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JPWO2018179298A1 - 鞍乗り型車両の車体フレーム構造 - Google Patents

鞍乗り型車両の車体フレーム構造 Download PDF

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JPWO2018179298A1
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Abstract

リアキャリアを金属で略矩形状に組み立てると剛性が高くなり、車体フレーム全体の剛性を高くし過ぎることがあるので、車体フレームの適度なしなやかさを維持できるようにする。リアキャリア16を、樹脂製のキャリアブラケット30と金属製のキャリア本体部40とに2分割構成し、キャリアブラケット30とキャリア本体部40を連結一体化してリアキャリア16を構成する。キャリアブラケット30はシートレール12側へ締結され、キャリア本体部40はリアグリップ24及び荷受部25を備え、キャリアブラケット30に対して締結等で連結される。剛性の高いキャリア本体部40が樹脂製のキャリアブラケット30を介してシートレール12へ取付けられるので、車体フレームの剛性を過度に上げず、しなやかさを維持できる。

Description

この発明は、リアキャリアを取付けた鞍乗り型車両の車体フレームにおいて、適度なしなやかさを維持することができるようにした車体フレーム構造に関する。
鞍乗り型車両である自動二輪車のシート後方に、荷物等を乗せるリアキャリアを配置して車体フレームへ取付けることは知られている。このリアキャリアの一例として、シートの左右から後方へ延出する金属製のサイドステーを左右一対で設け、その前部をシートが支持されるシートレール(車体フレーム)へ取付けるとともに、後部間を金属製の連結部材で連結するとともに、連結部材のうえに樹脂製の荷受台を設けたものがある(特許文献1参照)。
特開平4−123988号公報
上記リアキャリアは、荷受台を除く全体が金属製であって、略枠形状に一体化されて剛性組立体をなしているため、これを車体フレームへ締結すると、車体フレームの剛性を高めることになる。しかし、車体フレームは、快適走行の観点から適度なしなやかさが求められることがあり、このような形式の車体フレームでは、剛性の高いリアキャリアを使用すると、適度なしなやかさを実現しにくくなる。なお、荷受台を樹脂製の別体品として分割しているが、この場合の荷受台は、左右のサイドステー間に挟持されるだけのものであるため、リアキャリアの剛性に対してあまり影響しない。
そこで本願は、リアキャリアを取付けても、車体フレームの剛性をあまり高めずに適度なしなやかさを保つことのできるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため本願発明は、車体前後方向に伸びる左右一対のリアフレーム(12)と、このリアフレーム(12)へ取付けられるリアキャリア(16)とを備えた鞍乗り型車両の車体フレーム構造において、
前記リアキャリア(16)は、樹脂製のキャリアブラケット(30)と、金属製のキャリア本体(40)とを備え、
前記キャリアブラケット(30)は、前記リアフレーム(12)へ取付けられ、
前記キャリア本体(40)は、前記キャリアブラケット(30)へ取付けられ、
前記キャリア本体(40)が、前記樹脂製のキャリアブラケット(30)を介して前記リアフレーム(12)へ支持されることを特徴とする。
上記本願発明によれば、リアキャリア(16)を、樹脂製のキャリアブラケット(30)と金属製のキャリア本体部(40)とに2分割構成し、キャリアブラケット(30)をリアフレーム(12)側へ取付けるとともに、キャリア本体部(40)をキャリアブラケット(30)に対して取付けたので、剛性の高いキャリア本体部(40)が樹脂製のキャリアブラケット(30)を介してリアフレーム(12)へ取付けられることになる。
このため、比較的剛性の高いリアキャリア(16)を車体フレームへ取付けても、樹脂製のキャリアブラケット(30)により、車体フレームの剛性を過度に上げず、車体フレームにおける適度なしなやかさを維持することができる。
