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JPWO2016056606A1 - ベンゾイソチアゾロピリミジン誘導体またはその塩、およびウイルス感染阻害剤ならびに医薬品 - Google Patents

ベンゾイソチアゾロピリミジン誘導体またはその塩、およびウイルス感染阻害剤ならびに医薬品 Download PDF

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JPWO2016056606A1
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松岡 雅雄
雅雄 松岡
和也 志村
和也 志村
藤井 信孝
信孝 藤井
浩章 大野
浩章 大野
真也 大石
真也 大石
司 水原
司 水原
志穂 岡崎
志穂 岡崎
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Abstract

抗ウイルス活性を有する新規な化合物を提供をする。下記の式(I)で表されることを特徴とする化合物、またはその塩。【化1】R1〜R3は、独立に、H原子、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C2〜6アルキレン基、アリール基、ヘテロアリール基、ニトロ基、C1〜6アルキル基のアルキルカルボニルアミノ基、C1〜6フルオロアルキル基、アミノ基、C1〜3モノもしくはジアルキルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アジド基、カルボキシル基、C1〜3アルキルカルボニル基、C1〜3アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ナフチル基、ヘテロアリール基、スチリル基、C1〜3アルキルチオ基、C1〜6ヒドロキシアルキル基を表し、置換基で置換されてもよく、同一でも異なってもよく;R1とR2、R2とR3は、架橋してもよく、隣接する置換基同士の架橋は、ヘテロ原子を含んでもよく;R4は、C1〜5の直鎖アルキレン基、またはヘテロ原子を表し、置換基で置換されてもよく、R4が前記アルキレン基の場合、前記アルキレン基上の置換基は、互いに結合して架橋構造もしくは環構造を形成していてもよく;X1およびX2は、独立に、ヘテロ原子を表し、置換基で置換されてもよく、同一でも異なってもよく、架橋してもよい。

Description

本発明は、ベンゾイソチアゾロピリミジン誘導体またはその塩、およびウイルス感染阻害剤ならびに医薬品に関する。
HIV感染症の治療は、逆転写酵素阻害剤とプロテアーゼ阻害剤とを組み合わせたHAART療法により、一定の効果が認められている。しかしながら、HIVは、突然変異により薬剤耐性を獲得しやすく、従来の薬剤での治療が困難となるケースが頻繁に認められる。このため、既存の薬剤とは異なる作用機序を有する新たな薬剤の開発が必要とされている。
Flexner, C. Nat. Rev. Drug Discov. 2007, 6, 959. De Clercq, E. Nat. Rev. Drug Discov. 2007, 6, 1001. Cohen, M. S.; Smith, M. K.; Muessig, K. E.; Hallett, T. B.; Powers, K. A.; Kashuba, A. D. Lancet, 2013, 382, 1515. Barre-Sinoussi, F.; Ross, A. L.; Delfraissy, J. F. Nat. Rev. Microbiol. 2013, 11, 877.
そこで、本発明は、抗ウイルス活性を有する新規な化合物の提供を目的とする。
本発明の化合物、またはその塩は、下記の式(I)で表されることを特徴とする。
前記式(I)中、
、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数2〜6のアルキレン基、アリール基、ヘテロアリール基、ニトロ基、アルキル基が炭素数1〜6であるアルキルカルボニルアミノ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アミノ基、炭素数1〜3のモノもしくはジアルキルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アジド基、カルボキシル基、炭素数1〜3のアルキルカルボニル基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ナフチル基、ヘテロアリール基、スチリル基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基を表し、
、R、およびRは、さらに置換基で置換されてもよく、
、R、およびRは、同一でも異なってもよく、
およびR、または、RおよびRは、架橋してもよく、
前記隣接する置換基同士で形成される架橋は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、
は、炭素数1〜5の直鎖のアルキレン基、または窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選択されたヘテロ原子を表し、
は、さらに置換基で置換されてもよく、
が前記アルキレン基の場合、前記アルキレン基上の置換基は、互いに結合して架橋構造もしくは環構造を形成していてもよく、
およびXは、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群から選択されたヘテロ原子を表し、
およびXは、さらに置換基で置換されてもよく、
およびXは、それぞれ同一でも異なってもよく、
およびXは、架橋していてもよい。
本発明のウイルス感染阻害剤は、前記本発明の化合物、またはその塩を含むことを特徴とする。
本発明の医薬品は、前記本発明の化合物、またはその塩を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法は、ピリミドベンゾチアジン−6−イミン誘導体(原料A)およびピリミドベンゾチアジン−6−チオン誘導体(原料B)の少なくとも一方の誘導体を合成原料として使用し、前記合成原料からチオフェノール誘導体を中間体として得る工程、および、
前記中間体を酸化する工程を含むことを特徴とする、前記本発明の化合物、またはその塩の製造方法である。
本発明の化合物は、HIV等に対する抗ウイルス活性を有するため、例えば、ウイルス感染阻害剤として使用でき、医療分野において極めて有用である。
図1は、実施例3におけるHIVウイルス感染後における薬剤サンプルの添加時間と、感染率(%)との関係を示すグラフである。 図2は、実施例3おけるヘルペスウイルス感染阻害率の結果を示すグラフである。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、前記式(I)において、XおよびXが架橋した化合物が、下記の式(II)で表される。
前記式(II)中、
、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数2〜6のアルキレン基、アリール基、ヘテロアリール基、ニトロ基、アルキル基が炭素数1〜6であるアルキルカルボニルアミノ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アミノ基、炭素数1〜3のモノもしくはジアルキルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アジド基、カルボキシル基、炭素数1〜3のアルキルカルボニル基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ナフチル基、スチリル基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基を表し、
、R、およびRは、さらに置換基で置換されてもよく、
、R、およびRは、同一でも異なってもよく、
およびR、または、RおよびRは、架橋してもよく、
前記隣接する置換基同士で形成される架橋は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、
は炭素数1〜5の直鎖のアルキレン基、または窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択されるヘテロ原子を表し、
は、さらに置換基で置換されてもよく、
が前記アルキレン基の場合、前記アルキレン基上の置換基は、互いに結合して架橋構造もしくは環構造を形成していてもよく、
イソチアゾール環は、窒素−硫黄結合の切断により開環してもよく、
イソチアゾール環が開環した場合、前記窒素−硫黄結合に由来する窒素原子は、酸素原子または硫黄原子に置換されてもよく、前記窒素−硫黄結合に由来する硫黄原子は、酸素原子または窒素原子に置換されてもよい。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、Rが、メチレン基、エチレン基またはエチリデン基である。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、Rが、下記式(2)もしくは(3)で表される構造を有する基である。
前記式(2)中、
は、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基またはベンゾイル基を表し、
は、さらに置換基で置換されてもよく、
前記置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルカルボニル基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキルスルホニル基、またはハロゲンであり、
前記式(3)中、
Yは、メチレン基または酸素原子を表し、
Yは、さらに置換基で置換されてもよく、
置換基は、炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン原子である。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、前記アリール基または前記ヘテロアリール基は、五員環または六員環である。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、前記アリール基は、下記式(1)で表される構造を有する。
前記式(1)中、
、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6フルオロアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルカルボニル基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、シアノ基、メタンスルホニルアミノ基、ベンゾイル基、またはフェニル基に置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキルカルボニルアミノ基を表し、
、R、R、R10およびR11は、同一でも異なってもよく、
、R、R、R10およびR11は、それぞれ隣接する置換基同士で環を形成していてもよく、
前記隣接する置換基同士で形成される環は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子から選択される1つ以上のヘテロ原子を含んでもよい。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、Rが、疎水性官能基である。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基で置換された炭素数5〜10のアリール基、炭素数1〜10のヘテロアリール基、ニトロ基、アルキル基が炭素数1〜6であるアルキルカルボニルアミノ基、または炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、ハロゲン原子が、臭素原子であり、
炭素数1〜6のアルキル基が、メチル基であり、
炭素数1〜6のアルコキシ基が、メトキシ基であり、
炭素数5〜10のアリール基が、フェニル基もしくはナフチル基であり、
炭素数1〜6のアルコキシ基で置換された炭素数5〜10のアリール基が、メトキシフェニル基であり、
炭素数1〜10のヘテロアリール基が、フラニル基もしくはチオフェニル基であり、
アルキル基が炭素数1〜6であるアルキルカルボニルアミノ基が、アセチルアミノ基であり、
炭素数1〜6のフルオロアルキル基が、トリフルオロメチル基である。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、RおよびRが、それぞれ独立に、水素原子であり、
が、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基で置換された炭素数5〜10のアリール基、炭素数1〜10のヘテロアリール基、ニトロ基、または炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、RおよびRが、それぞれ独立に、水素原子であり、
が、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数1〜10のヘテロアリール基、または炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、RおよびRが、水素であり、
が、前記アリール基、前記置換されたアリール基、前記ヘテロアリール基、または前記置換されたヘテロアリール基である。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、R、RおよびRのいずれか一つが、前記アリール基、前記置換されたアリール基、前記ヘテロアリール基、または前記置換されたヘテロアリール基である。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、前記置換されたアリール基において、前記置換基が、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、水酸基、またはニトロ基である。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、前記置換基が、メトキシ基、メトキシカルボニル基、水酸基、またはニトロ基である。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、前記置換されたアリール基が、3、4−メチレンジオキシフェニル基、またはナフチル基である。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、前記ヘテロアリール基が、ピリジニル基である。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、前記ヘテロアリール基が、フラニル基、チオフェニル基、イミダゾイル基、ピラゾリル基、または1,2,3−トリアゾリル基である。
本発明の化合物、またはその塩は、例えば、前記式(I)中、
が、チオール基、水酸基、またはアミノ基(−NH)であり、
が、窒素原子(−NH−)である。
本発明の医薬品は、例えば、ウイルス感染症用である。
本発明の医薬品は、例えば、前記ウイルスが、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトヘルペスウイルス、インフルエンザウイルスおよびヒトC型肝炎ウイルス(HCV)からなる群から選択された少なくとも一つのウイルスである。
本発明の製造方法は、例えば、前記合成原料が、前記ピリミドベンゾチアジン−6−イミン誘導体(原料A)であり、
前記合成原料を酸分解することにより中間体として前記チオフェノール誘導体を得る。
本発明の製造方法は、例えば、前記合成原料が、前記ピリミドベンゾチアジン−6−チオン誘導体(原料B)であり、
前記合成原料をアルカリ分解することにより中間体として前記チオフェノール誘導体を得る。
本発明の化合物、またはその塩は、特に記載しない限り、本発明の化合物といい、本発明の化合物とは、本発明の化合物の塩と読み替え可能である。
以下に本発明について詳細に説明する。本明細書において、特に断らない限り、各用語は、次の意味を有する。
ハロゲン原子は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子等があげられる。
炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状およびこれらの組み合わせのいずれでもよい。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチルエチル基等があげられる。また、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルカルボニル基、炭素数1〜6のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基等のように、置換基の一部に炭素数1〜6のアルキル基を含む場合においても、前記アルキル基は、例えば、同様である。一例として、「炭素数1〜6のアルキルカルボニル基」等というとき、示されている炭素数は、アルキル基の炭素数を意味し、カルボニル基の炭素を含まない。
アリール基は、一価の芳香族炭化水素基である。前記アリール基は、例えば、さらに置換基を有してもよい。前記アリール基は、例えば、単環式でもよいし、2つ以上の単環が共有(縮合)した多環式(縮合環)でもよい。また、各環は、例えば、五員環でもよいし、六員環でもよい。前記アリール基の炭素数は、特に制限されず、例えば、5〜60、6〜60;5〜20、6〜20;5〜10、6〜10等があげられる。前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基、フルオレニル基、ビフェニル基等があげられる。
ヘテロアリール基は、前記一価の芳香族炭化水素基において、いずれか一つ以上の炭素が、他のヘテロ原子に置換された基である。前記ヘテロ原子は、例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等があげられ、前記ヘテロ原子の数は、特に制限されない。前記ヘテロアリール基は、例えば、さらに置換基を有してもよい。前記ヘテロアリール基は、例えば、単環式でもよいし、2つ以上の単環が共有(縮合)した多環式(縮合環)でもよい。また、各環は、例えば、五員環でもよいし、六員環でもよい。前記ヘテロアリール基の炭素数は、特に制限されず、例えば、2〜60、3〜60、5〜60、6〜60;2〜20、3〜20、5〜20、6〜20;2〜10、3〜10、5〜10、6〜10等があげられる。前記ヘテロアリール基としては、例えば、フラニル基、チオフェニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イミダゾイル基、ピリダゾリル基、ピリジル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、チエノチエニル基等があげられる。
炭素数2〜6のアルケニル基は、例えば、直鎖状、分岐鎖状、環状およびこれらの組み合わせのいずれでもよい。前記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロプロペニルメチル基等があげられる。
炭素数2〜6のアルキニル基は、例えば、直鎖状および分岐鎖状のいずれでもよく、例えば、エチニル基、プロパルギル基等があげられる。
アルキレン基は、アルカン鎖(鎖式飽和炭化水素)の両端の炭化水素から1個ずつの遊離原子価のある二価基である。炭素数1〜5の直鎖のアルキレン基は、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等があげられる。
本明細書において、「ある基が置換されていてもよい」とは、例えば、置換基の数および位置は、特に限定されない。また、置換基の種類について、特に定義の無い場合、置換基の種類についても、特に限定されない。
