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JPWO2015049733A1 - 紙幣取扱装置 - Google Patents

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JPWO2015049733A1
JPWO2015049733A1 JP2015540297A JP2015540297A JPWO2015049733A1 JP WO2015049733 A1 JPWO2015049733 A1 JP WO2015049733A1 JP 2015540297 A JP2015540297 A JP 2015540297A JP 2015540297 A JP2015540297 A JP 2015540297A JP WO2015049733 A1 JPWO2015049733 A1 JP WO2015049733A1
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辰行 中澤
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Abstract

本発明は、精査処理時に計数対象とする現金を減らすことを目的とする。紙幣判別部と、収納部と、紙幣搬送部と、制御部とを備え、前記収納部は、収納された紙幣の枚数が確定していない未確定紙幣収納庫と、収納された紙幣の枚数が確定している確定紙幣収納庫とからなる複数の紙幣収納庫と、前記精査処理時に前記未確定紙幣収納庫に収納された紙幣を一時的に保管する紙幣計数庫とを備え、前記制御部は、前記入金処理時において、前記確定紙幣収納庫に紙幣を収納し、前記出金処理時において、前記未確定紙幣収納庫に収納された紙幣を繰り出し、前記未確定紙幣収納庫に収納された紙幣を全て繰り出された場合は、該未確定紙幣収納庫を前記確定紙幣収納庫とし、前記精査処理時において、前記未確定紙幣収納庫に収納された紙幣のみを繰り出し、前記紙幣判別部にて該紙幣を判別した後に該紙幣を前記紙幣計数庫に一時的に保管し、該未確定紙幣収納庫に該紙幣を収納する。

Description

本発明は、紙幣取扱装置に関する。
ATM(Automated Teller Machine)など金融自動取引装置は、銀行の店舗だけでなく、デパート、コンビニエンスストア、駅構内など、幅広く設置が行われている。金融自動取引装置の運用に当たっては、当該装置に搭載される紙幣取扱装置において、定期的に装置内の現金有高を確定させる処理(以降、精査処理)が必要である。
精査処理においては、顧客との入出金紙幣を出し入れする収納カセットとは別に、紙幣を計数するための計数用カセットを内蔵している。精査時において、収納カセットに収納された紙幣は一旦計数用カセットに搬送され、再度、計数用カセットから収納カセットに搬送される。これにより、収納カセットに収納された紙幣を計数することができる。
このような計数カセットを不要とした装置として、特許文献1には、「媒体を出入れ許容して収納する複数の収納部と、前記複数の収納部と搬送接続して媒体を計数する計数処理部とを備えた媒体計数装置であって、一の収納部に収納されている媒体の収納量と、他の収納部の空き容量とを比較して媒体の移し替え可否を判定する判定手段と、前記判定手段が移し替え可能と判定したとき、前記一の収納部の媒体を全て他の収納部に移し替えて空の収納部を形成し、この空の収納部に対して他の収納部から収納した媒体の全てを計数処理部を経由させて移し替え搬送する移し替え手順決定手段を備えた」ことが記載されている(要約より抜粋)。
また、特許文献2には、「同一種別の紙幣を集積する複数の紙幣集積部と、前記複数の紙幣集積部からの紙幣の分離を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数の紙幣集積部のうちで第1の紙幣集積部の集積量が少ない場合、前記第1の紙幣集積部からの紙幣の分離を優先する」ことが記載されている(要約より抜粋)。
特開2002−358556号公報 特開2013−25438号公報
