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JPWO2018179916A1 - 非水電解質二次電池用正極活物質 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質 Download PDF

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Abstract

非水電解質二次電池用正極活物質は、ニッケル含有リチウム遷移金属酸化物を含み、リチウムを除く金属元素の総モル量に対して80モル%以上のニッケルを含有するリチウム遷移金属酸化物の一次粒子単独、あるいは2〜5個が凝集して形成された二次粒子である。一次粒子単独、あるいは二次粒子の表面に希土類化合物及びマグネシウム化合物が付着する。

Description

本開示は、非水電解質二次電池用正極活物質に関する。
リチウムイオン二次電池の正極活物質の一つであるNi含有リチウム遷移金属酸化物(例えばLiNiO)は、Co含有リチウム遷移金属酸化物(例えばLiCoO)と比べて、高容量であること、ニッケルがコバルトよりも安価であり、安定して入手可能であることなどの利点を有しているため、次世代の正極材料として期待されている。
特許文献1には、LiNiO等の母材粒子の電解質と接触し得る部分の少なくとも一部の上に、希土類化合物を存在させた正極活物質が記載されており、正極活物質表面での電解液の副反応を抑制し、トリクル充電保存時のフロート電流増加を抑制することが記載されている。
特許文献2には、Niリッチの正極活物質にMgを固溶させた正極活物質が記載されており、正極の結晶性が適度に低下してLiイオン伝導性が向上し、放電性能が改善されることが記載されている。
国際公開第2005/008812号 国際公開第2014/097569号
ところで、従来においては、正極活物質としてLiNiO等の母材粒子は、一次粒子が凝集して二次粒子を形成しており、この二次粒子に対して希土類化合物等を存在させており、二次粒子の粒界からの変質に対しては必ずしも効果的でなく、特に高温サイクルにおける二次粒子表面の変質と、これに伴う容量低下の問題が生じ得る。
本開示は、高温サイクルにおける容量維持率を改善し得る非水電解質二次電池用正極活物質を提供することを目的とする。
本開示の一態様は、ニッケル含有リチウム遷移金属酸化物を含む非水電解質二次電池用正極活物質であって、前記ニッケル含有リチウム遷移金属酸化物は、リチウムを除く金属元素の総モル量に対して80モル%以上のニッケルを含有するリチウム遷移金属酸化物の一次粒子単独、あるいは2〜5個が凝集して形成された二次粒子であり、前記一次粒子単独、あるいは前記二次粒子の表面に希土類化合物及びマグネシウム化合物が付着する非水電解質二次電池用正極活物質である。
本開示の他の態様は、前記リチウム遷移金属酸化物の円形度は0.90以下である。
本開示のさらに他の態様は、前記マグネシウム化合物の付着量はニッケル含有リチウム遷移金属酸化物中のリチウムを除く金属元素の総モル量に対して0.03〜0.5モル%である。
本開示のさらに他の態様は、前記マグネシウム化合物は水酸化マグネシウムを含む。
本開示のさらに他の態様は、前記希土類化合物は希土類の水酸化物を含む。
本開示の一態様によれば、高温サイクルにおける容量維持率を改善し得る非水電解質二次電池用正極活物質を提供することができる。
実施形態における正極活物質の概念構成図である。 従来技術における正極活物質の概念構成図である。
正極活物質としてのNi含有リチウム遷移金属酸化物は、高容量であってNiがCoよりも安価で安定して入手可能である等の利点を有するが、高温サイクルにおける容量を如何に維持するかが大きな課題となっている。
従来においては、正極活物質表面に希土類化合物を存在させる、あるいはMgを固溶させる等の技術が提案されているが、未だ十分な改善に至っていない。
本発明者等は、これらの技術について鋭意検討した結果、Niを含有するリチウム遷移金属酸化物の粒子形状自体に着目し、平均粒径が例えば0.1μm以上の一次粒子が数千〜数万個凝集して二次粒子を形成している活物質では、二次粒子の表面からの変質を希土類化合物により抑制し得るものの、二次粒子に含まれる粒界からの変質については十分に抑制されておらず、これがサイクル特性に影響を与えているものと推認するに至った。
