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JPH11169870A - ポリアリーレンスルフィド製造時の排水処理方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド製造時の排水処理方法

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Publication number
JPH11169870A
JPH11169870A JP9346306A JP34630697A JPH11169870A JP H11169870 A JPH11169870 A JP H11169870A JP 9346306 A JP9346306 A JP 9346306A JP 34630697 A JP34630697 A JP 34630697A JP H11169870 A JPH11169870 A JP H11169870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyarylene sulfide
compound
waste water
wastewater
production
Prior art date
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Pending
Application number
JP9346306A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Furusawa
高志 古沢
Toshio Inoue
敏夫 井上
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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  • Removal Of Specific Substances (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアリーレンスルフィド製造時の着色排水
を脱色させる簡便な排水処置方法を提供すること。 【解決手段】 有機極性溶媒中でアルカリ金属硫化物と
ポリハロ芳香族化合物とを反応させて得られたポリアリ
ーレンスルフィドを含有する重合体スラリーからポリア
リーレンスルフィドを単離精製する工程において排出さ
れる着色排水に、好ましくはpHを7〜10に調整した
着色排水に次亜塩素酸化合物、例えば次亜塩素酸ナトリ
ウムを添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアリーレンス
ルフィド製造時の排水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアリーレンスルフィドの製造工程に
おいては、大量の水を用いてポリマー中の硫黄系未反応
モノマー(Na2S 等)や副生成する塩(NaCl等)
を洗浄除去する方法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した工程
より排出される排水は著しく着色しており、そのままで
は廃棄できず、さらに大量の水で希釈して廃棄されてい
る。本発明の課題は、ポリアリーレンスルフィド製造時
の着色排水を脱色させる簡便な排水処置方法を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上述した着
色排水の脱色方法について鋭意検討した結果、着色排水
に次亜塩素酸化合物を添加すると、容易に脱色されるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、 (1) 有機極性溶媒中でアルカリ金属硫化物とポリハ
ロ芳香族化合物とを反応させて得られたポリアリーレン
スルフィドを含有する重合体スラリーからポリアリーレ
ンスルフィドを単離精製する工程において排出される着
色排水に次亜塩素酸化合物を添加することを特徴とする
ポリアリーレンスルフィド製造時の排水処理方法、およ
【0006】(2) 前記排水のpHを7〜10に調整
した後、次亜塩素酸化合物を添加する上記(1)記載の
排水処理方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。ポリアリーレンスルフィドの重合方法については、
当該業者周知の方法であればかまわない。それらの例と
しては、 (1)アルカリ金属硫化物、特に結晶水を有する硫化ナ
トリウム(以下、含水硫化ナトリウムと略称する)を有
機極性溶媒中で加熱して該含水硫化ナトリウムが含有す
る水を除去し、そこへジクロルベンゼンを加えて加熱重
合させる方法(米国特許第3,354,129号公報
等)、
【0008】(2)有機極性溶媒、含水アルカリ金属硫
化物、ジハロ芳香族化合物等の原料を一括して仕込み、
反応系を昇温しながら脱水し、更に脱水を継続しながら
重合反応させる方法(特開昭59−105027号公
報)、
【0009】(3)ジハロ芳香族化合物(芳香族トリハ
ロ芳香族化合物またはテトラハロ芳香族化合物を少量含
んでいても良い)及び有機極性溶媒の混合物に、150
℃以上で含水アルカリ金属硫化物を水が反応混合物から
除去され得る速度で導入し、重合反応を行う方法(特開
昭60−104130号公報)、等が挙げられる。
【0010】この様にして得られた重合体スラリーから
のポリアリーレンスルフィドの単離精製としては、例え
