Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JPS61146811A - 多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法 - Google Patents

多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法

Info

Publication number
JPS61146811A
JPS61146811A JP26841184A JP26841184A JPS61146811A JP S61146811 A JPS61146811 A JP S61146811A JP 26841184 A JP26841184 A JP 26841184A JP 26841184 A JP26841184 A JP 26841184A JP S61146811 A JPS61146811 A JP S61146811A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic resin
hollow fiber
temperature
resin hollow
stretching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26841184A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0262604B2 (ja
Inventor
Eiichi Kamei
亀井 衛一
Yasushi Shimomura
下村 泰志
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP26841184A priority Critical patent/JPS61146811A/ja
Publication of JPS61146811A publication Critical patent/JPS61146811A/ja
Publication of JPH0262604B2 publication Critical patent/JPH0262604B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法に関する
[発明の背景] 高分子材料製の中空糸に多数の微細透孔が形成された構
成かよなる多孔質熱可塑性樹脂中空糸(多孔質熱可塑性
樹脂中空糸)は、たとえば、水処理等に使用する濾過膜
あるいは分離膜および人工肺あるいは血漿分離等に使用
する分離膜などとして各種の分野で利用されている。
多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法としては、たとえば
、易溶解性物質を混合分散させた高分子材料を中空糸に
成形したのち、該易溶解性物質を溶媒により溶解除去し
て中空糸に多数の微細透孔−を形成する方法などが知ら
れている。
近年、熱可塑性の結晶性高分子材料を中空糸として成形
した後、これを熱処理し、次いで延伸処理することによ
り中空糸に空孔を発生させる方法を食用して多孔質体と
する方法もまた一般的となっている。
[従来技術の説明および問題点] 高分子材料を用いた多孔質熱可塑性樹脂中空糸およびそ
の製造法は、たとえば、特公昭56−52123号公報
、特開昭55−107507号公報、特開昭57−66
117号公報、特開昭57−5914号公報などに開示
されている。上記の公報に開示されている多孔質熱可塑
性樹脂中空糸およびその製造法は、そのほとんどが、成
形した熱可塑性樹脂中空糸を先ず熱処理した後、室温付
近あるいは使用する熱可塑性樹脂の二次転移温度以上(
たとえば、ポリエチレンを使用する場合には、−100
℃以上)のmriで延伸処理して空孔を発生させて多孔
質体とし、形成された空孔を次いで再度熱処理を行ない
熱固定する方法をその骨子とするものである。
一般に、上述したような公知方法を利用して、形成され
る微細透孔が均一で大きく、かつ高い空隙率を有する多
孔質熱可塑性樹脂中空糸を得るためには、使用する未延
伸熱可塑性樹脂中空糸が高い配向性または高い弾性回復