本願に係る自動2輪車の側面図 上記自動二輪車の背面図 上記自動二輪車の後部における平面図 図3からシートを除いた状態で要部を拡大した平面図 図4と同様部位の斜視図 リアキャリアを主体とする斜視図 図4の7−7線断面図 フロントシート部分の前後方向断面図 リアシートの前側取付部を示す斜視図 リアシート部分の前後方向断面図 車体後部の側面図 上記部分の斜視図 図11の13−13線断面図 図11の14−14線断面図
以下、図面に基づいて一実施の形態を説明する。なお、前後・左右等の方向は、本願発明を適用する車両における各方向を基準とする。また、必要により適宜な図中に、前方を矢示Fr、後方を矢示Rr、左方を矢示LH、右方を矢示RHとして示す。
図1において、この自動二輪車は、車体フレーム1の前端部にフロントフォーク2を介して前輪3を支持し、後部にはリアスイングアーム4を介して後輪5を支持する。前輪3はハンドル6にて操向し、後輪5は車体フレーム1に支持されたエンジン7にて駆動される。
車体フレーム1は、エンジン7の上方を斜め下がりに後方へ延びるメインフレーム10と、その後端部からエンジン7の後方を下方へ延び、リアスイングアーム4の前端部を支持するセンターフレーム11と、センターフレーム11の上部から斜め上がりに後方へ延出するシートレール12と、エンジン7の下部及びシートレール12の後部を連結するバックステー13とを備える。シートレール12は本願におけるリアフレームに相当する。また、メインフレーム10、センターフレーム11、シートレール12及びバックステー13はそれぞれ左右一対で設けられている。
メインフレーム10上には燃料タンク14が支持され、燃料タンク14の後方にはシート15がシートレール12上に支持されている。
シート15の後方にはリアキャリア16が配置されている。また、シート15の後部(リアシート15b;図3参照)の下方左右にはサイドバッグ17、18(図2、図3)が支持されている。サイドバッグ17、18は、開閉自在のふたを有するボックス形状をなし、サイドボックスとも称される。
図2に示すように、シート15の下方の車体左右はサイドカバー19で覆われ、後輪5の上方はリアフェンダ20で覆われる。
リアフェンダ20の後端部にはテールランプ21が設けられている。テールランプ21の左右にはリアウインカ29が配置されている。
左右のサイドバッグ17、18は、リアキャリア16を挟んで左右へ振り分け支持されている。
図3はリアキャリア16部分を主体に示す車体後部の平面図であり、図4は図3からシート15を除いた状態の図である。なお図3に示すように、シート15はタンデム型であり、ライダー用のフロントシート15a及び同乗者用のリアシート15bを有する。
図3及び図4において、リアキャリア16は、シートレール12へ取付けられるキャリアブラケット30と、これに連結されるキャリア本体部40とで構成される。
キャリアブラケット30は、左右一対のシートレール12に重なる上方視で略U字状をなす樹脂製の部材である。
キャリア本体部40は、キャリアブラケット30より一回り大きく、その後部外側に沿う上方視略U字状の金属製部材である。
キャリア本体部40のうち、リアシート15bの左右両側に配置される部分は、リアグリップ24をなす。後部はリアシート15bよりも後方へ延出し、ここに金属板製の荷受部25が一体化されている。キャリア本体部40は上方視でリアシート15bの左右及び後方を囲むように配置されている(図3参照)。
図4に示すように、キャリアブラケット30は、左右一対のシートレール12に重なり、左右のシートレール12に対してそれぞれ前後2カ所のボルト22により計4点で固定されている。左右のシートレール12の内側には、収納スペースが設けられている。また、この収納スペースには、駐車時の車両をロックするために使用されるU字ロック80が、キーシリンダを有する受け部81と、上方視略U字状をなすロック本体82Tに分離された状態で収納されている。
キャリア本体部40は、前端部左右がボルト23によりキャリアブラケット30の前後方向中間部へ締結され、キャリア本体部40の後部は、荷受部25の前端部が車体中心CLを挟む左右2点で、ボルト26によりキャリアブラケット30の後部32へ締結されている。
