【食とクルマ、ふたつの美】石井昌道がマクラーレン・アルトゥーラ・スパイダーで伊勢志摩ドライブ
公開 : 2025.03.11 12:00
もくじ
静謐な早朝の名古屋を出発
マクラーレン・アルトゥーラ・スパイダーで日帰りのツーリングを堪能するのに、朝の通勤渋滞は避けたい。そこで少し早起きして、まだ夜が明けきらないうちに名古屋の中心街のホテルを発つことにした。
薄暗い地下駐車場でもパパイヤスパークのボディカラーは目に鮮やかで、うっすら残っていた眠気を吹き飛ばして完全に覚醒させてくれた。
ディヘドラルドアと呼ばれる跳ね上げ式ドアは自然と手を伸ばした位置にある電気式のノブスイッチをタッチするだけでスッと浮き上がり、開口部が大きいゆえスマートに身体を滑り込ませることができる。
センターコンソール先端のスイッチを押してシステム始動。ハイブリッドだからエンジンは目を覚まさない。音が響きやすい地下駐車場でもヒューンというわずかな電子音で移動できるのが心地いい。
街に出ても『Eモード』によるモーター走行はありがたい。人はまばらだが、早朝の散歩を楽しむ人を音で脅かさないで済むからだ。
目的地は伊勢志摩のワインディングロードを経ての三重県多気町の『VISION(ヴィソン)』。日本の食・文化・アートそしてテクノロジーが集結したリゾート地のホテルでランチを予約している。
10時10分の位置でステアリングを握れば、スッと指を伸ばすだけでドライビングモードを切り替えるスイッチを操作できる。高速道路で『コンフォート』にすると、背後でエンジンが目覚める。さらに『スポーツ』へ切り替えると、エキゾーストノートの迫力が増して戦闘態勢に入る。幾度となく加減速を繰り返したが、低回転域を得意とするモーターがまずはボディをトルクで押しだし、その間に十分な過給圧を得たエンジンが高回転域まで鋭く引っ張っていく絶妙なコンビネーションにしびれた。