率(E 1astic  Re−covery)を有す
ることが必要である。このような未延伸熱可塑性樹脂中
空糸を!l製する方法としては、中空糸の成形を特定の
条件下で行なう方法、あるいは、未延伸熱可塑性樹脂中
空糸を熱処理して結晶化度を向上させる方法などが利用
されている。換言すれば従来方法では、得られる多孔質
熱可塑性樹脂中空糸の品質を向上させるために、予め未
延伸熱可塑性樹脂中空糸の結晶化度を高めるような操作
を加えることが一般的であった。従って、多孔質熱可塑
性樹脂中空糸の製造工程が全体として複雑になりやすい
との問題があった。
[発明の目的] 本発明は、空隙率が高く、平均透孔径が大きく、かつ形
成される透孔が均一な多孔質熱可塑性中空糸の製造法を
提供することを特徴とする特に本発明は、低い弾性回復
率又は低いドラフト比の熱可塑性樹脂の未延伸熱可塑性
樹脂中空糸を用いたとしても、空隙率が高く、平均透孔
径の大きく、かつ形成される透孔が均一な多孔質熱可塑
性樹脂中空糸を製造できる方法を提供することを目的と
する。
[発明の要旨] 本発明は、ポリエチレン、ポリ(4−メチル−ペンテン
−1)、ポリフッ化ビニリデン、又はエチレンテトラフ
ルオロエチレン共重合体からなる熱可塑性樹脂中空糸を
延伸することにより該中空糸に多数の微細透孔を形成す
る工程を含む多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法におい
て、該延伸工程を、窒素、酸素、アルゴン、一酸化炭素
、メタンおよびエタンからなる群より選ばれた媒体中で
、かつその延伸温度が、−100℃以下の温度であって
、該媒体の凝固点から該媒体の沸点より50℃高い温度
以下の範囲にて行なうことを特徴とする多孔質熱可塑性
樹脂中空糸の製造法を提供する。
また、本発明は、ポリエチレン、ポリ(4−メチル−ペ
ンテン−1)、ポリフッ化ビニリデン、又はエチレンテ
トラフルオロエチレン共重合体からなる熱可塑性樹脂中
空糸を延伸することにより該中空糸に多数の微細透孔を
形成する工程を含む多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法
において、該延伸工程が、中空糸を;7 (I)窒素、酸素、アルゴン、一酸化炭素、メタンおよ
びエタンよりなる群から選ばれた媒体中で、かつ延伸温
度が一100℃以下の温度であって、該媒体の凝固点か
ら該媒体の沸点より50℃高い温度以下の範囲にて延伸
する工程;および(II)該極低温下の延伸工程の後に
該中空糸を該熱可塑性樹脂の融解温度より90〜5℃低
い温度の範囲内で熱延伸する工程; を含むことを特徴とするポリエチレン、ポリ(4−メチ
ル−ペンテン−1)、ポリフッ化ごニリデン、又はエチ
レンテトラフルオロエチレン共重合体からなる多孔質熱
可塑性樹脂中空糸の製造法を提供する。
本発明は、たとえばポリエチレンなどの熱可塑性樹脂中
空糸を、たとえば液体窒素などのような特定の媒体中で
極低温下の条件で延伸を行なった場合に優れたクレージ
ング作用が現われ、また、このクレージング作用は、熱
可塑性樹脂中空糸が高い弾性回復率又はドラフト比を有
していなくとも特性の優れた多孔熱可塑性樹脂中空糸と
なるように作用するとの知見に基づき完成されたもので
ある。すなわち本発明では、その多孔質化が特定の媒体
を用い極低温の温度条件で行なわれるため、従来法では
特に優れた特性を有する多孔質熱可塑性樹脂中空糸を製
造することが困難であった弾性回復率の低い熱可塑性樹
脂を使用したとしても均一な透孔を形成することが可能
となり、かつ空隙率の高い多孔質熱可塑性樹脂中空糸を
製造することができる。従って、未延伸熱可塑性樹脂中
空糸の製造の際に、従来法のようにその弾性回復率また
はドラフト比を向上させるための煩雑な操作を特に必要
とはしない。
[発明の詳細な記述] 本発明は、熱可塑性樹脂を特定の媒体中で、−100℃
以下の温度であって、この媒体の凝固点から該媒体の沸
点より50℃高い温度以下の範囲にて延伸(以下、極低
温延伸ともいう)することが必要である。
本発明に使用する熱可塑性樹脂の例としては、高密度ポ
リエチレン、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)、ポリ
フッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレン共
重合体などを挙げることができ、これらを単独あるいは
混合して使用することができる。
また、使用する熱可塑性樹脂の溶融粘度[メルト70−
インデックス(MFI)あるいはメルトインデックス(
Ml)]は、中空糸の紡糸可能な範囲であれば特に限定
を必要とするものではないが、たとえば、ポリエチレン
を使用する場合には中空糸の紡糸の効率あるいは生産性
を考慮すると、Mlが0.5〜40(1/10分のもの
を用いることが好ましい。
その他、可塑剤、着色剤、難燃化剤、充填材などの添加
剤(材)を含む熱可塑性樹脂も使用することができる。
本発明においては、まず上記のような熱可塑性樹脂を公
知の中空糸の紡糸法に従って紡糸し未延伸熱可塑性樹脂
中空糸とする。このような紡糸条件は公知技術より適宜
選択することができる。たとえば、紡糸温度は、使用す
る熱可塑性樹脂を吐出することができる温度以上であっ
て、樹脂の熱分解温度以下の範囲内の温度で行なうこと
ができる。たとえば、高密度ポリエチレンを使用する場
合には、通常では150〜300℃、好ましくは160
〜270℃、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)を使用
する場合には、通常では260〜330℃、好ましくは
270〜300℃、エチレンテトラフルオロエチレン共
重合体を使用する場合には、通常では290〜350℃
、好ましくは190〜280℃、ポリフッ化ビニリデン
を使用する場合には、通常では190〜300℃、好ま
しくは190〜280℃である。
また、紡糸して得られる未延伸熱可塑性樹脂中空糸の弾
性回復率(あるいはドラフト比)についても特に限定は
ない。しかしながら、弾性回復率(あるいはドラフト比
)がゼロ(%)乃至極端に低い未延伸熱可塑性樹脂中空
糸、すなわら結晶配向性が極度に低い未延伸熱可塑性樹
脂中空糸を用いた場合には、本発明の極低温における延
伸工程に対しても、得られる多孔性熱可塑性樹脂中空糸
に満足できる特性を与えにくい場合もある。従って、得
られる多孔質熱可塑性樹脂中空糸の空隙率および微細透
孔の平均透孔径等の特性を考慮して未延伸中空糸の紡糸
条件を設定することが好ましい。
上述したように未延伸熱可塑性樹脂中空系の弾性回復率
に特に制限はないが、上記理由により次式で表わされる
延伸熱可塑性樹脂中空系の25℃、相対湿度65%にお
ける50%伸長の際の弾性回復率は、たとえば、ポリエ
チレンを使用する場合には、20%以上であることが好
ましく、また、通常の成形装置を使用した場合の生産性
なども併せて考慮すると30〜95%の範囲であること
が特に好ましい。
弾性回復率(%)=[伸長時の長さ一伸長後の長さ] 
     ÷[伸長時の長さ一原中空系の長さ]X10
0 また、上記の要件および生産性等の要因を考慮するとし
て、本発明において使用する未延伸熱可塑性樹脂中空系
のドラム比(未延伸熱可塑性樹脂中空系の引取り速度と
ノズルからの吐出速度との中空系の引取り速度とノズル
からの吐出速度との比:引取り速度/吐出速度)は、た
とえばポリエチレンを使用する場合には10〜6000
の範囲にあることが望ましい。
未延伸熱可塑性樹脂中空系は、延伸工程に付する前に熱
処理してもよい。この延伸前の熱処理を行なうことによ
り、未延伸熱可塑性樹脂中空系の結晶化を高めることが
できるため、延伸により得られる多孔質熱可塑性樹脂中
空系の特性はさらに向上する。
上記の熱処理は、未延伸熱可塑性樹脂中空系を、たとえ
ば熱可塑性樹脂の融解温度よりも30〜5℃低い温度に
加熱した空気中で3秒以上加熱する方法により実施され
る。
本発明における延伸工程は、窒素、酸素、アルゴン、一
酸化炭素、メタンおよびエタンからなる群より選ばれた
媒体中で、延伸温度が一100℃以下の温度であって、
かつ該媒体の沸点より50℃高い温度以下の範囲で行な
うことが必要である。
本発明における極低温延伸工程は、−上述した媒体を単
独で、あるいは混合して使用することができる。
上記媒体を使用する場合の好ましい延伸温度の例を示す
と、窒素を用いた場合には、−209℃〜−146℃の