(1)化合物、またはその塩
本発明の化合物(その塩を含む)は、前述のように、下記の式(I)で表されることを特徴とする。
前記式(I)において、R、Rおよび、およびRは、同一でも異なってもよく、また、さらに置換基で置換されてもよい。
前記式(I)において、例えば、RおよびRは、架橋してもよく、また、RおよびRは、架橋してもよい。この場合、例えば、架橋により、それら(RおよびR、または、RおよびR)が結合する炭素原子とともに、環状構造(例えば、五員環または六員環)を形成してもよい。また、前記隣接する置換基同士で形成される架橋は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子からなる群から選択される少なくとも1つ以上のヘテロ原子を含んでもよい。
また、前記式(I)において、Rは、炭素数1〜5の直鎖のアルキレン基、または窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選択されたヘテロ原子を表し、Rは、さらに置換基で置換されてもよい。Rが前記アルキレン基の場合、前記アルキレン基上の置換基は、互いに結合して架橋構造もしくは環構造を形成していてもよい。
前記式(I)において、R、RおよびRは、例えば、全てが水素原子でもよいし、いずれか2つが水素原子でもよいし、いずれか1つが水素原子でもよい。本発明の化合物の具体例としては、例えば、R、RおよびRの全てが水素原子である化合物、および、R、RおよびRのいずれか1つが水素原子であり且つ残りの2つが前述した水素原子以外の置換基である化合物があげられる。
前記式(I)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数2〜6のアルキレン基、アリール基、ヘテロアリール基、ニトロ基、アルキル基が炭素数1〜6であるアルキルカルボニルアミノ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表す。また、前記式(I)中、R、RおよびRは、例えば、アミノ基、炭素数1〜3のモノもしくはジアルキルアミノ基、炭素数1〜3のアルキルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アジド基、カルボキシル基、炭素数1〜3のアルキルカルボニル基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ナフチル基、スチリル基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基であってもよい。
前記式(I)中、R、RおよびRは、前述のように、さらに、置換基で置換されてもよい。前記置換基は、特に制限されず、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数2〜6のアルキレン基、アリール基、ヘテロアリール基、ニトロ基、アルキル基が炭素数1〜6であるアルキルカルボニルアミノ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アミノ基、炭素数1〜3のモノもしくはジアルキルアミノ基、炭素数1〜3のアルキルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アジド基、カルボキシル基、炭素数1〜3のアルキルカルボニル基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ナフチル基、スチリル基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基等があげられる。前記アルキルカルボニル基は、具体例として、フェニル基に置換されていてもよい。
前記アリール基または前記ヘテロアリール基がさらに置換基を有する場合、前記置換基の位置は、特に制限されない。前記アリール基または前記ヘテロアリール基が六員環の場合、前記置換基は、オルト位でも、メタ位でも、パラ位でもよい。
前記式(I)において、前記アリール基または前記ヘテロアリール基は、五員環または六員環であることが好ましい。
前記アリール基は、例えば、下記式(1)で表される構造を有する六員環の基があげられる。
前記式(1)中、
、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6フルオロアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルカルボニル基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、シアノ基、メタンスルホニルアミノ基、ベンゾイル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはフェニル基に置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキルカルボニルアミノ基を表し、
、R、R、R10およびR11は、同一でも異なってもよく、
、R、R、R10およびR11は、それぞれ隣接する置換基同士で環を形成していてもよく、
前記隣接する置換基同士で形成される環は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子からなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含んでもよい。
前記ヘテロアリール基は、例えば、前記式(1)において、六員環を構成する少なくとも1つの炭素原子が、ヘテロ原子に置換された構造を有する基があげられる。前記ヘテロ原子は、例えば、硫黄原子、窒素原子、酸素原子等である。
前記式(I)において、Rは、例えば、疎水性官能基であることが好ましい。前記疎水性官能基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、メトキシフェニル基(アニシル基ともいう)等があげられる。
前記式(I)において、R、RおよびRは、例えば、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基で置換された炭素数5〜10のアリール基、炭素数1〜10のヘテロアリール基、ニトロ基、アルキル基が炭素数1〜6であるアルキルカルボニルアミノ基、または炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。
本発明の化合物は、例えば、ハロゲン原子が、臭素原子であり、
炭素数1〜6のアルキル基が、メチル基であり、
炭素数1〜6のアルコキシ基が、メトキシ基であり、
炭素数5〜10のアリール基が、フェニル基もしくはナフチル基であり、
炭素数1〜6のアルコキシ基で置換された炭素数5〜10のアリール基が、メトキシフェニル基であり、
炭素数1〜10のヘテロアリール基が、フラニル基もしくはチオフェニル基であり、
アルキル基が炭素数1〜6であるアルキルカルボニルアミノ基が、アセチルアミノ基であり、
炭素数1〜6のフルオロアルキル基が、トリフルオロメチル基である。
本発明の化合物は、例えば、RおよびRが、それぞれ独立に、水素原子であり、
が、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基で置換された炭素数5〜10のアリール基、炭素数1〜10のヘテロアリール基、ニトロ基、または炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。
本発明の化合物は、例えば、RおよびRが、それぞれ独立に、水素原子であり、
が、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数1〜10のヘテロアリール基、または炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。
本発明の化合物は、例えば、R、RおよびRのいずれか一つが、前記アリール基、前記置換されたアリール基、前記ヘテロアリール基、または前記置換されたヘテロアリール基である。
本発明の化合物は、例えば、RおよびRが、水素であり、Rが、前記アリール基、前記置換されたアリール基、前記ヘテロアリール基、または前記置換されたヘテロアリール基である。また、本発明の化合物は、例えば、RおよびRが、水素であり、Rが、前記アリール基、前記置換されたアリール基、前記ヘテロアリール基、または前記置換されたヘテロアリール基である。
本発明の化合物は、例えば、前記置換されたアリール基において、前記置換基が、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、水酸基、またはニトロ基である。
本発明の化合物は、例えば、前記置換基が、メトキシ基、メトキシカルボニル基、水酸基、またはニトロ基である。
本発明の化合物は、例えば、前記置換されたアリール基が、3,4−メチレンジオキシフェニル基、またはナフチル基である。
本発明の化合物は、例えば、前記ヘテロアリール基が、ピリジニル基である。
本発明の化合物は、例えば、前記ヘテロアリール基が、フラニル基、チオフェニル基、またはイミダゾイル基、1,2,3−トリアゾリル基である。
本発明の化合物は、例えば、前記式(I)中、Xが、チオール基、水酸基、またはアミノ基(−NH)であり、Xが、窒素原子(−NH−)である。具体例として、前記式(I)中、例えば、Xは、チオール基であり、Xは、窒素原子(−NH−)であることがより好ましい。
本発明の化合物は、前記式(I)において、Rを有さなくてもよく、この場合、Rを有する環は、例えば、五員環である。
前記式(I)において、Rは、例えば、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。前記アルキレンは、例えば、メチレン基(−CH-)、エチレン基(−CH−CH−)、エチリデン基(CH−CH)等があげられる。Rがメチレン基の場合、Rを有する環は、例えば、六員環であり、Rがエチレン基の場合、Rを有する環は、例えば、七員環である。
前記式(I)において、Rは、例えば、さらに置換基で置換されてもよく、前記置換基は、例えば、前述のような置換基が例示できる。
の前記置換基は、隣接する置換基と架橋してもよい。前記式(I)においてRを有する環が、テトラヒドロピリミジン環の場合、テトラヒドロピリミジン環の5位のRの置換基と、4位または6位の置換基とが架橋してもよい。
前記式(I)において、Rは、例えば、下記式(2)もしくは(3)で表される構造を有する基でもよい。
前記式(2)中、
は、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基またはベンゾイル基を表し、
は、さらに置換基で置換されてもよく、
前記置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルカルボニル基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキルスルホニル基、またはハロゲンであり、
前記式(3)中、
Yは、メチレン基または酸素原子を表し、
Yは、さらに置換基で置換されてもよく、
置換基は、炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン原子である。
前記式(I)において、Rを有する環の具体例を、下記表1に示すが、本発明は、これらの例示には制限されない。
前記式(I)で表される化合物の具体例を、以下の表2に示す。なお、本発明は、これらの例示には限定されない。
前記表2の場合、Rは、例えば、メチレン基(−CH−)である。前記表2の化合物は、前記式(I)の化合物の具体例であるが、前記式(I)において、R、RおよびRの基は、特に制限されず、例えば、後述する表3〜6に示す基であってもよい。
また、本発明の化合物は、前述のように、前記式(I)において、XおよびXが架橋した化合物でもよく、前記化合物は、例えば、下記式(II)で表される。
前記式(II)中、
、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数2〜6のアルキレン基、アリール基、ヘテロアリール基、ニトロ基、アルキル基が炭素数1〜6であるアルキルカルボニルアミノ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アミノ基、炭素数1〜3のモノもしくはジアルキルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アジド基、カルボキシル基、炭素数1〜3のアルキルカルボニル基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ナフチル基、スチリル基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基を表し、
、R、およびRは、さらに置換基で置換されてもよく、
、R、およびRは、同一でも異なってもよく、
およびR、または、RおよびRは、架橋してもよく、
前記隣接する置換基同士で形成される架橋は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、
は炭素数1〜5の直鎖のアルキレン基、または窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択されるヘテロ原子を表し、
は、さらに置換基で置換されてもよく、
が前記アルキレン基の場合、前記アルキレン基上の置換基は、互いに結合して架橋構造もしくは環構造を形成していてもよく、
イソチアゾール環は、窒素−硫黄結合の切断により開環してもよく、
イソチアゾール環が開環した場合、前記窒素−硫黄結合に由来する窒素原子は、酸素原子または硫黄原子に置換されてもよく、前記窒素−硫黄結合に由来する硫黄原子は、酸素原子または窒素原子に置換されてもよい。
前記式(II)において、R、R、RおよびR4は、前記式(I)と同様であり、前述の記載を援用できる。前記式(II)において、硫黄原子と窒素原子とを含む五員環のイソチアゾール環は、窒素−硫黄結合の切断により開環してもよい。前記イソチアゾール環が開環した場合、前記窒素−硫黄結合に由来する窒素原子は、酸素原子または硫黄原子に置換されてもよく、前記窒素−硫黄結合に由来する硫黄原子は、酸素原子または窒素原子に置換されてもよい。
前記式(II)で表される化合物の具体例を、以下の表3〜6に示す。前記(II)の化合物は、例えば、前記(I)の化合物に対する前駆体、またはプロドラッグとして使用できる。なお、本発明は、これらの例示には限定されない。
前記表3において、左端の列は、前記式(II)におけるR、RおよびRのいずれか1つの基であり、この場合、残りの2つの基は、例えば、水素原子であり、Rは、例えば、メチレン基(−CH−)である。そして、前記表3には、前記左端の列に記載した基をR、またはRおよびRに有する化合物の具体例を併記する。前記表3において、Hは、水素原子、OMeは、メトキシ基、Phは、フェニル基、m−anisylは、m−メトキシフェニル基、Brは、臭素原子、CHは、メチル基、NOは、ニトロ基、NHAcは、アセチルアミノ基(−NH−CO−CH)を示し、また、−(CH=CH)−は、RとR、または、RとRが、架橋して、ベンゼン環を形成していることを示す(以下、同様)。
前記表4において、左端の列は、前記式(II)におけるR、RおよびRのいずれか1つの基であり、この場合、残りの2つの基は、例えば、水素原子であり、Rは、例えば、メチレン基(−CH−)である。そして、前記表4には、前記左端の列に記載した基をRまたはRに有する化合物の具体例を併記する。
前記表5において、左端の列は、前記式(II)におけるR、RおよびRのいずれか1つの基であり、この場合、残りの2つの基は、例えば、水素原子であり、Rは、例えば、メチレン基(−CH−)である。そして、前記表5には、前記左端の列に記載した基をRに有する化合物の具体例を併記する。
前記表6において、左端の列は、前記式(II)におけるR、RおよびRのいずれか1つの基であり、この場合、残りの2つの基は、例えば、水素原子であり、Rは、例えば、メチレン基(−CH−)である。そして、前記表6には、前記左端の列に記載した基をRに有する化合物の具体例を併記する。
本発明において、前記式(I)の化合物の塩は、例えば、通常知られているアミノ基等の塩基性基における塩、またはフェノール性ヒドロキシル基もしくはカルボキシル基等の酸性基における塩をあげることができる。なお、前記式(II)の化合物の塩についても、同様である。
前記塩基性基における塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸および硫酸等の鉱酸との塩;ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、アスパラギン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸等の有機カルボン酸との塩;ならびにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸等のスルホン酸との塩等があげられる。
酸性基における塩としては、例えば、ナトリウムおよびカリウム等のアルカリ金属との塩;カルシウムおよびマグネシウム等のアルカリ土類金属との塩;アンモニウム塩;ならびにトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェナミンおよびN,N'−ジベンジルエチレンジアミン等の含窒素有機塩基との塩等があげられる。前述した塩の中で、好ましい塩としては、例えば、薬理学的に許容される塩があげられる。
本発明の化合物は、例えば、前記式(I)で表される化合物、またはその塩において、異性体(例えば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体等)、水和物、溶媒和物および全ての結晶形を包含する。なお、前記式(II)の化合物の塩についても、同様である。
本発明の化合物(その塩を含む)は、例えば、RNAウイルスであるヒト免疫不全ウイルス(HIV)およびインフルエンザウイルス、ならびにDNAウイルスであるヒトヘルペスウイスルに活性を示す。このため、本発明の化合物は、これらのウイルスの感染過程における共通する部位を阻害している可能性が推測される。また、本発明の化合物は、例えば、これらのウイルスだけでなくヒトC型肝炎ウイルス(HCV)等の様々なウイルスにも抗ウイルス活性を示す可能性が推測される。従来の抗ウイルス剤は、ウイルスタンパク質を標的とするものが多いが、本発明の化合物は、様々なウイルスに効果を示すことから、宿主細胞に作用している可能性もあり、様々なウイルスの感染予防の効果も期待できる。
本発明の化合物により感染を阻害できるウイルスは、例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)(例えば、1型HIVおよび2型HIV)およびインフルエンザウイルス等のRNAウイルス、ヘルペスウイルス等のDNAウイルスがあげられる。前記ヘルペスウイルスは、例えば、ヒトヘルペスウイルスがあげられる。ヒトヘルペスウイルスは、例えば、単純ヘルペスウイルス(HSV)があり、具体例として、単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)および単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)等があげられる。このため、本発明の化合物は、例えば、ウイルス感染阻害剤として使用できる。
また、本発明の化合物は、前述のようなウイルスの感染を阻害できることから、例えば、前記DNAウイルス感染症、前記RNAウイルス感染症の治療に使用できる。本発明において、治療は、例えば、予防の意味も含む。
本発明の化合物およびその塩は、例えば、公知の方法またはそれらを適宜組み合わせることにより合成できる。具体例として、以下の文献を参照することができる。
(1) Mizuhara, T.; Oishi, S.; Fujii, N.; Ohno, H. J. Org. Chem. 2010, 75, 265-268.
