北極海航路(ほっきょくかいこうろ、英語: Northern Sea Route、NSR、ロシア語: Се́верный морско́й путь、ラテン転記例:Severnii Morskoi Put)は、ユーラシア大陸北方(ロシア連邦シベリア沖)の北極海を通って大西洋側と太平洋側を結ぶ航路である。 北極海を通り、ヨーロッパとアジアを結ぶ最短航路(大圏航路)のうちの一つで、ヨーロッパから北西に向かい北アメリカ大陸の北を回って、大西洋と太平洋を結ぶ「北西航路」と対をなす。20世紀初頭以前のヨーロッパでは、ヨーロッパから北東方向へ向かいアジアに至るために「北東航路」(Northeast Passage)と呼ばれていた。現代のロシアにおける呼称は「北方航路」であり、「Северный морской путь」の各単語の頭を採って「セヴモルプーチ」(Севморпуть;Sevmorput)とも略される。 この航路は、ソマリア沖やマラッカ沖の海賊で悩まされる、アデン湾やマラッカ海峡経由の航路より短い上に治安も悪くなく、大型船舶でなければ、ロシア北方の資源をアジアやヨーロッパに運ぶのに適しているため、物流や地政学の面で注目されている。