図5はリアキャリア16を主体とする車体後部の斜視図であり、図6はリアキャリア16とシートレール12及びバックステー13のみを示す斜視図、図7は図4の7−7線に沿う断面図である。なお、図5はキャリアブラケット30の外側がサイドカバー19で覆われている状態であり、図6は図5からサイドカバー19及びリアフェンダ20が省略されている状態にほぼ相当する。
リアキャリア16は、樹脂製のキャリアブラケット30と、金属製のキャリア本体部40とに分割構成され、図7に示すように、キャリアブラケット30はボルト22によりシートレール12へ固定されるが、キャリア本体部40はボルト23及び26によりキャリアブラケット30へ固定され、直接シートレール12へは固定されていない(図5参照)。このようにすると、剛性の高いキャリア本体部40をシートレール12へ連結しないので、シートレール12さらには車体フレーム1全体の剛性を必要以上に高めないようにすることができる。
図5及び図6において、キャリアブラケット30は左右の側部31と、これらの後端部を湾曲して連結する後部32と、左右の側部31の各前後方向中間部間を連結するクロス部33とを一体に成形したものである。
樹脂材料は、ナイロン、ポリプロピレン、ポリカーボネイトなどの適宜材料を用いることが可能であり、繊維強化した材料を用い、キャリア本体部40をシートレール12に対して実用上十分に支持できる程度の剛性を有するように設計される。
左右の側部31の、クロス部33を挟む前後には、ボス34が設けられ、ボルト22を通すようになっている。
クロス部33の端部が接続する位置には、ボルト23を通すボス35が設けられる。この部分は、クロス部33により補強され、キャリア本体部40を連結するために十分な剛性が得られる部分である。
クロス部33の左右方向中間部上面には、フロントシート係止部38が前方へ突出して一体に形成されている。
また、クロス部33の前面左右にはリアシート取付ボス33aが形成されている。
さらに、後部32の左右には、リアシート係止部39が形成されている。
側部31は略L字状断面をなし、各ボス34、35の形成される底部31aと上方へ突出する側壁部31bを有する。
側壁部31bの外側面上部には、前後にサイドバッグ係止凹部37が形成され、ここにサイドバッグ17、18を支持するサイドフレームの上部に設けられたフックが係止されるようになっている。サイドバッグ係止凹部37はサイドカバー19の上部に形成された窓穴19a(図5)から露出している。
キャリア本体部40は、金属製丸パイプを略U字状に曲げた枠部41を有する。この枠部41は、左右の側部41aと、その後部間を湾曲して連結する後部41bとを連続して形成され、側部41aはリアグリップ24となっている。枠部41を丸パイプとすることにより、側部41aを手触りの良い良好なリアグリップ24として利用できる。すなわち、枠部41における左右の側部41aをリアグリップ24として兼用できる。
リアグリップ24の前端部には前部ステー42が一体化されている。前部ステー42はリアグリップ24の前端部から若干内向きに傾斜して下方へ延び、下端部はボス35近傍における側壁部31bの上端部に形成された略水平の座部36に当接している。前部ステー42の下端部は取付脚42aに連続している。
取付脚42aは前部ステー42より前後方向の幅が狭くかつ薄い板状をなし、座部36から下方にて内側へ屈曲する部分であり、先端部がボス35へ重なる、ここでボルト23でボス35へ締結される。
取付脚42aの先端は、座部36に形成された貫通穴36aへ上から下へ向けて差し込まれることにより側壁部31bの内側へ出て、先端部がボス35へ重なる。
キャリア本体部40の枠部41における後部41bには、荷受部25の上端部が溶接されている。
荷受部25は、金属板をプレス成形したものであり、平坦で荷物を載せることのできる平坦部43と、その前部から屈曲して斜め下がり前方へ延出する取付脚部44を有する。
荷受部25は適宜肉抜きされ、取付脚部44は車体中心CLに沿う前後方向に長い肉抜き穴25aを挟んで左右一対で設けられている。各取付脚部44の下端はさらに前方へ略水平に屈曲してキャリアブラケット30の後部32へ重なる取付端部45をなし、ここでボルト26によりキャリアブラケット30の後部32へ締結されている。
図7に示すように、キャリアブラケット30をシートレール12へ締結するボス34は、シートレール12に立設されたナット27に重ねられ、ボルト22で締結される。ナット27の下部はシートレール12へ溶接されている。
