JPH11279384A - 吸湿性に優れた共重合ポリエステルおよびそれを用いた吸湿性合成繊維 - Google Patents
吸湿性に優れた共重合ポリエステルおよびそれを用いた吸湿性合成繊維Info
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- JPH11279384A JPH11279384A JP8310498A JP8310498A JPH11279384A JP H11279384 A JPH11279384 A JP H11279384A JP 8310498 A JP8310498 A JP 8310498A JP 8310498 A JP8310498 A JP 8310498A JP H11279384 A JPH11279384 A JP H11279384A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 吸湿率の高い共重合ポリエステルを提供す
る。また、商品価値の高い吸湿性合成繊維を提供する。 【解決手段】 少なくとも一種の二官能性芳香族カルボ
ン酸またはそのエステル形成性誘導体と、少なくとも一
種のジオール化合物とからなる共重合ポリエステルであ
って、下記一般式 【化1】 (式中、R1、R2、R3はアルキレン基であり、1≦
k+l+m≦450、R4、R5は水素あるいはアルキ
ル基、R6、R7は水素あるいはアルキレン基、X、Y
はアミノ基、スルホン酸基、アミド基、カルボキシル
基、水酸基及びホスホン酸基の誘導体の中から選ばれる
1つの極性基を表す)で示される化合物を含有する吸湿
性に優れた共重合ポリエステル、およびこの共重合ポリ
エステルからなる吸湿性合成繊維である。
る。また、商品価値の高い吸湿性合成繊維を提供する。 【解決手段】 少なくとも一種の二官能性芳香族カルボ
ン酸またはそのエステル形成性誘導体と、少なくとも一
種のジオール化合物とからなる共重合ポリエステルであ
って、下記一般式 【化1】 (式中、R1、R2、R3はアルキレン基であり、1≦
k+l+m≦450、R4、R5は水素あるいはアルキ
ル基、R6、R7は水素あるいはアルキレン基、X、Y
はアミノ基、スルホン酸基、アミド基、カルボキシル
基、水酸基及びホスホン酸基の誘導体の中から選ばれる
1つの極性基を表す)で示される化合物を含有する吸湿
性に優れた共重合ポリエステル、およびこの共重合ポリ
エステルからなる吸湿性合成繊維である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた吸湿性を有
する共重合ポリエステルおよびそれを用いた合成繊維に
関し、更に詳しくはインナー、中衣、スポーツ衣料など
の衣料用素材に特に好適に使用することができる共重合
ポリエステルおよびそれを用いた合成繊維に関するもの
である。
する共重合ポリエステルおよびそれを用いた合成繊維に
関し、更に詳しくはインナー、中衣、スポーツ衣料など
の衣料用素材に特に好適に使用することができる共重合
ポリエステルおよびそれを用いた合成繊維に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルやポリアミドに代表される
熱可塑性合成繊維は、機械的強度、耐薬品性、耐熱性な
どに優れるため、衣料用途や産業用途などを主体に広く
使用されている。しかしながら、これらの合成繊維は、
極めて吸湿性が低いため、インナー、中衣、スポーツ衣
料などのように直接的に肌に触れてあるいは肌側に近い
状態で着用される分野に使用する場合には、肌からの発
汗によるムレやベタツキなどを生じ、快適性の点で天然
繊維よりも劣り、前記衣料用途への進出は限定されてい
るのが実状である。
熱可塑性合成繊維は、機械的強度、耐薬品性、耐熱性な
どに優れるため、衣料用途や産業用途などを主体に広く
使用されている。しかしながら、これらの合成繊維は、
極めて吸湿性が低いため、インナー、中衣、スポーツ衣
料などのように直接的に肌に触れてあるいは肌側に近い
状態で着用される分野に使用する場合には、肌からの発
汗によるムレやベタツキなどを生じ、快適性の点で天然
繊維よりも劣り、前記衣料用途への進出は限定されてい
るのが実状である。
【0003】この欠点を解消するため、たとえば特公昭
60−475号公報、実公昭60−40612号公報、
あるいは特開昭60−215835号公報に記載されて
いるように、平衡水分率(吸湿率)の高い繊維との各種
の混繊、合撚、引揃えなどにより布帛として吸湿快適性
を得んとする試みが提案されている。これらの方法を用
いることで確かに快適性は向上するものの、その効果は
十分とはいえず、逆にその他の合成繊維特性において、
合成繊維を染色する際に一般的に使用される分散染料に
よって汚染を生じたり、同色性に劣ったり、合成繊維本
来の物理的特性が失われるという問題点があった。
60−475号公報、実公昭60−40612号公報、
あるいは特開昭60−215835号公報に記載されて
いるように、平衡水分率(吸湿率)の高い繊維との各種
の混繊、合撚、引揃えなどにより布帛として吸湿快適性
を得んとする試みが提案されている。これらの方法を用
いることで確かに快適性は向上するものの、その効果は