範囲、酸素を用いた場合には、=218℃〜−132℃
の範囲、アルゴンを用いた場合には、−189℃〜−1
40℃の範囲、一酸化炭素を用いた場合には、−205
℃〜−141℃の範囲、メタンを用いた場合には、−1
82℃〜−111℃の範囲、エタンを用いた場合には一
183℃〜−100℃の範囲である。
延伸温度が一100℃より高いと、たとえば、弾性回復
率の低い未延伸中空糸を使用した場合に、延伸により有
効な透孔の形成率が低くなる。なお、本発明において沸
点より50℃高い温度以下とは沸点よりも正確に50℃
高い温度より低い温度範囲を意味するものではなく、沸
点よりほぼ50℃高い温度以下との意味である。
このような極低温下では前記媒体は、液状、液・ガス状
またはガス状を呈しており、本発明の延伸■程は、媒体
が上記のいずれの状態であっても実施することができる
本発明に係る上記の延伸は、前記媒体を用いて極低温下
で延伸するクレージング作用が現われる為に生ずるもの
と推定される。前記以外の通常の媒体中では、熱可塑性
樹脂の中空糸は極低温下でガラス状態となり、伸びが現
われることなく切断されてクレージング作用は生じない
本発明の極低温延伸温度は、−100℃以下の温度であ
って、使用する媒体の凝固点から、沸点より50℃高い
温度以下の範囲で実施することができるが、一般に、延
伸はその低温液体の沸点付近の温度にて行なうことが、
製造管理上、および得られる多孔質熱可塑性樹脂中空糸
の特性を一定にする上でも有利である。
上記の極低温延伸工程における延伸倍率は、一般に未延
伸熱可塑性樹脂中空糸に対して1〜200%の範囲の値
とされる。ただし好ましい延伸倍率は10〜150%の
範囲の値である。これらの範囲内の延伸倍率では、延伸
倍率が増加すると透孔数が増加する傾向があり、この傾
向を利用して、得られる多孔質熱可塑性樹脂中空糸の平
均透孔径や空隙率を目的に合わせて調整することも可能
である。
上述した極低温延伸工程は、所望の平均透孔径および空
隙率が得られるまで二回以上繰返し実施することができ
る。
本発明の特定媒体中、極低温にお番プる冷却下での延伸
工程を利用した熱可塑性樹脂中空糸の多孔質下は、従来
の室温付近での延伸工程による場合とは異なり、たとえ
ば、25℃における50%の歪からの弾性回復率が40
%に満たない熱可塑性樹脂中空糸にも有効に作用し、透
孔が均一であり、かつ空隙率の高い優れた多孔質熱可塑
性樹脂中空糸とすることができる。
上記特定媒体中、極低温での延伸工程を経て多孔質化さ
れた熱可塑性樹脂中空糸は、次いで、熱固定処理にかけ
ることが好ましい。この熱固定処理は、形成された微細
透孔を保持するための熱固定を主なる目的とするもので
ある。この熱固定処理した熱可塑性樹脂中空糸を、使用
した熱可塑性樹脂の融解温度より70〜5℃低い温度に
加熱した空気中で3秒以上加熱する方法などにより実施
される。具体的な加熱温度は、たとえば、高密度ポリエ
チレンを使用する場合には、通常では70〜125℃、
好ましくは80〜120℃、ポリ(4−メチル−ペンテ
ン−1)を使用する場合に− は、通常では150〜2
10℃、好ましくは160〜200℃、エチレンテトラ
フルオロエチレン共重合体を使用する場合には、通常で
は180〜240℃、好ましくは200〜230℃、ポ
リフッ化ビニリデンを使用する場合には、通常では10
0〜165℃、好ましくは110〜160℃である。な
お、加熱温度が、記載した温度の上限より著しく高いと
、形成された微細空孔が閉鎖することもあり、また、温
度が下限より著しく低いか、あるいは加熱時間が3秒よ
り短いと熱固定が不充分となりやすく、後に、形成され
た透孔が閉鎖することがあり、また使用に際しての温度
変化により熱収縮を起し易くなる。上述した温度変化に
より熱収縮を起し易くなる。上述した極低温延伸と熱固
定処理は、所望の平均透孔径および空隙率が得られるま
で繰返し実施することができる。すなわち、中空糸の温
度を室温までもどし、繰返し極低温延伸(および熱固定
処理)を含む工程に付すことができる。極低温延伸を繰
返して行なうことにより形成される透孔の数を多くする
ことができ、また平均透孔径を大きくすることができる
上記のようにして調製された多孔質熱可塑性樹脂中空糸
は形成された平均透孔径が大きく、また空隙率も高く良