前部ステー42における取付脚42aの下端部は、ボス35のナット部35a上に重ねられ、ボルト23で締結される。
次に、リアキャリア16に対するシート15の取付を説明する。
図8は、フロントシート15aをほぼ車体中心に沿って切った前後方向断面である。この図に示すように、フロントシート15aの底板50は後端部中央に後方へ突出する係止突部51が一体に形成されており、フロントシート係止部38へ前方側から係止される。
フロントシート係止部38は、略L字断面をなし、前方へ突出する頂部38aと、その後端から屈曲して下方へ延びてクロス部33の上面に連続する上下部38bを備える。
そこで、リアシート15bを後述するようにしてキャリアブラケット30側へ先に取付けてから、フロントシート15aの後端部に設けられている係止突部51を頂部38aの下方へ入れ、フロントシート15aを前方から後方へ押し込むと、係止突部51が頂部38aに係止され、フロントシート15aの後部がクロス部33へ係止される。
フロントシート15aをクロス部33側へ係止させたとき、先に取付けられているリアシート15bの前端部がフロントシート15aの背面に密接し、フロントシート係止部38及びクロス部33はリアシート15bで覆われる。
底板50の前部側には、下方へ突出する側面視略U字状のフック52が設けられ、車体フレーム側に固定されているシートキャッチ53によりロックされ、これにより、フロントシート15aの前端部側が車体フレームへロックされて固定される。
シートキャッチ53は公知のものであり、フロントシート15aの側方等に設けられたキーシリンダ(図示省略)をキー操作することにより、アンロックされて、フロントシート15aを取り外し可能になる。
図9及び図10はリアシート15bの取付構造を示す。図9はリアシート15bの前側における取付部を示す斜視図、図10はリアシート15bをほぼ車体中心に沿って切った前後方向断面である。
リアシート15bはシート底板55の前部左右に下方へ突出する取付突部54が一体に形成され、左右の取付突部54はクロス部33の前面左右に形成されているリアシート取付ボス33aに重なるようになっており、前方からボルト56でリアシート取付ボス33aへ締結されている。
図9に示すように、左右のリアシート取付ボス33aにおける下端部には凹溝33bが設けられ、ここにロック本体82が係合して支持されている。また受け部81もフェンダ前部60の上に配置され、フロントシート15aにより固定されている。フロントシート15aを取り外すことで、受け部81及びロック本体82を取り出すことができ、車外で組立ててU字ロック80として使用できる。
図10に示すように、シート底板55の後端部には、後方へ突出する係止突部57が一体に設けられ、キャリアブラケット30の後部32に形成されているリアシート係止部39へ係合するようになっている。
リアシート係止部39は、キャリアブラケット30の後部32左右に形成され、 図中の丸囲み部に拡大した斜視図で示すように、後部32の上面から上方へ突出する略門型の突部であり、前後方向へ貫通する貫通穴39aが形成され、ここに係止突部57を挿入することにより、係止突部57を係止するようになっている。
そこで、リアシート15bをキャリアブラケット30上に乗せ、係止突部57を前方へ開放されているリアシート係止部39の貫通穴39a内へ入れ、前方から後方へ押すと、係止突部57がリアシート係止部39内へ入って係止され、リアシート15bの後部がキャリアブラケット30の後部32へ係止される。
このとき、リアシート15bの前部は左右の取付突部54がクロス部33の前面左右に設けられているシート取付ボス33aに重なるので、前方からボルト56によりシート取付ボス33aのナット部(図示省略)へ締結すると、リアシート15bの前部はクロス部33へ締結される。
したがって、リアシート15bは、クロス部33の左右における2点の締結と、後部における左右計2点の係合によりキャリアブラケット30へ固定される。
次に、リアフェンダ20のリアキャリア16による支持構造について図11及び図12を主体にして説明する。
図11はリアフェンダ20とリアキャリア16を主体的に示す拡大側面図、図12はその斜め上方から示す斜視図である。但し、この図12においてはキャリアブラケット30を省略してある。図13はフェンダステーの取付構造を示す、図11の13−13線に沿う断面図、図14はフェンダ前部とフェンダ後部との連結部構造を示す、図11の14−14線に沿う断面図である。