(2) Mizuhara, T.; Oishi, S.; Ohno, H.; Shimura, K.; Matsuoka, M.; Fujii, N. Org. Biomol. Chem. 2012, 10, 6792-6802.
(3) Mizuhara, T.; Oishi, S.; Ohno, H.; Shimura, K.; Matsuoka, M.; Fujii, N. Bioorg. Med. Chem. 2012, 20, 6434-6441.
(4) Woods, P. A.; Morrill, L. C.; Lebl, T.; Slawin, A. M. Z.; Bragg, R. A.; Smith, A. D. Org. Lett. 2010, 12, 2660-2663.
(5) Chen, D.; Wu, J.; Yang, J.; Huang, L.; Xiang, Y.; Bao, W. Tetrahedron Lett. 2012, 53, 7104-7107.
(2)ウイルス感染阻害剤
本発明のウイルス感染阻害剤は、前述のように、前記本発明の化合物、またはその塩を含むことを特徴とする。本発明のウイルス感染阻害剤は、前記本発明の化合物(またはその塩)を含むことが特徴であり、その他の構成は、何ら制限されない。本発明のウイルス感染阻害剤は、前記本発明の化合物、またはその塩の記載を援用でき、前述の説明において、「化合物、またはその塩」は、「ウイルス感染阻害剤」に読み替えできる。
本発明のウイルス感染阻害剤は、例えば、前記本発明の化合物の他に、他の成分を含んでもよい。前記他の成分は、特に制限されず、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、崩壊抑制剤、固結・付着防止剤、滑沢剤、吸収・吸着担体、溶剤、増量剤、等張化剤、溶解補助剤、乳化剤、懸濁化剤、増粘剤、被覆剤、吸収促進剤、ゲル化・凝固促進剤、光安定化剤、保存剤、防湿剤、乳化・懸濁・分散安定化剤、着色防止剤、脱酸素・酸化防止剤、矯味・矯臭剤、着色剤、起泡剤、消泡剤、無痛化剤、帯電防止剤、緩衝・pH調節剤等があげられる。前記成分は、例えば、薬学的に許容された成分であることが好ましく、具体的には、医薬品添加物であることが好ましい。本発明のウイルス感染阻害剤は、例えば、前記本発明の化合物の他に、前記各種成分を配合して、経口剤(錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤等)、注射剤、点眼剤等の医薬品製剤とすることができる。
前記製剤は、例えば、通常の方法により製剤化できる。
錠剤、散剤、顆粒剤等の経口用固形製剤は、例えば、前記他の成分として、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、無水第二リン酸カルシウム、部分アルファ化デンプン、コーンスターチおよびアルギン酸等の賦形剤;単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、水およびエタノール等の結合剤;乾燥デンプン、アルギン酸、寒天末、デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウムおよびデンプングリコール酸ナトリウム等の崩壊剤;ステアリルアルコール、ステアリン酸、カカオバターおよび水素添加油等の崩壊抑制剤;ケイ酸アルミニウム、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、タルク、無水ケイ酸等の固結防止・付着防止剤;カルナバロウ、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、硬化油、硬化植物油誘導体、胡麻油、サラシミツロウ、酸化チタン、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、リン酸水素カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリエチレングリコール等の滑沢剤;第4級アンモニウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、尿素および酵素等の吸収促進剤;デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよびコロイド状ケイ酸等の吸収・吸着担体等が使用できる。前記経口用固形製剤は、例えば、これらの固形製剤化用医薬用添加物を用いて、常法に従い調製することができる。
前記錠剤は、例えば、必要に応じ、通常の剤皮を施した錠剤、例えば、糖衣錠、ゼラチン被包錠、胃溶性被覆錠、腸溶性被覆錠および水溶性フィルムコーティング錠とすることができる。
カプセル剤は、例えば、前記本発明の化合物と、前述したその他の各種成分と混合し、硬質ゼラチンカプセルおよび軟質カプセル等に充填して調製できる。
また、前記製剤は、例えば、溶剤、増量剤、等張化剤、溶解補助剤、乳化剤、懸濁化剤、増粘剤等の前記成分を使用が使用できる。これらの液体製剤化用添加物を用い、常法に従い調製することで、例えば、水性または油性の懸濁液、溶液、シロップおよびエリキシル剤等の液体製剤とすることもできる。
前記注射剤は、例えば、水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、クエン酸、酢酸、リン酸、乳酸、乳酸ナトリウム、硫酸および水酸化ナトリウム等の希釈剤;クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムおよびリン酸ナトリウム等のpH調整剤および緩衝剤;ピロ亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、チオグリコール酸およびチオ乳酸等の安定化剤;食塩、ブドウ糖、マンニトールまたはグリセリン等の等張化剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、プロピレングリコール、安息香酸ナトリウム、安息香酸ベンジル、ウレタン、エタノールアミン、グリセリン等の溶解補助剤;グルコン酸カルシウム、クロロブタノール、ブドウ糖、ベンジルアルコール等の無痛化剤;ならびに、局所麻酔剤等の成分が使用できる。前記注射剤は、これらの液体製剤化用の医薬品添加物を用い、常法に従い調製することができる。
点眼剤は、例えば、クロロブタノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジウム、フェネチルアルコール、パラオキシ安息香酸メチルおよび塩化ベンゼトニウム等の保存剤;ホウ砂、ホウ酸およびリン酸二水素カリウム等の緩衝剤;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびコンドロイチン硫酸等の増粘剤;ポリソルベート80およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等の溶解補助剤;エデト酸ナトリウムおよび亜硫酸水素ナトリウム等の安定化剤;ならびに、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよびグリセリン等の等張化剤等が使用できる。前記点眼剤は、これらの成分を適宜配合し、常法に従い調製することができる。
前記製剤の投与方法は、特に限定されず、例えば、製剤の形態、患者の年齢、性別その他の条件、患者の症状の程度に応じて適宜決定できる。
本発明のウイルス感染阻害剤の投与量は、例えば、有効成分である本発明の化合物の投与量として決定でき、具体的には、用法、患者の年齢、性別、疾患の形態、その他の条件等に応じて適宜設定できる。具体例としては、例えば、通常、成人に対して、1日あたり本発明の化合物0.1〜500mgを、1回から数回に分割して投与すればよく、好ましくは、1日あたり40〜500mgを1回から数回に分割して投与すればよい。
(3)医薬品
本発明の医薬品は、前述のように、前記本発明の化合物を含むことを特徴とする。本発明の医薬品は、前記本発明の化合物、またはその塩を含むことが特徴であり、その他の構成は、何ら制限されない。本発明の医薬品は、前記本発明のウイルス感染阻害剤の記載を援用でき、前述の説明において、「ウイルス感染阻害剤」は、「医薬品」に読み替えできる。
本発明の医薬品は、例えば、ウイルス感染症用である。また、本発明の医薬品は、例えば、前記ウイルスが、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトヘルペスウイルスおよびインフルエンザウイルスからなる群から選択された少なくとも一つのウイルスである。
(4)製造方法
本発明の前記化合物、またはその塩の製造方法は、前述のように、ピリミドベンゾチアジン−6−イミン誘導体(原料A)およびピリミドベンゾチアジン−6−チオン誘導体(原料B)の少なくとも一方の誘導体を合成原料として使用し、前記合成原料からチオフェノール誘導体を中間体として得る中間体生成工程、および、前記中間体を酸化する酸化工程を含むことを特徴とする。
前記中間体生成工程は、例えば、前記原料Aおよび原料Bにおけるチアジン環の開環工程ということもできる。また、前記中間体の酸化工程は、例えば、チアジン環の開環により得られたチオフェノール誘導体を、酸化により五員環として環化する工程ということもできる。
前記中間体生成工程において、ピリミドベンゾチアジン−6−イミン誘導体(原料A)を使用する場合、これを酸分解することが好ましい。前記酸分解によって、中間体として、前記原料Aのチオフェノール誘導体が得られる。
前記酸分解の条件は、特に制限されないが、例えば、酸性物質を含む溶媒を使用し、前記溶媒中で前記原料Aを処理することが好ましい。前記酸性物質は、特に制限されず、例えば、トリフルオロ酢酸があげられる。また、前記溶媒は、例えば、有機溶媒、水性溶媒またはこれらの混合溶媒である。前記溶媒としては、例えば、前記有機溶媒が好ましく、例えば、エタノール、エタノールとクロロホルムとの混合溶媒等があげらる。具体例として、前記トリフルオロ酢酸を含む、エタノールまたはエタノールとクロロホルムの混合溶媒の使用があげられる。
また、前記中間体生成工程において、ピリミドベンゾチアジン−6−チオン誘導体(原料B)を使用する場合、これをアルカリ分解することが好ましい。前記アルカリ分解によって、中間体として、前記原料Bのチオフェノール誘導体が得られる。
前記アルカリ分解の条件は、特に制限されないが、例えば、アルカリ性物質を含む溶媒を使用し、前記溶媒中で前記原料Bを処理することが好ましい。前記アルカリ性物質は、特に制限されず、例えば、水酸化ナトリウムがあげられる。また、前記溶媒は、例えば、有機溶媒、水性溶媒、またはこれらの混合溶媒である。前記溶媒としては、例えば、有機溶媒または有機溶媒と水性溶媒との混合溶媒が好ましく、前記有機溶媒としては、例えば、メタノール、前記混合溶媒としては、例えば、メタノールと水との混合溶媒があげられる。具体例として、水酸化ナトリウムを含む、メタノールと水との混合溶媒の使用があげられる。
前記ピリミドベンゾチアジン−6−イミン誘導体(原料A)は、例えば、下記式(III)で表すことができる。下記式(III)において、R〜Rは、前記式(I)におけるR〜Rと同様であり、いずれも、前記本発明の化合物またはその塩における記載を援用できる。
前記ピリミドベンゾチアジン−6−チオン誘導体(原料B)は、例えば、下記式(IV)で表すことができる。下記式(IV)において、R〜Rは、前記式(I)におけるR〜Rと同様であり、いずれも、前記本発明の化合物またはその塩における記載を援用できる。

(5)治療方法
本発明の治療方法は、前記本発明の化合物を被検体に投与する工程を含むことを特徴とする。前記本発明の化合物は、前述のように、前記RNAウイルス、DNAウイルスに対する抗ウイルス活性を有するため、これらの感染症の治療に使用できる。本発明において、前記治療は、例えば、予防の意味も含む。
前記投与工程において、投与方法は、特に制限されず、例えば、経口投与および非経口投与があげられる。投与方法および投与量の条件等は、前述の記載を援用できる。前記被検体は、特に制限されず、例えば、ヒトまたは非ヒト動物があげられ、前記非ヒト動物は、例えば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル、マントヒヒ、チンパンジー等の非ヒト哺乳類動物があげられる。
以下に実施例を示して、本発明をより具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
なお、以下の記載において、「化合物」とともに「数字」を記載する場合(例えば、「化合物2」等)、これらは、前述の表2〜6に示す化合物番号を示し、前記表中の化合物名と対応する。
[実施例1]
以下に示す合成例により、各種化合物を調製した。
1H NMRスペクトルを、JEOL AL-400またはJEOL ECA-500スペクトロメーターによって取得した。化学シフトは、内部標準であるテトラメチルシラン(Me4Si)に対する相対値δ(ppm)として表される。13C NMRスペクトルを、残留溶剤シグナルを内部標準として測定した。精密質量スペクトル(HRMS)は、JMS-HX/HX 110Aマススペクトロメーターまたは島津 LC-ESI-IT-TOF-MS装置によって取得した。フラッシュクロマトグラフィーには、Wakogel C-300E(和光純薬製)を使用した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析には、Cosmosil 5C18-ARIIカラム(4.6×250mm、ナカライテスク株式会社製)を使用した。流速1mL/minで、0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸(TFA)を含むアセトニトリルのリニアグラジエントで溶出を行い、溶出物は、UV(254nm)によって検出した。分取HPLCには、Cosmosil 5C18-ARII分取カラム(20×250mm、ナカライテスク株式会社製)を使用した。流速8mL/minで、0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸(TFA)を含むアセトニトリルのリニアグラジエントで溶出を行った。化合物の純度は、元素分析またはHPLC分析によって決定した(>95%)。以下の合成例において、特に断わらない限り、前記の条件が適用される。
(合成例1)1036J-129(化合物2)の合成
3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物2)
3,4-ジヒドロ-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(50.0mg, 0.230mmol)(1)を含むクロロホルム(2.30mL)およびエタノール(3.43mL)からなる溶液にトリフルオロ酢酸(171μL, 2.30mmol)を滴下した。室温で1時間撹拌した後、トリエチルアミン(321μL, 2.30mmol)を加えて反応を止めた。続いて、(ジアセトキシヨード)ベンゼン(72.6mg, 0.226mmol)を加えて、室温で30分間撹拌した後、混合液を濃縮した。これをHPLCにより精製し、化合物2(トリフルオロ酢酸塩)を無色の結晶として得た(48.5mg, 71%)。物性値を以下に示す。
mp 200-202 ℃ (ジエチルエーテル-メタノールから); IR (neat) cm-1: 3117-3056 (OH), 1662 (C=O), 1630 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.30-2.35 (m, 2H, CH2), 3.67 (t, J = 5.4 Hz, 2H, CH2), 4.16 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.63-7.66 (m, 1H, Ar), 7.84-7.87 (m, 1H, Ar), 8.04 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.17 (d, J = 8.0 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.7, 39.0, 46.3, 118.3 (q, J = 293.9 Hz), 122.5, 123.0, 125.1, 128.2, 134.7, 143.5, 156.0, 163.0 (q, J = 34.8 Hz); Anal. calcd for C12H11F3N2O2S: C, 47.37; H, 3.64; N, 9.21. Found: C, 47.32; H, 3.80; N, 9.29.