好な特性を示すが、さらに上記の多孔性熱可塑性樹脂中
空糸を熱延伸工程にかけることにより、さらにその特性
は向上する。
上記極低温での延伸工程を少なくとも一回経て多孔質化
された熱可塑性樹脂中空糸の熱延伸工程は次のようにし
て実施される。この熱延伸工程は、主として極低温で形
成された微細透孔を透孔径を拡張することを目的として
行なわれるものである。
この熱延伸工程は、多孔質化した熱可塑性樹脂中℃低い
温度に加熱した空気中などで延伸することにより実施さ
れる。たとえば、高密度ポリエチレンを使用する場合に
は、通常では70〜125℃、好ましくは80〜120
℃、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)を使用する場合
には、通常では150〜210℃、好ましくは160〜
200℃、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体を
使用する場合には、通常では180〜240℃、好まし
くは200〜230℃、ポリフッ化ビニリデンを使用す
る場合には、通常では100〜165℃、好ましくは1
10〜160℃に設定して行なう。
なお加熱温度が上記の温度の上限より高い場合には、形
成された微細空孔が閉鎖することもあり、また、濃度が
下限より低い場合には延伸による透孔径の拡張が不充分
となることがある。
この熱延伸工程における延伸倍率は、極低温延伸工程に
付される以前の中空糸長さく初期長さ)に対して通常は
10〜700%、好ましくは、50〜550%である。
延伸倍率が、10%より低いと透孔の拡張が不充分とな
ることがあり、また700%より高いと中空糸が切断さ
れることがある。
なお、この熱延伸工程は、上述した極低温延伸工程と交
互に実施するか、または少なくとも一回の極低温延伸工
程を終了した後に実施する。
この延伸処理により多孔質化された中空糸は、延伸工程
と延伸工程の間に、熱固定処理にかけることが望ましい
。この熱固定処理は、熱延伸工程を経て形成された透孔
を熱固定することを主なる目的とするものである。
この熱固定処理は、通常多孔質化した熱可塑性樹脂中空
糸を延伸状態を保持したまま空気中で3秒以上、使用し
た熱可塑性樹脂の融解温度より20〜5℃低い温度に加
熱する方法などにより実施される。具体的な加熱温度は
、たとえば高密度ポリエチレンを使用する場合には通常
70〜125℃、好ましくは80〜120℃、ポリ(4
−メチル−ペンテン−1)を使用する場合には通常15
0〜210℃、好ましくは160〜200℃、エチレン
テトラフルオロエチレン共重合体を使用する場合には通
常180〜240℃、好ましくは200〜230℃、ポ
リフッ化ビニリデンを使用する場合には、通常では10
0〜165℃、好ましくは110〜160℃である。
この熱固定処理は全ての延伸工程を終了した中空糸に対
しても同様に行なうことが望ましい。
加熱温度が上記の上限温度より高いと、形成された透孔
が閉鎖することもあり、また温度が上記の下限温度より
低いか加熱時間が3秒より短いと熱固定が不充分となり
易く、後に透孔が閉鎖し、また使用に際しての温度変化
により熱収縮を起し易くなる。
次に本発明の実施例および比較例を示す。
[実施例1] 高密度ポリエチレン(ショレックスF6080商品名:
昭和電工■製、Ml−8(J/10分)を、直1! 8
1111.内径7IllI11の気体供給管を協えた中
空糸製造用ノズルを使用し、紡糸温度190℃、引取り
速度20011/分、ドラフト比726の条件で紡糸し
た。得られたポリエチレン中空糸を110℃の加熱空気
槽で30分間加熱処理し、次いで液体窒素(−195℃
)中で、初期長さに対し20%延伸し、延伸状態を保っ
たまま110℃の加熱空気槽内で15分間熱処理を行な
った。
この中空糸を110℃の空気雰囲気で300%の熱延伸
を行なった後、延伸状態を保ったまま110℃の加熱空
気槽内で15分間熱処理を行ない多孔質ポリエチレン中
空糸を製造した。
得られた多孔質ポリエチレン中空糸の平均透孔径を水銀
圧入法(測定は、CARLOERBA社(イタリア)製
のPORO3IMETRO5ERIES  1500を
使用して行なった。以下同様)で測定したところ、0.
