本発明の化粧品は、(A)紫外線吸収剤 1~10質量%と、(B)紫外線散乱剤及び顔料級二酸化チタン 10~25質量%と、を含有する液状化粧料を含浸体に含浸し、前記含浸体から指又は塗布具で液状化粧料を取り肌に塗布することを特徴とする。
ここで含浸体から塗布具で液状化粧料を取る行為には、含浸体にパフやブラシ等を当て転写して取り出したり、すくい取るなどの行為が含まれる。従来のように、パフやブラシ等の塗布具を用いて直接、液状化粧料を取ろうとすると、塗布具の一箇所にのみ液状化粧料が多く含まれてしまい、液状化粧料を肌に均一に塗布することが困難となるが(図1左写真)、液状化粧料を含浸した含浸体から塗布具を用いて液状化粧料を取ると、含浸体の広い表面から液状化粧料を取ることができるため、塗布具の塗布部全面に液状化粧料を均一に含ませることができ、液状化粧料をムラなく、均一に肌に塗布することが可能となる(図1右写真)。
塗布具にブラシを使用する場合には、ブラシの先端をトントンと肌に置くようにして塗布すると、液状化粧料の粘度にかかわらず同量の化粧料を少しずつ肌に塗布できるため、厚塗りやムラになることなく、化粧を仕上げることができる(図1右写真)。
本発明で用いられる(A)紫外線吸収剤としては、通常化粧料や皮膚外用剤に使用可能なものを用いることができ、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤(例えば、ビスレゾルシニルトリアジン等);オクチルトリアゾン(2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5-トリアジン);安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N- アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート) 、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4'-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等);3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール;2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、4,4-ジアリールブタジェン、オクトクリレン等が挙げられる。
これらのうち、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチルメトキシシンナメート、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート等の高極性油である桂皮酸系紫外線吸収剤は、紫外線防止能(SPF)が高いため好ましい。
(A)紫外線吸収剤の配合量は、液状化粧料に対して1~10質量%とする。1質量%未満では、十分な紫外線防御能(SPF)を得ることができないおそれがあり、一方、10質量%をこえると、肌に塗布した際、いつまでも肌上を滑る感触が残り使用性に劣るためである。
(B)紫外線散乱剤及び顔料級二酸化チタンは、紫外線を散乱あるいは遮蔽する効果を奏するものであり、紫外線散乱剤としては、微粒子酸化チタン又は微粒子酸化亜鉛、あるいはこれらを混合した粉末が好ましく用いられる。また、顔料級二酸化チタンとしては、通常化粧料や皮膚外用剤に顔料として配合される、粒子径が比較的大きい二酸化チタンが用いられる。
微粒子酸化チタンは、化粧料等の外用組成物において一般的に用いられている、平均粒子径が0.1μm以下(平均粒子径の下限は、特に限定されないが、通常は30nm程度である)の微粒子酸化チタンであり、硫酸法や塩素法等の常法により製造することが可能であり、市販品を用いることも可能である。市販の微粒子酸化チタンとしては、例えば、SIV シリーズ, TTO-55シリーズ,TTO-Sシリーズ(石原産業社製)、MT-100TV,MT-500V, MT-01(テイカ社製)などが挙げられる。
微粒子酸化亜鉛は、化粧料等の外用組成物において一般的に用いられている、平均粒子径が0.1μm以下(平均粒子径の下限は、特に限定されないが、通常は30nm程度である)の微粒子酸化亜鉛が好ましく、フランス法やアメリカ法等の常法により製造することが可能であり、市販品を用いることも可能である。市販の微粒子酸化亜鉛としては、例えば、FINEX-25、FINEX-50、FINEX-75(堺化学工業社製)、ZnO350(住友大阪セメント社製)、ZINCOX SUPER-10、ZINCOX SUPER-20R、ZINCOX SUPER-30、ZINCOX CP-1(白水化学工業社製)、Z-COTE(Sun Smart 社製)、MZ-500、MZ-700(テイカ社製)などが挙げられる。
紫外線散乱剤は、微粒子酸化チタン又は微粒子酸化亜鉛を基材とし、その表面を疎水化処理してもよい。表面疎水化処理の方法としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルポリシロキサン等のシリコーン処理;パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルコール等によるフッ素処理;N-アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理;その他、レシチン処理;金属石鹸処理;脂肪酸処理;アルキルリン酸エステル処理等が挙げられる。
顔料級二酸化チタンとは平均粒径0.1~0.5μmの二酸化チタンで、光散乱により白色の外観色を与えるものをいう。本発明に用いられる顔料級二酸化チタンは、被覆処理されていても構わない。処理方法としては、シリコーン処理等の疎水化処理等が挙げられるが、特に限定されない。
(B)紫外線散乱剤及び顔料級二酸化チタンの配合量は、液状化粧料に対して10~25質量%とする。10質量%未満では、十分な紫外線防御能(SPF)を得ることができないおそれがあり、一方、25質量%をこえると、肌に塗布した際、のびが重く、仕上がりが粉っぽくなるなど問題が生じるためである。
液状化粧料は、液状油分に粉末成分等を配合した油性化粧料だけでなく、水成分(液状化粧料に対し10~50質量%)を配合して油中水型の乳化化粧料とすることができる。
本発明に用いるシリコーン系界面活性剤としては、一般に油中水型の乳化組成物に配合することのできる乳化剤を配合することができる。このような乳化剤としては、疎水性(HLB7以下)の乳化剤が好ましく用いられ、例えば、セチルジメチコンコポリオール〔例えば、「ABIL EM90」(ゴールドシュミット社製)〕、ポリエーテル変性シリコーン〔例えば、「KF6017」(信越化学工業社製)〕などのポリエーテル系のシリコーン;ポリグリセリン変性シリコーン、アルキル共変性ポリグリセリン変性シリコーンなどのポリグリセリン系のシリコーン;等が挙げられる。本発明では、HLB7以下の活性剤は1種または2種以上用いることができる。
