フィアット・グランデ・パンダ・エレクトリックへ試乗 初代の面影が滲む意欲作 HVも同時リリース
公開 : 2025.02.06 19:05
EVかHVを選べる、高い価格競争力のグランデ・パンダ 初代の面影が滲む容姿 ポップな雰囲気で実用的な広々車内 有能な動力性能 予想しやすい操縦性 成功を想像できると英編集部は評価
もくじ
ーEVかハイブリッドを選べるグランデ・パンダ
ー初代パンダの面影が滲む容姿 高い価格競争力
ーポップな雰囲気で実用的な広々インテリア
ー有能な動力性能 予想しやすい操縦性
ー内容の濃い仕上がり 成功が想像できる
ーフィアット・グランデ・パンダ・エレクトリック・レッド(欧州仕様)のスペック
EVかハイブリッドを選べるグランデ・パンダ
新しくフィアットへ仲間入りした、「グランデ」パンダ。聞き慣れたモデル名だが、実質的には、ひっそり生産を終えたフィアット・プントを置き換える、グローバルなコンパクトカーといえるだろう。
パンダを名乗るだけあって、フィアットの熱意は半端ない。ボディもインテリアも、細部まで丁寧にデザインされている。背が高めのクロースオーバーであることが、現代的な魅力に繋がっている。
ステランティス・グループ傘下で、最大のブランドとなるのがフィアット。ブラジルやトルコなど、同社が得意とする市場でプレゼンスを高めるという、重要な目的がある。だがチャーミングな見た目は、万国共通で共感を得られそうだ。
プラットフォームは、ステランティス・グループのスマートカー。内燃エンジン版にも対応した設計で、シトロエンC3などとも共有する。ローコストでの製造を実現しており、グランデ・パンダの価格も低く抑えられている。
パワートレインは、電気モーターとガソリン・ハイブリッドの2種類。前者は、最高出力112psと最大トルク12.4kg-mの駆動用モーターが1基フロントに載り、駆動用バッテリーは43.8kWh。0-100km/h加速は11.0秒で、最高速度は131km/hとなる。
ハイブリッドは、100psの1.2L 3気筒ガソリンターボで、電圧48Vの電動化システムが組まれる。デュアルクラッチATに、小さな電気モーターを内蔵。CO2の排出量は、118g/kmがうたわれる。
初代パンダの面影が滲む容姿 高い価格競争力
英国価格は、レッド・グレードで2万975ポンド(約409万円)から。充実装備で3000ポンド(約59万円)増しのラ・プリマでも、価格競争力は高い。洗練性で劣るダチア・スプリングを除けば、クラス最安値のバッテリーEVといっていい。
ハイブリッドのグランデ・パンダは、英国仕様のアイコン・グレードで1万8975ポンド(約370万円)。装備内容は、レッドと同等といえる。
スタイリングには、ジョルジェット・ジウジアーロ氏が手掛けた、初代パンダの影響が明らかに滲む。四角いシルエットだけでなく、テールゲートへエンボス加工された、FIATの文字もその1つだろう。没個性な最近のモデルと、存在感は一線を画す。
今回試乗したモデルは、バッテリーEV仕様のレッド。これは、慈善事業プログラムのレッド(RED)へ参画したグレードで、ボディ塗装はレッド以外の色も選ぶことはできる。だが、ホワイトの16インチ・スチールホイールとの相性はバッチリだ。
ボディ周りで触れたい部分は多いが、その1つが、長さ4.5mの充電ケーブルをフロントグリル内へ収納できること。一般家庭の7kW充電器へ対応する。後部には、DCで最大100kWまで許容する、一般的な充電ポートもある。素晴らしいアイデアだと思う。
全長は3999mm、全幅は1763mm、全高は1570mmで、従来のフィアット・パンダよりふた周りほど大きい。ホイールベースは、2540mmだ。