そこで、リチウムを除く金属元素の総モル量に対するNiの割合が80モル%以上であるNi含有リチウム遷移金属酸化物を一次粒子を大きくし、粒子に含まれる粒界を減少させた上で、Ni含有リチウム遷移金属酸化物の表面に希土類化合物等を付着させることで、粒子界面からの変質を抑制し得ることを見出したものである。
このように一次粒子を大きくすることを、以下、一次粒子大化と称する場合がある。ここで、一次粒子大化とは、一次粒子単独、あるいは一次粒子数個が凝集した二次粒子であることを意味し、一次粒子数個とは、一次粒子が2〜5個程度であることを意味する。
図1は、実施形態におけるNi含有リチウム遷移金属酸化物10の概念構成図を示す。一次粒子が2個凝集して二次粒子を形成している様子を模式的に示す。一次粒子が数個レベルで凝集しているにすぎないので、当然ながら粒界も相対的に少ない。
図1では、さらに、一次粒子大化されたNi含有リチウム遷移金属酸化物10の表面に、希土類化合物12及びマグネシウム化合物14を付着させた場合を模式的に示す。希土類化合物12は、Ni含有リチウム遷移金属酸化物10の表面での電解液の副反応を抑制し、高温サイクル時の表面の変質を抑制し得る。また、マグネシウム化合物14は、希土類化合物12に作用して希土類化合物12の変質を抑制し、希土類化合物12によるNi含有リチウム遷移金属酸化物10表面の変質抑制効果を継続的に維持させ得る。
他方、図2は、従来のNi含有リチウム遷移金属酸化物20の概念構成を示す。図1と異なり、一次粒子が小さく多数(図では模式的に示されているが、実際には数千個〜数万個)凝集して形成される。従って、一次粒子間の粒界も相対的に多くなる。
図2でも、図1と同様に、さらにNi含有リチウム遷移金属酸化物20の表面に、希土類化合物12及びマグネシウム化合物14を付着させた場合を模式的に示す。図1の場合と同様に、希土類化合物12は、Ni含有リチウム遷移金属酸化物10の表面での電解液の副反応を抑制し、マグネシウム化合物14は、希土類化合物12に作用して希土類化合物12の変質を抑制し得るが、多数存在する粒界からの変質を抑制することは困難であり、これら希土類化合物12及びマグネシウム化合物14による変質抑制効果は自ずと限定されてしまう。
本実施形態では、このようなメカニズムに基づき、Ni含有リチウム遷移金属酸化物を一次粒子大化させ、その上で、希土類化合物とマグネシウム化合物をその表面に付着させることでNi含有リチウム遷移金属酸化物の変質を抑制し、高温サイクルの容量を維持するものである。
以下、本開示の一態様である非水電解質二次電池用正極活物質の構成について詳述する。
Ni含有リチウム遷移金属酸化物は、例えば層状構造であり、空間群R−3mに属する層状構造、空間群C2/mに属する層状構造等が挙げられる。これらの中では、高容量化、結晶構造の安定性等の点で、空間群R−3mに属する層状構造であることが好ましい。
Ni含有リチウム遷移金属酸化物の含有量は、例えば、非水電解質二次電池の充放電容量を向上させることができる点で、非水電解質二次電池用正極活物質の総質量に対して90質量%以上であることが好ましく、99質量%以上であることが好ましい。
また、本実施形態の非水電解質二次電池用正極活物質は、Ni含有リチウム遷移金属酸化物以外に、その他のリチウム遷移金属酸化物を含んでいても良い。その他のリチウム遷移金属酸化物としては、例えば、Ni含有率が0モル%〜80モル%未満のリチウム遷移金属酸化物、Ni含有率80モル%以上の一次粒子大化していない従来のNi含有リチウム遷移金属酸化物等が挙げられる。
Ni含有リチウム遷移金属酸化物は特に制限されるものではないが、例えば、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)の少なくとも1種を含むことが好ましく、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及びアルミニウム(Al)を含むことがより好ましい。具体例としては、リチウム含有ニッケルマンガン複合酸化物、リチウム含有ニッケルコバルトマンガン複合酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト複合酸化物等が好ましく、リチウム含有ニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物等がより好ましい。リチウム含有ニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物に占めるNiの割合は、リチウム(Li)を除く金属元素の総モル量に対して80mol%以上であることが好ましい。これにより正極の高容量化を図ることができる。
