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JPH1166311A - むら検査方法および装置 - Google Patents

むら検査方法および装置

Info

Publication number
JPH1166311A
JPH1166311A JP9227550A JP22755097A JPH1166311A JP H1166311 A JPH1166311 A JP H1166311A JP 9227550 A JP9227550 A JP 9227550A JP 22755097 A JP22755097 A JP 22755097A JP H1166311 A JPH1166311 A JP H1166311A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unevenness
module
image
curve
defect
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9227550A
Other languages
English (en)
Inventor
Norio Watabe
典生 渡部
Manabu Ichino
学 市野
Hiroyuki Yaguchi
博之 矢口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Renesas Eastern Japan Semiconductor Inc
Tokyo Denki University
Original Assignee
Hitachi Tohbu Semiconductor Ltd
Tokyo Denki University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Tohbu Semiconductor Ltd, Tokyo Denki University filed Critical Hitachi Tohbu Semiconductor Ltd
Priority to JP9227550A priority Critical patent/JPH1166311A/ja
Publication of JPH1166311A publication Critical patent/JPH1166311A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Liquid Crystal Display Device Control (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 むら欠陥を自動的に検査する。 【解決手段】 むら検査装置10のコンピュータ12
は、LCD1の被検査面2である表示画面を撮像した撮
像装置11からの画像信号をA/D変換するA/D変換
モジュール13と、画像圧縮モジュール14と、各画素
の輝度値で構成された曲線をスプライン関数で平坦化す
る平坦化モジュール15と、平坦化された曲線のノイズ
を除去するノイズ除去モジュール16と、ノイズ除去さ
れた曲線のむら欠陥部分を強調する強調化モジュール1
7と、強調化された曲線に閾値を設定しむら欠陥を判定
する欠陥判定モジュール18とを備えている。 【効果】 LCDのむら検査を自動化して人間の目視検
査を省略することで、検査精度やLCDの製造歩留りを
向上できる。一度の演算処理であらゆる大きさのむら欠
陥を検出できるため、検査時間を短縮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、むら検査技術、特
に、被検査面上のむら(所々に濃い所や淡い所があって
一様でないこと。surface irregularity。)を高精度で
検査する技術に関し、例えば、液晶ディスプレイ(liqu
id crystal display。以下、LCDという。)の表示画
面のむらを検出して検査するのに利用して有効な技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】LCDの表示画面(以下、LCD画面と
いう。)の欠陥の一つにむらに関する欠陥(以下、むら
欠陥という。)がある。このLCD画面のむら欠陥につ
いての検査作業の自動化は、次のような理由できわめて
