払った企業にとっては 資産 となります。この支払額に対する実際の費用処理は将来的に行われるため、現在の 損益計算書損益計算書 に計上することはできません。

これらの将来の費用は、損益計算書上で、一度に、または定められた期間にわたって 認識 できる時点まで、会社の貸借対照表上で繰延べする必要があります。

例えば、1年分の保険料を一度に $1200支払うとします。今すでに支払っているが、まだサービスは利用していません。そこで、この新しい費用を 前払勘定科目 に計上し、月単位で認識することにします。今後12ヶ月間、毎月 $100を費用として計上します。

Odoo会計は繰延費用を複数の項目に分散し、定期的に計上することで処理します。

注釈

サーバは1日に1回、仕訳を記帳しなければならないかどうかをチェックします。ドラフト から 記帳済 に変更されるまで、最大24時間かかる場合があります。

設定

デフォルト設定がビジネスに対して適正に設定されていることを確認して下さい。これを行うには、 会計 ‣ 設定 ‣ 管理設定 に進みます。以下のオプションが利用可能です:

仕訳帳

繰延仕訳はこの仕訳帳に計上されます。

前払費用勘定

費用は認識されるまで、この流動資産勘定に繰延べられます。

前受収益勘定

収益は、認識されるまでこの流動負債勘定に繰延べられます。

仕訳生成

デフォルトでOdooは、仕入先請求書を記帳する際に、繰延仕訳を 自動的に作成 します。しかし、代わりに 手動 & グループ化 オプションを選択して それらを手動で作成 することもできます。

金額計算

$1200の請求書を12ヶ月にわたって繰延しなければならないとします。1カ月あたり均等 の計算では毎月 $100 を認識するが、日数ベース の計算では各月の日数によって異なる金額を認識します。

検証時に繰延仕訳を作成

ちなみに

開始日終了日 フィールドが 顧客請求書明細 タブに表示されていることを確認して下さい。ほとんどの場合、開始日仕入先請求書 と同じ月でなければなりません。繰越経費仕訳は仕入先請求書から計上され、それに従ってレポートに表示されます。

繰延すべき請求書の各明細について、繰延期間の開始日と終了日を指定します。

もし 一般仕訳 フィールドが 請求書検証時 に設定されている場合、Odooは請求書が検証されると自動的に繰延仕訳を生成します。繰延項目 スマートボタンをクリックすると表示されます。

1つの仕訳は、手形の会計日と同じ日に、仕入先請求書を経費勘定から繰延勘定に移動させます。もう1つの仕訳は、毎月、仕入先請求書を繰延勘定から経費勘定に移動し、費用を認識する繰延仕訳です。

Example

開始日を2023年1月1日、終了日を2023年12月31日と指定することで、1月分の請求書$1200を12ヶ月にわたって繰り延べることができます。8月末に$800が費用として認識され、$400が繰延勘定に残ります。

レポーティング

繰延費用レポートは、各勘定科目に必要な繰延仕訳の概要を計算します。アクセスするには、 会計 ‣ レポーティング ‣ 繰延費用 にアクセスして下さい。

各勘定科目の仕訳項目を表示するには、勘定科目名をクリックし、次に 仕訳項目 をクリックします。

繰延費用レポート

注釈

会計日が報告期間終了前の仕入先請求書のみが考慮されます。

グループ化された繰延仕訳を手動で生成する

繰延収益が多く、作成する仕訳の数を減らしたい場合は、手動で繰延仕訳を生成することができます。そのためには、管理設定仕訳生成 フィールドを 手動でグループ化 に設定します。するとOdooは繰延金額を1つの仕訳に集約します。

各月末に、繰延費用レポートを開き、一般仕訳 ボタンをクリックします。これで2つの繰延仕訳が生成されます:

  • 各勘定科目につき、その月の全ての繰延金額を集計した月末付けのものがあります。つまり、その月末に繰延費用の一部が認識されます。

  • この作成済仕訳の逆仕訳は、翌日(つまり翌月1日)の日付で、前の仕訳を取消します。

Example

2つの仕入先請求書があります:

  • 仕入先請求書 A: 2023年1月1日から12月31日まで繰延される$1200

  • 仕入先請求書 B: 2023年1月1日から2023年12月31日まで繰延される$600

1月

1月末、仕訳を生成 ボタンをクリックすると、次のような仕訳があります:

  • 1月31日付仕訳1:

    • 明細 1: 経費勘定 -1200 -600 = -1800 (両方の仕入先請求書の合計をキャンセル)

    • 明細 2: 経費勘定 100 + 50 = 150 (仕入先請求書 A と仕入先請求書 Bの1/12を認識)

    • 明細3: 繰延勘定 1800 - 150 = 1650 (まだこれから繰延べられる金額)

  • 2月1日付仕訳2、前回仕訳の逆仕訳:

    • 明細1: 費用勘定 1800

    • 明細2: 繰延勘定 -150

    • 明細3: 費用勘定 -1650

2月

At the end of February, after clicking the Generate Entries button, there are the following entries:

  • 2月28日付仕訳1:

    • 明細 1: 経費勘定 -1200 -600 = -1800 (両方の仕入先請求書の合計をキャンセル)

    • 明細 2: 経費勘定 200 + 100 = 300 (仕入先請求書 A と仕入先請求書 Bの2/12を認識)

    • 明細3: 繰延勘定 1800 - 300 = 1500 (まだこれから繰延べられる金額)

  • 3月1日付の仕訳2、前回の仕訳の逆仕訳。

3月から10月

同じ計算を10月まで毎月行います。

11月

11月末、仕訳を生成 ボタンをクリックすると、次のような仕訳があります:

  • 11月30日付の仕訳1:

    • 明細 1: 経費勘定 -1200 -600 = -1800 (両方の仕入先請求書の合計をキャンセル)

    • 明細 2: 経費勘定 1100 + 550 = 1650 (仕入先請求書 A と仕入先請求書 Bの11/12を認識)

    • 明細3 繰延勘定 1800 - 1650 = 150 (まだこれから繰延べられる金額)

  • 12月1日付仕訳2、前回の仕訳の逆仕訳。

12月

12月に仕訳を作成する必要はありません。実際、12月分の計算を行えば、繰延べられる金額は0になります。

合計

全ての項目を合わせると、以下のようになります:

  • 仕入先請求書Aと仕入先請求書B

  • 1月から11月までの各月用に2仕訳(繰延分と逆仕訳分)

したがって、12月末日において、仕入先AおよびBは、逆仕訳の仕組みにより、作成された全ての項目にも関わらず、一度だけ完全に費用として認識されます。