Ni含有リチウム遷移金属酸化物は、さらに他の添加元素を含んでいてもよい。添加元素の例としては、ホウ素(B)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、錫(Sn)、タングステン(W)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、ビスマス(Bi)等が挙げられる。
Ni含有リチウム遷移金属酸化物は、例えば、以下の組成式(1)で表されるNi含有リチウム遷移金属酸化物であることが好ましい。
LiNiαCo (1)
式中、x、α、p、qはそれぞれ、0.95<x<1.05、0.80≦α<1、0<p<0.15、0<q<0.15を満たすことが好ましい。また、式中Mは、Ni、Co以外の金属元素であり、例えば、Al、B、Mg、Ti、Cr、Fe、Cu、Zn、Nb、Mo、Ta、Zr、Sn、W、Na、K、Ba、Sr、Ca、Biから選ばれる1種以上の金属元素を含む。
組成式(1)のxは、例えば、非水電解質二次電池の充放電容量を向上することができる点で、0.95<x<1.05の範囲であることが好ましく、0.98<x≦1の範囲であることがより好ましい。
組成式(1)のαは、例えば、非水電解質二次電池の充放電容量を向上させることができる点で、0.80≦α<1の範囲であることが好ましく、0.85<α<1であることがより好ましい。
組成式(1)のpは、例えば、非水電解質二次電池の充放電サイクル特性及び充放電容量を向上させることができる点で、0<p<0.15の範囲であることが好ましく、0.03<α<0.12の範囲であることがより好ましい。
組成式(1)のqは、例えば、非水電解質二次電池の充放電サイクル特性及び充放電容量を向上させることができる点で、0<q<0.15の範囲であることが好ましく、0.005<q<0.1の範囲であることがより好ましい。
本実施形態に係るNi含有リチウム遷移金属酸化物は、例えば、下記の方法で合成することができる。まず、水酸化リチウム等のリチウム含有化合物、及び、ニッケルと上記例示の金属元素とを含有する酸化物を、目的とするNi含有リチウム遷移金属酸化物に基づく混合比率で混合する。このとき、当該混合物に更にカリウム化合物を添加する。リチウム含有化合物、ニッケルと金属元素とを含有する酸化物、及び、カリウム化合物を含有する混合物を大気中又は酸素気流中で焼成する。その後、得られた焼成物を水洗して、当該焼成物の表面に付着するカリウム化合物を除去する。
これにより、上記方法で合成されるNi含有リチウム遷移金属酸化物は、上記の特定のX線回折パターンを有し、単結晶粒子径が大きくなるとともに、後述する特定の粒度分布を有するものとなる。その詳細な理論は明らかではないが、当該混合物にカリウム化合物を添加すると、焼成中の単結晶粒子の成長が、混合物相の全体において均一に進行するためと考えられる。
上記の調製方法で使用されるカリウム化合物としては、例えば、水酸化カリウム(KOH)及びその塩、酢酸カリウム等が挙げられる。また、カリウム化合物の使用量は、例えば、合成されるNi含有リチウム遷移金属酸化物に対して0.1質量%以上100質量%以下となる量である。上記の調製方法における焼成温度は、例えば、600〜1100℃程度であり、焼成時間は、焼成温度が600〜1100℃である場合、1〜50時間程度である。
Ni含有リチウム遷移金属酸化物は、一次粒子単独で、あるいは一次粒子数個(2個〜5個)が凝集した二次粒子として形成されるが、一次粒子の個数は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて計測できる。なお、Ni含有リチウム遷移金属酸化物の円形度は、特に限定されないが、0.9以下であることが好ましい。円形度は、Ni含有リチウム遷移金属酸化物の粒子を2次元平面に投影したときの球形化の指標であり、円形度が0.9以下であれば希土類化合物及びマグネシウム化合物の表面への付着が容易化されると考えられる。円形度は、測定系に試料として粒子を入れ、試料流にストロボ光を照射して撮影される粒子画像に基づいて求めることができる。円形度の算出式は、具体的には、