32μmであり、空隙率は68%であった。
上記の多孔質ポリエチレン中空糸の周壁部を電子顕微鏡
により観察したところ、周壁部に多数の大きな透孔が均
一に形成されており、また透孔径も全体にわたってほぼ
一定していた。
[実施例2] ポリ(4−メチルペンテン1)  (T’PX  RT
18 商品名:三井石油化学■製)を、直径81、内径
7111111の気体供給管を満えた中空糸製造用ノズ
ルを使用し、紡糸温度280℃、引取り速度2001+
1/分、ドラフト比726の条件で紡糸した。得られた
ポリ(4−メチルペンテン1)中空糸を180℃の加熱
空気槽で30分間加熱処理し、次いで液体窒素(−19
5℃の加熱空気槽内で15分間熱処理を行なった。
この中空糸を180℃の空気雰囲気で80%の熱延伸を
行なった後、延伸状態を保ったまま180℃の加熱空気
槽内で15分間熱処理を行ない多孔質ポリ(4−メチル
ペンテン1)中空糸を製造した。
得られた多孔質ポリ(4−メチルペンテン1)中空糸の
平均透孔径を水銀圧入法(測定は、CARLOERBA
社(イタリア)製のPO−RO8IMETRO5ERI
ES  1500を使用して行なった。以下同様)で測
定したところ、0.1μmであり、空隙率は40%であ
った。
上記の多孔質ポリ(4−メチルペンテン1)中空糸の周
壁部を電子顕微鏡により観察したところ、周壁部に多数
の透孔が均一に形成されており、また透孔径も全体にわ
たってほぼ一定していた。
し実施例3] エチレンテトラクロロエチレン(アフOンCOP商品名
:旭硝子■製、共重合体)を、直径8mm、内径7mm
の気体供給管を備えた中空糸製造用ノズルを使用し、紡
糸温度330℃、引取り速fm50m/分、ドラフト比
181の条件で紡糸した。得られたエチレンテトラクロ
ロエチレン中空糸を220℃の加熱空気槽で30分間加
熱処理し、次いで液体窒素(−195℃)中で、初期長
さに対し20%延伸し、延伸状態を保ったまま220℃
の加熱空気槽内で15分間熱処理を行なった。
この中空糸を220℃の空気雰囲気で80%の   ′
熱延伸を行なった後、延伸状態を保ったまま145℃の
加熱空気槽内で15分間熱処理を行ない多孔質エチレン
テトラクロロエチレン中空糸を製造した。
得られた多孔質エチレン・テトラクロロエチレン中空糸
の平均透孔径を水銀圧入法(測定は、CARLOERB
A社(イタ1,17 )製(7)PORO8IMETR
OSER[ES  1500を使用して行なった。以下
同様)で測定したところ、0.06μmであり、空隙率
は30%であった。
上記の多孔質エチレンテトラクロロエチレン中空糸の周
壁部を電子顕微鏡により観察したところ、周壁部に多数
の透孔が均一に形成されており、また透孔径も全体にわ
たってほぼ一定していた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ポリエチレン、ポリ(4−メチル−ペンテン−1
    )、ポリフッ化ビニリデン、又はエチレンテトラフルオ
    ロエチレン共重合体からなる熱可塑性樹脂中空糸を延伸
    することにより該中空糸に多数の微細透孔を形成する工
    程を含む多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法において、
    該延伸工程を、窒素、酸素、アルゴン、一酸化炭素、メ
    タンおよびエタンからなる群より選ばれた媒体中で、か
    つその延伸温度が、−100℃以下の温度であって、該
    媒体の凝固点から該媒体の沸点より50℃高い温度以下
    の範囲の冷却温度にて行なうことを特徴とするポリエチ
    レン、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)、ポリフッ化
    ビニリデン、又はエチレンテトラフルオロエチレン共重
    合体からなる多孔熱可塑性樹脂中空糸の製造法。
  2. (2)該冷却下の延伸工程を二回以上繰り返すことを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の多孔質熱可塑性樹
    脂中空糸の製造法。
  3. (3)延伸工程の間および最後の延伸工程にかけた後の
    熱可塑性樹脂中空糸を該熱可塑性樹脂の融解温度より7
    0〜5℃低い温度の範囲内で熱固定処理することを特徴
    とする特許請求の範囲第2項記載の多孔質熱可塑性樹脂
    中空糸の製造法。
  4. (4)ポリエチレン、ポリ(4−メチル−ペンテン−1
    )、ポリフッ化ビニリデン、又はエチレンテトラフルオ
    ロエチレン共重合体からなる熱可塑性樹脂中空糸を延伸
    することにより該中空糸に多数の微細透孔を形成する工
    程を含む多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法において、
    該延伸工程が、中空糸を; ( I )窒素、酸素、アルゴン、一酸化炭素およびメタ
    ンおよびエタンよりなる群から選ばれた媒体中で、かつ
    延伸温度が−100℃以下であつて、該媒体の凝固点か
    ら該媒体の沸点より50℃高い温度以下の範囲にて延伸
    する工程;および (II)該極低温下の延伸工程の後に該中空糸を該熱可塑
    性樹脂の融解温度より90〜5℃低い温度の範囲内で熱
    延伸する工程; を含むことを特徴とするポリエチレン、ポリ(4−メチ
    ル−ペンテン−1)、ポリフッ化ビニリデン、又はエチ
    レンテトラフルオロエチレン共重合体からなる多孔質熱