これらの図に示すように、リアフェンダ20は、フェンダ前部60とフェンダ後部70とに前後分割されている。
フェンダ前部60とフェンダ後部70は、リアキャリア16の下方であって、キャリアブラケット30の後部32近傍位置にて連結されている。
フェンダ前部60は、後輪5の頂部上方から前方にかけて覆うように、側面視で略1/4円弧状をなして形成される。
フェンダ前部60の下方には、マフラー28が配置され、マフラー28の後端部はステー28aによりフェンダ前部60の右側部へ支持されている(図11)。
フェンダ後部70はリアフェンダ20の一部であって、その後側部分を構成するとともに、フェンダ前部60の後端部からさらに後方へ延出する後側本体部70aと、フェンダ前部60の後端部から上方へ突出する上部70bを備える。
後側本体部70aは、後輪5の頂部上方から後方側へ平面視でリアキャリア16の後端部より若干後方へ出る程度の範囲に設けられ、後端部にライセンスプレート70cが支持されている。
上部70bの後端部にはテールランプ21が設けられている。テールランプ21はリアキャリア16の後端部下方かつ後端部よりも前方へ引き込んだ位置に配置され、リアキャリア16でガードされている。
図12及び図13に示すように、フェンダ前部60の後部左右には、略逆J字状に上方へ突出する左右一対のフック61が一体に形成され、このフック61が、左右のシートレール12の後端部間を連結するクロスパイプ12aの上に係止され、これによりフェンダ前部60の後部が車体フレーム(クロスパイプ12a)に係止されている。
左右のフック61の間にはフェンダステー71が上方へ突出し、ボルト72でキャリアブラケット30の後部32中央へ固定されている(図12はキャリアブラケット30を省略した図であるが、フェンダステー71及び取付け用のボルト72を示す)。図13に示すように、フェンダステー71はフェンダ後部70の前端部をキャリアブラケット30の後部32へ支持させるための連結部材である。
さらに、図12に示すように、フック61より後方となるフェンダ前部60の後端部62は、フェンダ後部70の前端部とボルト73により左右2カ所で連結されている(図14参照)。なお、図12においては、荷受部25の下に隠れるため左側のボルト73が見えず、右側のボルト73のみが見えている。
図13に示すように、フェンダステー71は、フェンダ前部60の中心線CL上に形成された開口部63から略山形に上方へ突出し、頂部71aをキャリアブラケット30における後部32の下に重ね、これらの重ね合わせた部分へ上方からボルト72を差し込み、頂部71aの下に設けれているナット72aへ締結することにより、フェンダステー71がキャリアブラケット30の後部32へ連結される。
ボルト72は前後2カ所で締結される。図12では、前後に配置される2個のボルト72のうち後側のボルトが荷受部25の取付脚部44の下に隠れて一部しか見えていない。図13は前側のボルト72を示す断面である。
フェンダステー71の下部71bは左右方向へ広がり、フェンダ後部70の前端部に設けられたボス75の頂部75aの上に重なり、ここでボルト76及びナット76aにより連結される。ボス75は下方へ開放され、ボルト76はボス75内へ下方から差し込まれ、フェンダステー71の下部71b上に設けられたナット76aに締結される。
ボルト76による締結カ所は左右計2カ所である。
これにより、フェンダ後部70はフェンダステー71を介してキャリアブラケット30へ支持される。
図14に示すように、フェンダ前部60の後端部62は平坦状をなし、フェンダ後部70の上面における平坦部77に重ねられ、上方からボルト73で締結される。フェンダ後部70の平坦部77左右にはナット73aが一体化されており、これらのナット73aに対してそれぞれボルト73が上方から締結される。これにより、フェンダ前部60は前側のフック61にてキャリアブラケット30に係合で支持され、かつボルト73によりフェンダ後部70と一体化される。
次に、本実施の形態における作用を説明する。