(円形度)=(粒子画像と同じ面積をもつ円の周囲長)/(粒子画像の周囲長)
である。粒子画像と同じ面積をもつ円の周囲長及び粒子画像の周囲長は、粒子画像を画像処理することにより求められる。粒子画像が真円の場合、円形度は1となる。
希土類化合物の付着量は、Ni含有リチウム遷移金属酸化物中のリチウムを除く金属元素の総モル量に対して0.005〜0.1モル%が好ましく、0.005〜0.05モル%がより好ましい。
マグネシウム化合物の付着量は、Ni含有リチウム遷移金属酸化物中のリチウムを除く金属元素の総モル量に対して0.03〜0.5モル%が好ましく、0.03〜0.1%がより好ましい。
希土類化合物及びマグネシウム化合物の付着量があまりに少ないと変質抑制効果が十分でなく、他方で、希土類化合物及びマグネシウム化合物の付着量が過剰であると容量が低下してしまうため、これらの観点から付着量を最適化すればよい。具体的には、希土類化合物が過剰になると、Li含有遷移金属酸化物の表面を過剰に覆ってしまい、大電流放電でのサイクル特性が低下することがある。本発明者等は、後述する実施例に示されるように、希土類化合物の付着量が遷移金属に対して0.05%、マグネシウム化合物の付着量が遷移金属に対して0.1モル%のときに顕著な容量維持効果を奏することを確認しているが、必ずしもこれらの付着量に限定されるわけではない。
希土類化合物の粒子は、Ni含有リチウム遷移金属酸化物の表面に付着させるが、「付着」とは、希土類化合物の粒子がNi含有リチウム遷移金属酸化物の表面に強く結合して容易に離れない状態であることを意味し、例えば正極活物質を超音波分散しても希土類化合物の粒子が表面から脱落しないことである。希土類化合物を表面に付着させることにより、充放電サイクル後における放電電圧及び放電容量の低下を抑制し得る。このメカニズムについては必ずしも明らかではないが、複合酸化物の結晶構造の安定性が向上するためであると考えられる。複合酸化物の結晶構造の安定性が向上すれば、充放電サイクルにおける結品構造の変化が抑制され、Liイオンが挿入・脱離する際の界面反応抵抗の上昇が抑えられる。
希土類化合物を構成する希土類元素は、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムから選択される少なくとも1種である。これらの中でも、ネオジム、サマリウム、エルビウムが特に好ましい。ネオジム、サマリウム、エルビウムの化合物は、他の希土類化合物に比べて、例えばNi含有リチウム遷移金属酸化物の粒子表面で生じ得る表面変質の抑制効果が特に優れる。
希土類化合物の具体例としては、水酸化ネオジム、水酸化サマリウム、水酸化エルビウム等の水酸化物、オキシ水酸化ネオジム、オキシ水酸化サマリウム、オキシ水酸化エルビウム等のオキシ水酸化物、リン酸ネオジム、リン酸サマリウム、リン酸エルビウム等のリン酸化合物、炭酸ネオジム、炭酸サマリウム、炭酸エルビウム等の炭酸化合物、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化エルビウム等の酸化物、フッ化ネオジム、フッ化サマリウム、フッ化エルビウム等のフッ素化合物などが挙げられる。これらの中では、Ni含有リチウム遷移金属酸化物への付着性等の点から、水酸化エルビウムが好ましい。
マグネシウム化合物は、例えば、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ハロゲン化マグネシウム、ジアルコキシマグネシウム、ジアルキルマグネシウム等が挙げられる。これらの中では、Ni含有リチウム遷移金属酸化物への付着性等の点から、水酸化マグネシウムが好ましい。
Ni含有リチウム遷移金属酸化物の表面に、希土類化合物及びマグネシウム化合物を付着させる方法としては、例えば、Ni含有リチウム遷移金属酸化物に、希土類化合物及びマグネシウム化合物を付着させる第1のステップと、300℃以下の熱処理温度で熱処理する第2ステップとを有する方法がある。
第1ステップとしては、Ni含有リチウム遷移金属酸化物粒子を分散した懸濁液に、希土類化合物及びマグネシウム化合物を水などに溶解したものを混合する方法や、希土類化合物及びマグネシウム化合物を溶解した液をNi含有リチウム遷移金属酸化物粒子に噴霧する方法等を用いることができる。上記のカリウム化合物を除去するための水洗を行う際に、希土類化合物及びマグネシウム化合物を水などに溶解したものを混合してもよい。またNi含有リチウム遷移金属酸化物を分散した懸濁液に、希土類元素及びマグネシウム化合物を溶解した水溶液を加える際、単に水溶液を用いた場合にはそれぞれの水酸化物として析出する。