十分とはいえず、逆にその他の合成繊維特性において、
合成繊維を染色する際に一般的に使用される分散染料に
よって汚染を生じたり、同色性に劣ったり、合成繊維本
来の物理的特性が失われるという問題点があった。
【0004】また、ポリエステル繊維にアクリル酸やメ
タアクリル酸をグラフト重合すること、更にグラフト重
合後にそれらのカルボキシル基をアルカリ金属で置換す
ることにより吸湿性を付与する方法が知られているが、
ポリエステルがグラフト重合しにくい素材であること、
および染色堅牢性や耐光性、繊維物理特性、風合いなど
の低下を潜在的に有していることから、実用化には到っ
ていない。
タアクリル酸をグラフト重合すること、更にグラフト重
合後にそれらのカルボキシル基をアルカリ金属で置換す
ることにより吸湿性を付与する方法が知られているが、
ポリエステルがグラフト重合しにくい素材であること、
および染色堅牢性や耐光性、繊維物理特性、風合いなど
の低下を潜在的に有していることから、実用化には到っ
ていない。
【0005】後加工段階で吸湿性を付与する方法では、
染色時あるいは得られた布帛特性の点で種々の問題があ
ることから、繊維を製造する段階で吸湿性を付与し、か
つ前記問題点を解消するため、常湿度下で吸湿率が10
%以上の吸湿性樹脂を芯部とし、それを鞘部であるポリ
エステルで覆った芯鞘型複合繊維が、特開平2−996
12号公報で提案されている。しかしながら、この方法
では、染色などの熱水処理時に芯部の吸湿・吸水率が高
いが故、芯部と鞘部との水膨潤差により鞘部に歪みがか
かって繊維表面にひび割れが生じ、高次工程でのトラブ
ルを生じやすい等の欠点がある。
染色時あるいは得られた布帛特性の点で種々の問題があ
ることから、繊維を製造する段階で吸湿性を付与し、か
つ前記問題点を解消するため、常湿度下で吸湿率が10
%以上の吸湿性樹脂を芯部とし、それを鞘部であるポリ
エステルで覆った芯鞘型複合繊維が、特開平2−996
12号公報で提案されている。しかしながら、この方法
では、染色などの熱水処理時に芯部の吸湿・吸水率が高
いが故、芯部と鞘部との水膨潤差により鞘部に歪みがか
かって繊維表面にひび割れが生じ、高次工程でのトラブ
ルを生じやすい等の欠点がある。
【0006】また、特開昭51−136924号公報に
は、親水性ポリエステルを芯成分、非親水性ポリエステ
ルを鞘成分とする芯鞘型複合ステープルについて提案さ
れている。親水性ポリエステルとしてポリアルキレング
リコール共重合体単独あるいは少量のポリアルキレング
リコール共重合体に少量のスルホン酸や酸性リン酸エス
テル誘導体を配合したものを用いるものであり、ステー
プルとして繊維両端面を増加させ吸水性を向上させよう
という提案である。しかしながら、本発明者の検討で
は、該ステープルで吸水性を向上させることはできる
が、吸湿性の向上は困難であることがわかった。
は、親水性ポリエステルを芯成分、非親水性ポリエステ
ルを鞘成分とする芯鞘型複合ステープルについて提案さ
れている。親水性ポリエステルとしてポリアルキレング
リコール共重合体単独あるいは少量のポリアルキレング
リコール共重合体に少量のスルホン酸や酸性リン酸エス
テル誘導体を配合したものを用いるものであり、ステー
プルとして繊維両端面を増加させ吸水性を向上させよう
という提案である。しかしながら、本発明者の検討で
は、該ステープルで吸水性を向上させることはできる
が、吸湿性の向上は困難であることがわかった。
【0007】また、特開昭53−111116号公報
に、特定のポリエーテルエステルを芯成分とした芯鞘型
の制電性複合繊維が提案されている。しかし、該繊維の
効果は制電性であり、ポリエーテル成分を単独共重合し
たポリエステルを芯成分として用いているため、繊維物
性が経時的に変化するという問題がある。また、該ポリ
エーテルエステルの着色が激しく、得られる最終製品の
品位が損なわれるといった問題点がある。
に、特定のポリエーテルエステルを芯成分とした芯鞘型
の制電性複合繊維が提案されている。しかし、該繊維の
効果は制電性であり、ポリエーテル成分を単独共重合し
たポリエステルを芯成分として用いているため、繊維物
性が経時的に変化するという問題がある。また、該ポリ
エーテルエステルの着色が激しく、得られる最終製品の
品位が損なわれるといった問題点がある。
【0008】また、特開昭62−267352号公報に
は、特定のポリアルキレングリコールを50〜70重量
%配合してなるポリエステル組成物が開示されている。
この組成物を単独で繊維化した場合、繊維物性が低く、
また耐水性に劣るため衣料用および産業用での使用は困
難である。
は、特定のポリアルキレングリコールを50〜70重量
%配合してなるポリエステル組成物が開示されている。
この組成物を単独で繊維化した場合、繊維物性が低く、
また耐水性に劣るため衣料用および産業用での使用は困
難である。
【0009】さらに、特開平6−123012号公報に
は芯鞘型吸湿性ポリエステル繊維が開示されている。こ
れはアルキレンテレフタレート、アルキレンスルホイソ
フタレート、およびポリオキシアルキレングリコールよ
りなる共重合体にブロックポリエーテルエステルをブレ
ンドして芯ポリマとして用いたものであるが、該特許記