困難である。LCD画面の明るさは全体にわたって均一
ではなく、例えば、中央部が明るく周辺部が暗い傾向が
ある。他方、LCD画面のむら欠陥は明るさの変化に相
当する。このため、明るさが均一でないLCD画面中に
おいて単に明るさの偏差値を比較するだけでは、むら欠
陥を抽出することができない。その結果、LCD画面の
むら欠陥についての検査作業の自動化はきわめて困難に
なる。したがって、LCD画面のむら欠陥についての検
査作業は、人間による目視検査作業によって実施されて
いるのが実情である。
【0003】しかし、人間による目視検査作業には検査
員による検査精度のばらつきや、人件費を要する等の問
題点がある。そこで、波形処理のアルゴリズムうち周期
的信号抽出アルゴリズムである自己相関関数演算を利用
したむら検査装置が提案されている。このむら検査装置
は、LCD画面の画像を取り込む画像取込みモジュール
と、取込み画像の輝度値によって構成されたデータ列に
自己相関関数演算を実行するモジュールと、自己相関関
数演算によって求められたデータ列に閾値が設定されむ
ら欠陥が判定される欠陥判定モジュールとを備えてい
る。自己相関関数演算モジュールにおいては、データ列
(波形信号に相当する。)の一点を中心に前後同数の点
(以下、窓という。)の輝度値が積算され、この窓群に
隣接する同数の窓群の輝度値が積算される。次いで、両
者の差が求められ、その差の値が前記中心点の値として
記憶される。以降、この処理が一点ずつずらされなが
ら、データ列について繰り返されて行く。そして、差の
値によってそれぞれ構成された各点が連続されてデータ
列(波形信号に相当する。)が再生される。この再生さ
れたデータ列においては、窓数に対応した大きさでの輝
度の変化が強調された状態になっているため、閾値を適
切に設定することにより、むら欠陥を判定することがで
きる。
【0004】なお、前記した自己相関関数演算を利用し
たむら検査装置を述べてある例としては、株式会社テク
ノタイムズ社が平成8年5月1日に発行の「月刊ディス
プレイ5月号」P69〜P75、がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記したむら検査装置
においては、窓の数によって強調されるむらの大きさが
決まり、この窓の数は事前に指定する必要が有るため、
一回の演算によって強調することができるむらの大きさ
は限定されてしまう。そこで、例えば、大中小の窓数を
指定して自己相関関数演算を3回実施することにより、
3段階のむらの大きさを求める必要がある。このような
複数回の演算を同一の演算モジュールによって実施する
と、演算時間が長くなってしまう。演算時間を短くする
ためには、演算モジュールを並列に構成する必要が有る
ため、演算モジュールがきわめて高価格になってしま
う。
【0006】本発明の目的は、効率よくむらを検査する
ことができるむら検査技術を提供することにある。
【0007】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、次の通り
である。
【0009】すなわち、むら検査装置は、被検査面の画
像を取り込む画像取込みモジュールと、前記取込み画像
の輝度値によって構成されたデータ列をスプライン関数
によって平坦化する平坦化モジュールと、前記平坦化さ
れたデータ列のむら欠陥の部分を強調する強調モジュー
ルと、前記強調されたデータ列に閾値が設定されむら欠
陥が判定される欠陥判定モジュールとを備えている。
【0010】前記した手段において、画像取込みモジュ
ールによって取り込まれた画像は輝度値のデータ列を構
成される。平坦化モジュールにおいて、輝度値のデータ
列に基づいてスプライン関数によって平坦化されたデー
タ列が求められる。強調モジュールにおいては平坦化さ
れたデータ列のうちむら欠陥部分が強調される。欠陥判
定モジュールにおいては、むら欠陥の部分を強調された
データ列に閾値が設定されむら欠陥が判定される。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態である
むら検査装置を示す模式図である。図2は同じくむら検
査方法を示す工程図である。図3以降はその作用を説明
するための説明図である。
【0012】本実施形態において、本発明に係るむら検
査装置は、被検査面であるLCD画面のむら欠陥を検査
