在庫調整

倉庫管理システムでは、データベースに記録された在庫数と倉庫内の実際の在庫数が必ずしも一致しない場合があります。2つのカウントの不一致は、破損、人的ミス、盗難、または他の要因による可能性があります。そのため、在庫調整を行い、差異を調整し、データベースに記録されたカウントと倉庫内の実際のカウントが一致するようにする必要があります。

在庫調整ページ

在庫調整*ページを表示するには、 :menuselection:`在庫アプリ --> オペレーション --> 在庫調整`に移動します。

在庫調整ページに表示されている在庫プロダクト。

在庫調整 ページでは、現在在庫のあるプロダクトが全てリストアップされ、各プロダクト明細には以下の情報が含まれています:

  • ロケーション: プロダクトが保管されている倉庫内の特定のロケーション。

  • プロダクト: 在庫調整明細に数量が記載されているプロダクト。

  • ロット/シリアル番号: リスト済の特定のプロダクトに割当てられた追跡識別子です。アルファベット、数字、またはその両方を組合わせることができます。

注釈

特定のプロダクトに1.00`以上の在庫があり、複数のシリアル番号(またはロット番号)が割当てられた場合、一意に識別された各プロダクトは ロット/シリアル番号 列の下に表示される独自のロット/シリアル番号と共に、それ自体のプロダクト明細に表示されます。

  • 手持数量: 現在データベースに記録されているプロダクトの数量です。

  • 単位: プロダクトの 単位 を指定します。特に指定がない限り(つまり ポンドオンス)、デフォルトの 単位 です。

  • 棚卸数量: 在庫棚卸時にカウントされた実際の数量です。このフィールドはデフォルトでは空白のままですが、 手持数量 と一致するかどうかによって変更することができます。

  • 差異: 手持数量棚卸数量 の差分で、在庫調整が行われた後の値です。差分は在庫調整が行われる度に自動的に計算されます。

  • 予定日: カウントを行う日付です。特に指定がない場合、この日付のデフォルトは現在の年の12月31日となります。

  • User: データベースのカウントに割当てられたユーザです。これは在庫を物理的にカウントする人、またはデータベースでカウントを適用する人のどちらかになります。

  • プロダクトカテゴリ: 特定のプロダクトに内部的に割当てられたカテゴリ。特に指定がない限り(つまり 消耗品レンタル)、デフォルトの プロダクトカテゴリ全て に設定されます。

  • 利用可能数量: 未処理/未完了の販売オーダ、購買オーダ、または製造オーダに基づいて、それらが実行されると変更する可能性のある、現在利用可能な特定のプロダクトの数量。

  • 会計日: Odoo 会計 アプリで調整が計上される日付です。

  • 会社: 在庫調整を行うデータベースの会社です。会社はデータベースの右上、現在ログインしているユーザの隣に表示されます。

ちなみに

いくつかの列はデフォルトでは非表示になっています。これらの列を表示するには、フォームの一番上の行の右端にある 追加オプション ボタン(3つの点のアイコン)をクリックし、そのオプションの横にあるチェックボックスをクリックして表示したい列を選択します。

在庫調整を作成する

在庫調整 ページから新しい在庫調整を作成するには、 作成 をクリックします。そうすることで、ページの下に新しい空白の在庫調整明細が作成されます。

この空白の在庫調整明細で、 プロダクト 列の下にあるドロップダウンメニューをクリックし、プロダクトを選択します。選択したプロダクトがロット番号またはシリアル番号を使用して追跡されている場合は、 ロット/シリアル番号 列の下にあるドロップダウンメニューから希望のロット番号またはシリアル番号を選択することもできます。

次に、 棚卸数量 列の値を、在庫調整プロセスでそのプロダクトについてカウントされた数量に設定します。

注釈

新規在庫調整の 棚卸数量 はデフォルトで 0.00 に設定されています。0.00`の 完了数量 による在庫移動はプロダクトの在庫調整履歴に記録されるため、実際に棚卸数量が反映されるように設定する必要があります。

棚卸数量 列の右側にある 予定日ユーザ はそれぞれのドロップダウンメニューで変更することができます。予定日 を変更すると、在庫調整が処理されるべき日付が変更され、担当する ユーザ を選択すると、特定の在庫調整にユーザを割当てます(トレーサビリティのため)。

新しい在庫調整明細に全て変更を加えたら、その明細からクリックして離れます。そうすることで、調整が保存され、明細がページの一番上に移動します。

もし 棚卸数量手持数量 より大きい場合、 差異 列の値は になります。もし 棚卸数量手持数量 より小さい場合、 差異 列の値は となります。数量が一致し、全て変更されていない場合、 差異 列に値は表示されません。

在庫調整ページの差異列。

この段階では、カウント(在庫調整)は記録されていますが、まだ適用されていません。これは、調整前の手持数量が、新しい実際の棚卸数量と一致するようにまだ更新されていないことを意味します。

新しい在庫調整を適用するには2つの方法があります。一つ目の方法は、ページの右端にある明細の 適用 ボタンをクリックする方法です。もう一つは明細の左端にあるチェックボックスをクリックする方法です。そうすると、ページの上部に新しいボタンオプションが表示され、その中の一つに 適用 ボタンがあります。このボタンをクリックすると 在庫調整参照 / 理由 ポップアップウィンドウが表示されます。