さらにシリコーン系界面活性剤の中でも、両末端シリコーン化ポリエチレングリコール、例えば、ビスブチルジメチコンポリグリセリル-3〔「KF-6109」(信越化学工業社製)〕を配合すると、高い紫外線防御能(SPF)を得ることができ、酸化チタン等の無機酸化物を多量に配合した場合でも、液状化粧料の流動性が損なわれることがない。また、両末端シリコーン化ポリエチレングリコールの配合量は、液状化粧料に対して5質量%以下とすることが好ましい。5質量%をこえると、肌に塗布した際、活性剤由来ののびの重さが生じ、使用性に劣るためである。
液状化粧料を含浸するための含浸体としては、樹脂、パルプ、綿等の単一又は混合素材からなる不織布、樹脂加工した繊維体、スポンジなどの発泡体、連続機構を備えた多孔質体などが挙げられる。また素材としては、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、NR(天然ゴム)、ウレタン、ナイロン、ポリオレフィン、ポリエステル、EVA(エチレン酢酸ビニル)、PVA(ポリビニルアルコール)、シリコン、エラストマー、などの例が挙げられる。含浸体の素材は親水性であることが好ましいが、内容物を含むことのできる含浸体であればこれらの素材に限られるものではない。
液状化粧料を含浸体から取り、肌に塗布するための塗布具としては、通常、液状化粧料を肌に塗布する際に使用するスポンジ、パフ、チップ、ブラシ等が挙げられる。
乳化化粧料の油相に配合される油性成分は、通常化粧料に配合され得る油性成分であれば特に限定されるものでなく、例えば、油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油等が挙げられる。
油脂としては、アボガド油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂;カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固体油脂などが例示される。
ロウ類としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテルなどが例示される。
炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどが例示される。
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニン)酸、オレイン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などが例示される。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール;モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコールなどが例示される。
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリー2-エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-クチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、クロタミトン(C13H17NO)などが例示される。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサン等の環状ポリシロキサン;3次元網目構造を形成しているシリコ-ン樹脂、シリコーンゴムなどが例示される。
。本発明ではHLB7以下の乳化剤は1種または2種以上を用いることができる
水性成分としては、水や水溶性成分などが挙げられる。水溶性成分としては、例えば低級アルコール、保湿剤、水溶性高分子(天然、半合成、合成、無機)などが挙げられる。
低級アルコールとしては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどが例示される。
保湿剤としては、グリセリン、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、エラスチン、アミノ酸、核酸、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサイヨバラ抽出物、セイヨウノキギリソウ抽出物、メリロート抽出物などが例示される。
天然の水溶性高分子としては、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリントガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系水溶性高分子;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグリカン、ブルラン等の微生物系水溶性高分子;コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系水溶性高分子などが例示される。
半合成水溶性高分子としては、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系水溶性高分子;メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系水溶性高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系水溶性高分子などが例示される。
合成水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(カーボポール)等のビニル系水溶性高分子;ポリエチレングリコール20,000、同4,000,000、同600,000等のポリオキシエチレン系水溶性高分子;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等の共重合系水溶性高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系水溶性高分子のほか、ポリエチレンイミン、カチオンポリマーなどが例示される。
無機の水溶性高分子としては、ベントナイト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸などが例示される。
粉末成分としては、疎水性粉末、親水性粉末のいずれも用いることができるが、好ましくは疎水性粉末である。疎水性粉末は、粉末自体が疎水性のもののみならず、親水性粉末等であっても粉末表面を疎水化処理した疎水化処理粉末も含む。
疎水性の粉末としては、具体的には、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末、セルロース粉末などの有機粉末や、トリメチルシルセスキオキサン粉末などのシリコーン粉末等が例示される。