第2ステップの熱処理においては、熱処理温度は300℃以下であることが望ましい。300℃を超えると、Ni含有リチウム遷移金属酸化物が相変化する恐れがあるからである。また、下限の温度としては、80℃以上であることが望ましい。80℃未満であると、吸着水分による電解質の分解反応などが生じる可能性があるからである。また同様の理由から、熱処理は真空下で行うことが好ましい。
以下に、Ni含有リチウム遷移金属酸化物を含む非水電解質二次電池用正極活物質を適用した非水電解質二次電池の一例について説明する。
非水電解質二次電池は、例えば、正極及び負極がセパレータを介して巻回又は積層されてなる電極体と、非水電解質と、電極体及び非水電解質が収容される外装体と、を備える。非水電解質二次電池の形態としては、特に限定されず、円筒型、角型、コイン型、ボタン型、ラミネート型などが例示できる。
[正極]
正極は、例えば金属箔等の正極集電体と、正極集電体上に形成された正極活物質層とで構成される。正極集電体には、アルミニウムなどの正極の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。
正極活物質層は、例えば、Ni含有リチウム遷移金属酸化物を含む非水電解質二次電池用正極活物質、導電材及び結着剤を含む。
導電材としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素材料等が用いられる。導電材の含有率は、例えば、正極活物質層の導電性を向上させる点で、正極活物質層の総質量に対して0.1〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.1〜10質量%が特に好ましい。
結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアセテート、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール等が用いられる。結着剤は、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレンオキシド(PEO)等の増粘剤と併用されてもよい。結着剤の含有率は、例えば、正極活物質層と正極集電体との接着性を向上させる点で、正極活物質層の総質量に対して0.1〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.1〜10質量%が特に好ましい。
[負極]
負極は、例えば金属箔等の負極集電体と、負極集電体の表面に形成された負極活物質層とを備える。負極集電体には、アルミニウムや銅などの負極の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。負極活物質層は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質の他に、結着剤を含むことが好適である。また、必要により導電材を含んでいてもよい。
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、リチウム、珪素、炭素、錫、ゲルマニウム、アルミニウム、鉛、インジウム、ガリウム、リチウム合金、予めリチウムを吸蔵させた炭素、珪素、及びこれらの合金等が挙げられる。結着剤は、正極の場合と同様の物質を用いてもよいが、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)又はこの変性体等を用いることが好ましい。結着剤は、CMC等の増粘剤と併用されてもよい。
[非水電解質]
非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解した電解質塩とを含む。非水電解質は、液体電解質(非水電解液)に限定されず、ゲル状ポリマー等を用いた固体電解質であってもよい。非水溶媒には、例えばエステル類、エーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、及びこれらの2種以上の混合溶媒等を用いることができる。