(合成例2)1059B-184(化合物3)の合成
3,4-ジヒドロ-8-メトキシ-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物3)
合成例1と同様の方法により、3,4-ジヒドロ-9-メトキシ-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物48)(前記文献(2)を参照)(52.0mg, 0.182mmol)から化合物3(トリフルオロ酢酸塩)を無色の固体として得た(45.3mg, 76%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3137-2942 (OH), 1666 (C=O), 1627 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.27-2.32 (m, 2H, CH2), 3.63 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 3.94 (s, 3H, CH3), 4.09 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.20 (dd, J = 9.2, 2.3 Hz, 1H, Ar), 7.53 (d, J = 2.3 Hz, 1H, Ar), 8.02 (d, J = 9.2 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.8, 38.9, 46.1, 56.7, 104.4, 115.8, 117.7 (q, J = 290.3 Hz), 118.1, 126.3, 146.1, 155.4, 161.9 (q, J = 37.2 Hz), 165.5; HRMS (ESI): m/z calcd for C11H13N2OS [M + H]+ 221.0749; found: 221.0753.
(合成例3)1059B-179(化合物4)の合成
3,4-ジヒドロ-8-フェニル-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物4)
合成例1と同様の方法により、3,4-ジヒドロ-9-フェニル-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物49)(前記文献(2)を参照)(50.0mg, 0.170mmol)から化合物4(トリフルオロ酢酸塩)を淡黄色固体として得た(46.1mg, 73%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3125-3004 (OH), 1667 (C=O), 1625 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.32-2.36 (m, 2H, CH2), 3.69 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.17 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.47 (tt, J = 7.4, 1.6 Hz, 1H, Ar), 7.51-7.55 (m, 2H, Ar), 7.74-7.76 (m, 2H, Ar), 7.92 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.22 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.28 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.7, 39.0, 46.3, 118.1 (q, J = 289.1 Hz), 120.2, 121.8, 125.5, 127.4, 128.5 (2C), 130.2, 130.3 (2C), 140.1, 144.3, 147.8, 155.7, 162.5 (q, J = 40.8 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C16H15N2S [M + H]+ 267.0956; found: 267.0962.
(合成例4)1036J-152(化合物5)の合成
3,4-ジヒドロ-8-(3-メトキシフェニル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物5)
合成例1と同様の方法により、3,4-ジヒドロ-9-(3-メトキシフェニル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物50)(前記文献(3)を参照)(0.889g, 2.75mmol)から化合物5(トリフルオロ酢酸塩)を無色の結晶として得た(1.38g, 73%)。物性値を以下に示す。
mp 190-192 ℃ (ジエチルエーテル-メタノールから); IR (neat) cm-1: 3087-2884 (OH), 1687 (C=O), 1626 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.31-2.36 (m, 2H, CH2), 3.68 (t, J = 5.4 Hz, 2H, CH2), 3.88 (s, 3H, CH3), 4.16 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.03-7.06 (m, 1H, Ar), 7.26 (dd, J = 2.0, 2.0 Hz, 1H, Ar), 7.30-7.32 (m, 1H, Ar), 7.44 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 1H, Ar), 7.91 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.21 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.27 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.7, 39.0, 46.3, 55.9, 114.2, 115.5, 118.3 (q, J = 293.9 Hz), 120.3, 120.9, 121.9, 125.4, 127.5, 131.4, 141.5, 144.2, 147.8, 155.8, 161.9, 163.0 (q, J = 34.8 Hz); Anal. calcd for C19H17F3N2O3S: C, 55.60; H, 4.18; N, 6.83. Found: C, 55.46; H, 4.18; N, 6.80.
(合成例5)1059B-4(化合物7)の合成
2-(4-ブロモ-2-メルカプトフェニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン(化合物6)
9-ブロモ-3,4-ジヒドロ-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物51)(前記文献(2)を参照)(100mg, 0.338mmol)を含むクロロホルム(3.38mL)およびエタノール(5.04mL)からなる溶液を、トリフルオロ酢酸(251μL, 3.38mmol)と1時間反応させた。室温で1時間撹拌した後、トリエチルアミン(471μL, 3.38mmol)により、反応を止めた。濃縮した後、酸化アルミニウムによるフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム-メタノール(100:0から95:5))によって精製し、化合物6を無色の結晶として得た(81.4mg, 89%)。物性値を以下に示す。
mp >300 ℃ (クロロホルム-メタノールから); IR (neat) cm-1: 2944-2847 (SH), 1633 (C=N); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 1.88-1.92 (m, 2H, CH2), 3.46 (t, J = 5.7 Hz, 4H, CH2), 6.90 (dd, J = 8.9, 2.0 Hz, 1H, Ar), 7.39 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 7.55 (d, J = 2.3 Hz, 1H, Ar), 11.32 (br s, 2H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 17.9, 38.0 (2C), 120.8, 122.3, 123.4, 128.6, 139.5, 159.0, 164.0; HRMS (FAB): m/z calcd for C10H12BrN2S [M + H]+ 270.9905; found: 270.9895.
8-ブロモ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物7)
化合物6(40.0mg, 0.184mmol)を含むクロロホルム(3.69mL)溶液を、(ジアセトキシヨード)ベンゼン(46.6mg, 0.181mmol)と反応させた。混合液を、室温で30分撹拌した後、濃縮した。さらに、HPLCにより精製し、化合物7(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(32.7mg, 47%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3093-2977 (OH), 1663 (C=O), 1630 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.28-2.33 (m, 2H, CH2), 3.65 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.13 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.80 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.04 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.28 (d, J = 1.7 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.5, 39.0, 46.2, 117.4 (q, J = 271.1 Hz), 122.1, 125.5, 126.4, 129.3, 131.6, 145.1, 155.6, 163.0 (q, J = 30.0 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C10H10BrN2S [M + H]+ 268.9748; found: 268.9747.
(合成例6)1059B-186(化合物8)の合成
3,4-ジヒドロ-8-トリフルオロメチル-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物8)
合成例1と同様の方法により、3,4-ジヒドロ-9-トリフルオロメチル-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物52)(前記文献(2)を参照)(57.8mg, 0.202mmol)から、化合物8(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(54.9mg, 75%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3273-3170 (OH), 1666 (C=O), 1635 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.31-2.36 (m, 2H, CH2), 3.69 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.19 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.92 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.35 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.46 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.4, 39.1, 46.5, 117.5 (q, J = 289.1 Hz), 120.5 (d, J = 3.6 Hz), 124.6, 124.8 (q, J = 272.3 Hz), 125.9, 126.5, 135.7 (q, J = 33.6 Hz), 144.2, 155.5, 161.6 (q, J = 38.4 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C11H10F3N2S [M + H]+ 259.0517; found: 259.0515.
(合成例7)1059B-173(化合物9)の合成
3,4-ジヒドロ-8-ニトロ-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物9)
合成例1と同様の方法により、3,4-ジヒドロ-9-ニトロ-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物53)(前記文献(2)を参照)(50.0mg, 0.191mmol)から、化合物9(トリフルオロ酢酸塩)を黄色固体として得た(64.0mg, 98%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3137-3036 (OH), 1663 (C=O), 1638 (C=N), 1556 (NO2), 1525 (NO2); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.31-2.36 (m, 2H, CH2), 3.70 (t, J = 5.4 Hz, 2H, CH2), 4.21 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 8.36 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.43 (dd, J = 8.9, 2.0 Hz, 1H, Ar), 8.99 (d, J = 1.7 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.3, 39.1, 46.7, 117.8 (q, J = 284.3 Hz), 118.9, 122.5, 126.8, 127.1, 144.5, 151.8, 155.2, 162.0 (q, J = 36.0 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C10H10N3O2S [M + H]+ 236.0494; found: 236.0494.
(合成例8)1036J-154(化合物10)の合成
8-(N-アセチルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物10)
合成例1と同様の方法により、9-(N-アセチルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物54)(前記文献(2)を参照)(21.3mg, 0.0776mmol)から、化合物10(トリフルオロ酢酸塩)を淡黄色固体として得た(19.4mg, 69%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3173-2948 (OH), 1669 (C=O), 1621 (C=N); 1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 2.19 (s, 3H, CH3), 2.27-2.33 (m, 2H, CH2), 3.64 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.10 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.60 (dd, J = 9.2, 1.4 Hz, 1H, Ar), 8.05 (d, J = 9.2 Hz, 1H, Ar), 8.53 (d, J = 1.4 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.8, 24.2, 38.9, 46.1, 111.0, 117.9, 118.3 (q, J = 296.3 Hz), 120.0, 125.6, 144.98, 145.01, 155.4, 163.0 (q, J = 32.4 Hz), 172.2; HRMS (FAB): m/z calcd for C12H14N3OS [M + H]+ 248.0858; found: 248.0862.
(合成例9)1059B-189(化合物11)の合成
3,4-ジヒドロ-9-メトキシ-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物11)
合成例1と同様の方法により、3,4-ジヒドロ-10-メトキシ-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物55)(前記文献(2)を参照)(57.4mg, 0.232mmol)から、化合物11(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(43.4mg, 57%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3102-3018 (OH), 1688 (C=O), 1635 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.29-2.34 (m, 2H, CH2), 3.67 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 3.92 (s, 3H, CH3), 4.14 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.48 (dd, J = 8.9, 2.6 Hz, 1H, Ar), 7.70 (d, J = 2.3 Hz, 1H, Ar), 7.90 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.8, 38.9, 46.4, 56.4, 106.2, 118.3 (q, J = 290.3 Hz), 123.5, 123.7, 125.0, 135.5, 155.6, 160.8, 163.0 (q, J = 37.2 Hz); HRMS (ESI): m/z calcd for C11H13N2OS [M + H]+ 221.0749; found: 221.0753.
(合成例10)1059B-185(化合物12)の合成
3,4-ジヒドロ-9-フェニル-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物12)
合成例1と同様の方法により3,4-ジヒドロ-10-フェニル-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物56)(前記文献(2)を参照)(18.5mg, 0.0631mmol)から、化合物12(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(16.0mg, 68%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3147-3014 (OH), 1686 (C=O), 1638 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.32-2.37 (m, 2H, CH2), 3.70 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.18 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.44 (tt, J = 7.2, 1.6 Hz, 1H, Ar), 7.50-7.54 (m, 2H, Ar), 7.71-7.74 (m, 2H, Ar), 8.10 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.15 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.45 (d, J = 1.7 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.5, 38.8, 46.1, 118.3 (q, J = 298.7 Hz), 122.6, 122.8, 123.4, 127.8 (2C), 129.4, 130.2 (2C), 133.0, 139.4, 141.0, 141.9, 155.6, 162.8 (q, J = 35.6 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C16H15N2S [M + H]+ 267.0956; found: 267.0956.
(合成例11)1059B-163(化合物14)の合成
3,4-ジヒドロ-10-メチル-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-チオン(化合物13)
アルゴン雰囲気下、2-(2-フルオロ-5-メチルフェニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン(化合物57)(前記文献(2)を参照)(578mg, 3.00mmol)および水素化ナトリウム(240mg, 6.00mmol; 60%油懸濁液)をN,N-ジメチルホルムアミド(10.0mL)中で混合し、二硫化炭素(361μL, 6.00mmol)を加えた。80℃で18時間撹拌した後、混合液を濃縮した。これを、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(n-ヘキサン-酢酸エチル(10:0から10:1))によって精製し、化合物13を黄色結晶として得た(286mg, 38%)。物性値を以下に示す。
mp 131-132 ℃ (n-ヘキサン-クロロホルムから); IR (neat) cm-1: 1592 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 2.02-2.07 (m, 2H, CH2), 2.37 (s, 3H, CH3), 3.76 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.45 (t, J = 6.3 Hz, 2H, CH2), 6.94 (d, J = 8.0 Hz, 1H, Ar), 7.24 (dd, J = 8.0, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.02 (s, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ 21.2, 21.6, 45.5, 48.7, 121.6, 126.1, 128.6, 128.9, 132.2, 137.7, 144.5, 190.0; Anal. calcd for C12H12N2S2: C, 58.03; H, 4.87; N, 11.28. Found: C, 58.16; H, 5.05; N, 11.17.
3,4-ジヒドロ-9-メチル-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物14)
化合物13(60.0mg,0.242mmol)を、0.1N水酸化ナトリウムを含むメタノール-H2O(9:1, 4.83mL)溶液中に懸濁した。これを、還流させながら、12時間撹拌した後、1N塩酸を加えていき、pH7にすることで、反応を止めた。これを、クロロホルム-メタノール(95:5)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、クロロホルム(6.04mL)溶液中で、(ジアセトキシヨード)ベンゼン(76.3mg, 0.237mmol)と反応させた。室温で30分撹拌した後、混合物を濃縮した。HPLCにより精製することで、化合物14(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(4.5mg, 6%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3265-3141 (OH), 1669 (C=O), 1630 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.29-2.34 (m, 2H, CH2), 2.53 (s, 3H, CH3), 3.66 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.14 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.71 (dd, J = 8.3, 1.4 Hz, 1H, Ar), 7.91 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 7.96 (d, J = 1.7 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.7, 21.1, 38.9, 46.3, 118.6 (q, J = 255.5 Hz), 122.1, 123.0, 124.6, 136.2, 139.0, 140.6, 155.7, 162.7 (q, J = 33.6 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C11H13N2S [M + H]+ 205.0799; found: 205.0795.