従来技術の場合、精査処理時に装置内の全ての現金を計数するため、精査処理の時間が掛かっていた。従って、精査処理に掛かる時間の短縮化が求められている。本発明では、精査処理時に計数対象とする現金を減らすことを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、入金処理及び出金処理を含む運用処理と、前記運用処理の後に紙幣の枚数を確定する精査処理とを行う紙幣取扱装置において、紙幣を判別する紙幣判別部と、紙幣を収納する収納部と、紙幣を各部に搬送する紙幣搬送部と、制御部とを備え、前記収納部は、収納された紙幣の枚数が確定していない未確定紙幣収納庫と、収納された紙幣の枚数が確定している確定紙幣収納庫とからなる複数の紙幣収納庫と、前記精査処理時に前記未確定紙幣収納庫に収納された紙幣を一時的に保管する紙幣計数庫と、を備え、前記制御部は、前記入金処理時において、前記確定紙幣収納庫に紙幣を収納し、前記出金処理時において、前記未確定紙幣収納庫に収納された紙幣を繰り出し、前記未確定紙幣収納庫に収納された紙幣を全て繰り出した場合は、該未確定紙幣収納庫を前記確定紙幣収納庫とし、前記精査処理時において、前記未確定紙幣収納庫に収納された紙幣のみを繰り出し、前記紙幣判別部にて該紙幣を判別した後に該紙幣を前記紙幣計数庫に一時的に保管し、該未確定紙幣収納庫に該紙幣を収納することを特徴とする。
本発明によれば、精査処理時は、未確定紙幣収納庫のみから紙幣を繰り出し、確定紙幣収納庫の精査処理は不要となるため、紙幣の精査処理に掛かる時間の短縮化が可能となる。
自動取引システムの構成図 ATMの機能ブロック図 紙幣部の内部構成図 紙幣装填から精査までの処理を示すフローチャート 運用時における紙幣収納庫の収納状態を示した図 運用開始前確認画面の説明図 紙幣部の内部構成図 紙幣収納庫の取り外し検知の処理を示すフローチャート
(1)実施例1
以下、図1〜6を用いて、本発明の一実施例について説明する。本実施例は、金融機関などに設置されるATMのような自動取引装置に関するものである。
図1は、本実施例に係る自動取引システムの構成図である。自動取引システムは、自動取引装置(以下、ATM(Automated Teller Machine))1と、上位装置であるホストコンピュータ2と、これらを接続するネットワーク3とから構成される
ATM1は、利用者の操作により、現金の入出金等の取引を行う自動取引装置であり、操作案内を表示すると同時に利用者の入力を検出する表示入力部11と、利用明細を印刷発行する明細書発行部12と、現金の入出金を行う紙幣部13と、利用者の口座番号などの情報が記録された記録媒体であるカードを取り扱うカード部14とを備えている。
ホストコンピュータ2は、複数のATM1と接続されるコンピュータであり、ATM1の利用者の口座や残高に関する情報などが記録されている。また、ネットワーク3は、例えばLAN(Local Area Network)であるが、これに限られるものではない。
図2は、ATM1の機能ブロック図である。ATM1は、上記表示入力部11と、明細書発行部12と、紙幣部13と、カード部14との他に、ネットワーク3を経由してホストコンピュータと接続された通信制御部15と、ATM1の制御プログラム、取引記録、ATM1内の紙幣情報などを記憶する記憶部16と、これらの部位を制御する本体制御部20とを備えている。
また、紙幣部13は、入金処理時に利用者により投入された紙幣(入金紙幣)の受け付けと出金処理時に利用者に対して出金される紙幣(出金紙幣)の払い出しを行う入出金部110と、入金処理時、出金処理時及び精査処理時に紙幣の金種、正損、真偽、折れ・破れなどの紙幣状態などを判別する紙幣判別部120と、紙幣判別部120で読み取った入金紙幣の金種、枚数、合計金額などを利用者により確認され、ホストコンピュータ2にて入金処理が確定するまでの間、紙幣を一時的に収納する一時保留部130と、紙幣の収納を行う収納部200と、紙幣を各部に搬送する紙幣搬送部300と、これらの部位を制御する紙幣制御部400とを備えている。
図3は、紙幣部13の内部構成図である。紙幣部13の上部前方(図3の右上側)には、入出金部110が設けられている。入出金部110の上部には、シャッタ111を設けられており、シャッタ111の下方には、紙幣投入ホッパ112と紙幣払出スタッカ114とが設けられている。紙幣投入ホッパ112には入金紙幣が収納され、紙幣払出スタッカ114には出金紙幣が収納される。
なお、図3に示す入出金部110の場合、紙幣投入ホッパ112と紙幣払出スタッカ114とは、装置の前後方向(図3の左右方向)に移動可能な押板113で仕切られているが、当該押板を有していない構成(すなわち、紙幣投入ホッパ112と紙幣払出スタッカ114とを兼用とする構成)としても良い。また、紙幣払出スタッカ114への紙幣放出口と、紙幣投入ホッパ112からの紙幣繰出口とを同一の口としても良い。