エステル類の例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等の鎖状炭酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン等のカルボン酸エステル類などが挙げられる。
エーテル類の例としては、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シネオール、クラウンエーテル等の環状エーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等の鎖状エーテル類などが挙げられる。
非水溶媒は、上記各種溶媒の水素をフッ素等のハロゲン原子で置換したハロゲン置換体を含有することが好適である。特に、フッ素化環状炭酸エステル、フッ素化鎖状炭酸エステルが好ましく、両者を混合して用いることがより好ましい。これにより、負極はもとより正極においても良好な保護被膜が形成されてサイクル特性が向上する。フッ素化環状炭酸エステルの好適な例としては、4−フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,4,5−トリフルオロエチレンカーボネート、4,4,5,5−テトラフルオロエチレンカーボネート等が挙げられる。フッ素化鎖状炭酸エステルの好適な例としては、2,2,2−トリフルオロ酢酸エチル、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸メチル、ペンタフルオロプロピオン酸メチル等が挙げられる。
電解質塩は、リチウム塩であることが好ましい。リチウム塩の例としては、LiPF、LiBF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、LiN(FSO、LiN(C2l+1SO)(C2m+1SO)(l,mは1以上の整数)、LiC(CF2p+1SO)(C2q+1SO)(C2r+1SO)(p,q,rは1以上の整数)、Li[B(C](ビス(オキサレート)ホウ酸リチウム(LiBOB))、Li[B(C)F]、Li[P(C)F]、Li[P(C]、LiPO等が挙げられる。
[セパレータ]
セパレータには、例えば、イオン透過性及び絶縁性を有する多孔性シートが用いられる。多孔性シートの具体例としては、微多孔薄膜、織布、不織布等が挙げられる。セパレータの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、セルロースなどが好適である。セパレータは、セルロース繊維層及びオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂繊維層を有する積層体であってもよい。
以下、実施例により本開示をさらに説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
[第1実験例]
<実施例1>
[正極活物質(層状酸化物)の調製]
Ni0.88Co0.09Al0.03(OH)の組成式で表されるニッケルコバルトアルミニウム複合水酸化物を共沈により得た後、500℃で熱処理してNiCoAl複合酸化物を調製した。次に、LiOH及びNiCoAl複合酸化物を、Li及びLi以外の金属(Ni、Co、Al)の合計がモル比で1.03:1となる量で混合した。さらに、想定されるNi含有リチウム遷移金属酸化物の組成(Li1.03Ni0.88Co0.09Al0.03)に対して10質量%となる量のKOHを、当該混合物に加えた。その後、当該混合物を酸素気流中750℃で40時間焼成し、焼成物を水洗してその表面に付着していたKOHを除去し、Ni含有リチウム遷移金属酸化物を調製した。
ICP発光分光分析装置(Thermo Fisher Scientific社製、商品名「iCAP6300」)を用いて上記Ni含有リチウム遷移金属酸化物の組成を測定した結果、組成式Li1.03Ni0.88Co0.09Al0.03で表される複合酸化物であった。