(合成例12)1059B-195(化合物15)の合成
9-ブロモ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物15)
合成例1と同様の方法により10-ブロモ-3,4-ジヒドロ-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物58)(前記文献(2)を参照)(50.0mg, 0.169mmol)から、化合物15(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(45.9mg, 72%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3137-3014 (OH), 1663 (C=O), 1631 (C=N); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 2.15-2.20 (m, 2H, CH2), 3.56 (br s, 2H, CH2), 4.11 (br s, 2H, CH2), 8.02 (dd, J = 8.9, 2.0 Hz, 1H, Ar), 8.16 (d, J = 9.2 Hz, 1H, Ar), 8.58 (d, J = 1.7 Hz, 1H, Ar), 10.43 (s, 1H, NH); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.5, 39.0, 46.4, 118.3 (q, J = 297.5 Hz), 121.5, 124.4, 124.6, 127.9, 137.4, 142.5, 155.0, 163.0 (q, J = 31.2 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C10H10BrN2S [M + H]+ 268.9748; found: 268.9755.
(合成例13)1059B-164(化合物18)の合成
2-(2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン(化合物16)
2-フルオロ-5-トリフルオロメチルベンズアルデヒド(1.36mL, 10.0mmol)のt-ブチルアルコール(94.3mL)溶液に、プロピレンジアミン(1.25mL, 15.0mmol)を加えた。混合液を70℃で30分撹拌した後、炭酸カリウム(4.15g, 30.0mmol)およびヨウ素(3.17g, 12.5mmol)を加えた。70℃で3時間撹拌した後、混合液に、飽和亜硫酸ナトリウムを、ほとんどのヨウ素の色が消えるまで加えることで、反応を止めた。反応液を濃縮し、得られた固体を水に溶解させ、2N水酸化ナトリウムで、pHを12-14とした。クロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、これを酸化アルミニウムによるフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム-メタノール(10:0から10:1))によって精製し、化合物16を淡黄色結晶として得た(1.56g, 64%)。物性値を以下に示す。
mp 109-111 ℃ (n-ヘキサン-クロロホルムから); IR (neat) cm-1: 3154 (NH), 1631 (C=N); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.86-1.92 (m, 2H, CH2), 3.53 (t, J = 5.8 Hz, 4H, CH2), 7.17 (dd, J = 11.0, 8.7 Hz, 1H, Ar), 7.59-7.62 (m, 1H, Ar), 8.18 (dd, J = 7.0, 2.3 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ 20.5, 42.3 (br, 2C), 116.7 (d, J = 25.2 Hz), 123.5 (q, J = 272.3 Hz), 125.2 (d, J = 13.2 Hz), 127.4-126.6 (m), 127.9-128.0 (m), 128.4-128.6 (m), 150.2, 161.7 (d, J = 253.1 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C11H11F4N2 [M + H]+ 247.0858; found: 248.0857.
3,4-ジヒドロ-10-トリフルオロメチル-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-チオン(化合物17)
アルゴン雰囲気下、化合物16(739mg, 3.00mmol)および水素化ナトリウム(240mg, 6.00mmol; 60%油懸濁液)を含むN,N-ジメチルホルムアミド(10.0mL)に二硫化炭素(361μL, 6.00mmol)を加えた。80℃で16時間撹拌した後、混合液を濃縮した。これを、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(n-ヘキサン-酢酸エチル(10:0から4:1))によって精製することで、化合物17を黄色結晶として得た(251mg, 28%)。物性値を以下に示す。
mp 151-152 ℃ (n-ヘキサン-クロロホルムから); IR (neat) cm-1: 1627 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 2.04-2.08 (m, 2H, CH2), 3.78 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.44 (t, J = 6.3 Hz, 2H, CH2), 7.15 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 7.63 (dd, J = 8.0, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.51 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ 21.4, 45.5, 48.6, 122.3, 123.5 (q, J = 272.3 Hz), 126.3 (q, J = 4.0 Hz), 126.9, 127.4 (q, J = 3.6 Hz), 129.8 (q, J = 33.6 Hz), 135.9, 143.1, 188.5; Anal. calcd for C12H9F3N2S2: C, 47.67; H, 3.00; N, 9.27. Found: C, 47.46; H, 3.06; N, 9.19.
3,4-ジヒドロ-9-トリフルオロメチル-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物18)
化合物17(60.0mg, 0.198mmol)を0.1N水酸化ナトリウムを含むメタノール-水(9:1,3.97mL)溶液中に懸濁した。これを、還流させながら、9.5時間撹拌した後、1N塩酸を加えていき、pH7にすることで、反応を止めた。これを、クロロホルム-メタノール(95:5)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、クロロホルム(4.96mL)溶液中で、(ジアセトキシヨード)ベンゼン(62.6mg, 0.194mmol)と反応させた。室温で30分撹拌した後、混合物を濃縮した。HPLCにより精製することで、化合物18(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(23.0mg, 32%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3125-3026 (OH), 1666 (C=O), 1624 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.31-2.36 (m, 2H, CH2), 3.68 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.18 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 8.11 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.27 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.59 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.4, 39.0, 46.4, 118.3 (q, J = 293.9 Hz), 122.9 (q, J = 4.4 Hz), 123.3, 124.1, 125.0 (q, J = 271.5 Hz), 129.9-130.7 (m, 2C), 147.3, 155.8, 162.9 (q, J = 34.8 Hz); Anal. calcd for C13H10F6N2O2S: C, 41.94; H, 2.71; N, 7.52. Found: C, 41.64; H, 2.80; N, 7.53.
(合成例14)1059B-181(化合物19)の合成
7-ブロモ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物19)
合成例1と同様の方法により、8-ブロモ-3,4-ジヒドロ-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物59)(前記文献(2)を参照)(50.0mg, 0.169mmol)から、化合物19(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(50.9mg, 80%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3096-3026 (OH), 1666 (C=O), 1640 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.32-2.37 (m, 2H, CH2), 3.68 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.19 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.63 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 1H, Ar), 8.07 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.21 (d, J = 7.4 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.4, 38.9, 46.9, 113.8, 118.3 (q, J = 302.3 Hz), 124.2, 124.7, 130.2, 137.1, 145.1, 157.0, 162.9 (q, J = 34.8 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C10H10BrN2S [M + H]+ 268.9748; found: 268.9755.
(合成例15)1036J-153(化合物20)の合成
9,10-ジヒドロ-8H-ナフト[2',1':4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物20)
合成例1と同様の方法により、3,4-ジヒドロ-2H,6H-ピリミド[1,2-c]ナフト[2,1-e][1,3]チアジン-6-イミン(化合物60)(前記文献(2)を参照)(60.0mg, 0.224mmol)から、化合物20(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(66.8mg, 86%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3088-3000 (OH), 1682 (C=O), 1627 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.36-2.40 (m, 2H, CH2), 3.72 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.28 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.78-7.81 (m, 1H, Ar), 7.85-7.88 (m, 1H, Ar), 8.00-8.04 (m, 2H, Ar), 8.09 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.17 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.5, 38.7, 46.5, 118.4 (q, J = 290.3 Hz), 118.8, 119.3, 124.7, 125.3, 129.0, 129.3, 130.0, 131.3, 135.0, 143.2, 155.8, 162.7 (q, J = 32.4 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C14H13N2S [M + H]+ 241.0799; found: 241.0797.
(合成例16)1059D-33(化合物21)の合成
3,4-ジヒドロ-8-(4-メトキシフェニル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物21)
合成例1と同様の方法により、3,4-ジヒドロ-9-(4-メトキシフェニル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物61)(前記文献(3)を参照)(50.0mg, 0.155mmol)から、化合物21(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(48.4mg, 78%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3111-2843 (OH), 1687 (C=O), 1625 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.31-2.36 (m, 2H, CH2), 3.68 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 3.87 (s, 3H, CH3), 4.15 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.06-7.09 (m, 2H, Ar), 7.69-7.72 (m, 2H, Ar), 7.88 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.17 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.22 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 19.1, 37.2, 44.7, 55.3, 114.7 (2C), 117.0 (q, J = 298.7 Hz), 118.6, 120.0, 124.6, 125.0, 128.5 (2C), 130.4, 142.7, 144.2, 153.6, 158.4 (q, J = 33.6 Hz), 160.1; HRMS (FAB): m/z calcd for C17H17N2OS [M + H]+ 297.1062; found: 297.1052.
(合成例17)1059D-38(化合物22)の合成
3,4-ジヒドロ-8-(4-メトキシカルボニルフェニル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物22)
合成例1と同様の方法により、3,4-ジヒドロ-9-(4-メトキシカルボニルフェニル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物62)(前記文献(3)を参照)(50.0mg, 0.142mmol)から、化合物22(トリフルオロ酢酸塩)を淡桃色固体として得た(35.3mg, 58%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3219-3098 (OH), 1708 (C=O), 1636 (C=O), 1605 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.32-2.36 (m, 2H, CH2), 3.69 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 3.95 (s, 3H, CH3), 4.18 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.86-7.89 (m, 2H, Ar), 7.97 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.16-8.19 (m, 2H, Ar), 8.25 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.34 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 19.1, 37.3, 44.8, 52.3, 116.7 (q, J = 292.7 Hz), 120.3, 121.4, 124.8, 125.8, 127.6 (2C), 129.7, 130.0 (2C), 142.7, 142.8, 143.2, 153.6, 158.2 (q, J = 33.6 Hz), 165.8; HRMS (FAB): m/z calcd for C18H17N2O2S [M + H]+ 325.1011; found: 325.1003.
(合成例18)1059D-83(化合物25)の合成
N-(tert-ブチル)-3,4-ジヒドロ-9-[4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル]-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物24)
アルゴン雰囲気下、9-ブロモ-N-(tert-ブチル)-3,4-ジヒドロ-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物23)(前記文献(2)を参照)(200mg, 0.568mmol)および4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)フェニルボロン酸(172mg, 0.681mmol)を含む、トルエン(5.68mL)、エタノール(3.40mL)および1mol/L炭酸カリウム水溶液(5.68mL)の混合液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(26.2mg, 4mol%)および1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリド-ジクロロメタン錯体(13.9mg, 3mol%)を加えた。これを、還流させながら、1.5時間撹拌した後、混合液をクロロホルムで抽出した。抽出物は、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。これを、酸化アルミニウムによるフラッシュクロマトグラフィー(n-ヘキサン-酢酸エチル(10:1))によって精製し、化合物24を無色の結晶として得た(247mg, 91%)。物性値を以下に示す。
mp 105-107 ℃ (n-ヘキサンから); IR (neat) cm-1: 1596 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 0.22 (s, 6H, 2×CH3), 1.00 (s, 9H, 3×CH3), 1.40 (s, 9H, 3×CH3), 1.90-1.95 (m, 2H, CH2), 3.64 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 3.89 (t, J = 6.0 Hz, 2H, CH2), 6.88-6.91 (m, 2H, Ar), 7.29 (d, J = 1.7 Hz, 1H, Ar), 7.39 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H, Ar), 7.45-7.48 (m, 2H, Ar), 8.21 (d, J = 8.0 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ -4.4 (2C), 18.2, 21.9, 25.7 (3C), 30.0 (3C), 45.1, 45.5, 54.2, 120.5 (2C), 122.2, 124.4, 125.9, 128.1 (2C), 128.8, 129.4, 132.4, 138.4, 142.6, 147.9, 156.0; HRMS (FAB): m/z calcd for C27H38N3OSSi [M + H]+ 480.2505; found: 480.2510.
3,4-ジヒドロ-8-(4-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物25)
化合物24(112.6mg, 0.235mmol)を含む少量のクロロホルムおよびモレキュラーシーブ4Å(MS4Å)(528mg, 粉末, ブンゼンバーナーで加熱することで活性化した)の混合液に、トリフルオロ酢酸(2.35mL)を加えた。これを、還流させながら、4時間撹拌した後、0℃で混合液にトリエチルアミンを滴下し、pHを8-9に調整した。これを、酢酸エチルで抽出し、抽出物を、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮して、未精製のイミンを、淡黄色固体として得た(73.9mg)。合成例1と同様の方法により、前記固体の一部(20.0mg)から、化合物25(トリフルオロ酢酸塩)を、白色固体として得た(11.0mg、2工程44%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3237-3066 (OH), 1684 (C=O), 1632 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.31-2.35 (m, 2H, CH2), 3.67 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.15 (t, J = 6.0 Hz, 2H, CH2), 6.91-6.94 (m, 2H, Ar), 7.60-7.63 (m, 2H, Ar), 7.86 (dd, J = 8.6, 1.1 Hz, 1H, Ar), 8.15 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.19 (d, J = 1.7 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.7, 39.0, 46.2, 117.1 (2C), 118.2 (q, J = 238.7 Hz), 119.0, 120.8, 125.3, 126.7, 129.8 (2C), 130.8, 144.3, 147.7, 155.7, 160.0, 162.9 (q, J = 34.8 Hz); HRMS (ESI): m/z calcd for C16H15N2OS [M + H]+ 283.0905; found: 283.0908.
(合成例19)1059D-35(化合物26)の合成
3,4-ジヒドロ-8-(4-ニトロフェニル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物26)
合成例1と同様の方法により、3,4-ジヒドロ-9-(4-ニトロフェニル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物63)(前記文献(3)を参照)(41.8mg, 0.124mmol)から、化合物26(トリフルオロ酢酸塩)を淡黄色固体として得た(28.7mg, 56%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3129-3010 (OH), 1684 (C=O), 1632 (C=N), 1596 (NO2), 1516 (NO2); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.32-2.37 (m, 2H, CH2), 3.70 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.19 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.98-8.01 (m, 3H, Ar), 8.28 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.38 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar), 8.39-8.42 (m, 2H, Ar); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 19.0, 37.3, 44.9, 117.3 (q, J = 291.5 Hz), 120.7, 121.8, 124.3 (2C), 124.9, 126.0, 128.6 (2C), 142.1, 142.7, 144.7, 147.5, 153.6, 158.1 (q, J = 32.4 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C16H14N3O2S [M + H]+ 312.0807; found: 312.0808.