載の内容では十分な吸湿性が得ることは難しく、満足す
るレベルではない。
は芯鞘型吸湿性ポリエステル繊維が開示されている。こ
れはアルキレンテレフタレート、アルキレンスルホイソ
フタレート、およびポリオキシアルキレングリコールよ
りなる共重合体にブロックポリエーテルエステルをブレ
ンドして芯ポリマとして用いたものであるが、該特許記
載の内容では十分な吸湿性が得ることは難しく、満足す
るレベルではない。
【0010】また、本発明者は特開平8−81831号
公報で親水性化合物を共重合した吸湿性に優れた共重合
ポリエステル並びに該共重合ポリエステルを用いた吸湿
性に優れた繊維を発明するに至ったが、更に鋭意検討を
行った結果、特定構造の化合物を含有することにより、
飛躍的に吸湿特性が向上することを見出し、本発明に至
った。
公報で親水性化合物を共重合した吸湿性に優れた共重合
ポリエステル並びに該共重合ポリエステルを用いた吸湿
性に優れた繊維を発明するに至ったが、更に鋭意検討を
行った結果、特定構造の化合物を含有することにより、
飛躍的に吸湿特性が向上することを見出し、本発明に至
った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来の問題点を克服した吸湿率の高い共重合ポリエ
ステルを提供することにあり、また本発明の他の目的
は、該共重合ポリエステルの使用により商品価値の高い
吸湿性合成繊維を提供することにある。
した従来の問題点を克服した吸湿率の高い共重合ポリエ
ステルを提供することにあり、また本発明の他の目的
は、該共重合ポリエステルの使用により商品価値の高い
吸湿性合成繊維を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、少
なくとも一種の二官能性芳香族カルボン酸またはそのエ
ステル形成性誘導体と、少なくとも一種のジオール化合
物とからなる共重合ポリエステルであって、下記一般式
なくとも一種の二官能性芳香族カルボン酸またはそのエ
ステル形成性誘導体と、少なくとも一種のジオール化合
物とからなる共重合ポリエステルであって、下記一般式
【0013】
【化2】
【0014】(式中、R1、R2、R3は、それぞれが
同じであっても、異なってもよい炭素数2〜4のアルキ
レン基であり、1≦k+l+m≦450、R4、R5
は、それぞれが同じであっても、異なってもよい水素あ
るいは炭素数1〜10のアルキル基、R6、R7は水素
あるいはアルキレン基、X、Yはアミノ基、スルホン酸
基、アミド基、カルボキシル基、水酸基及びホスホン酸
基およびこれらの誘導体の中から選ばれる1つの極性基
を表す。)を含有することを特徴とする吸湿性に優れた
共重合ポリエステルおよびそれを用いた合成繊維によっ
て達成することができる。
同じであっても、異なってもよい炭素数2〜4のアルキ
レン基であり、1≦k+l+m≦450、R4、R5
は、それぞれが同じであっても、異なってもよい水素あ
るいは炭素数1〜10のアルキル基、R6、R7は水素
あるいはアルキレン基、X、Yはアミノ基、スルホン酸
基、アミド基、カルボキシル基、水酸基及びホスホン酸
基およびこれらの誘導体の中から選ばれる1つの極性基
を表す。)を含有することを特徴とする吸湿性に優れた
共重合ポリエステルおよびそれを用いた合成繊維によっ
て達成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】共重合ポリエステルを製造するに
あたり、ポリエステルの酸成分として、テレフテル酸、
イソフタル酸、ナフタレン−2、6−ジカルボン酸等の
芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪
族ジカルボン酸等があげられる。またグリコール成分と
して、エチレングリコール、プロピレングリコール、テ
トラメチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール等があげられる。また、本発明の効
果を損なわない範囲で、トリメリット酸、ピロメリット
酸等の多官能カルボン酸、グリセリン、トリメチロール
プロパン、ペンタエリストールの如きポリオールを用い
ても良い。
あたり、ポリエステルの酸成分として、テレフテル酸、
イソフタル酸、ナフタレン−2、6−ジカルボン酸等の
芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪
族ジカルボン酸等があげられる。またグリコール成分と
して、エチレングリコール、プロピレングリコール、テ
トラメチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール等があげられる。また、本発明の効
果を損なわない範囲で、トリメリット酸、ピロメリット
酸等の多官能カルボン酸、グリセリン、トリメチロール
プロパン、ペンタエリストールの如きポリオールを用い
ても良い。
【0016】共重合ポリエステル中に含有させる化合物
としては、下記一般式
としては、下記一般式
【0017】
【化3】
【0018】(式中、R1、R2、R3は、それぞれが
同じであっても、異なってもよい炭素数2〜4のアルキ