上記の水洗前のNi含有リチウム遷移金属酸化物粒子を1000g用意し、この粒子を1.5Lの純水に添加して攪拌し、純水中にリチウム含有遷移金属酸化物が分散した懸濁液を調製した。次に、酸化エルビウムを硫酸に溶解して得た0.1mol/Lの濃度の硫酸エルビウム塩水溶液と1.0mol/Lの濃度の硫酸マグネシウム水溶液とを、上記懸濁液に複数回にわけて加えた。懸濁液に水溶液を加えている間の懸濁液のpHは11.5〜12.0であった。次いで、懸濁液を濾過し、得られた粉末を純水で洗浄した後、真空中200℃で乾燥した。得られた正極活物質のエルビウム化合物とマグネシウム化合物の付着量をICP発光分析法により測定したところ、Ni含有リチウム遷移金属酸化物に対して、エルビウムとマグネシウムの付着量はそれぞれの元素換算でエルビウムが0.09質量%、マグネシウムが0.03質量%であった(ニッケル含有リチウム遷移金属酸化物中のリチウムを除く金属元素の総モル量に対して、0.05mol%、0.10mol%)。
[正極の作製]
上記正極活物質に、カーボンブラックと、ポリフッ化ビニリデンを溶解させたN−メチル−2−ピロリドン溶液とを、正極活物質と導電材と結着材との質量比が100:1:1となるように秤量し、T.K.ハイビスミックス(プライミクス社製)を用いてこれらを混練して正極合材スラリーを調製した。
次いで、上記正極合材スラリーを、アルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、塗膜を乾燥させた後、圧延ローラーにより圧延し、集電体にアルミニウム製の集電タブを取り付けることにより、正極集電体の両面に正極合材層が形成された正極極板を作製した。当該正極における正極活物質の充填密度は3.60g/cmであった。
[非水電解質の調製]
エチレンカーボネート(EC)と、メチルエチルカーボネート(MEC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを、2:2:6の体積比で混合した混合溶媒に対して、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1.3モル/リットルの濃度となるように、溶解させた後、当該混合溶媒に対してビニレンカーボネート(VC)を2.0質量%の濃度で溶解させた。
[負極の作製]
負極活物質である人造黒鉛と、CMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)と、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)とを、100:1:1の質量比で水溶液中において混合し、負極合材スラリーを調製した。次に、この負極合材スラリーを銅箔からなる負極集電体の両面に均一に塗布した後、塗膜を乾燥させ、圧延ローラーにより圧延し、集電体にニッケル製の集電タブを取り付けた。これにより、負極集電体の両面に負極合材層が形成された負極極板を作製した。当該負極における負極活物質の充填密度は1.75g/cmであった。
[試験セルの作製]
このようにして得た正極および負極を、これら両極間にセパレータを配置して渦巻き状に巻回した後、巻き芯を引き抜いて渦巻状の電極体を作製した。次に、この渦巻状の電極体を押し潰して、扁平型の電極体を得た。この後、この偏平型の電極体と上記非水電解液とを、アルミニウムラミネート製の外装体内に挿入し、試験セルを作製した。当該電池のサイズは、厚み3.6mm×幅35mm×長さ62mmであった。また、当該非水電解質二次電池を4.20Vまで充電し、3.0Vまで放電したときの放電容量は950mAhであった。
<比較例1>
正極活物質の調製において、希土類化合物を付着させないこと以外は、実施例1と同様にしてNi含有リチウム遷移金属酸化物を作製した。これを比較例1の正極活物質として、実施例1と同様に試験セルを作製した。
<比較例2>
正極活物質の調製において、マグネシウム化合物を付着させないこと以外は、実施例1と同様にしてNi含有リチウム遷移金属酸化物を作製した。これを比較例2の正極活物質として、実施例1と同様に試験セルを作製した。
<比較例3>
正極活物質の調製において、希土類化合物及びマグネシウム化合物を付着させないこと以外は、実施例1と同様にしてNi含有リチウム遷移金属酸化物を作製した。これを比較例3の正極活物質として、実施例1と同様に試験セルを作製した。
<比較例4>
正極活物質の調整において、KOHを入れずに760℃で20時間焼成すること以外は実施例1と同様にして、一次粒子が小さく多数が凝集して形成されたNi含有リチウム遷移金属酸化物を作製した。これを比較例4の正極活物質として、実施例1と同様に試験セルを作製した。
<比較例5>
