レーヨン(rayon)とは、植物体の中に含まれる繊維素を取り出し、化学薬品で一度溶解した後に繊維状に再生した、化学繊維の一種である。絹に似せて作った再生繊維であり、日本ではかつて人絹(じんけん、人造絹糸)とも呼ばれていた。 レーヨンの名前の由来は「光線(英:ray)」と「綿 (英:cotton)」 を組み合わせた言葉であり、他にもフランス語で「光るもの」という意味もある。また、特にビスコース・レーヨンの人造短繊維はステープル・ファイバーからスフとも呼ばれる パルプやコットンリンターなどのセルロースを、水酸化ナトリウムなどのアルカリと二硫化炭素に溶かしてビスコースにし、酸の中で紡糸して(湿式紡糸)製造する。 ポリエステルなど、石油を原料とした合成繊維と違い、加工処理したあと土に埋めると、基本的に微生物により水と二酸化炭素に生分解される。また、焼却した場合は基本的に水とメタンに分解される。そのため、レーヨン自体は「環境に負荷をかけない繊維」とされるが、製造時の二硫化炭素の毒性や、繊維としての強度の低さなどが問題となっていたことと、日本においては原料パルプを針葉樹に求めていたため、製造は中止された。