紙幣部13の上部中央部には、紙幣判別部120が設けられている。また、紙幣部13の上部後方(図3の左上側)には、一時保留部130が設けられている。
一時保留部130は、テープと、テープ上に紙幣を乗せた状態で巻き取るホイールと、テープのみを巻き取るリールとを備えている巻取り式の一時保留部や、搬送された紙幣を集積して一時的に収納するスタック式の一時保留部などがあるが、いずれの形式でも良い。
収納部200は、紙幣部13の下部前方から下部後方にかけて配置された紙幣収納庫201a〜201d及び紙幣計数庫202と、紙幣部13の上部後方であって、一時保留部130の下部に配置された取り忘れ紙幣収納庫203及び不適切紙幣収納庫204とから構成されている。これらの収納部200の内、紙幣収納庫201a〜201dと紙幣計数庫202とは、トレイ(図示せず)に収納されている。
紙幣収納庫201a〜201dは、入金紙幣の内、出金処理に適した紙幣を収納する入出金兼用収納庫、または入金紙幣の内、出金処理を行わない紙幣を収納する入金専用収納庫である。入出金兼用収納庫の場合、入金処理時に金種別に紙葉類が収納され、出金処理時に指定された枚数の紙葉類が分離され、繰り出される。
紙幣収納庫201a〜201dの運用(収納する金種や入金専用の収納庫として用いるか)は、ソフトウェアやディップスイッチ(図示せず)により設定可能である。本実施例では、入出金兼用収納庫にて取り扱う紙幣を一万円札と千円札とし、入金専用収納庫にて取り扱う紙幣を五千円札と二千円札とする。また、一万円札用の紙幣収納庫を紙幣収納庫201aとし、千円札用の紙幣収納庫を紙幣収納庫201b、201cとし、入金専用収納庫を紙幣収納庫201dとしている。
また、複数の紙幣収納庫201a〜201dは、同一の外形であり、それぞれのボックスにおける紙幣の出入口は共通の位置に設けられている。そのため、ソフトウェアによる設定や、ディップスイッチの設定等を用いなくても、それぞれのボックスの位置を相互に交換することも可能である。
紙幣計数庫202は、精査処理において紙幣収納庫201a〜201dに収納された紙幣の金種や枚数を確定する際に紙幣を一時的に保管する収納庫である。
紙幣収納庫201と紙幣計数庫202とは、収納した紙幣を持ち上げるための可動する紙幣押板211と、紙幣収納庫201又は紙幣計数庫202内の紙幣の有無を検出する紙幣有無センサ212とを供えている。
取り忘れ紙幣収納庫203は、後述する入金計数処理時に入出金部110に搬送された紙幣(紙幣部13の内部に収納することが不適切であると判断された紙幣)や出金処理時に入出金部110に搬送された紙幣を利用者が取り出すことを忘れた際に、当該紙幣が収納される収納庫である。
不適切紙幣収納庫204は、後述する入金収納処理時及び出金処理時に発生したリジェクト紙幣を収納する収納庫である。ここで、「リジェクト紙幣」とは、紙幣判別部120で、紙幣部13の内部に収納することは適切であるが、例えば、折れや破れ等による品質の低下により、出金処理時に利用者に提供するには適さないと判別された紙幣のことである。なお、不適切紙幣収納庫204を設けずに、上述の入金専用収納庫201a〜201dのいずれかにリジェクト紙幣を収納する構成としても良い。
紙幣搬送部300は、以下の搬送路を備えている。(1)入出金部110と、紙幣判別部120と、一時保留部130と接続する紙幣搬送部301〜308、(2)紙幣搬送部301と302との間から分岐し、紙幣収納庫201a〜201d及び不適切紙幣収納庫204と接続する紙幣搬送路321〜325、(3)紙幣搬送路302〜305及び321〜323と環状搬送路を形成する紙幣搬送路341〜342、(4)紙幣搬送部303と308と接続する紙幣搬送路361、(5)紙幣搬送部341と342との間から分岐し、取り忘れ紙幣収納庫203と接続する紙幣搬送路362、(6)紙幣搬送部324と325との間から分岐し、紙幣計数庫202と接続する紙幣搬送路381。これらの搬送路は、図示しない駆動源により駆動される。また、搬送路の分岐点には、ゲートが設けられており、ゲートの向きが切り替わることにより、紙幣の搬送先が切り替わる。
各搬送路上には、紙幣の存在を検出するための搬送路センサ(図示せず)を備えている。搬送路センサは、例えば、赤外光発光部と、搬送路を挟んで赤外光発光部に対向する位置に設けられた赤外光受光部とから構成され、赤外光受光部のダーク/ライトを検出することにより、紙幣の存在を検出する。