するむら検査装置10として構成されている。被検査物
であるLCD1の第1主面には液晶の制御によって所望
の画像を映し出すための表示画面2が形成されており、
この表示画面2の輝度のむらがむら検査装置10の検査
対象になる。本実施形態において、LCD1の表示画面
(以下、被検査面という。)2は長方形に形成されてお
り、水平走査線方向(以下、H方向という。)Hの長さ
が垂直走査線方向(以下、B方向という。)Bの長さよ
りも長くなっている。
【0013】むら検査装置10は被検査面2の画像を取
り込むための撮像装置11を備えている。撮像装置11
はCCD(charge coupled device)カメラ等から構成
されており、被検査面2を正面から撮像するように配置
されている。撮像装置11の出力端にはパーソナルコン
ピュータ(以下、コンピュータという。)12が接続さ
れている。コンピュータ12はA/D変換モジュール1
3、画像圧縮モジュール14、平坦化モジュール15、
ノイズ除去モジュール16、強調化モジュール17、欠
陥判定モジュール18、出力モジュール19を備えてお
り、これらのモジュールは後述する作用を実行するよう
に構成(プログラミング)されている。また、コンピュ
ータ12にはモニタやプリンタ等の出力機器20および
キーボードやマウス等の入力機器(図示せず)が接続さ
れている。
【0014】以下、前記構成に係るむら検査装置10に
よる本発明の一実施形態であるむら検査方法を図2に示
されている工程図に沿って説明する。
【0015】本実施形態に係るむら検査方法の実施に際
して、被検査物であるLCD1の被検査面2は予め指定
された明るさおよびコントラストをもって駆動される。
この状態で、被検査面2はむら検査装置10の撮像装置
11によって正面から撮像される。撮像装置11は撮像
した被検査面2の画像信号をコンピュータ12に入力す
る。つまり、コンピュータ12に被検査面2の画像が取
り込まれる。
【0016】続いて、図2に示されているように、A/
D変換工程22において、取込み画像はコンピュータ1
2のA/D変換モジュール13によってA/D変換され
る。すなわち、A/D変換モジュール13は撮像装置1
1からのアナログ画像信号を例えば256階調の輝度値
のデジタル信号に変換する。
【0017】さらに、コンピュータ12の画像圧縮モジ
ュール14は図2に示されている画像圧縮工程23を実
施する。例えば、画像圧縮工程23は1画素(ピクセ
ル)置きに信号を間引くことにより実行される。
【0018】ここで、図3(a)と(b)、図4(a)
と(b)は、被検査面の取込み画像(a)と、画素位置
・輝度値の三次元グラフ(b)との関係を示しており、
図3は良品の場合を、図4は不良品の場合をそれぞれ示
している。すなわち、図3(a)は良品被検査面の取込
み画像(以下、良品画像という。)30を示しており、
図4(a)は不良品被検査面の取込み画像(以下、不良
品画像という。)40を示している。図3(b)は良品
画像30の画素位置・輝度値の三次元グラフ(以下、良
品画像曲面という。)31を示しており、図4(b)は
不良品画像40の画素位置・輝度値の三次元グラフ(以
下、不良品画像曲面という。)41を示している。図3
(b)および図4(b)において、三次元座標軸のX軸
には取込み画像のH方向の画素位置が取られ、Y軸には
取込み画像のY方向の画素位置が取られ、Z軸には輝度
値が取られている。輝度値は256階調で示されてお
り、単位はない。図4(b)に示された不良品画像曲面
41の例では、座標位置(H34、B22) を含む領域にむ
ら欠陥Sがある。
【0019】ところで、明るさが均一でないLCD画面
中において単に明るさの偏差値を比較するだけでは、む
ら欠陥を抽出することができないことは前述した。これ
を図3および図4について説明すると、次の通りであ
る。図3(a)に示された良品画像30においては、向
かって右側端部が全体的に暗くなっている。これに対し
て、図4(a)に示された不良品画像40においては、
明るさ(輝度)が全体的に均一になっている。したがっ
て、単に明るさの偏差値の比較だけで良品不良品を判定
すると、図3(a)が不良品、図4(a)が良品と誤判
定されてしまう。
【0020】ところが、図3(b)に示された良品画像
曲面31においては、輝度値の最大差の値は大きいが、
全体にわたって連続的(所謂傾斜的)に変化しているた