レン基であり、1≦k+l+m≦450、R4、R5
は、それぞれが同じであっても、異なってもよい水素あ
るいは炭素数1〜10のアルキル基、R6、R7は水素
あるいはアルキレン基、X、Yはアミノ基、スルホン酸
基、アミド基、カルボキシル基、水酸基及びホスホン酸
基およびこれらの誘導体の中から選ばれる1つの極性基
を表す。)であり、具体例として好ましくは
同じであっても、異なってもよい炭素数2〜4のアルキ
レン基であり、1≦k+l+m≦450、R4、R5
は、それぞれが同じであっても、異なってもよい水素あ
るいは炭素数1〜10のアルキル基、R6、R7は水素
あるいはアルキレン基、X、Yはアミノ基、スルホン酸
基、アミド基、カルボキシル基、水酸基及びホスホン酸
基およびこれらの誘導体の中から選ばれる1つの極性基
を表す。)であり、具体例として好ましくは
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】で表される化合物等があり、特に好ましく
は
は
【0023】
【化7】
【0024】が好ましい(以下この化合物を化合物Aと
称する)。共重合ポリエステル中の化合物(I)の共重
合量はいくらでも良いが、吸湿性および製糸性の点で用
いる目的に応じ好ましい範囲がある。例えば、共重合ポ
リエステルを単一成分として繊維化する場合は、製糸性
の点から3〜40重量%が好ましく、更に好ましくは5
〜20重量%である。また、共重合ポリマを複合あるい
はブレンド成分として用いる場合は、吸湿特性等の点か
ら40〜99重量%が好ましく、さらに好ましくは50
〜90重量%、特に好ましくは55〜85重量%であ
る。
称する)。共重合ポリエステル中の化合物(I)の共重
合量はいくらでも良いが、吸湿性および製糸性の点で用
いる目的に応じ好ましい範囲がある。例えば、共重合ポ
リエステルを単一成分として繊維化する場合は、製糸性
の点から3〜40重量%が好ましく、更に好ましくは5
〜20重量%である。また、共重合ポリマを複合あるい
はブレンド成分として用いる場合は、吸湿特性等の点か
ら40〜99重量%が好ましく、さらに好ましくは50
〜90重量%、特に好ましくは55〜85重量%であ
る。
【0025】化合物(I)の分子量は、ポリエステルと
の相溶性およびポリエステル中の分散性の点で600〜
20000が好ましく、さらに好ましくは1000〜1
0000であり、特に好ましくは2000〜6000で
ある。これらの化合物は、大部分ポリエステル中に共重
合されている必要があるが、一部についてはポリマ中に
分散した状態で存在していてもよい。
の相溶性およびポリエステル中の分散性の点で600〜
20000が好ましく、さらに好ましくは1000〜1
0000であり、特に好ましくは2000〜6000で
ある。これらの化合物は、大部分ポリエステル中に共重
合されている必要があるが、一部についてはポリマ中に
分散した状態で存在していてもよい。
【0026】また、共重合ポリエステルには、本発明の
目的を損なわない範囲で酸化チタン、カーボンブラック
等の顔料、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の界面活性
剤、従来公知の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防
止剤等が添加されても勿論良い。本発明の共重合ポリエ
ステルを繊維形成性重合体に含有させた複合繊維とする
ことで、今までにない高い吸湿特性を持ち、かつ繊維形
成性重合体の繊維物性を損なわない合成繊維を得ること
ができる。
目的を損なわない範囲で酸化チタン、カーボンブラック
等の顔料、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の界面活性
剤、従来公知の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防
止剤等が添加されても勿論良い。本発明の共重合ポリエ
ステルを繊維形成性重合体に含有させた複合繊維とする
ことで、今までにない高い吸湿特性を持ち、かつ繊維形
成性重合体の繊維物性を損なわない合成繊維を得ること
ができる。
【0027】また、本発明において、繊維形成性重合体
として、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等のポリエステルが挙げられるが、これらに限定される
ものではない。好ましくは、衣料用合成繊維として最も
汎用性の高いポリエチレンテレフタレートを主体とする
ポリエステルである。
として、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等のポリエステルが挙げられるが、これらに限定される
ものではない。好ましくは、衣料用合成繊維として最も
汎用性の高いポリエチレンテレフタレートを主体とする
ポリエステルである。
【0028】合成繊維の形態として、単独繊維、芯鞘型
複合繊維、芯鞘型複合中空繊維、海島型複合繊維、張り
合わせ型複合繊維、あるいはブレンド繊維等があげら
れ、本発明の吸湿性ポリエステルを任意の割合で構成成
分として用いることができる。
複合繊維、芯鞘型複合中空繊維、海島型複合繊維、張り