紙幣制御部400は、各処理において次のように紙幣の搬送を行う。最初に、入金処理と出金処理とについて説明する。入金処理は、利用者により投入された紙幣を計数する処理(入金計数処理)と、計数された紙幣を紙幣収納庫201a〜201dまたは不適切紙幣収納庫204に収納する処理(入金収納処理)とに分けられる。
以下、入金計数処理について説明する。入出金部110の紙幣投入ホッパ112に投入された紙幣は、分離機構にて一枚ずつ分離され、繰り出される。
その後、繰り出された紙幣は、紙幣搬送部301〜303を経由し、紙幣判別部120で金種、正損、真偽、折れ・破れなどの紙幣状態などが判別される。紙幣判別部120は、判別結果を紙幣制御部400に出力する。紙幣制御部400は、受け取った判別結果により、紙幣は以下のように搬送される。
紙幣が真紙幣であると判別された場合、当該紙幣は、紙幣搬送部304〜306を経由し、一時保留部130に一時的に収納される。一方、紙幣の金種が判別できなかった場合、紙幣が偽紙幣であると判別された場合、傾き異常や紙幣同士の間隔異常・破れなどにより寸法が異常であると判別された場合、または紙幣が複数枚重なっていると判別された場合、当該紙幣は、一時保留部130に搬送されず、紙幣搬送部304、307、308を経由し、入出金部110の紙幣払出スタッカ114に搬送され、利用者に返却される。
以下、入金収納処理について詳細に説明する。入金計数処理の後に、紙幣判別部120で読み取った入金紙幣の金種、枚数、合計金額などが利用者により確認され、ホストコンピュータ2にて入金処理が確定された場合、入金収納処理が実行される。
一時保留部130に収納された紙幣は、分離機構にて一枚ずつ分離され、繰り出される。その後、繰り出された紙幣は、紙幣搬送路306〜304を経由し、紙幣判別部120で金種、正損、真偽、折れ・破れなどの紙幣状態などが再度判別される。紙幣判別部120は、判別結果を紙幣制御部400に出力する。紙幣制御部400は、受け取った判別結果により、紙幣は以下のように搬送される。
紙幣の金種が確定し、搬送状態が正常であり、紙幣が複数枚重なっていないと判別された場合(すなわち、紙幣収納部201a〜201dへの収納に適していると判別された場合)、当該紙幣は、紙幣搬送部303〜302、321〜322を経由し、紙幣収納庫201a〜201dのいずれかに収納される。一方、上記以外の判別結果である場合、当該紙幣は、紙幣搬送部303〜302、321〜325を経由し、不適切紙幣収納庫204に収納される。
上記の動作により、空の状態である紙幣収納庫201a〜201dに対して、入金計数処理において正しく枚数が計数された紙幣を収納した場合は、紙幣収納庫201a〜201dに収納されている紙幣の枚数は常に確定している状態である。紙幣収納庫201a〜201dに収納された紙幣の金種と枚数とは、記憶部16に記憶される。
以下、出金処理について説明する。紙幣収納庫201a〜cに収納された紙幣は、分離機構にて一枚ずつ分離され、所定枚数の紙幣が繰り出される。
その後、繰り出された紙幣は、紙幣搬送路322〜321、302〜303を経由し、紙幣判別部120で判別される。紙幣判別部120は、判別結果を紙幣制御部400に出力する。紙幣制御部400は、受け取った判別結果により、紙幣は以下のように搬送される。
判別された紙幣が出金可能であると判別された場合、当該紙幣は、紙幣搬送部304、307、308を経由し、入出金部110の紙幣払出スタッカ114に搬送され、利用者に出金される。一方、判別された紙幣が出金可能でないと判別された場合、当該紙幣は、紙幣搬送部303〜302、321〜325を経由し、不適切紙幣収納庫204に収納される。
また、紙幣収納庫201a〜cに収納された紙幣が分離機構にて分離され、繰り出される際に、複数枚の紙幣が一緒に分離され、繰り出される場合がある。このとき、繰り出される紙幣の枚数は不明であるため、紙幣収納庫201a〜cに収納されている紙幣の枚数が未確定の状態になる。
次に、取り忘れ紙幣の回収動作について説明する。入金処理時に発生したリジェクト紙幣や出金紙幣が入出金部110の紙幣払出スタッカ114に収納された状態のまま、所定時間が経過した場合、入出金部110の紙幣払出スタッカ114に収納された紙幣は一枚ずつ分離され、繰り出される。
その後、繰り出された紙幣は、紙幣搬送路308、361、303〜305、341、362を経由し、取り忘れ紙幣収納庫203に収納される。