    可塑性樹脂中空糸の製造法。
  5. (5)該冷却下の延伸工程および熱延伸工程をそれぞれ
    二回以上繰り返すことを特徴とする特許請求の範囲第4
    項記載の多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法。
  6. (6)それぞれの延伸工程の間および最後の延伸工程に
    かけた後の熱可塑性樹脂中空糸を該熱可塑性樹脂の融解
    温度より70〜5℃低い温度の範囲内で熱固定処理する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第4項もしくは第5項
    記載の多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法。
JP26841184A 1984-12-21 1984-12-21 多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法 Granted JPS61146811A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26841184A JPS61146811A (ja) 1984-12-21 1984-12-21 多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26841184A JPS61146811A (ja) 1984-12-21 1984-12-21 多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61146811A true JPS61146811A (ja) 1986-07-04
JPH0262604B2 JPH0262604B2 (ja) 1990-12-26

Family

ID=17458105

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26841184A Granted JPS61146811A (ja) 1984-12-21 1984-12-21 多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS61146811A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63219616A (ja) * 1987-03-06 1988-09-13 Showa Kogyo Kk ポリフルオロエチレン系繊維およびその製造方法
JPS63235540A (ja) * 1987-03-20 1988-09-30 宇部興産株式会社 人工肺用多孔質中空糸の製造法
WO1998038029A1 (en) * 1997-02-25 1998-09-03 Elf Atochem S.A. A thermoplastic fluororesin porous body, a method for the production thereof and use of said porous body for producing a battery cell
JP2007308724A (ja) * 2007-08-31 2007-11-29 Asahi Glass Co Ltd フッ素樹脂の硬質多孔質成形体
US9022229B2 (en) 2012-03-09 2015-05-05 General Electric Company Composite membrane with compatible support filaments
US9061250B2 (en) 2009-06-26 2015-06-23 Bl Technologies, Inc. Non-braided, textile-reinforced hollow fiber membrane
US9221020B2 (en) 2010-09-15 2015-12-29 Bl Technologies, Inc. Method to make yarn-reinforced hollow fiber membranes around a soluble core
JP2016064343A (ja) * 2014-09-24 2016-04-28 日機装株式会社 中空糸膜モジュール
US9643129B2 (en) 2011-12-22 2017-05-09 Bl Technologies, Inc. Non-braided, textile-reinforced hollow fiber membrane

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52137026A (en) * 1976-04-30 1977-11-16 Toyobo Co Ltd Microporous hollow fibers and their production
JPS54120735A (en) * 1978-03-10 1979-09-19 Mitsubishi Rayon Co Ltd Manufacture of porous hollow polypropylene fibers

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52137026A (en) * 1976-04-30 1977-11-16 Toyobo Co Ltd Microporous hollow fibers and their production