疎水化処理粉末の粉末成分としては、例えばタルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムなど)、窒化ホウ素等の無機粉末;二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料;酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料;γ-酸化鉄等の無機褐色系顔料;黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料;黒酸化鉄、カーボンブラック、低次二酸化チタン等の無機黒色系顔料;マンゴバイオレット、バルトバイオレット等の無機紫色系顔料;酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料;群青、紺青等の無機青色系顔料;二酸化チタンコーテッドマイカ、二酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、二酸化チタンコーテッドタルク、着色二酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料;アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料等が挙げられる。これら粉末成分を疎水化処理する方法としては、疎水化処理方法としては、撥水性を付与できる方法であればいかなるものでもよく、その方法は問わないが、例えば気相法、液相法、オートクレーブ法、メカノケミカル法等、通常の表面処理方法を用いることができる。疎水化処理剤としては、特に限定されるものではないが、脂肪酸デキストリン処理粉末、トリメチルシロキシ珪酸処理粉末、フッ素変性トリメチルシロキシ珪酸処理粉末、メチルフェニルシロキシ珪酸処理粉末、フッ素変性メチルフェニルシロキシ珪酸処理粉末、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の低粘度~高粘度油状ポリシロキサン処理粉末、ガム状ポリシロキサン処理粉末、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理粉末、フッ素変性メチルハイドロジェンポリシロキサン処理粉末、メチルトリクロルシラン、メチルトリアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリメチルクロルシラントリメチルアルコキシシラン等の有機シリル化合物あるいはそれらのフッ素置換体による処理粉末、エチルトリクロルシラン、エチルトリアルコキシシラン、プロピルトリクロルシラン、プロピルトリアルコキシシラン、ヘキシルトリクロルシラン、ヘキシルトリアルコキシシラン、長鎖アルキルトリクロルシラン、長鎖アルキルトリエトキシシラン等の有機変性シランあるいはそれらのフッ素置換体による処理粉末、アミノ変性ポリシロキサン処理粉末、フッ素変性ポリシロキサン処理粉末、フッ化アルキルリン酸処理粉末等が挙げられる。
上記例示した成分以外のその他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等);紫外線吸収剤等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
本発明の化粧品は、液状化粧料を含浸した含浸体を、気密性を備えたコンパクト容器に内蔵することで携帯に適した容器形態とすることができる。
以下、実施例に沿って本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。なお、表中の数値は、特に記載のない限り質量%を示す。
紫外線防御効果は、分光光度計(「U-4100」:(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて290~400nmの吸光度を求めた。その吸光度の積分値からSPFを想定し、A:50以上、B:40以上50未満、C:30以上40未満、D:30未満として判定した。なお、使用した基盤は、サンドブラスト装置PNEUMA BLASTER(不二製作所社製)を用いて、アクリライト000(三菱レイヨン社製)の片側の表面に、白色溶融アルミナ質研磨材フジランダムWA粒度#16(不二製作所社製)を吹き付けて、サンドブラスト加工した後、50mm角に切断し、皮膚代替膜を使用した。
皮膚代替膜に、指サックを付けた指で、本化粧料を塗り広げることにより、2.00mg/cm2塗布した後、分光光度計により、290~400nmの吸光度を測定した。なお、液状化粧料を塗布した皮膚代替膜の基盤は、1枚ごとに、中央付近及び中央と四隅の中間付近の計5箇所を測定し、計3枚の基盤について測定した測定値の平均により吸光度を求めた。
評価項目である「仕上がり」や「使用性」については、それぞれパネラー10名による使用試験を行った。使用試験では、塗布具としてブラシを使用した。液状化粧料が含浸された含浸体をブラシに0.2g含ませた状態で肌に塗布した。塗布方法としては、頬にブラシの先端で化粧料をトントンと置くように付着させて顔の輪郭になじむまで伸ばした。頬全体の仕上がり、化粧料の伸びのよさについてよいと思うパネラーの人数を点数で表し評価した。A:9点以上、B:6~8点、C:3~5点、D:2点以下とし、A~Cは合格、Dは不合格と判定した。
表1に示すように、(A)紫外線吸収剤1~10質量%と(B)紫外線散乱剤及び顔料級二酸化チタン10~25質量%を配合した実施例1~6は、紫外線防御効果(SPF)が30以上であり、仕上がり、使用性の評価において、A~Cの判定を得ることができたが、(A)紫外線吸収剤を0%とした場合(比較例3,4)や、(B)紫外線散乱剤及び顔料級二酸化チタンを5%とした場合(比較例5,6)は、十分な紫外線防御効果(SPF)を得ることができなかった。また、(A)紫外線吸収剤、(B)紫外線散乱剤及び顔料級二酸化チタンのいずれかの一方の配合量が10%あるいは30%をこえて配合した場合、紫外線防御効果は十分得られるものの、仕上がりや使用性において問題が残る結果となった(比較例1,2,7,8)。
表2に、各種分散剤(界面活性剤)を配合した際の酸化チタンの分散状態について試験した結果を示す。分散状態の評価は粘度を測定することにより行うことができ、粘度が低いほど分散が良好であると評価することができる。なお、表中、各成分の配合量を示す数値は質量%を示す。
表2に示す結果から、分散剤としてはシリコーン系界面活性剤が好ましく、中でも、ビスブチルジメチコンポリグリセリル-3を配合すると、酸化チタンを10%配合した場合にも高い流動性が維持されることが確認された。
以下に、本発明の化粧品に用いる液状化粧料の処方例1~5を実施例として示す。配合量はすべて液状化粧料に対する質量%で表す。