次に、紙幣の精査処理について説明する。精査処理は、紙幣収納庫201a〜201dの内、一つの紙幣収納庫に対して行われ、当該紙幣収納庫の精査処理が完了した後に、別の紙幣収納庫の精査処理が行われる。以下、紙幣収納庫201aの精査処理について説明する。
最初に、紙幣収納庫201aに収納された紙幣は、分離機構にて一枚ずつ分離され、繰り出される。その後、繰り出された紙幣は、紙幣搬送路322〜321、302〜303を経由し、紙幣判別部120で判別される。紙幣判別部120は、判別結果を紙幣制御部400に出力する。紙幣制御部400は、受け取った判別結果により、紙幣は以下のように搬送される。
紙幣の枚数と金種とが確定したと判別された場合、当該紙幣は、紙幣搬送部304〜305、341〜342、324、381を経由し、紙幣計数庫202に収納される。一方、紙幣の金種が確定しないと判別された場合、当該紙幣は、紙幣搬送部304〜305、341〜342、324、325を経由し、不適切紙幣収納庫204に収納される。
なお、紙幣判別部120で判別された紙幣を紙幣計数庫202(または不適切紙幣収納庫204)に収納する前に、一旦一時保留部130に収納しても良い。このとき、紙幣判別部120で判別された紙幣は、紙幣搬送部304〜306を経由して一時保留部130に収納される。その後、一時保留部130から繰り出された紙幣は、紙幣搬送部306〜304を経由し、紙幣判別部120で再度紙幣の枚数と金種とが判別され、紙幣搬送部303、302、321〜324、381(または325)を経由し、紙幣計数庫202(または不適切紙幣収納庫204)に収納される。
次に、紙幣計数庫202に収納された紙幣は、分離機構にて一枚ずつ分離され、繰り出される。その後、繰り出された紙幣は、紙幣搬送路381、324、342〜341、305〜304を経由し、紙幣判別部120で再度紙幣の枚数と金種とが判別され、紙幣搬送部303、302、321〜322を経由し、紙幣収納庫201aに収納される。また、紙幣収納庫201aに収納された紙幣のうち、精査処理で枚数と金種とが確定された紙幣の金種と枚数とは、記憶部16に記憶される。
図4は、紙幣装填から精査までの処理を示すフローチャートである。また、図5は、入金処理及び出金処理などの運用時における紙幣収納庫201a〜201dの収納状態を示した図である。図5(a)は、入金処理及び出金処理などの運用開始直後の状態を示しており、入金処理や出金処理を続けることにより、図5(b)、図5(c)、図5(d)と状態が変化する。
図5において、紙幣収納庫201a〜201dに収納された紙幣の内、実線で示される紙幣は、金種、枚数ともに確定された紙幣であり、点線で示される紙幣は、金種は確定しているが、枚数が確定していない紙幣である。図5(a)に示した運用開始直後の紙幣収納庫201a、201cに収納された紙幣は、人為的に紙幣が収納されたり、収納金額が人為的に入力されるなどの係員作業により間違いが発生することがあるため、初期装填枚数は確定していないものとして取り扱う。
以下、図4の処理フローに従い説明する。係員により紙幣収納庫201a、201cへの紙幣装填後、紙幣装填の完了入力を受け付ける(ステップS101)。このとき、一万円札用の紙幣収納庫201aには一万円札が装填され、千円札用の紙幣収納庫201cには千円札が装填される。
次に、千円札用の紙幣収納庫201bに紙幣が装填されていないことを検知する(ステップS102)。具体的には、紙幣収納庫201bの紙幣有無センサ212により、千円札用の紙幣収納庫201bの紙幣有無を検知する。紙幣収納庫201bは紙幣の枚数が確定している確定紙幣収納庫である必要があるため、運用開始直後は紙幣収納庫201bに紙幣を収納していない状態(収納枚数が0枚で確定している状態)が必要である。そこで、紙幣制御部400は、入金処理及び出金処理を含む運用処理の開始前に、確定紙幣収納庫に紙幣が収納されていないことを検出する必要がある。
千円札用の紙幣収納庫201bが空でない場合(ステップS102:No)、紙幣制御部400は、入金処理及び出金処理などの運用を開始するか否かを選択させる画面である運用開始前確認画面を、表示入力部11に表示させる指令を本体制御部20に送信する。その後、運用開始前確認画面を表示入力部11に表示し(ステップS103)、係員による紙幣の再装填の待機状態となる。
図6に示す運用開始前確認画面1000には、再装填完了の確認ボタン1001と、強制開始ボタン1002とを備えている。本体制御部20により、再装填完了ボタン1001が押下されたことを検知した場合、再び千円札用の紙幣収納庫201bに紙幣が装填されていないことを検知する(ステップS102)。すなわち、紙幣制御部400は、運用処理の開始前に、確定紙幣収納庫に紙幣が収納されていないことを再検出している。
