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【コンパクトSUV界に絶大インパクト】スズキ・ジムニー55年の歴史で初となる5ドア、ノマド登場!

公開 : 2025.01.30 10:35  更新 : 2025.02.06 11:15

1月30日、スズキはジムニー・シリーズに5ドアモデル『ジムニー・ノマド』を追加設定し、4月3日より発売すると発表しました。インドのグルガオン工場で生産されるというノマドのモデル概要を、篠原政明が解説します。

インドのグルガオン工場で生産される初の5ドアモデル

1月30日、スズキジムニー・シリーズに5ドアモデル『ジムニー・ノマド』を追加設定し、4月3日より発売すると発表した。

1970年4月に初代が誕生してから55年、いまや世界199の国と地域で累計販売台数は349万台(2024年10月現在、スズキ調べ)に達する、スズキの本格的クロカン4WD『ジムニー』。そんなジムニー・シリーズ初の5ドアモデルが、『ノマド』として設定された。

ジムニーに追加設定された初となる5ドアモデル『ジムニー・ノマド』。
ジムニーに追加設定された初となる5ドアモデル『ジムニー・ノマド』。    田中秀宣

現行型ジムニーは2018年7月に発表された4代目となるが、2023年にインドの現地法人マルチスズキ・インディアが5ドアモデルを発表。使い勝手の高いリアシートと広くなったラゲッジスペースを備えた5ドアの登場は、既存のジムニー・ユーザーやユーザー予備軍たちにインパクトを与えた。当然ながら、日本仕様にも5ドアが追加されるのでは? という期待の声が大きくなり、並行輸入で日本に導入するショップが登場したほどだ。

そして今回、軽自動車登録のジムニー、乗用車登録のジムニー・シエラとも供給が落ち着いてきたこともあり、満を持してシエラをベースとした5ドアのノマドが日本に導入される。そう、ノマドは日本製ではなくインド仕様と同じ、インドのグルガオン工場で生産されるインド製となる。

ノマドの商品コンセプトは『本格的な悪路走破性を持つ5ドアコンパクトクロカン4×4』。3ドアのシエラでは、ジムニーの性能を最大限活用する、比較的プロ志向のユーザーがターゲットだった。ノマドではそれに加えて、ジムニーの性能を日常生活でも必要とするユーザーも取り込み、将来的にはジムニーの性能に憧れを持つユーザーの取り込みも図っていく。

全長とホイールベースを340mm延長して5ドア化

ノマドの外寸は、全長3980mm、全幅1645mm、全高1725mm、ホイールベースは2590mm。3ドアのシエラと比べて、全幅は同じだが全高は5mm低い。そして、全長とホイールベースは340mm延長されている。極端に言ってしまえば、Bピラーから前はノマドもシエラも一緒、ホイールベースを延長してリアサイドドアを備え、リアシートの居住性を向上してラゲッジスペースを拡大した、というわけだ。

とはいっても、ノマドのフロントまわりはシエラとは差別化されている。ジムニー・シリーズ共通の5スロットグリルは踏襲しているが、クロームの縁取りとガンメタリックの塗装でノマド専用グリルとして、上質感を演出している。ちなみに、このグリルはシエラにも装着可能だ。

3ドアのジムニー・シエラをベースに、全長とホイールベースを340mm延長して5ドア化。
3ドアのジムニー・シエラをベースに、全長とホイールベースを340mm延長して5ドア化。    田中秀宣

340mmのホイールベース延長は、ジムニーならではのオフロード性能を継承できるギリギリのサイズアップだという。36度のアプローチアングルと47度のデパーチャーアングルはシエラと同じ。ランプブレークオーバーアングルこそホイールベースの延長で25度(シエラは28度)となったが、十分な数値だ。最低地上高もシエラと同じ210mmを確保し、本格的なオフロード性能は維持されている。

車両の姿勢や状況を確保しやすいスクエアボディ、無塗装樹脂のパンパーやフェンダーのプロテクター部品が石はねや泥はねがあってもボディパネルにキズ付きにくくする構造、そして前後バンパー下部を切り上げた形状として悪路での走破性を高めるなど、ジムニーらしさはノマドでも継承されている。

なお、『遊牧民』を意味する『ノマド(NOMADE)』というサブネームを聞いて、かつてスズキがラインナップしていたコンパクトSUV、『エスクード』初代モデルの5ドア『エスクードノマド』を思い出した人もいるだろう。実際、ノマドの名はエスクードノマドからインスパイアされたようで、車名のロゴもエスクードノマドに似たものとなっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    田中秀宣

    Hidenobu Tanaka

    写真が好きで、車が好きで、こんな仕事をやっています。
    趣味車は89年式デルタ・インテグラーレ。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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