このポップアップメニューから、在庫調整に参照または理由を割当てることができます。デフォルトでは、 在庫調整 / 理由 フィールドには調整が行われる日付が予め入力されていますが、 どのような参照や理由であっても、それを反映するように変更することができます。

準備ができたら、 適用 をクリックして在庫調整を適用します。

注釈

在庫調整を適用すると、トレーサビリティのため、移動履歴 レポートに 在庫移動明細 (SML) が同時に作成されます。

全て適用オプションは、理由が指定されると在庫調整を適用します。

プロダクトをカウントする

プロダクトのカウント(棚卸)は倉庫で繰返し実施される活動です。カウントが完了したら、 在庫アプリ ‣ オペレーション ‣ 在庫調整 で各プロダクト明細の 棚卸数量 列を更新します。

各プロダクト明細で、データベースに記録されている 手持数量 列の値が、新しく数えた値と一致するかどうかを確認します。記録された値とカウントされた値が一致する場合は、プロダクト明細の右端にある 設定 ボタン(ターゲットアイコン)をクリックします。

これにより 手持数量 列の値が 棚卸数量 列にコピーされ、 差異 列の値が 0.00 に設定されます。その後、適用されると、0.00 完了数量 の在庫移動がプロダクトの在庫調整履歴に記録されます。

ゼロカウント在庫調整移動。

もしあるプロダクトの新しくカウントされた値が、データベースに記録されている 手持数量 の値と一致 しない 場合、 設定 ボタンをクリックする代わりに、 棚卸数量 列のフィールドに実際の値を記録して下さい。

これを行うには、カウントを変更するプロダクトの特定の在庫調整明細の 棚卸数量 列のフィールドをクリックします。これで自動的に 棚卸数量0.00 が割当てられます。

この値を変更するには、新しくカウントされた実際の値と一致する新しい値を入力します。その後、明細をクリックします。そうすることで調整が保存され、自動的に 差異 列の値が調整されます。

もし 棚卸数量手持数量 より大きい場合、 差異 列の値は になります。もし 棚卸数量手持数量 より小さい場合、 差異 列の値は となります。数量が一致し、全て変更されていない場合、 差異 列に値は表示されません。

その後、適用されると 手持数量棚卸数量 の差による移動がプロダクトの在庫調整履歴に記録されます。

在庫調整履歴ダッシュボードには、過去のプロダクト移動のリストが表示されます。

重要

カウントが発生しても、すぐにデータベースで適用できないことがあります。実際にカウントしてから在庫調整を適用するまでの間に、プロダクトの移動が発生することがあります。その場合、データベースの手持数量が変更され、棚卸数量と一致しなくなる可能性があります。念のため、在庫調整を適用する前にOdooは確認を求めます。

在庫カウント頻度を変更する

デフォルトでは、在庫調整の 予定日 は常に当年の12月31日に予定されています。しかし、企業によっては、常に正確な在庫数を把握することが重要な場合もあります。そのような場合、デフォルトの予定日を変更することができます。

デフォルトの予定日を変更するには、 在庫アプリ ‣ 設定 ‣ 管理設定 に進みます。そして、 オペレーション セクションで、 年度末棚卸の月日 設定を探します。このドロップダウンメニューはデフォルトで12月31日に設定されています。

年度末棚卸の月日の設定で、次回の在庫棚卸日を調整します。

日付を変更する場合は、31 をクリックし、その年の希望の月によって 1-31 の範囲内の日に変更します。

月を変更するには、12月 をクリックしてドロップダウンメニューを表示し、希望の月を選択します。

全ての変更が完了したら、 保存 をクリックして全ての変更を保存します。

大規模な在庫棚卸の計画

現在在庫があるものを全て数えるなど、大規模な在庫棚卸を計画するには、まず 在庫アプリ ‣ オペレーション ‣ 在庫調整 に移動します。

次に、各製品明細の左端にあるチェックボックスをクリックして、カウントするプロダクトを選択します。

ちなみに

現在在庫のある 全て のプロダクトのカウントを要求するには、テーブルの一番上、 ロケーション ラベルの隣のヘッダー行にあるチェックボックスをクリックして下さい。これにより、**全ての**プロダクト明細が選択されます。

在庫調整ページの棚卸ポップアップを要求します。

希望のプロダクトを全て選択したら、ページ上部の 棚卸を要求 ボタンをクリックします。これにより 棚卸を要求 ポップアップウィンドウが表示されます。このポップアップから、以下の情報を入力して下さい:

  • 棚卸日: 棚卸の予定日。

  • ユーザ:棚卸を担当するユーザ。

  • 会計日: 在庫の調整が計上される日付。

  • カウント: 各プロダクトラインの手持ち数量を空白にするには、 空白のまま を選択します。各プロダクト明細の手持数量をあらかじめデータベースに記録されている現在の値で埋めるには、 現在の値を設定 を選択します。

最後に、準備ができたら 確認 をクリックしてカウントを要求します。

重要

Odoo バーコード アプリでは、ユーザは 自分に 割当てられた 在庫数 と、今日 または それ以前 に予定されている在庫数のみを表示することができます。

参考

循環棚卸