合わせ型複合繊維、あるいはブレンド繊維等があげら
れ、本発明の吸湿性ポリエステルを任意の割合で構成成
分として用いることができる。
【0029】例えば、芯鞘型複合繊維および芯鞘型複合
中空繊維の場合、芯部の本発明の共重合ポリエステルの
複合比率(重量%)は、芯/鞘=5/95〜90/10
とすることが好ましい。さらに好ましくは、7/93〜
50/50、特に好ましくは10/90〜30/70で
ある。複合比率は、染色用途および染色なしの用途で任
意に選ぶことができる。芯部の複合比率の下限は十分な
吸湿性を付与する目的から設定され、複合繊維比率の上
限は紡糸性の低下や繊維物性の低下を防止する観点から
設定される。
中空繊維の場合、芯部の本発明の共重合ポリエステルの
複合比率(重量%)は、芯/鞘=5/95〜90/10
とすることが好ましい。さらに好ましくは、7/93〜
50/50、特に好ましくは10/90〜30/70で
ある。複合比率は、染色用途および染色なしの用途で任
意に選ぶことができる。芯部の複合比率の下限は十分な
吸湿性を付与する目的から設定され、複合繊維比率の上
限は紡糸性の低下や繊維物性の低下を防止する観点から
設定される。
【0030】また、海島型複合繊維あるいは張り合わせ
型複合繊維においても、用いる本発明の共重合ポリエス
テル(島成分あるいは1成分)の複合比率は5〜90重
量%が好ましい。さらに好ましくは7〜50重量%、特
に好ましくは10〜30重量%である。
型複合繊維においても、用いる本発明の共重合ポリエス
テル(島成分あるいは1成分)の複合比率は5〜90重
量%が好ましい。さらに好ましくは7〜50重量%、特
に好ましくは10〜30重量%である。
【0031】染色用途および染色なしの用途で任意に選
ぶことができる。複合比率の下限は十分な吸湿性を付与
する目的から設定され、複合繊維比率の上限は紡糸性の
低下や繊維物性の低下を防止する観点から設定される。
ぶことができる。複合比率の下限は十分な吸湿性を付与
する目的から設定され、複合繊維比率の上限は紡糸性の
低下や繊維物性の低下を防止する観点から設定される。
【0032】また、繊維形成性樹脂へ共重合ポリエステ
ルブレンドを配合した合成繊維の場合、本発明の共重合
ポリエステルの配合比率は全ポリマ量に対して3〜40
重量%とする必要がある。好ましくは5〜35重量%、
さらに好ましくは7〜30重量%である。配合比率の下
限は十分な吸湿性を付与する目的から設定され、配合比
率の上限は紡糸性の低下や繊維物性の低下を防止する観
点から設定される。
ルブレンドを配合した合成繊維の場合、本発明の共重合
ポリエステルの配合比率は全ポリマ量に対して3〜40
重量%とする必要がある。好ましくは5〜35重量%、
さらに好ましくは7〜30重量%である。配合比率の下
限は十分な吸湿性を付与する目的から設定され、配合比
率の上限は紡糸性の低下や繊維物性の低下を防止する観
点から設定される。
【0033】本発明において、繊維形成性重合体に複合
する主成分は、前記した共重合ポリエステルであるが、
その効果を損なわない範囲でポリオレフィン、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネート等を含んでいても
よい。また、繊維形成性重合体には、酸化チタン、カー
ボンブラック等の顔料のほか従来公知の抗酸化剤、着色
防止剤、耐光剤、帯電防止剤等が添加されても勿論良
い。
する主成分は、前記した共重合ポリエステルであるが、
その効果を損なわない範囲でポリオレフィン、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネート等を含んでいても
よい。また、繊維形成性重合体には、酸化チタン、カー
ボンブラック等の顔料のほか従来公知の抗酸化剤、着色
防止剤、耐光剤、帯電防止剤等が添加されても勿論良
い。
【0034】本発明において、共重合ポリエステル単独
繊維、あるいはポリエステルと上記共重合ポリエステル
を用いる複合繊維の製法としては、従来公知の方法で製
造することができるが、以下に代表して芯鞘型複合繊維
の製造法を示す。例えば、芯鞘複合繊維の場合、ポリエ
ステル(鞘部)と本発明の共重合ポリエステル(芯部)
をそれぞれ別々に溶融し、紡糸パックに導き口金装置内
で芯鞘複合流を形成し、吐出孔から紡出する。
繊維、あるいはポリエステルと上記共重合ポリエステル
を用いる複合繊維の製法としては、従来公知の方法で製
造することができるが、以下に代表して芯鞘型複合繊維
の製造法を示す。例えば、芯鞘複合繊維の場合、ポリエ
ステル(鞘部)と本発明の共重合ポリエステル(芯部)
をそれぞれ別々に溶融し、紡糸パックに導き口金装置内
で芯鞘複合流を形成し、吐出孔から紡出する。
【0035】紡出したフィラメント糸を所定の速度で引
取った後、一旦パッケージに巻上げ、得られた未延伸糸
を通常の延伸機にて延伸する。また、この延伸は紡出糸
を引取った後巻取ることなく連続して行って巻上げても
よいし、4000m/分以上の高速で引取り、実質的に
延伸することなく一挙に所望の繊維性能を得る方法をと
ってもよい。
取った後、一旦パッケージに巻上げ、得られた未延伸糸
を通常の延伸機にて延伸する。また、この延伸は紡出糸