め、人間の目視観察によれば、むら欠陥はないと判定さ
れる。これに対して、図4(b)に示された不良品画像
曲面41においては、輝度値の最大差の値は小さいが、
輝度値が局所的に変化する場所が人間の目視観察によれ
ば、むら欠陥Sとして判定される。
【0021】図5はH方向の画素位置と輝度値との関係
を示したデータ列(曲線)であり、(a)は良品と判定
される場合を、(b)は不良品と判定される場合をそれ
ぞれ示している。図5において、縦軸には輝度が取ら
れ、横軸にはH方向の画素の座標が取られている。つま
り、図5の曲線は取込み画像のH方向の各画素の輝度値
によって構成されたデータ列に相当する。図5(a)に
示された良品曲線32において、輝度値の最大差の値D
1 は大きいが、全体にわたって連続的に変化している。
これに対し、図5(b)に示された不良品曲線42にお
いては、輝度値の最大差の値D2 は良品曲線32の最大
差の値D1 よりも小さい。また、不良品曲線42におい
て、人間の目視観察によればむら欠陥Sと判定される座
標値H34を含む領域の輝度値の差の値D3 は、最大差の
値D2 よりも小さい。
【0022】今、輝度値の差の値によってむら欠陥を抽
出するために、閾値を仮に不良品曲線42における最大
差の値D2 に設定したと仮定すると、D1 >D2 、であ
るから、図5(a)の良品曲線32はむら欠陥が無いと
判定される。しかしながら、D2 >D3 であるから、図
5(b)のむら欠陥Sを見逃してしまう。そこで、輝度
値と画素列との関係曲線(データ列)において、輝度値
の連続的な変化を取り除いて、むら欠陥Sの局所的な輝
度値の変化を残す必要がある。
【0023】そこで、本実施形態においては、図2に示
されている平坦化工程24において輝度値と画素列との
関係曲線に対して平坦化処理が実施される。すなわち、
コンピュータ12の平坦化モジュール15は、次に示さ
れている数式1を使用して、輝度値と画素列との関係曲
線に対して平坦化処理を図6に示されているように実施
する。この平坦化処理によって、例えば、図4(b)に
示された不良品画像曲面41を平坦化した三次元グラフ
(以下、平坦化曲面という。)47が図7に示されてい
るように仮想的に作成されることになる。
【0024】
【数1】
【0025】数式1は平坦化スプライン関数の評価関数
であり、ここでは、σを最小にする平滑化曲線f(X)
を求める。数式1中、xiは観測点のX軸の座標値であ
り、ここでは、図6(a)の各観測点43のX座標値で
あって、画素位置に相当する。yiは観測点のY軸の座
標値であり、ここでは、図6(a)の各観測点43のY
座標値であって、輝度値に相当する。Wiは重みであ
り、観測点の値毎に設定することができるが、ここで
は、全て「1.0」に設定した。gは平滑化パラメータ
であり、gが小であると、観測点を正確に追従すること
ができ、gが大であると、振動が少ない滑らかな曲線が
得られる。ここでは、gは「50.0」に設定した。数
式1の右辺の後段は任意の区間で区切られた範囲の積分
値である。したがって、a〜bの範囲はその区切られた
範囲である。
【0026】なお、スプライン曲線(spline curve )
は特定の連続性の条件を満たすように接続した曲線分の
集まりとして定義付けされる曲線である。スプライン関
数とは節点と節点との間では一つの多項式が与えられ、
異なった節点間にはそれぞれ一つの多項式が対応して、
かつ、多項式と多項式との結び目である節点では滑らか
な区分的多項式関数であり、ここでは、(2M−1)次
の自然スプライン曲線の差分商を用いることによって、
図6(b)に示されている平滑化曲線44の関数値f
(X)を求める。
【0027】図6(a)は図5(b)に示された不良品
曲線42の観測点43を示しており、図6(b)はその
観測点43に基づいて数式1によって求めた平滑化曲線
44を示している。図6(c)は各観測点43の平滑化
曲線44との偏差値45を各観測点43毎に取ってグラ
フにした平坦化曲線46を示している。この平坦化曲線
46によれば、輝度値と画素列との関係曲線である不良
品曲線42において、輝度値の連続的な変化が取り除か
れて、むら欠陥Sの局所的な変化が残されたことが、理
解される。
【0028】この平坦化処理が図4(b)に示された不
良品画像曲面41における全ての不良品曲線42につい
てそれぞれ実行されることにより、図7に示されている