JPS54120735A (en) * 1978-03-10 1979-09-19 Mitsubishi Rayon Co Ltd Manufacture of porous hollow polypropylene fibers

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63219616A (ja) * 1987-03-06 1988-09-13 Showa Kogyo Kk ポリフルオロエチレン系繊維およびその製造方法
JPH0310723B2 (ja) * 1987-03-06 1991-02-14 Showa Kogyo Kk
JPS63235540A (ja) * 1987-03-20 1988-09-30 宇部興産株式会社 人工肺用多孔質中空糸の製造法
WO1998038029A1 (en) * 1997-02-25 1998-09-03 Elf Atochem S.A. A thermoplastic fluororesin porous body, a method for the production thereof and use of said porous body for producing a battery cell
JP2007308724A (ja) * 2007-08-31 2007-11-29 Asahi Glass Co Ltd フッ素樹脂の硬質多孔質成形体
US9061250B2 (en) 2009-06-26 2015-06-23 Bl Technologies, Inc. Non-braided, textile-reinforced hollow fiber membrane
US9221020B2 (en) 2010-09-15 2015-12-29 Bl Technologies, Inc. Method to make yarn-reinforced hollow fiber membranes around a soluble core
US9643129B2 (en) 2011-12-22 2017-05-09 Bl Technologies, Inc. Non-braided, textile-reinforced hollow fiber membrane
US9022229B2 (en) 2012-03-09 2015-05-05 General Electric Company Composite membrane with compatible support filaments
JP2016064343A (ja) * 2014-09-24 2016-04-28 日機装株式会社 中空糸膜モジュール

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0262604B2 (ja) 1990-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0526528B2 (ja)
US4405688A (en) Microporous hollow fiber and process and apparatus for preparing such fiber
JPH07102413A (ja) ポリテトラフルオロエチレン糸状物
JPS61146811A (ja) 多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法
US5258156A (en) Process for producing microporous film having breakage resistance when melted
JPH0647066B2 (ja) 多孔質分離膜とその製造方法
US4563317A (en) Process of producing porous thermoplastic resin article
JPH04265132A (ja) 多孔質中空糸膜の製法
JPH0288649A (ja) 微多孔性平膜及びその製造方法
JPH0691943B2 (ja) 高分離能高分子膜の製造方法
KR100994144B1 (ko) 용융방사 및 연신법에 의한 폴리비닐리덴플루오라이드중공사막 제조방법
JP2572895B2 (ja) 多孔質中空糸膜の製造法
JPH0712410B2 (ja) 気体分離膜の製造方法
JPS6186239A (ja) 多孔質熱可塑性樹脂フイルムの製造法
JPH01270907A (ja) 多孔質ポリプロピレン中空糸又はフィルムの製造法
JPH0780263A (ja) ポリプロピレン多孔質中空糸膜の製造方法
JPH02112404A (ja) 多孔質ポリエチレン中空糸及びその製造方法
JPS6329006B2 (ja)
JPH0398624A (ja) 炭素繊維系多孔質中空糸膜およびその製法
JPH0763505B2 (ja) 人工肺用多孔質中空糸の製造法
JPH07124451A (ja) ポリエチレン多孔質中空糸膜の製造方法
JPS60139808A (ja) 多孔質ポリプロピレン中空糸の製造方法
JPS59216914A (ja) 超高強力ポリエチレン繊維の製造方法
JP3332248B2 (ja) 高強力ポリエチレン多孔質繊維の製造方法
JPS61611A (ja) 高強度高モジユラスポリオレフイン系繊維の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term