を引取った後巻取ることなく連続して行って巻上げても
よいし、4000m/分以上の高速で引取り、実質的に
延伸することなく一挙に所望の繊維性能を得る方法をと
ってもよい。
【0036】直接紡糸延伸法としては、例えば、紡出糸
を1000〜5000m/分で引取り、引続いて300
0〜6000m/分で延伸・熱固定する方法が挙げられ
る。本発明の合成繊維の複合形態は、同心円状でも偏心
円状でも多島状でも良く、繊維断面形状は丸ばかりでな
く、三角、偏平、多葉型などの異形断面でも良い。ま
た、該合成繊維の糸状形態は、フィラメント、ステープ
ルのどちらでも良く、常法によって得ることができる。
布帛形態としては、織物、編物、不織布など目的に応じ
て適宜選択できる。
を1000〜5000m/分で引取り、引続いて300
0〜6000m/分で延伸・熱固定する方法が挙げられ
る。本発明の合成繊維の複合形態は、同心円状でも偏心
円状でも多島状でも良く、繊維断面形状は丸ばかりでな
く、三角、偏平、多葉型などの異形断面でも良い。ま
た、該合成繊維の糸状形態は、フィラメント、ステープ
ルのどちらでも良く、常法によって得ることができる。
布帛形態としては、織物、編物、不織布など目的に応じ
て適宜選択できる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、実施例中の各特性値は、次の方法によっ
て求めた。 A.ポリエステルの極限粘度[η] オルトクロロフェノール溶液とし、25℃で求めた。 B.ポリマおよび繊維の吸湿率差ΔMR
明する。なお、実施例中の各特性値は、次の方法によっ
て求めた。 A.ポリエステルの極限粘度[η] オルトクロロフェノール溶液とし、25℃で求めた。 B.ポリマおよび繊維の吸湿率差ΔMR
【0038】吸湿率は、ポリマの場合は、チップを約2
mm角の立方体上に裁断し、また繊維の場合は、原糸を
筒編地とし、絶乾時の重量と20℃×65%RHあるい
は30℃×90%RHの雰囲気下、恒温恒湿器(タバイ
製PR−2G)中に24時間放置後の重量との重量変化
から、次式で求めた。
mm角の立方体上に裁断し、また繊維の場合は、原糸を
筒編地とし、絶乾時の重量と20℃×65%RHあるい
は30℃×90%RHの雰囲気下、恒温恒湿器(タバイ
製PR−2G)中に24時間放置後の重量との重量変化
から、次式で求めた。
【0039】吸湿率(%)=〔(吸湿後の重量 − 絶
乾時の重量)/絶乾時の重量〕×100 上記測定した20℃×65%RHおよび30℃×90%
RHの条件での吸湿率(それぞれMR1およびMR2と
する)から、 吸湿率差ΔMR(%)=MR2−MR1 を求める。
乾時の重量)/絶乾時の重量〕×100 上記測定した20℃×65%RHおよび30℃×90%
RHの条件での吸湿率(それぞれMR1およびMR2と
する)から、 吸湿率差ΔMR(%)=MR2−MR1 を求める。
【0040】ここで吸湿率差ΔMRは、衣服着用時の衣
服内の湿気を外気に放出することにより快適性を得るた
めのドライビングフォ―スであり、軽〜中作業あるいは
軽〜中運動を行った際の30℃×90%RHに代表され
る衣服内温度と、20℃×65%RHに代表される外気
温湿度との吸湿率差である。
服内の湿気を外気に放出することにより快適性を得るた
めのドライビングフォ―スであり、軽〜中作業あるいは
軽〜中運動を行った際の30℃×90%RHに代表され
る衣服内温度と、20℃×65%RHに代表される外気
温湿度との吸湿率差である。
【0041】本発明では、吸湿性評価の尺度として、こ
のΔMRをパラメーターとして用いるが、ΔMRは大き
ければ大きいほど吸湿性が高く、着用時の快適性が良好
であることに対応する。実用上として着用快適性を得る
ためには、繊維として1%以上が好ましい。
のΔMRをパラメーターとして用いるが、ΔMRは大き
ければ大きいほど吸湿性が高く、着用時の快適性が良好
であることに対応する。実用上として着用快適性を得る
ためには、繊維として1%以上が好ましい。
【0042】C.強度、伸度 東洋ボールドウィン社製テンシロン引張り試験機を用い
て、試長20cm、引張り速度10cm/分の条件で測定した応
力−歪み曲線から値を求めた。
て、試長20cm、引張り速度10cm/分の条件で測定した応
力−歪み曲線から値を求めた。
【0043】実施例1 共重合ポリエステルとして、ジメチルテレフタル酸19
4部、エチレングリコール124部、酢酸マンガン0.
1部、及び三酸化アンチモン0.06部を加え、140
〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応
を行った後、リン酸トリメチル0.08部のエチレング
リコール溶液および分子量4000の前記化合物A2
1.3部、抗酸化剤としてIrganox 1010(チバガイキ
ー社製)0.2部、消泡剤としてシリコン0.2部を加
え、1.0mmHgの減圧下、250℃〜280℃に昇
温した条件下に4時間重合を行い、共重合ポリエステル
を得た。また、この共重合体に共重合された化合物Aの
割合は10wt%であった。得られた共重合ポリエステ
ルの吸湿率ΔMRは2.4%であった。
4部、エチレングリコール124部、酢酸マンガン0.