まず、図6に示すように、キャリアブラケット30をシートレール12の上に置き、左右の側部31をそれぞれ前後のボス34にてボルト22により、左右のシートレール12へ取付ける。キャリアブラケット30は前後左右の計4カ所にてボルト22で締結される。続いて、キャリア本体部40をキャリアブラケット30の上に置き、前端部左右の前部ステー42における各取付脚42aの先端部を、側壁部31bの上端部に形成されている略水平の座部36に設けられた貫通穴36aへ上から下へ向けて差し込み、側壁部31bの内側へ出してボス35へ重ね、ボルト23で締結する。
また、キャリア本体部40の後部は、荷受部25に設けられた左右の取付脚部44における各取付端部45をキャリアブラケット30の後部32へ重ね、ボルト26で締結することによりキャリアブラケット30の後部32へ取付けられる。
これにより、剛性の高いキャリア本体部40が樹脂製のキャリアブラケット30を介してシートレール12側へ取付けられることになるので、比較的剛性の高いリアキャリア16を車体フレームへ取付けても、樹脂製のキャリアブラケット30により、車体フレームの剛性を過度に上げず、車体フレームにおける適度なしなやかさを維持でき、快適な走行を実現できる。
また、キャリアブラケット30を、左右のシートレール12に沿って車両前後方向に延びる左右一対の側部31と、これらの側部31間を連結するクロス部33を備えるとともに、左右の側部31を後部32で連結したので、樹脂製のキャリアブラケット30に対して十分な強度を確保できる。
さらに、キャリア本体部40を平面視で略U字形の枠部41と、この枠部41の後部に設けられる板状の荷受部25で構成し、枠部41にシートレール12の上方に配置されたシート15の側方に沿って前後方向へ延びる側部41aを設け、この側部41aがリアグリップ24を兼ねるようにした。このため、リアキャリア16の一部がリアグリップ24として機能することにより、専用のリアグリップを設けることを不要にでき、部品点数の削減が可能になる。
キャリア本体部40の前部は、キャリアブラケット30の側部31におけるクロス部33が連結する部分であって、クロス部33により補強されたボス35へ取付けられる。キャリア本体部40の後部は荷受部25にて、左右の側部31の後端部間を連結して比較的剛性が高い部分であるキャリアブラケット30の後部32へ取付けられる。
このため、キャリア本体部40をキャリアブラケット30の剛性が高い部分で強固に支持できるとともに、キャリア本体部40を前後で固定するので、 固定状態におけるキャリア本体部40の剛性も高くなる。
キャリアブラケット30にシート15の底板(50及び55)を係止する係止部(38、39)を設けたので、キャリアブラケット30にてシート15を係止でき、シートの取付が容易になる。しかも、キャリアブラケット30が樹脂製のため係止部(38、39)を容易に形成できる。
シート15がタンデム型であって、フロントシート15aとリアシート15bを備える場合であっても、フロントシート15aの底板50を係止するフロントシート係止部38をクロス部33に設け、リアシート15bの底板55を係止するリアシート係止部39をキャリアブラケット30の後部32に設けたので、フロントシート15a及びリアシート15bの各取付が容易になる。しかも樹脂製のキャリアブラケット30であるため、これらの複数の部品の係止部を容易に成形できる。
リアフレーム12の側方にサイドバック(17、18)を支持するとき、キャリアブラケット30の側部31における外側面上部に係止凹部37を設け、ここにサイドバック(17、18)を係止したので、キャリアブラケット30を利用してサイドバック(17、18)を支持することができる。しかも、キャリアブラケット30が樹脂製のため、係止凹部37を容易に形成できる。
そのうえ、キャリアブラケット30の外側をサイドカバー19で覆うので外観を良好にすることができるとともに、窓穴19aを設けて係止凹部37を露出させたので、サイドカバー19でキャリアブラケット30が覆われても、サイドバッグを係止凹部37へ係止させることができる。
なお、上記実施の形態の説明は一例を示すものである。本願発明は上記に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。
例えば、本願発明を適用する鞍乗り型車両は、リアフレームとリアキャリアを有するものであれば、自動3輪車又は自動4輪車など、種々な車両が可能である。