平坦化曲面47が仮想的に作成されることになる。
【0029】以上のようにして平坦化された平坦化曲面
47にはノイズ48が図7に示されているように混入し
ているため、このままではむら欠陥Sを自動的に認識す
るのは困難である。
【0030】そこで、本実施形態においては、ノイズ4
8が混入した平坦化曲面47に対してノイズ除去処理
が、図2に示されているノイズ除去工程25において実
施される。すなわち、コンピュータ12のノイズ除去モ
ジュール16は、次に示されている数式2を使用して、
空間フィルタリング(space filtering ) を実施する。
この空間フィルタリングによって、例えば、図7に示さ
れた平坦化曲面47のノイズ48を除去した平滑化曲面
49が、図8に示されているように仮想的に作成される
ことになる。
【0031】
【数2】
【0032】空間フィルタリングとは、画像空間または
空間周波数領域において入力画像に何らかのフィルタ関
数を当てはめて改良された画像を得る技術をいう。デジ
タル処理において、画像空間のフィルタリングは局所的
な積和演算(畳み込み)によって実行され、一般的に、
n×nのマトリクスの演算子(オペレータ)が畳み込み
関数として使用される。数式2中、fは入力画像、gは
空間フィルタリング後の出力画像、hはフィルタ関数で
ある。ここでは、フィルタ関数hとして、次の表1の
「3×3」のマトリクス演算子が使用される。図8に示
されている平滑化曲面49は、次の表1のうちスムージ
ングが演算子として使用された場合の一例である。
【0033】
【表1】
【0034】以上のようにしてノイズ除去された平滑化
曲面49であっても、むら欠陥Sは平滑化曲面49の変
化の中に埋もれてしまうため、このままではむら欠陥S
を自動的に認識するのは困難である。
【0035】そこで、本実施形態においては、図2に示
されている強調化工程26において平滑化曲面49に対
して強調化処理が実施される。すなわち、コンピュータ
12の強調化モジュール17は次に示されている数式3
を使用して、強調化処理を実施する。この強調化処理に
よって、例えば、図8に示された平滑化曲面49のむら
欠陥Sの部分が強調された強調化曲面50が図9(a)
に示されているように仮想的に作成されることになる。
【0036】数式3 y=ax
【0037】数式3は指数関数であり、a>1のとき、
xの値が大きくなるにつれて、yの増加率が大きくなる
という特徴がある。この指数関数の特徴を利用するた
め、本実施形態においては、次の処理が実行される。
【0038】例えば、図9(b)に示されているよう
に、平滑化された平滑化曲線51の偏差値データについ
ての平均値52が求められる。各観測点xiの平均値5
2との偏差値53がそれぞれ求められる。求められた各
観測点xiの偏差値53が、数式3のxの値に代入され
る。ここで、数式3において、aとしては「1.65」
が、むら欠陥Sを強調化するのに最適値であることが、
コンピュータによる模擬実験によって明らかにされた。
【0039】以上のようにして求められた強調化曲面5
0に関するデータは欠陥判定モジュール18に送られ
る。欠陥判定モジュール18は予め設定された閾値と、
強調化曲面50に関するデータとを比較する。欠陥判定
モジュール18は閾値を超える部分がある場合には、む
ら欠陥が有ると判定し、全てのデータが閾値以下である
場合には、むら欠陥は無く、良品であると判定する。
【0040】本実施形態においては、強調化曲面50に
おいてむら欠陥Sがきわめて強調されているため、むら
欠陥判定のための閾値を図9(a)に示されている閾値
54のように大きく設定しても、むら欠陥Sを見逃すこ
とはない。他面、大きな閾値54を設定することによ
り、ノイズや連続的な輝度の変化をむら欠陥であると、
誤判定するのを確実に回避することができる。
【0041】欠陥判定モジュール18による欠陥判定工
程27の判定結果は、図2に示されている判定結果出力
工程28を実施する出力モジュール19に送られる。出
力モジュール19はモニタやプリンタ等の出力機器20
に判定結果を被検査物である各LCD1に対応させて表
示させる。例えば、むら欠陥が有りと判定された場合に
は、図9(a)の強調化曲面50に閾値54を適用して
得られる画像がモニタやプリンタ等の出力機器20に表
示される。この表示により、不良品と判定されたLCD