1部、及び三酸化アンチモン0.06部を加え、140
〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応
を行った後、リン酸トリメチル0.08部のエチレング
リコール溶液および分子量4000の前記化合物A2
1.3部、抗酸化剤としてIrganox 1010(チバガイキ
ー社製)0.2部、消泡剤としてシリコン0.2部を加
え、1.0mmHgの減圧下、250℃〜280℃に昇
温した条件下に4時間重合を行い、共重合ポリエステル
を得た。また、この共重合体に共重合された化合物Aの
割合は10wt%であった。得られた共重合ポリエステ
ルの吸湿率ΔMRは2.4%であった。
【0044】該共重合ポリエステルを溶融し、同心円口
金から吐出して未延伸糸を得、次いで延伸、熱処理する
ことにより、75デニール、24フィラメントの同心円
合成繊維を得た。この繊維を筒編みとし、精練後の筒編
地の吸湿特性を測定したところ、ΔMR=2.4%であ
り、強伸度特性も良好であった。 実施例2〜5、比較例1 実施例1において、共重合ポリエステル中の化合物Aの
共重合比率を変更させた以外は、実施例1と同様な方法
により共重合ポリエステルを得た。
金から吐出して未延伸糸を得、次いで延伸、熱処理する
ことにより、75デニール、24フィラメントの同心円
合成繊維を得た。この繊維を筒編みとし、精練後の筒編
地の吸湿特性を測定したところ、ΔMR=2.4%であ
り、強伸度特性も良好であった。 実施例2〜5、比較例1 実施例1において、共重合ポリエステル中の化合物Aの
共重合比率を変更させた以外は、実施例1と同様な方法
により共重合ポリエステルを得た。
【0045】また、比較例1においては、吸湿特性が低
くなった。
くなった。
【0046】
【表1】
【0047】実施例6〜11 実施例1において、化合物Aの分子量を変更する以外
は、実施例1と同様な方法により共重合ポリエステルを
得た。実施例1と同様に繊維化して繊維特性を表2にま
とめた。化合物Aの分子量が高くなると(実施例11)
ΔMRが低くなる傾向にある。
は、実施例1と同様な方法により共重合ポリエステルを
得た。実施例1と同様に繊維化して繊維特性を表2にま
とめた。化合物Aの分子量が高くなると(実施例11)
ΔMRが低くなる傾向にある。
【0048】
【表2】
【0049】実施例12 共重合ポリエステルとして、ジメチルテレフタル酸19
4部、エチレングリコール124部、およびテトラブチ
ルチタネート0.1部を加え、140〜230℃でメタ
ノールを留出しつつエステル交換反応を行った後、リン
酸トリメチル0.08部のエチレングリコール溶液およ
び分子量4000の化合物A288部、抗酸化剤として
Irganox 1010(チバガイキー社製)0.2部、消泡剤
としてシリコン0.2部、およびテトラブチルチタネー
ト0.1部を加え、1.0mmHgの減圧下、250℃
の条件下に4時間重合を行い、共重合ポリエステルを得
た。また、この共重合体に共重合された化合物Aの割合
は60wt%であった。得られた共重合ポリエステルの
吸湿率△MRは28%であった。
4部、エチレングリコール124部、およびテトラブチ
ルチタネート0.1部を加え、140〜230℃でメタ
ノールを留出しつつエステル交換反応を行った後、リン
酸トリメチル0.08部のエチレングリコール溶液およ
び分子量4000の化合物A288部、抗酸化剤として
Irganox 1010(チバガイキー社製)0.2部、消泡剤
としてシリコン0.2部、およびテトラブチルチタネー
ト0.1部を加え、1.0mmHgの減圧下、250℃
の条件下に4時間重合を行い、共重合ポリエステルを得
た。また、この共重合体に共重合された化合物Aの割合
は60wt%であった。得られた共重合ポリエステルの
吸湿率△MRは28%であった。
【0050】該共重合ポリエステルを芯成分とし、極限
粘度0.70のポリエチレンテレフタレートを鞘成分と
して別々に溶融し、同心円芯鞘複合口金から芯/鞘比率
(重量比)=15/85になるように吐出して未延伸糸
を得、次いで延伸、熱処理することにより、75デニー
ル、24フィラメントの同心円芯鞘複合繊維を得た。こ
の繊維を筒編みとし、精練後の筒編地の吸湿特性を測定
したところ、ΔMR=2.8%であった。
粘度0.70のポリエチレンテレフタレートを鞘成分と
して別々に溶融し、同心円芯鞘複合口金から芯/鞘比率
(重量比)=15/85になるように吐出して未延伸糸
を得、次いで延伸、熱処理することにより、75デニー
ル、24フィラメントの同心円芯鞘複合繊維を得た。こ
の繊維を筒編みとし、精練後の筒編地の吸湿特性を測定
したところ、ΔMR=2.8%であった。
【0051】実施例13〜17 実施例12において化合物Aの含有量を変更する以外は
実施例12と同様な方法により共重合ポリエステルを得
た。実施例12と同様に繊維化して繊維特性を表3にま
とめた。
実施例12と同様な方法により共重合ポリエステルを得
た。実施例12と同様に繊維化して繊維特性を表3にま
とめた。
【0052】
【表3】
【0053】実施例18〜22 実施例12で得られた共重合ポリエステルを芯成分と
し、実施例12と同様に極限粘度0.70のポリエチレ
ンテレフタレートを鞘成分として別々に溶融し、同心円
芯鞘複合口金から芯鞘複合比を変更して未延伸糸を得、
次いで延伸、熱処理することにより、75デニール、2
4フィラメントの同心円芯鞘複合繊維を得た。
し、実施例12と同様に極限粘度0.70のポリエチレ
ンテレフタレートを鞘成分として別々に溶融し、同心円
芯鞘複合口金から芯鞘複合比を変更して未延伸糸を得、
次いで延伸、熱処理することにより、75デニール、2
4フィラメントの同心円芯鞘複合繊維を得た。
【0054】繊維特性を表4にまとめたが、芯比率を上
げるとともに、ΔMRは向上するが、強伸度の低下が認
められるようになる。