また、上記実施の形態において、シート15はタンデム型であったが、シングルシートであってもよい。さらに、シートを係止する係止部(38、39)を前後に設けているが、これをいずれか一方にすることもできる。
産業上の利用分野
この発明は、車体フレームに適度なしなやかさを維持することができるので、このような特性の車体フレームを必要とする鞍乗り型車両のリアキャリアに有用である。
12:シートレール、15:シート、15a:フロントシート、15b:リアシート、16:リアキャリア、17:サイドバッグ、18:サイドバッグ、19:サイドカバー、19a:窓穴、20:リアフェンダ、24:リアグリップ、25荷受部、30:キャリアブラケット、31:側部、32:後部、33:クロス部、38:フロントシート係止部、39:リアシート係止部、40:キャリア本体部、41:枠部、42:前部ステー、50:底板

Claims (8)

  1. 車体前後方向に延びる左右一対のリアフレーム(12)と、このリアフレーム(12)へ取付けられるリアキャリア(16)とを備えた鞍乗り型車両の車体フレーム構造において、
    前記リアキャリア(16)は、樹脂製のキャリアブラケット(30)と、金属製のキャリア本体(40)とを備え、
    前記キャリアブラケット(30)は、前記リアフレーム(12)へ取付けられ、
    前記キャリア本体(40)は、前記キャリアブラケット(30)へ取付けられ、
    前記キャリア本体(40)が、前記樹脂製のキャリアブラケット(30)を介して前記リアフレーム(12)へ支持されることを特徴とする鞍乗り型車両の車体フレーム構造。
  2. 前記キャリアブラケット(30)は、左右の前記リアフレーム(12)に沿って車両前後方向に延びる左右一対の側部(31)と、これらの側部(31)の前後方向中間部間を連結するクロス部(33)を備えるとともに、後部(32)で左右一体となっていることを特徴とする請求項1に記載した鞍乗り型車両の車体フレーム構造。
  3. 前記キャリア本体(40)は、平面視で略U字形の枠部(41)と、この枠部(41)の後部に設けられる板状の荷受部(25)を備え、
    前記枠部(41)は、前記リアフレーム(12)の上方に配置されたシート(15)の側方に沿って前後方向へ延びる側部(41a)を備え、この側部(41a)がリアグリップ(24)を兼ねることを特徴とする請求項1又は2に記載した鞍乗り型車両の車体フレーム構造。
  4. 前記キャリア本体(40)の前部は、前記キャリアブラケット(30)の側部(31)における前記クロス部(33)が連結する部分へ取付けられ、
    前記キャリア本体(40)の後部は、前記荷受部(25)にて前記キャリアブラケット(30)の後部(32)へ取付けられることを特徴とする請求項3に記載した鞍乗り型車両の車体フレーム構造。
  5. 前記キャリアブラケット(30)は、前記シート(15)の底板(50、55)を係止する係止部(38、39)を備えることを特徴とする請求項3に記載した鞍乗り型車両の車体フレーム構造。
  6. 前記シート(15)はタンデム型であって、フロントシート(15a)とリアシート(15b)を備え、
    前記フロントシート(15a)の底板(50)を係止する係止部(38)が前記クロス
    部材(33)に設けられ、
    前記リアシート(15b)の底板(55)を係止する係止部(39)が、前記キャリアブラケット(30)の後部(32)に設けられていることを特徴とする請求項5に記載した鞍乗り型車両の車体フレーム構造。
  7. 前記リアフレーム(12)の側方にサイドバック(17、18)が支持されるとともに、前記キャリアブラケット(30)の側部(31)における外側面上部に前記サイドバック(17、18)を係止するための係止凹部(37)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載した鞍乗り型車両の車体フレーム構造。
  8. 前記キャリアブラケット(30)の側部(31)は外側面をサイドカバー(19)で覆われるとともに、
    前記サイドカバー(19)は前記キャリアブラケット(30)の側部(31)に設けられた前記係止凹部(37)を露出させる窓穴(19a)を備えていることを特徴とする請求項7に記載した鞍乗り型車両の車体フレーム構造。
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