の被検査面におけるどの位置にどの程度の大きさのむら
欠陥が有るのかを、作業者は認識することができる。
【0042】前記実施形態によれば次の効果が得られ
る。 (1) LCDの被検査面の取込み画像データをスプラ
イン関数によって平坦化することにより、人間の目視検
査によってむら欠陥と判定されない輝度値の連続的な変
化を取り除いて、むら欠陥の局所的な輝度値の変化を残
すことができるため、LCDの被検査面に対するむら検
査を自動化することができる。
【0043】(2) 人間の目視検査を省略することに
より、検査精度のばらつきや人為的ミスを排除すること
ができ、また、人件費を低減することができるため、製
造コストを低減しつつ、LCDの製造歩留りを高めるこ
とができる。
【0044】(3) 一度の演算処理によってあらゆる
大きさのむら欠陥を検出して検査することができるた
め、検査時間を短縮することができる。
【0045】(4) 自己相関関数演算を利用したむら
検査装置のようにむらの大きさに対応するのに同種の演
算処理を何回も繰り返さなくて済むため、当該むら検査
装置に比べて検査時間を短縮することができるととも
に、処理量の軽減によりむら検査装置のコストを低減す
ることができる。
【0046】(5) LCDの被検査面の取込み画像デ
ータをスプライン関数によって平坦化することにより、
大局的な明るさの変動を除去することができるため、被
検査面に対する照明のばらつきや変動等の外部環境の影
響を受けずに、検査精度を高めることができる。
【0047】(6) 平坦化後に強調化処理を実行する
ことにより、むら欠陥の部分を強調することができるた
め、閾値を大きく設定することができ、欠陥判定精度を
より一層高めることができる。
【0048】(7) 取込み画像を圧縮することによ
り、演算処理を軽減することができるため、検査時間を
より一層短縮することができる。
【0049】(8) 平坦化後にノイズ除去することに
より、ノイズの影響を回避することができるため、検査
精度をより一層高めることができる。
【0050】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0051】例えば、強調化工程は、指数関数を使用し
て実施するに限らず、数式2に表1のラプラシアンを演
算子として使用して実施してもよい。
【0052】画像圧縮工程は、信号を一つ置きに間引く
手段によって実施するに限らず、他の圧縮手段によって
実施してもよいし、省略してもよい。
【0053】ノイズ除去工程は、数式2の演算子にスム
ージングを使用するに限らず、他の演算子を使用しても
よいし、空間フィルタリング以外のノイズ除去手段を使
用してもよい。また、ノイズ除去工程は省略してもよ
い。
【0054】撮像装置としては、エリアセンサを使用す
るに限らず、ラインセンサや撮像管等を使用することが
できる。
【0055】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその背景となった利用分野であるLCD
のむら検査技術に適用した場合について説明したが、そ
れに限定されるものではなく、CRTやプラズマ・ディ
スプレイの画面、シャドウマスク、スクリーン、感光フ
ィルムや偏光フィルム、プリント配線基板、さらには、
メッキむらや塗装むら等のむら検査技術全般に適用する
ことができる。
【0056】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、次
の通りである。
【0057】被検査面の取込み画像データをスプライン
関数によって平坦化することにより、人間の目視検査に
よってむら欠陥と判定されない輝度値の連続的な変化を
取り除いて、むら欠陥の局所的な輝度値の変化を残すこ
とができるため、被検査面に対するむら検査を自動化す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるむら検査装置を示す
模式図である。
【図2】同じくむら検査方法を示す工程図である。
【図3】(a)は良品被検査面の取込み画像の画面図で
あり、(b)はその画素位置・輝度値の三次元グラフで
ある。
【図4】(a)は不良品被検査面の取込み画像の画面図
であり、(b)はその画素位置・輝度値の三次元グラフ
である。
【図5】画素位置と輝度値との関係を示したグラフであ
り、(a)は良品と判定される場合を、(b)は不良品