げるとともに、ΔMRは向上するが、強伸度の低下が認
められるようになる。
【0055】
【表4】
【0056】実施例23〜27 実施例1で得られる共重合ポリエステルを、極限粘度
0.70のポリエチレンテレフタレートに重量比を適宜
変更してエクストルーダーに同時に溶融混合し、これを
円状の口金より吐出して未延伸糸を得、次いで延伸、熱
処理することにより、75デニール、24フィラメント
のポリエステル繊維を得た。
0.70のポリエチレンテレフタレートに重量比を適宜
変更してエクストルーダーに同時に溶融混合し、これを
円状の口金より吐出して未延伸糸を得、次いで延伸、熱
処理することにより、75デニール、24フィラメント
のポリエステル繊維を得た。
【0057】繊維特性を表5にまとめたが、ブレンド比
率を上げるとともに、ΔMRは向上するが、強伸度の低
下が認められるようになる。
率を上げるとともに、ΔMRは向上するが、強伸度の低
下が認められるようになる。
【0058】
【表5】
【0059】
【発明の効果】上述したように、本発明によって得られ
た共重合ポリエステルは、非常に高い吸湿特性を有して
おり、またそれを用いた合成繊維は、着用快適性を得る
のに十分な吸湿性を有し、かつドライタッチな風合いと
高い染色堅牢性や耐光性を有している。本発明の合成繊
維は、下着、シャツ・ブラウス類、中衣、スポーツウェ
ア、スラックス類、外衣、裏地、さらには、シーツ、フ
トンカバー等の寝装用に適しており、極めて実用性の高
いものである。
た共重合ポリエステルは、非常に高い吸湿特性を有して
おり、またそれを用いた合成繊維は、着用快適性を得る
のに十分な吸湿性を有し、かつドライタッチな風合いと
高い染色堅牢性や耐光性を有している。本発明の合成繊
維は、下着、シャツ・ブラウス類、中衣、スポーツウェ
ア、スラックス類、外衣、裏地、さらには、シーツ、フ
トンカバー等の寝装用に適しており、極めて実用性の高
いものである。
【図1】本発明による芯鞘型複合中空繊維の横断面図で
ある。
ある。
1 (本発明の)共重合ポリエステル 2 繊維形成性ポリエステル 3 中空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 敏弘 静岡県三島市4845番地 東レ株式会社三島 工場内 (72)発明者 中川 正男 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも一種の二官能性芳香族ジカル
ボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、少なくとも
一種のジオール化合物とからなる共重合ポリエステルで
あって、下記一般式 【化1】 (式中、R1、R2、R3は、それぞれが同じであって
も、異なってもよい炭素数2〜4のアルキレン基であ
り、1≦k+l+m≦450、R4、R5は、それぞれ
が同じであっても、異なってもよい水素あるいは炭素数
1〜10のアルキル基、R6、R7は水素あるいはアル
キレン基、X、Yはアミノ基、スルホン酸基、アミド
基、カルボキシル基、水酸基及びホスホン酸基およびこ
れらの誘導体の中から選ばれる1つの極性基を表す。)
で示される化合物を含有することを特徴とする吸湿性に
優れた共重合ポリエステル。 - 【請求項2】 前記一般式で示す化合物が全ポリマ重量
に対して3〜90重量%共重合されている請求項1に記
載の吸湿性に優れた共重合ポリエステル。 - 【請求項3】 前記一般式で示す化合物の分子量が60
0〜20000である請求項1または2に記載の吸湿性
に優れた共重合ポリエステル。 - 【請求項4】 請求項1〜3いずれか1項に記載の共重
合ポリエステルからなる吸湿性に優れた合成繊維。 - 【請求項5】 繊維形成性重合体および請求項1〜3い
ずれか1項に記載の共重合ポリエステルを構成成分とし
て用いた吸湿性に優れた複合繊維。 - 【請求項6】 共重合ポリエステルの含有量が全ポリマ
重量に対し3〜40重量%である請求項5に記載の吸湿
性に優れた合成繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8310498A JPH11279384A (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 吸湿性に優れた共重合ポリエステルおよびそれを用いた吸湿性合成繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8310498A JPH11279384A (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 吸湿性に優れた共重合ポリエステルおよびそれを用いた吸湿性合成繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11279384A true JPH11279384A (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=13792898
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8310498A Pending JPH11279384A (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 吸湿性に優れた共重合ポリエステルおよびそれを用いた吸湿性合成繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11279384A (ja) |
-
1998
- 1998-03-30 JP JP8310498A patent/JPH11279384A/ja active Pending
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