(合成例20)1059D-39(化合物27)の合成
3,4-ジヒドロ-8-(3-メトキシカルボニルフェニル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物27)
合成例1と同様の方法により、3,4-ジヒドロ-9-(3-メトキシカルボニルフェニル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物64)(前記文献(3)を参照)(50.0mg, 0.142mmol)から、化合物27(トリフルオロ酢酸塩)を、淡桃色固体として得た(32.3mg, 53%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3281-3163 (OH), 1713 (C=O), 1674 (C=O), 1629 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.32-2.37 (m, 2H, CH2), 3.70 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 3.96 (s, 3H, CH3), 4.18 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.67 (dd, J = 7.7, 7.7 Hz, 1H, Ar), 7.95 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H, Ar), 7.99-8.01 (m, 1H, Ar), 8.11-8.14 (m, 1H, Ar), 8.26 (d, J = 9.2 Hz, 1H, Ar), 8.33 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar), 8.38 (dd, J = 1.7, 1.7 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 19.1, 37.2, 44.8, 52.4, 116.4 (q, J = 295.1 Hz), 120.1, 121.1, 125.0, 125.6, 127.5, 129.4, 129.9, 130.6, 131.9, 138.8, 142.8, 143.2, 153.6, 158.4 (q, J = 33.6 Hz), 165.9; HRMS (FAB): m/z calcd for C18H17N2O2S [M + H]+ 325.1011; found: 325.1009.
(合成例21)1059D-109(化合物29)の合成
N-(tert-ブチル)-3,4-ジヒドロ-9-[3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル]-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物28)
化合物24の記載と同様の方法により、化合物23(200mg, 0.568mmol)および3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)フェニルボロン酸(172mg, 0.681mmol)を、2時間反応させた。酸化アルミニウムによるフラッシュクロマトグラフィー(n-ヘキサン-酢酸エチル(10:1))によって精製し、化合物28を無色の結晶として得た(255mg, 94%)。物性値を以下に示す。
mp 97-99 ℃ (n-ヘキサンから); IR (neat) cm-1: 1620 (C=N); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 0.22 (s, 6H, 2×CH3), 0.98 (s, 9H, 3×CH3), 1.38 (s, 9H, 3×CH3), 1.81-1.86 (m, 2H, CH2), 3.54 (t, J = 5.4 Hz, 2H, CH2), 3.81 (t, J = 6.0 Hz, 2H, CH2), 6.89 (ddd, J = 7.4, 2.3, 2.3 Hz, 1H, Ar), 7.16 (dd, J = 1.7, 1.7 Hz, 1H, Ar), 7.32-7.38 (m, 2H, Ar), 7.54 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H, Ar), 7.62 (d, J = 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.21 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ -4.4 (2C), 18.2, 21.9, 25.7 (3C), 30.0 (3C), 45.1, 45.4, 54.1, 118.8, 119.6, 120.1, 122.7, 124.8, 126.6, 128.9, 129.4, 129.8, 138.3, 140.9, 142.7, 147.7, 156.1; HRMS (FAB): m/z calcd for C27H38N3OSSi [M + H]+ 480.2505; found: 480.2513.
3,4-ジヒドロ-8-(3-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物29)
化合物28(64.2mg, 0.134mmol)を含む少量のクロロホルムおよびMS4Å(402mg, 粉末, ブンゼンバーナーで加熱することで活性化した)の混合液に、トリフルオロ酢酸(2.68mL)を加えた。これを、還流させながら、7.5時間撹拌した後、0℃で混合液に、トリエチルアミンを滴下し、pHを8-9に調整した。これを、酢酸エチルで抽出し、抽出物を、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。合成例1と同様の方法により、残留物から、化合物29(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(37.8mg, 73%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3114-2996 (OH), 1672 (C=O), 1637 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.31-2.36 (m, 2H, CH2), 3.68 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.16 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 6.88-6.90 (m, 1H, Ar), 7.13 (dd, J = 2.1, 2.1 Hz, 1H, Ar), 7.17-7.19 (m, 1H, Ar), 7.33 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 1H, Ar), 7.86 (dd, J = 8.3, 1.4 Hz, 1H, Ar), 8.19 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.23 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 19.1, 37.3, 44.7, 114.0, 116.0, 117.3 (q, J = 299.9 Hz), 117.9, 119.6, 120.6, 124.6, 125.5, 130.3, 139.7, 142.6, 144.8, 153.6, 158.2, 158.6 (q, J = 27.6 Hz); Anal. Calcd for C18H15F3N2O3S: C, 54.54; H, 3.81; N, 7.07. Found: C, 54.35; H, 3.80; N, 7.14.
(合成例22)1059D-36(化合物30)の合成
3,4-ジヒドロ-8-(3-ニトロフェニル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物30)
合成例1と同様の方法により3,4-ジヒドロ-9-(3-ニトロフェニル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物65)(前記文献(3)を参照)(50.0mg, 0.148mmol)から、化合物30(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(52.1mg, 85%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3114-2996 (OH), 1685 (C=O), 1627 (C=N), 1603 (NO2), 1526 (NO2); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.32-2.37 (m, 2H, CH2), 3.70 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.19 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.80 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 1H, Ar), 8.00 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.17 (ddd, J = 8.2, 1.4, 1.4 Hz, 1H, Ar), 8.29 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.36 (ddd, J = 8.0, 2.3, 1.1 Hz, 1H, Ar), 8.38 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar), 8.60 (dd, J = 2.0, 2.0 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 19.0, 37.3, 44.8, 117.1 (q, J = 293.9 Hz), 120.1, 121.36, 121.39, 123.3, 124.8, 125.5, 130.7, 133.5, 139.6, 141.6, 142.6, 148.2, 153.5, 158.5 (q, J = 27.6 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C16H14N3O2S [M + H]+ 312.0807; found: 312.0807.
(合成例23)1059D-13(化合物31)の合成
3,4-ジヒドロ-8-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物31)
合成例1と同様の方法により3,4-ジヒドロ-9-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物66)(前記文献(3)を参照)(50.0mg, 0.148mmol)から、化合物31(トリフルオロ酢酸塩)を淡黄色固体として得た。(48.2mg, 78%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3167-3044 (OH), 1687 (C=O), 1624 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.30-2.35 (m, 2H, CH2), 3.67 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.15 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 6.04 (s, 2H, CH2), 6.97 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 7.24-7.27 (m, 2H, Ar), 7.85 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.17 (d, J = 9.2 Hz, 1H, Ar), 8.19 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 19.1, 37.2, 44.7, 101.6, 107.3, 108.9, 117.3 (q, J = 299.9 Hz), 119.0, 120.2, 121.3, 124.5, 125.4, 132.3, 142.6, 144.3, 148.1, 148.3, 153.6, 158.2 (q, J = 32.0 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C17H15N2O2S [M + H]+ 311.0854; found: 311.0860.
(合成例24)1059D-23(化合物32)の合成
3,4-ジヒドロ-8-(フラン-2-イル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物32)
合成例1と同様の方法により3,4-ジヒドロ-9-(フラン-2-イル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物67)(前記文献(3)を参照)(50.6mg, 0.179mmol)から、化合物32(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(50.0mg, 77%)。
IR (neat) cm-1: 3219-3029 (OH), 1680 (C=O), 1632 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.30-2.35 (m, 2H, CH2), 3.67 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.14 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 6.64 (dd, J = 3.4, 1.7 Hz, 1H, Ar), 7.12 (d, J = 4.0 Hz, 1H, Ar), 7.72 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar), 7.95 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.14 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.32 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.7, 38.9, 46.2, 110.6, 113.6, 116.1, 118.1 (q, J = 291.5 Hz), 121.1, 123.6, 125.5, 136.5, 144.4, 145.8, 152.9, 155.5, 162.6 (q, J = 34.8 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C14H13N2OS [M + H]+ 257.0749; found: 257.0749.
(合成例25)1059D-28(化合物33)の合成
3,4-ジヒドロ-8-(チオフェン-3-イル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物33)
合成例1と同様の方法により3,4-ジヒドロ-9-(チオフェン-3-イル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物68)(前記文献(3)を参照)(40.1mg, 0.134mmol)から、化合物33(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(35.8mg,71%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3133-3029 (OH), 1672 (C=O), 1627 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.31-2.35 (m, 2H, CH2), 3.68 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.15 (t, J = 6.0 Hz, 2H, CH2), 7.58-7.61 (m, 2H, Ar), 7.95 (dd, J = 2.1, 2.1 Hz, 1H, Ar), 7.97 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.16 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.29 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.6, 38.8, 46.1, 118.4 (q, J = 296.3 Hz), 118.7, 121.0, 124.9, 125.5, 126.2, 127.0, 128.5, 140.9, 141.6, 144.2, 155.4, 163.0 (q, J = 36.0 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C14H13N2S2 [M + H]+ 273.0520; found: 273.0523.
(合成例26)1059D-74(化合物34)の合成
3,4-ジヒドロ-8-(ナフタレン-2-イル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物34)
合成例1と同様の方法により3,4-ジヒドロ-9-(ナフタレン-2-イル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物69)(前記文献(3)を参照)(40.8mg, 0.119mmol)から、化合物34(トリフルオロ酢酸塩)白色固体として得た(32.7mg, 65%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3147-3018 (OH), 1675 (C=O), 1629 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.31-2.36 (m, 2H, CH2), 3.68 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.16 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.55-7.58 (m, 2H, Ar), 7.85 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H, Ar), 7.91-8.00 (m, 2H, Ar), 8.02 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.05 (dd, J = 8.3, 1.4 Hz, 1H, Ar), 8.22-8.24 (m, 2H, Ar), 8.38 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.3, 38.6, 45.8, 118.3 (q, J = 295.1 Hz), 119.7, 121.0, 125.1, 125.6, 126.8, 127.4, 127.6, 127.9, 128.5, 129.6, 129.7, 134.4, 134.5, 136.4, 143.6, 146.2, 154.9, 162.8 (q, J = 32.4 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C20H17N2S [M + H]+ 317.1112; found: 317.1111.
(合成例27)1059D-16(化合物37)の合成
N-(tert-ブチル)-3,4-ジヒドロ-9-(ピリジン-2-イル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物35)
アルゴン雰囲気下、化合物23(200mg, 0.568mmol)、ヨウ化銅(I)(21.6mg, 20mol%)、酢酸パラジウム(II)(6.4mg, 5mol%)およびトリフェニルホスフィン(14.9mg, 10mol%)を含むN,N-ジメチルホルムアミド(1.72mL)溶液に、2-ピリジニルトリオールボレートリチウム塩(145mg, 0.681mmol)を加えた。80℃で36時間撹拌した後、5%アンモニア水溶液で、反応を止め、酢酸エチルで抽出した。抽出物を、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮した後、酸化アルミニウムによるフラッシュクロマトグラフィー(n-ヘキサン-酢酸エチル(3:1))によって精製し、化合物35を無色の結晶として得た(118mg, 59%)。物性値を以下に示す。
mp 140-142 ℃ (n-ヘキサンから); IR (neat) cm-1: 1582 (C=N); 1H NMR(500 MHz, DMSO-d6): δ 1.39 (s, 9H, 3×CH3), 1.82-1.87 (m, 2H, CH2), 3.56 (t, J = 5.4 Hz, 2H, CH2), 3.81 (t, J = 6.0 Hz, 2H, CH2), 7.41 (dd, J = 7.4, 4.6 Hz, 1H, Ar), 7.91 (ddd, J = 8.0, 8.0, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.00 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H, Ar), 8.04-8.07 (m, 2H, Ar), 8.25 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.69 (d, J = 4.6 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ 21.8, 30.0 (3C), 45.1, 45.4, 54.2, 120.7, 122.8, 122.9, 124.2, 128.0, 128.8, 129.7, 136.9, 138.4, 140.8, 147.8, 149.8, 155.6; HRMS (FAB): m/z calcd for C20H23N4S [M + H]+ 351.1643; found: 351.1636.
3,4-ジヒドロ-9-(ピリジン-2-イル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物36)
化合物35(97.2mg, 0.277mmol)を含む少量のクロロホルムおよびMS4Å(624mg, 粉末, ブンゼンバーナーで加熱することで活性化した)の混合液に、トリフルオロ酢酸(2.77mL)を加えた。これを、還流させながら、4時間撹拌した後、0℃で混合液にトリエチルアミンを滴下し、pHを8-9に調整した。これを、酢酸エチルで抽出し、抽出物を、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮した後、酸化アルミニウムによるフラッシュクロマトグラフィー(n-ヘキサン-酢酸エチル(1:1))によって精製し、化合物36を、桃色結晶として得た(73.6mg, 90%)。物性値を以下に示す。
mp 177-179 ℃ (n-ヘキサン-クロロホルムから); IR (neat) cm-1: 1566 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 1.99-2.04 (m, 2H, CH2), 3.73 (t, J = 5.4 Hz, 2H, CH2), 4.06 (t, J = 6.3 Hz, 2H, CH2), 7.28-7.30 (m, 1H, Ar), 7.75-7.83 (m, 4H, Ar), 8.35 (d, J = 8.0 Hz, 1H, Ar), 8.71 (d, J = 4.6 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 20.7, 43.2, 44.4, 120.8, 121.6, 123.5, 123.9, 126.2, 128.9, 129.6, 137.4, 140.6, 145.2, 149.5, 149.7, 154.0; HRMS (FAB): m/z calcd for C16H15N4S [M + H]+ 295.1017; found: 295.1016.
3,4-ジヒドロ-8-(ピリジン-2-イル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物37)
合成例1と同様の方法により、化合物36(50.0mg, 0.170mmol)から、化合物37(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(47.6mg, 75%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3129-2972 (OH), 1679 (C=O), 1630 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.32-2.37 (m, 2H, CH2), 3.70 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.18 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.48 (ddd, J = 7.3, 4.7, 1.3 Hz, 1H, Ar), 7.97-8.04 (m, 2H, Ar), 8.26 (d, J = 1.1 Hz, 2H, Ar), 8.65 (dd, J = 1.1, 1.1 Hz, 1H, Ar), 8.72-8.74 (m, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.5, 38.9, 46.2, 118.3 (q, J = 292.7 Hz), 120.3, 122.8, 122.9, 125.2, 125.4, 126.6, 139.1, 143.9, 144.9, 150.9, 155.4, 155.7, 162.8 (q, J = 34.0 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C15H14N3S [M + H]+ 268.0908; found: 268.0907.