なお、千円札用の紙幣収納庫201bが空でない場合(ステップS102:No)に、千円札用の紙幣収納庫201a、入金専用収納庫201d、不適切紙幣収納庫204のいずれかに紙幣を移動させても良い。
一方、本体制御部20により、強制開始ボタン1002が押下されたことを検知した場合、紙幣収納庫201a〜201cに収納された紙幣の枚数を係員が入力し、精査処理時には、紙幣収納庫201a、201b、201cの紙幣の枚数を全て計数する。上述の通り、係員による紙幣の枚数の入力の際に間違いが発生することがあるため、紙幣収納庫201a、201b、201cの紙幣の枚数は未確定であるものとして取り扱うものとし、紙幣の枚数が未確定である紙幣収納庫のみ紙幣の枚数を計数する。
千円札用の紙幣収納庫201bが空である場合(ステップS102:Yes)、運用処理が行われる(ステップS125)。図5(a)は、運用処理の開始直後の状態を示す。一万円札用の紙幣収納庫201aには、一万円札が初期装填枚数分収納されている。千円札用の紙幣収納庫201bには、初期状態では千円札が装填されていない。千円札用の紙幣収納庫201cには、千円札が初期装填枚数分収納されている。また、五千円札と二千円札とを収納する入金専用収納庫201dは、初期状態では五千円札と二千円札とが装填されていない。
運用処理中の紙幣の取り扱いは、以下の通りである。入金処理において紙幣判別部120で千円札と判別された紙幣は、紙幣収納庫201bに収納される。紙幣収納庫201bには、運用処理中に紙幣判別部120で千円札と確定された紙幣のみが収納されており、これらの紙幣の枚数も確定しているからである(図5(b)(c)参照)。すなわち、紙幣収納庫201bは紙幣の枚数が確定している確定紙幣収納庫であり、入金処理時は確定紙幣収納庫に紙幣を入金している。
一方、出金処理において、千円札を出金する場合、紙幣収納庫201cから千円札を分離して、紙幣収納庫201cから繰り出す。運用開始時に紙幣の枚数が確定されていない紙幣収納庫201cに収納された千円札を優先的に出金すれば、紙幣収納庫201cに収納された千円札が全て紙幣収納庫201cから繰り出されたときに、紙幣収納庫201cに収納された千円札の枚数をゼロ枚と確定できるからである(図5(b)(c)参照)。すなわち、紙幣収納庫201cは紙幣の枚数が確定していない未確定紙幣収納庫であり、出金処理時は未確定紙幣収納庫から紙幣を出金している。
紙幣収納庫201cに収納された千円札の枚数をゼロ枚と確定できた後は、入金処理において、紙幣判別部120で千円札と判別された紙幣を、紙幣収納庫201cに収納しても良い。一旦、紙幣収納庫201cに収納された千円札の枚数をゼロ枚と確定できた後は、運用中に紙幣判別部120で正しく金種、枚数が計数された紙幣が収納されるため、このとき紙幣収納庫201cは確定紙幣収納庫である。(図5(d)参照)。すなわち、未確定紙幣収納庫に収納された紙幣を全て出金した場合は、当該未確定紙幣収納庫を確定紙幣収納庫として運用しても良く、入金処理時に紙幣を入金することが可能となる。
次に、係員による精査処理の開始が受け付けられた場合(ステップS126:Yes)、紙幣収納庫201a、201cの内、紙幣の枚数が確定していない紙幣収納庫(すなわち、一度も紙幣判別部120で読み取られていない紙幣収納庫や、複数枚の紙幣が一緒に繰り出された紙幣収納庫)の紙幣の精査処理を行う(ステップS127、S128)。例えば、図5(c)、図5(d)に示す状態で精査処理を開始した場合は、紙幣収納庫201aのみ精査処理を行う。一方、図5(b)に示す状態で精査処理を開始した場合は、紙幣収納庫201a、201c双方の精査処理を行う。精査処理が完了し、紙幣収納庫201a〜201dに収納された全ての紙幣の枚数が確定した場合(ステップS127:Yes)、精査結果を表示入力部11に表示し(ステップS129)、紙幣収納庫に収納された紙幣の金種と枚数情報とを係員が把握することが可能となる。また、紙幣収納庫201a〜201dに収納された紙幣の金種と枚数とが、記憶部16に記憶される。
すなわち、精査処理時は、前記未確定紙幣収納庫に収納された紙幣のみを繰り出し、前記紙幣判別部にて該紙幣を判別した後に該紙幣を前記紙幣計数庫に一時的に保管し、該未確定紙幣収納庫に該紙幣を収納することにより、未確定紙幣収納庫に収納された紙幣のみを精査対象とし、確定紙幣収納庫に収納された紙幣の精査処理は不要となるため、紙幣の精査処理に掛かる時間の短縮化が可能となる。