と判定される場合をそれぞれ示している。
【図6】平坦化工程を説明するための線図であり、
(a)は図5(b)に示された不良品曲線の観測点を示
し、(b)はその観測点に基づいて求めた平滑化曲線を
示し、(c)は各観測点の平滑化曲線との偏差値を各観
測点43毎に取った平坦化曲線を示している。
【図7】平坦化工程によって得られる平坦化曲面を示す
三次元グラフである。
【図8】ノイズ除去工程によって得られる平滑化曲面を
示す三次元グラフである。
【図9】(a)は強調化工程によって得られる強調化曲
面を示す三次元グラフ、(b)は強調化処理を説明する
ためのグラフである。
【符号の説明】
1…LCD(被検査物)、2…被検査面、S…むら欠
陥、10…むら検査装置、11…撮像装置、12…コン
ピュータ、13…A/D変換モジュール、14…画像圧
縮モジュール、15…平坦化モジュール、16…ノイズ
除去モジュール、17…強調化モジュール、18…欠陥
判定モジュール、19…出力モジュール、20…出力機
器、21…画像取込み工程、22…A/D変換工程、2
3…画像圧縮工程、24…平坦化工程、25…ノイズ除
去工程、26…強調化工程、27…欠陥判定工程、28
…判定結果出力工程、30…良品被検査面の取込み画像
(良品画像)、31…良品画像曲面、32…良品曲線、
40…不良品被検査面の取込み画像(不良品画像)、4
1…不良品画像曲面、42…不良品曲線、43…観測
点、44…平滑化曲線、45…偏差値、46…平坦化曲
線、47…平坦化曲面、48…ノイズ、49…平滑化曲
面、50…強調化曲面、51…平滑化曲線、52…平均
値、53…偏差値、54…閾値。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢口 博之 東京都千代田区神田錦町2の2 学校法人 東京電機大学内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査面の画像を取り込む画像取込み工
    程と、 前記取込み画像の輝度値によって構成されたデータ列を
    スプライン関数によって平坦化する平坦化工程と、 前記平坦化されたデータ列のむら欠陥の部分を強調する
    強調化工程と、 前記強調化されたデータ列に閾値が設定されむら欠陥が
    判定される欠陥判定工程と、 を備えていることを特徴とするむら検査方法。
  2. 【請求項2】 前記取込み画像信号を圧縮することを特
    徴とする請求項1に記載のむら検査方法。
  3. 【請求項3】 前記平坦化されたデータ列のノイズが除
    去されることを特徴とする請求項1または2に記載のむ
    ら検査方法。
  4. 【請求項4】 前記平坦化されたデータ列のノイズが空
    間フィルタリングによって除去されることを特徴とする
    請求項3に記載のむら検査方法。
  5. 【請求項5】 前記平坦化されたデータ列が指数関数に
    よって強調されることを特徴とする請求項1、2、3ま
    たは4に記載のむら検査方法。
  6. 【請求項6】 被検査面の画像を取り込む画像取込みモ
    ジュールと、 前記取込み画像の輝度値によって構成されたデータ列を
    スプライン関数によって平坦化する平坦化モジュール
    と、 前記平坦化されたデータ列のむら欠陥部分を強調する強
    調化モジュールと、 前記強調されたデータ列に閾値が設定されむら欠陥が判
    定される欠陥判定モジュールと、 を備えていることを特徴とするむら検査装置。
  7. 【請求項7】 前記取込み画像信号を圧縮する画像圧縮
    モジュールを備えていることを特徴とする請求項6に記
    載のむら検査装置。
  8. 【請求項8】 前記平坦化されたデータ列のノイズを除
    去するノイズ除去モジュールを備えていることを特徴と
    する請求項6または7に記載のむら検査装置。
  9. 【請求項9】 前記平坦化されたデータ列のノイズを空
    間フィルタリングによって除去することを特徴とする請
    求項8に記載のむら検査装置。
  10. 【請求項10】 前記平坦化されたデータ列を指数関数
    によって強調することを特徴とする請求項6、7、8ま
    たは9に記載のむら検査装置。
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