聖家族(せいかぞく、羅: Sacra Familia)は、幼少年時代のイエス・キリストと養父ヨセフ、聖母マリアのことであり、キリスト教美術の主題のひとつであった。 聖家族をモチーフとした作品の創造は、15世紀から17世紀のルネサンス美術・バロック美術において盛んであった。よく描かれたのは『マタイによる福音書』が伝える聖母ので、旅の途上で休憩するマリア母子が豊かな風景画として描かれた。後の画家は、この画題に幼い洗礼者ヨハネや他の聖人を配した。 16世紀のイタリア美術は、フランドル絵画の影響により風景画の技法が発達し、とくに宗教画でその技法が取り入れられた。ティントレットの『エジプトへの逃避』はその影響が強くみられ、背景に神秘的な情感を持たせた作品となっている。