なお、本実施例では、一万円札用の紙幣収納庫201aに収納された紙幣の枚数が未確定であるものとして説明しているが、運用処理の開始時に、紙幣収納庫201aに紙幣が収納されてなく、かつ運用処理中に入金された紙幣を繰り出す際に、複数枚の紙幣が一緒に繰り出されることが無い場合は、紙幣収納庫201aに収納された紙幣の枚数が確定している。この場合、紙幣収納庫201aに収納された紙幣の精査処理は不要となる。
また、本実施例では、一万円札用の紙幣収納庫を入出金兼用収納庫201aとし、千円札用の紙幣収納庫を入出金兼用収納庫201b、201cとし、五千円札と二千円札用の紙幣収納庫を入金専用収納庫201dとして説明したが、一万円札用の紙幣収納庫を入出金兼用収納庫201a、201bとし、千円札用の紙幣収納庫を入出金兼用収納庫201c、201dとし、入金専用収納庫を無くしても良い。このとき、二つ設けられた一万円札用の紙幣収納庫201a、201bのうち一方の紙幣収納庫が空であり、かつ二つ設けられた千円札用の紙幣収納庫201c、201dのうち一方の紙幣収納庫が空でないと、入金処理及び出金処理などの運用をしないようにする(上記ステップS125参照)。
また、入金計数処理において、紙幣判別部120で紙幣が偽紙幣であると判別された場合、当該紙幣を入出金部110の紙幣払出スタッカに搬送する代わりに、不適切紙幣収納庫204(リジェクト紙幣を紙幣収納庫201a〜201dのいずれかに収納する場合は、当該リジェクト紙幣を収納する紙幣収納庫)に搬送しても良い。
また、紙幣収納庫201a〜201dの数は、本実施例のように4個に限定されることはなく、少なくとも2個以上であれば、紙幣収納庫201の数を変更しても良い。
(2)実施例2
千円札の紙幣収納庫201cから全ての紙幣が全て放出されることにより、千円札の紙幣収納庫201cが空になる前に、千円札の紙幣収納庫201bが満杯になることがある。このとき、入金処理時において千円札を紙幣収納庫201cに収納することになる。すなわち、入金処理時に確定紙幣収納庫が満杯となった場合、未確定紙幣収納庫に紙幣を収納している。
このような場合、紙幣収納庫201cは、紙幣の枚数が確定していない紙幣収納庫(すなわち、一度も紙幣判別部120で読み取られていない紙幣収納庫や、複数枚の紙幣が一緒に繰り出された紙幣収納庫)であるため、図4のステップS128において、紙幣収納庫201cに収納された紙幣を全て計数する必要がある。
ここで、精査処理の結果から得られた紙幣収納庫201cに収納されていた紙幣の枚数をXsとし、入金処理及び出金処理などの運用開始されるときに紙幣収納庫201cに収納された入金紙幣の枚数をXiとすると、紙幣収納庫201bが満杯になったときに、紙幣収納庫201cに収納されていた紙幣の枚数Xoは、Xo=Xs−Xiとして算出することができる。
紙幣収納庫201cが空になる前に紙幣収納庫201bが満杯になるということは、入金処理と出金処理との頻度が変わらない場合、初期装填枚数としてXo枚余剰であることがいえる。従って、次回に紙幣収納庫201cに装填する枚数を、Xo枚以上減らすことにより、精査処理時までに紙幣収納庫201cを一旦空の状態にすることが期待できる。
紙幣収納庫201bが満杯になったときに、紙幣収納庫201cに収納されていた紙幣の枚数Xoを、精査結果として表示入力部11に表示したり、明細書発行部12にて印刷したり、あるいはホストコンピュータ2に出力したりすることにより、次回に紙幣収納庫201cに装填する枚数を係員に把握させることが可能となる。このとき、紙幣収納庫201bが満杯になったときに、紙幣収納庫201cに収納されていた紙幣の枚数Xoは、複数回の精査処理の結果から算出された平均値を用いても良い。
(3)実施例3
各紙幣収納庫201a〜201dが取り外された場合、取り外された紙幣収納庫に収納されている紙幣の収納状態が担保できない。そのため、本実施例では、図7に示すように、紙幣収納庫201a〜201dのそれぞれに、紙幣収納庫取り外し検出センサ2010a〜2010dを備える構成とした。また、紙幣計数庫202に、紙幣収納庫取り外し検出センサ2020を備えても良い。