(合成例28)1059D-19(化合物38)の合成
3,4-ジヒドロ-8-(ピリジン-3-イル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物38)
合成例1と同様の方法により3,4-ジヒドロ-9-(ピリジン-3-イル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物70)(前記文献(3)を参照)(50.0mg, 0.170mmol)から、化合物38(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(38.4mg, 60%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3013-3004 (OH), 1664 (C=O), 1626 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.32-2.37 (m, 2H, CH2), 3.70 (t, J = 5.4 Hz, 2H, CH2), 4.19 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 7.82 (dd, J = 7.4, 5.2 Hz, 1H, Ar), 8.00 (dd, J = 8.3, 1.4 Hz, 1H, Ar), 8.32 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.38 (d, J = 1.1 Hz, 1H, Ar), 8.48 (ddd, J = 8.0, 1.7, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.76 (dd, J = 5.2, 1.7 Hz, 1H, Ar), 9.06 (d, J = 1.7 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.5, 39.0, 46.4, 117.9 (q, J = 291.5 Hz), 121.4, 123.5, 126.3, 127.3, 128.0, 138.9, 141.2, 143.5, 143.8, 144.5, 144.8, 155.6, 162.4 (q, J = 36.0 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C15H14N3S [M + H]+ 268.0908; found: 268.0910.
(合成例29)1059D-20(化合物39)の合成
3,4-ジヒドロ-8-(ピリジン-4-イル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物39)
合成例1と同様の方法により3,4-ジヒドロ-9-(ピリジン-4-イル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物71)(前記文献(3)を参照)(44.0mg, 0.150mmol)から、化合物39(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(48.6mg, 87%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3100-2986 (OH), 1673 (C=O), 1623 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.33-2.37 (m, 2H, CH2), 3.70 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.20 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 8.07-8.09 (m, 3H, Ar), 8.34 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.49 (d, J = 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.82 (dd, J = 5.2, 1.7 Hz, 2H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.4, 39.0, 46.4, 118.0 (q, J = 292.7 Hz), 122.3 (2C), 124.7, 126.2 (2C), 126.5, 127.4, 141.2, 144.5 (2C), 155.5, 155.9, 162.6 (q, J = 35.6 Hz); HRMS (FAB): m/z calcd for C15H14N3S [M + H]+ 268.0908; found: 268.0915.
(合成例30)1059D-25(化合物40)の合成
3,4-ジヒドロ-8-(1H-ピラゾール-1-イル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物40)
合成例1と同様の方法により3,4-ジヒドロ-9-(1H-ピラゾール-1-イル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物72)(前記文献(3)を参照)(50.0mg, 0.176mmol)から、化合物40(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(44.2mg, 69%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3144-3048 (OH), 1671 (C=O), 1633 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.30-2.35 (m, 2H, CH2), 3.67 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.15 (t, J = 6.0 Hz, 2H, CH2), 6.63 (dd, J = 2.9, 1.7 Hz, 1H, Ar), 7.83 (d, J = 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.10 (dd, J = 8.9, 2.0 Hz, 1H, Ar), 8.24 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.42 (d, J = 2.3 Hz, 1H, Ar), 8.45 (d, J = 2.3 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.5, 38.7, 46.1, 110.3, 110.7, 118.2 (q, J = 285.5 Hz), 118.4, 120.0, 126.5, 129.3, 143.8, 144.3, 144.8, 155.0, 162.7 (br); HRMS (FAB): m/z calcd for C13H13N4S [M + H]+ 257.0861; found: 257.0864.
(合成例31)1059D-49(化合物43)の合成
N-(tert-ブチル)-3,4-ジヒドロ-9-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物41)
アルゴン雰囲気下、上記化合物23(200mg, 0.568mmol)、1H-1,2,3-トリアゾール(39.5μL, 0.681mmol)、塩化銅(I)(11.2mg, 20mol%)および炭酸カリウム(86.3mg, 0.624mmol)を含むN-メチルピロリドン(1.10mL)混合液に、アセチルアセトン(17.4μL, 30mol%)を加えた。130℃で4日間撹拌した。混合液に、5%NH3水溶液を加え、反応を止めた。これを、酢酸エチルで抽出し、抽出物を、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮した後、酸化アルミニウムによるフラッシュクロマトグラフィー(n-ヘキサン-酢酸エチル(10:1))によって精製し、化合物41を無色の結晶として得た(53.9mg, 28%)。物性値を以下に示す。
mp 110-112 ℃ (n-ヘキサン-クロロホルムから); IR (neat) cm-1: 1601 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 1.40 (s, 9H, 3×CH3), 1.92-1.96 (m, 2H, CH2), 3.65 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 3.89 (t, J = 6.3 Hz, 2H, CH2), 7.84 (s, 2H, Ar), 7.89 (d, J = 2.3 Hz, 1H, Ar), 7.92 (dd, J = 8.9, 2.0 Hz, 1H, Ar), 8.33 (d, J = 9.2 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ 21.8, 30.0 (3C), 45.1, 45.5, 54.3, 114.3, 116.3, 126.5, 129.9, 130.6, 136.1 (2C), 137.5, 140.5, 147.2; HRMS (FAB): m/z calcd for C17H21N6S [M + H]+ 341.1548; found: 341.1546.
3,4-ジヒドロ-9-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(化合物42)
化合物35から化合物36への合成と同様の方法により、化合物41(47.0mg, 0.138mmol)から、化合物42を無色の結晶として得た(38.8mg, 99%)。物性値を以下に示す。
mp 205-207 ℃ (n-ヘキサン-クロロホルムから);IR (neat) cm-1: 1619 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 1.98-2.02 (m, 2H, CH2), 3.72 (t, J = 5.4 Hz, 2H, CH2), 4.05 (t, J = 6.0 Hz, 2H, CH2), 7.82 (d, J = 2.3 Hz, 1H, Ar), 7.84 (s, 2H, Ar), 7.95 (dd, J = 9.2, 2.3 Hz, 1H, Ar), 8.37 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ 20.9, 43.8, 45.0, 113.3, 116.5, 125.4, 130.3, 130.4, 136.2 (2C), 140.8, 145.9, 152.7; HRMS (FAB): m/z calcd for C13H13N6S [M + H]+ 285.0922; found: 285.0924.
3,4-ジヒドロ-8-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2H-ベンゾ[4,5]イソチアゾロ[2,3-a]ピリミジン(化合物43)
合成例1と同様の方法により化合物42(32.6mg, 0.115mmol)から、化合物43(トリフルオロ酢酸塩)を白色固体として得た(19.8mg, 47%)。物性値を以下に示す。
IR (neat) cm-1: 3096-2888 (OH), 1685 (C=O), 1632 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.31-2.36 (m, 2H, CH2), 3.69 (t, J = 5.7 Hz, 2H, CH2), 4.17 (t, J = 6.0 Hz, 2H, CH2), 8.06 (s, 2H, Ar), 8.28 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 8.40 (dd, J = 9.2, 1.7 Hz, 1H, Ar), 8.80 (d, J = 1.7 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.6, 39.0, 46.3, 111.8, 118.6 (q, J = 292.7 Hz), 118.9, 121.5, 126.6, 138.6 (2C), 144.1, 145.0, 155.4, 163.0 (br); HRMS (FAB): m/z calcd for C12H12N5S [M + H]+ 258.0813; found: 258.0818.
(合成例32)1036J-167(化合物45)の合成
2-(2-メルカプトフェニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン(化合物45)
(方法A)
3,4-ジヒドロ-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-イミン(1)(1.09g, 5.00mmol)を含むクロロホルム(50.0mL)およびエタノール(75.0mL)からなる溶液に、トリフルオロ酢酸(3.70mL, 50.0mmol)を滴下した。室温で1時間撹拌した後、0℃でトリエチルアミン(7.20mL, 50.0mmol)を加えて反応を止め、濃縮した。これを、アミノシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム-メタノール(10:0から9:1))によって精製し、化合物45を黄色結晶として得た(999mg, quant.)。物性値を以下に示す。
mp 208-210 ℃ (n-ヘキサン-クロロホルム-メタノールから); IR (neat) cm-1: 3185-3092 (SH), 1590 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 2.05-2.09 (m, 2H, CH2), 3.55 (t, J = 5.7 Hz, 4H, CH2), 6.87-6.91 (m, 1H, Ar), 7.06 (ddd, J = 8.0, 8.0, 1.7 Hz, 1H, Ar), 7.28 (dd, J = 7.7, 1.4 Hz, 1H, Ar), 7.56 (dd, J = 8.0, 1.1 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 18.1, 38.1 (2C), 118.7, 122.8, 126.7, 128.8, 137.8, 158.9, 159.8; HRMS (FAB): m/z calcd for C10H13N2S [M + H]+ 193.0799; found: 193.0801.
(方法B)
3,4-ジヒドロ-2H,6H-ピリミド[1,2-c][1,3]ベンゾチアジン-6-チオン(化合物44)(前記文献(1)を参照)(1.15g, 4.90mmol)を、0.1N水酸化ナトリウムを含むメタノール-水溶液(9:1, 98.0mL)に懸濁した。これを還流させながら12時間撹拌した後、1N塩酸を加えていきpH7にすることで、反応を止めた。これをクロロホルム-メタノール(95:5)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、得られた固体をジエチルエーテル−クロロホルム−メタノールで再結晶し、化合物45を黄色固体として得た(655mg, 70%)。スペクトルデータは、方法Aによって合成された化合物のスペクトルデータと一致した。
(合成例33)1059E-87(化合物46)の合成
2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン(化合物46)
サリチル酸メチル(1.29mL, 10.0mmol)およびプロピレンジアミン(2.56mL, 30.0mmol)の混合液を、16時間還流した。これをメタノールに溶解し、ジエチルエーテルで結晶化した。沈殿物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄することで、未反応のプロピレンジアミンを除いた。得られた固体を、酸化アルミニウムによるフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム-メタノール(10:0から10:1))によって精製し、化合物46を無色の結晶として得た(497mg, 28%)。物性値を以下に示す。
mp 259-261 ℃ (ジエチルエーテル-メタノールから); IR (neat) cm-1: 3212-3050 (OH), 1620 (C=N); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 1.83-1.88 (m, 2H, CH2), 3.40 (t, J = 5.7 Hz, 4H, CH2), 6.27-6.30 (m, 1H, Ar), 6.46 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 7.04-7.08 (m, 1H, Ar), 7.45 (dd, J = 8.0, 1.7 Hz, 1H, Ar), 12.10 (br s, 1H, OH); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): δ 20.0, 39.3 (2C), 111.2, 114.5, 124.4, 126.3, 135.1, 160.9, 172.5; Anal. calcd for C10H12N2O: C, 68.16; H, 6.86; N, 15.90. Found: C, 68.13; H, 7.03; N, 16.09.
(合成例34)1059E-41(化合物47)の合成
2-(2-アミノフェニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン(化合物47)
2-[2-N-(p-トルエンスルホニルアミノ)フェニル]-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン(化合物73)(前記文献(2)を参照)(494mg, 1.50mmol)を、濃硫酸(10.0mL)中で、100℃で30分撹拌した後、混合液を0℃まで冷却した。そして、2N水酸化ナトリウムによりpHを12-14に調整した。これをクロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、得られた固体をn-ヘキサン-クロロホルムで再結晶し、化合物47を無色の結晶として得た(137.4mg, 52%)。物性値を以下に示す。
mp 83-85 ℃; IR (neat) cm-1: 2931 (NH2), 2851 (NH2), 1620 (C=N); 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 1.81-1.86 (m, 2H, CH2), 3.48 (t, J = 5.7 Hz, 4H, CH2), 4.71 (br s, 1H, NH), 5.72 (br s, 2H, NH2), 6.61-6.66 (m, 2H, Ar), 7.07-7.10 (m, 1H, Ar), 7.23-7.26 (m, 1H, Ar); 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ 20.7, 42.0 (2C), 116.56, 116.61, 119.3, 126.3, 129.9, 147.1, 155.1; Anal. calcd for C10H14N3: C, 68.54; H, 7.48; N, 23.98. Found: C, 68.28; H, 7.57; N, 23.75.
