『海の底』(うみのそこ)は有川浩による小説作品。2005年6月にメディアワークスより出版、角川書店より発売された。著者の自衛隊三部作の「海」に当たる。 桜祭りで一般に開放された横須賀米軍基地に突如海から巨大生物の大群が襲来し、次々と人を襲う。自衛隊員2人は逃げ遅れた子供たちを連れ、米軍基地内に停泊していた海上自衛隊の潜水艦で籠城することになる。市民の犠牲も省みず爆撃を画策する米軍、政治的判断を優先させる内閣、警察上層部の思惑を背景に潜水艦に取り残された者、民間人救出に奔走する自衛隊、機動隊、警察の対策本部といったさまざまな視点から描かれ、事件発生から収束までの6日間の物語が進んでいく。 第三者としてネット上の小コミュニティの電子掲示板参加者の動向も大きなファクターになっているのが特徴。マスコミも読者に事態の進行を告知し、登場人物らが情報を得るメディアとして登場するが、事件の解決には貢献せず、むしろ興味本位で事態を混乱させる存在として批判的に描かれている。