図8は、紙幣収納庫の取り外し検知の処理を示すフローチャートである。紙幣収納庫取り外し検出センサ2010a〜2010dは、適切な周期で紙幣収納庫201a〜201dの状態を監視している。紙幣収納庫201a〜201dに収納されている紙幣が全て計数されており、枚数が確定している状態であったとしても、紙幣収納庫取り外し検出センサ2010a〜2010dにより、紙幣収納庫201a〜201dが取り外されたことを検知すると(ステップS201:Yes)、内部に収納された紙幣の枚数を未確定として、精査処理時には計数対象の紙幣収納庫とする(ステップS202)。すなわち、紙幣収納庫取り外し検出センサにより前記紙幣収納庫が取り外されたことを検出した場合、紙幣収納庫を未確定紙幣収納庫にしている。
以上のような処理を行うことにより、係員により取り外された紙幣収納庫は、実際に係員が紙幣を取り出した/詰め込んだか否かによらず精査処理の対象としており、正確な紙幣の精査処理が可能となる。
なお、紙幣収納庫取り外し検出センサ2010a〜2010dの代わりに、紙幣収納庫取り外し検出センサ2010a〜2010d全体を覆う金庫扉の開錠検知センサを使用しても良く、その場合には金庫扉が開錠された場合には全ての収納庫を計数対象としても良い。
1:自動取引装置、2:ホストコンピュータ、3:ネットワーク、11:表示入力部、12:明細書発行部、13:紙幣部、14:カード部、15:通信制御部、16:記憶部、20:制御部、110:入出金部、120:紙幣判別部、130:一時保留部、200:収納部、201a〜201d:紙幣収納庫、2010a〜2010d:紙幣収納庫取り外し検出センサ、202:紙幣計数庫、2020:紙幣計数庫取り外し検出センサ、203:取り忘れ紙幣収納庫、204:不適切紙幣収納庫、300:紙幣搬送部、400:紙幣制御部、1000:運用開始前確認画面

Claims (7)

  1. 入金処理及び出金処理を含む運用処理と、前記運用処理の後に紙幣の枚数を確定する精査処理とを行う紙幣取扱装置において、
    紙幣を判別する紙幣判別部と、紙幣を収納する収納部と、紙幣を各部に搬送する紙幣搬送部と、制御部とを備え、
    前記収納部は、収納された紙幣の枚数が確定していない未確定紙幣収納庫と、収納された紙幣の枚数が確定している確定紙幣収納庫とからなる複数の紙幣収納庫と、前記精査処理時に前記未確定紙幣収納庫に収納された紙幣を一時的に保管する紙幣計数庫と、を備え、
    前記制御部は、
    前記入金処理時において、前記確定紙幣収納庫に紙幣を収納し、
    前記出金処理時において、前記未確定紙幣収納庫に収納された紙幣を繰り出し、前記未確定紙幣収納庫に収納された紙幣を全て繰り出した場合は、該未確定紙幣収納庫を前記確定紙幣収納庫とし、
    前記精査処理時において、前記未確定紙幣収納庫に収納された紙幣のみを繰り出し、前記紙幣判別部にて該紙幣を判別した後に該紙幣を前記紙幣計数庫に一時的に保管し、該未確定紙幣収納庫に該紙幣を収納することを特徴とする紙幣取扱装置。
  2. 請求項1記載の紙幣取扱装置であって、
    前記未確定紙幣収納庫は、前記運用処理の開始時に紙幣が収納されている紙幣収納庫、または複数枚の紙幣が一緒に繰り出された紙幣収納庫である紙幣取扱装置。
  3. 請求項1記載の紙幣取扱装置であって、
    前記確定紙幣収納庫は、前記運用処理の開始時に紙幣が収納されていない紙幣収納庫であり、
    前記制御部は、前記運用開始処理の前に、前記確定紙幣収納庫に紙幣が収納されていないことを検出する紙幣取扱装置。
  4. 請求項3記載の紙幣取扱装置であって、
    前記制御部は、前記運用処理の開始前に前記確定紙幣収納庫に紙幣が収納されている場合、前記確定紙幣収納庫に紙幣が収納されていないかを再検出し、前記運用処理の開始前に前記確定紙幣収納庫に紙幣が収納されていない場合、前記運用を開始する紙幣取扱装置。
  5. 請求項3記載の紙幣取扱装置であって、
    前記制御部は、前記運用処理の開始前に前記確定紙幣収納庫に紙幣が収納されている場合、前記確定紙幣収納庫を前記未確定紙幣収納庫として、前記運用処理を開始する紙幣取扱装置。
  6. 請求項1記載の紙幣取扱装置であって、
    前記制御部は、前記入金処理時に前記確定紙幣収納庫が満杯となった場合、前記未確定紙幣収納庫に紙幣を収納する紙幣取扱装置。
  7. 請求項1記載の紙幣取扱装置であって、
    前記紙幣収納庫が取り外されたことを検出するセンサを備え、
    前記センサにより前記紙幣収納庫が取り外されたことを検出した場合、前記紙幣収納庫を前記未確定紙幣収納庫にする紙幣取扱装置。
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