正極活物質の調整において、希土類化合物及びマグネシウム化合物を付着させないこと以外は、比較例4と同様にしてNi含有リチウム遷移金属酸化物を作製した。これを比較例5の正極活物質として、実施例1と同様に試験セルを作製した。
[充放電サイクル試験]
当該実施例1及び比較例1〜5の試験セルを用いて、45℃の温度条件で、電圧が4.2Vになるまで電流値475mAで定電流充電を行い、次いで、電流値が30mAになるまで4.2Vで定電圧充電を行った。その後、電圧が3.0Vになるまで475mAで定電流放電を行った。この充放電を100サイクル行った。なお、充電と放電、放電と充電の間の休止間隔は10分間とした。そして、初回放電容量に対する100サイクル目の放電容量の百分率の値を容量維持率とした。容量維持率の値が高いほど、高温サイクル特性の低下が抑制されたことを示す。
表1に、実施例1及び比較例1〜5の結果を示す。比較例3及び比較例5の容量維持率を基準値100%としたときの相対値である。
実施例1は、比較例1〜5と比較して、容量維持率が極めて高い値となることがわかる。この結果から、Ni含有リチウム遷移金属酸化物を一次粒子大化するとともに、希土類化合物及びマグネシウム化合物をその表面に付着させることで、高温サイクル特性を改善することが可能といえる。
[第2実験例]
(実施例2)
正極活物質の作製において、硫酸エルビウム塩水溶液の代わりに、硫酸サマリウム溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてNi含有リチウム遷移金属酸化物を作製した。これを実施例2の正極活物質として、実験例1と同様に試験セルを作製、サイクル試験を行った。サマリウム化合物の付着量をICP発光分析法により測定したところ、サマリウム元素換算で、Ni含有リチウム遷移金属酸化物に対して0.08質量%であった。
(実施例3)
正極活物質の作製において、硫酸エルビウム塩水溶液の代わりに、硫酸ネオジム溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてNi含有リチウム遷移金属酸化物を作製した。これを実施例3の正極活物質として、実験例1と同様に試験セルを作製、サイクル試験を行った。ネオジム化合物の付着量をICP発光分析法により測定したところ、ネオジム元素換算で、Ni含有リチウム遷移金属酸化物に対して0.08質量%であった。
表2に、実施例1〜3の結果を示す。比較例3の容量維持率を基準値100%としたときの相対値である。
実施例2,3は、エルビウムと同じ希土類元素であるサマリウム、ネオジムを付着させた実施例と同様に、容量維持率が極めて高い値になることがわかる。従って、エルビウム、サマリウム及びネオジム以外の希土類元素を用いた場合においても、同様に容量維持率が極めて高い値になると考えられる。
10 Ni含有リチウム遷移金属酸化物
12 希土類化合物
14 マグネシウム化合物
20 従来のNi含有リチウム遷移金属酸化物

Claims (5)

  1. ニッケル含有リチウム遷移金属酸化物を含む非水電解質二次電池用正極活物質であって、
    前記ニッケル含有リチウム遷移金属酸化物は、リチウムを除く金属元素の総モル量に対して80モル%以上のニッケルを含有するリチウム遷移金属酸化物の一次粒子単独、あるいは2〜5個が凝集して形成された二次粒子であり、前記一次粒子単独、あるいは前記二次粒子の表面に希土類化合物及びマグネシウム化合物が付着する、非水電解質二次電池用正極活物質。
  2. 前記リチウム遷移金属酸化物の円形度は0.90以下である、請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  3. 前記マグネシウム化合物の付着量は、ニッケル含有リチウム遷移金属酸化物中のリチウムを除く金属元素の総モル量に対して0.03〜0.5モル%である、請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  4. 前記マグネシウム化合物は、水酸化マグネシウムを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  5. 前記希土類化合物は、希土類の水酸化物を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
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