[実施例2]
前記実施例1で合成した各種化合物について、抗HIVウイルス活性の評価を行った。
前記実施例1で合成した各種化合物について、抗HIV活性の評価を行った。前記評価は、以下に示すように、論文Journal of Clinical Microbiology, 2008, 46, 792-795に記載の方法に基づき、NCKアッセイにより行った。
NCK45-β-Gal細胞を96ウェル平底プレートに1×104細胞/ウェルになるように播種し、24時間培養後、前期化合物の適宜希釈液を含む培地に置換した。続けてHIV-1(IIIB株)を60NCKユニットで感染させた。48時間の培養後、細胞を固定し、HIV-1感染細胞をX-galで染色し、カウントした。各種化合物の抗HIV-1活性は、HIV-1感染を50%阻止する濃度、EC50(50% effective concentration)として算出した。実施例の化合物として、前述した化合物を用いて得られたEC50値を表7〜9に示す。
前記表7に示すように、いずれの化合物も、EC50が2.2μM未満であり、そのうちの約半数は1μM以下と十分に低い値を示した。これらの結果から、実施例の化合物が、優れた抗HIV活性を有することがわかった。特に、前記式(II)において、Rに、疎水性官能基として、m−メトキシフェニル基(m−アニシル基)を導入した1036J−152は、式(II)において、R、RおよびRの全てが水素原子である1036J−129と比較して、抗HIV活性が約3倍程度向上しており、特に優れた抗HIV活性を示すことがわかった。また、これらの化合物は、10μmol/Lの濃度で使用しても、細胞毒性が見られず、高い安全性を示すことがわかった。
前記表8に示すように、いずれの化合物も、EC50が1.5μM未満であり十分に低い値を示し、ほとんどの化合物が、0.5μM未満という非常に低い値を示した。これらの結果から、実施例の化合物が、優れた抗HIV活性を有することがわかった。特に、前記式(II)において、Rに、疎水性の修飾アリール基である3,4-メチレンジオキシフェニル基、フラン−2−イル基または3−メトキシカルボニルフェニル基を導入した1059D−13、1059D−23および1059D−39は、親水性の修飾アリール基を導入した化合物よりも、優れた抗HIV活性を示した。具体的に、1059D−13、1059D−23および1059D−39は、R、RおよびRが全て水素原子である1036J−129と比較して、抗HIV活性がさらに約6倍程度向上しており、特に優れた抗HIV活性を示した。このことから、Rを疎水性アリール基とすることで、より優れた抗HIV活性を実現できることがわかった。また、1059D−33以外の化合物は、10μmol/Lの濃度で使用しても、細胞毒性が見られず、高い安全性を示すことがわかった。
前記表9に示すように、1036J−129のイソチアゾール環が開環した化合物である1036J−167も、同等の優れた抗HIV活性を有することがわかった。これらの結果から、前記式(II)で示されるイソチアゾール誘導体は、生体内で開環し、前記式(I)で示されるチオフェノール誘導体として、抗ウイルス活性を発現している可能性が示唆された。すなわち、前記式(II)で示されるイソチアゾール誘導体は、式(I)で示されるチオフェノール誘導体のプロドラッグとして利用することも可能である。
[実施例3]
前記実施例1で合成した各種化合物のうち、1036J−129について、各種ウイルスに対する抗ウイルス活性の評価を行った。
(1)タイムオブドラッグアディション試験
上述のNCKアッセイと同様に、NCK45-β-Gal細胞を、播種、培養し、ウイルス(HIV-1 IIIB株)を60NCKユニットで感染させた。ウイルス接種0時間後(ウイルス接種直後の薬剤添加)から48時間後(培養終了と同時)まで、経時的に薬剤サンプルを添加した。ウイルス接種から48時間の培養後、培養細胞を固定し、HIV-1感染細胞をX-galで染色し、カウントした。各種化合物の抗HIV-1活性は、HIV-1感染を50%阻止する濃度、EC50(50% effective concentration)として算出した。前記薬剤サンプルは、実施例として、前記実施例1の1036J−129を使用し、比較例として、既存の抗ウイルス剤であるDS5000(デキストラン硫酸 ナトリウム塩、Sigma社製)、AZT(3’-azido-3’-deoxythymidine、Sigma社製)、RAL(raltegravir, Selleck Chemicals社製)を使用した。
図1にこれらの結果を示す。図1は、ウイルス感染後における薬剤サンプルの添加時間と、感染率(%)との関係を示すグラフである。図1に示すように、実施例の1036J−129は、感染直後の投与(0h)と感染から2時間後の投与とを比較した結果、後者(2h)は、前者(0h)よりも、感染率(%)が高く、抗ウイルス活性が低下した。この結果から、本発明の化合物は、ウイルス感染の初期段階に作用している可能性が示唆された。
(2)抗単純ヘルペスウイルス活性の確認
Ann N Y Acad Sci. 1994, 724, 472-488(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8030975)に準じた以下の方法で、抗HSV−1活性および抗HSV−2活性の評価を行った。
標的細胞として、アフリカミドリザル腎上皮細胞由来のVero細胞を用い、プラーク減少アッセイ(Plaque reduction assay)により、薬剤サンプルの抗HSV−1活性および抗HSV−2活性を測定した。具体的には、前記Vero細胞を、6ウェルプレートに5×10細胞/ウェルになるように播種し、一昼夜培養した。そして、得られた前記培養液を、1μmol/Lまたは10μmol/Lとなるように薬剤サンプルを添加した5%ウシ血清添加DMEMに置換し、HSV−1(VR-3株)またはHSV−2(UW268株)を、100 PFUで感染させた。前記細胞を、37℃で48時間培養した後、メタノールで固定処理し、0.1%クリスタルバイオレット溶液で染色して、プラーク数を測定した。
前記薬剤サンプルは、実施例として前記実施例1の1036J−129を使用した。コントロールは、前記薬剤サンプルに代えて、ジメチルスルホキシド(DMSO)を添加した。
そして、コントロールのプラーク数を100%として、各薬剤サンプルを使用した際のプラーク数の相対値(%)を求め、これを相対的な感染率(%)とした。これらの結果を、図2に示す。図2は、感染率(%)を示すグラフであり、(A)が、HSV−1の感染率を示し、(B)が、HSV−2の感染率を示す。
図2に示すように、実施例の1036J−129は、DNAウイルスであるHSV−1およびHSV−2に対しても、感染阻害活性を有することが示された。
(3)抗インフルエンザウイルス活性の確認
J Virol Methods 1994 48:257-265に準じ、MDCK細胞を用いた以下に示すMTTアッセイ方法により、抗インフルエンザウイルス活性の評価を行った。
具体的には、前記MDCK細胞を96ウェルプレートに1×10細胞/ウェルになるように播種し、一昼夜培養した。そして、前記ウェルプレートを、0.1%ウシ血清アルブミン添加DMEMで洗浄した後、薬剤サンプルを含む1%ウシ血清アルブミン添加DMEMを加え、ヒトインフルエンザAウイルス(A/PR/8/34株)を感染させた。そして、前記細胞を、37℃で72〜96時間培養した後、生細胞数を、MTT[3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5-diphenyltetrazolium bromide]法により測定した。前記薬剤サンプルは、実施例として前記実施例1の1036J−129を使用し、抗インフルエンザウイルス活性を評価した。また、コントロールは、前記薬剤サンプルを添加した培地に代えて、前記薬剤サンプル未添加の前記1%ウシ血清アルブミン添加DMEMを使用した。
そして、抗インフルエンザウイルス活性は、インフルエンザウイルス感染を50%阻止する濃度を、EC50(50% effective concentration)として算出し、50%の細胞を生存させる濃度を、CC50(50% cytotoxicity concentration)として算出した。
これらの結果を、以下の表10に示す。下記表10に示すように、実施例の1036J−129は、インフルエンザウイルスに対しても阻害活性を示した。
この出願は、2014年10月7日に出願された日本出願特願2014−206613を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
以上のように、本発明の化合物は、HIV等に対する抗ウイルス活性を有するため、例えば、ウイルス感染阻害剤として使用でき、医療分野において極めて有用である。

Claims (26)

  1. 下記(I)で表されることを特徴とする化合物、またはその塩。
    前記式(I)中、
    、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数2〜6のアルキレン基、アリール基、ヘテロアリール基、ニトロ基、アルキル基が炭素数1〜6であるアルキルカルボニルアミノ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アミノ基、炭素数1〜3のモノもしくはジアルキルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アジド基、カルボキシル基、炭素数1〜3のアルキルカルボニル基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ナフチル基、ヘテロアリール基、スチリル基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基を表し、
    、R、およびRは、さらに置換基で置換されてもよく、
    、R、およびRは、同一でも異なってもよく、
    およびR、または、RおよびRは、架橋してもよく、
    前記隣接する置換基同士で形成される架橋は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、
    は、炭素数1〜5の直鎖のアルキレン基、または窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択されるヘテロ原子を表し、
    は、さらに置換基で置換されてもよく、
    が前記アルキレン基の場合、前記アルキレン基上の置換基は、互いに結合して架橋構造もしくは環構造を形成していてもよく、
    およびXは、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子および窒素原子から選択されるヘテロ原子を表し、
    およびXは、さらに置換基で置換されてもよく、
    およびXは、それぞれ同一でも異なってもよく、
    およびXは、架橋していてもよい。
  2. 前記式(I)において、XおよびXが架橋した化合物が、下記の式(II)で表される、請求項1記載の化合物、またはその塩。
    前記式(II)中、
    、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数2〜6のアルキレン基、アリール基、ヘテロアリール基、ニトロ基、アルキル基が炭素数1〜6であるアルキルカルボニルアミノ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アミノ基、炭素数1〜3のモノもしくはジアルキルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アジド基、カルボキシル基、炭素数1〜3のアルキルカルボニル基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ナフチル基、スチリル基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基を表し、
    、R、およびRは、さらに置換基で置換されてもよく、
    、R、およびRは、同一でも異なってもよく、
    およびR、または、RおよびRは、架橋してもよく、
    前記隣接する置換基同士で形成される架橋は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、
    は炭素数1〜5の直鎖のアルキレン基、または窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択されるヘテロ原子を表し、
    は、さらに置換基で置換されてもよく、
    が前記アルキレン基の場合、前記アルキレン基上の置換基は、互いに結合して架橋構造もしくは環構造を形成していてもよく、
    イソチアゾール環は、窒素−硫黄結合の切断により開環してもよく、
    イソチアゾール環が開環した場合、前記窒素−硫黄結合に由来する窒素原子は、酸素原子または硫黄原子に置換されてもよく、前記窒素−硫黄結合に由来する硫黄原子は、酸素原子または窒素原子に置換されてもよい。
  3. が、メチレン基、エチレン基またはエチリデン基である、請求項1または2記載の化合物、またはその塩。
  4. が、下記式(2)もしくは(3)で表される構造を有する基である、請求項1または2記載の化合物、またはその塩。
    前記式(2)中、
    は、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基またはベンゾイル基を表し、
    は、さらに置換基で置換されてもよく、
    前記置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルカルボニル基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキルスルホニル基、またはハロゲンであり、
    前記式(3)中、
    Yは、メチレン基または酸素原子を表し、
    Yは、さらに置換基で置換されてもよく、
    置換基は、炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン原子である。
  5. 前記アリール基または前記ヘテロアリール基は、五員環または六員環である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
  6. 前記アリール基は、下記式(1)で表される構造を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
    前記式(1)中、
    、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6フルオロアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルカルボニル基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、シアノ基、メタンスルホニルアミノ基、ベンゾイル基、またはフェニル基に置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキルカルボニルアミノ基を表し、
    、R、R、R10およびR11は、同一でも異なってもよく、
    、R、R、R10およびR11は、それぞれ隣接する置換基同士で環を形成していてもよく、
    前記隣接する置換基同士で形成される環は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子から選択される1つ以上のヘテロ原子を含んでもよい。
  7. が、疎水性官能基である、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
  8. 、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基で置換された炭素数5〜10のアリール基、炭素数1〜10のヘテロアリール基、ニトロ基、アルキル基が炭素数1〜6であるアルキルカルボニルアミノ基、または炭素数1〜6のフルオロアルキル基である、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
  9. ハロゲン原子が、臭素原子であり、
    炭素数1〜6のアルキル基が、メチル基であり、
    炭素数1〜6のアルコキシ基が、メトキシ基であり、
    炭素数5〜10のアリール基が、フェニル基もしくはナフチル基であり、
    炭素数1〜6のアルコキシ基で置換された炭素数5〜10のアリール基が、メトキシフェニル基であり、
    炭素数1〜10のヘテロアリール基が、フラニル基もしくはチオフェニル基であり、
    アルキル基が炭素数1〜6であるアルキルカルボニルアミノ基が、アセチルアミノ基であり、
    炭素数1〜6のフルオロアルキル基が、トリフルオロメチル基である、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
  10. およびRが、それぞれ独立に、水素原子であり、
    が、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基で置換された炭素数5〜10のアリール基、炭素数1〜10のヘテロアリール基、ニトロ基、または炭素数1〜6のフルオロアルキル基である、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
  11. およびRが、それぞれ独立に、水素原子であり、
    が、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数1〜10のヘテロアリール基、または炭素数1〜6のフルオロアルキル基である、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
  12. およびRが、水素であり、
    が、前記アリール基、前記置換されたアリール基、前記ヘテロアリール基、または前記置換されたヘテロアリール基である、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
  13. 、RおよびRのいずれか一つが、前記アリール基、前記置換されたアリール基、前記ヘテロアリール基、または前記置換されたヘテロアリール基である、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
  14. 前記置換されたアリール基において、前記置換基が、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、水酸基、またはニトロ基である、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
  15. 前記置換基が、メトキシ基、メトキシカルボニル基、水酸基、またはニトロ基である、請求項14記載の化合物、またはその塩。
  16. 前記置換されたアリール基が、3、4−メチレンジオキシフェニル基、またはナフチル基である、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
  17. 前記ヘテロアリール基が、ピリジニル基である、請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
  18. 前記ヘテロアリール基が、フラニル基、チオフェニル基、イミダゾイル基、ピラゾリル基、または1,2,3−トリアゾリル基である、請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
  19. 前記式(I)中、
    が、チオール基、水酸基、またはアミノ基(−NH)であり、
    が、窒素原子(−NH−)である、請求項2から18のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
  20. 請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩を含むことを特徴とするウイルス感染阻害剤。
  21. 請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩を含むことを特徴とする医薬品。
  22. ウイルス感染症用である、請求項21記載の医薬品。
  23. 前記ウイルスが、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトヘルペスウイルス、インフルエンザウイルスおよびヒトC型肝炎ウイルス(HCV)からなる群から選択された少なくとも一つのウイルスである、請求項22記載の医薬品。
  24. ピリミドベンゾチアジン−6−イミン誘導体(原料A)およびピリミドベンゾチアジン−6−チオン誘導体(原料B)の少なくとも一方の誘導体を合成原料として使用し、前記合成原料からチオフェノール誘導体を中間体として得る中間体生成工程、および、
    前記中間体を酸化する酸化工程を含むことを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩の製造方法。
  25. 前記合成原料が、前記ピリミドベンゾチアジン−6−イミン誘導体(原料A)であり、
    前記合成原料を酸分解することにより中間体として前記チオフェノール誘導体を得る、請求項24記載の製造方法。
  26. 前記合成原料が、前記ピリミドベンゾチアジン−6−チオン誘導体(原料B)であり、
    前記合成原料をアルカリ分解することにより中間体として前記チオフェノール誘導体を得る、請求項24記載の製造方法。
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