ば (1)重合終了時にまず重合体スラリーをそのまま、あ
るいは酸または塩基を加えた後、減圧下または常圧下で
加熱して溶媒だけを留去し、ついで缶残固形物を水、ア
セトン、メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒
で洗浄、あるいはさらに中和、洗浄する方法、
【0011】(2)重合終了後に重合体スラリーに水、
アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類、エーテ
ル類、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族炭
化水素などの溶媒(使用した重合溶媒に可溶であり、か
つ少なくとも生成した重合体に対しては貧溶媒であるも
の)を沈降剤として添加し、重合体を沈降させ、それを
濾別、洗浄する方法(これらの場合の「洗浄」は、抽出
の形で実施することができる)、
【0012】(3)重合体スラリーをそのまま、あるい
は重合体スラリーに反応溶媒(もしくはそれと同等の低
分子重合体の溶解度を有する溶媒)、または反応溶媒及
び酸あるいはアルカリを加えて撹拌した後、ろ別して低
分子量重合体を除き、水、アセトン、メチルエチルケト
ン、アルコール類などの溶媒で洗浄、あるいはさらに中
和、洗浄する方法、等が挙げられる。
【0013】上述した単離精製工程からの排出液中に、
重合溶媒や洗浄溶媒としての有機化合物を含有している
場合は、蒸留により分離され、溶媒及び有機化合物は回
収される。一方、無機塩等を含有した水溶液は排水とし
て処理される。この排水中には、未反応モノマーである
アルカリ金属硫化物やアルカリ金属硫化物が重合中に変
化したポリスルフィド等が残存しており、これらが原因
と推定されるかなりの着色が見られる。この着色排水に
次亜塩素酸化合物を添加することによって、着色原因と
推定される物質がチオ硫酸ナトリウムへ酸化され、退色
するものと推定している。上述した着色現象は、単離精
製工程で酸等を使用すると着色が特に激しく、この様な
場合においても次亜塩素酸化合物の添加による退色効果
は顕著である。
【0014】本発明の廃水処理方法で用いる次亜塩素酸
化合物としては、次亜塩素酸ナトリウム及び次亜塩素酸
カリウムで挙げられるが、これらはそれぞれ単独で用い
てもよいし、2種を混合して用いてもよい。この時使用
する次亜塩素酸化合物の形状は固形、水溶液のいずれで
も良い。入手のしやすさや次亜塩素酸化合物の安定性の
面から次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いるのが好まし
い。その添加量は、着色排水として排出可能な着色度に
なる量であればかまわない。一般に添加濃度としては、
有効塩素12重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を前記
着色排水に1〜30重量%になるように添加する。
【0015】次に次亜塩素酸化合物添加による脱色効果
は、着色排水のpHが低いほど添加量が少なくなる。一
般に上述した工程で排出される排水は、強アルカリ性
(pH10〜14)を示しており、そのpHで次亜塩素
酸化合物を添加してもよいが、塩酸や硫酸等でpHを7
〜10に調整した後、添加した方が、次亜塩素酸化合物
の添加量が少なくて済み、経済的にも好適である。しか
し、排水のpHが7未満であると次亜塩素酸化合物の添
加によって塩素ガスが発生するので好ましくない。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものでは
ない。
【0017】参考例1 4リットルのオートクレーブにN−メチルピロリドン
(NMP)1260g、結晶水含有水硫化ナトリウム
(NaSH・xH2O) 309.3g(4.00mo
l)を仕込、アルカリトラップを装備し、窒素雰囲気
下、開放系において昇温を始め、100℃であらかじめ
水酸化ナトリウム 164.8g(4.12 mol)を
水178.5gに溶かしておいた水溶液を加え、さらに
昇温を続けた。145℃付近で水−NMP−H2S 混合
物が留出を始め、200℃まで留出させた。このとき留
出した水は234.1g、NMPは61.2g、H2
は69.65mmolであった。ついでこの系を密閉し
て220℃まで昇温してp−ジクロロベンゼン577.
7g(3.93 mol)をNMP359.5gに溶か
した溶液を圧入添加した。そして窒素雰囲気、加圧下で
220℃で4時間、その後260℃に昇温して1時間反
応し反応終了後冷却して重合体スラリーを得た。
【0018】実施例1 参考例1で得られた重合体スラリー300gを減圧下加
熱し、NMPを留去して得られた缶残固形物に水250
gを添加して攪拌し濾別した後、さらに水250gで洗
浄した。このとき排出したろ液は、pHが13で黄褐色
(ガードナーカラー値10)に着色していた。そこに有
効塩素12重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、該水
溶液濃度が15重量%となるように添加したところ、ろ
液は薄い黄色(ガードナーカラー値4)となった。以
下、次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、有効塩素12重量
%のものを使用した。
【0019】実施例2 実施例1で得られたろ液に0.1mol/dm3の塩酸
を添加してpHを9に調整した後、有効塩素12重量%
次亜塩素酸ナトリウム水溶液をガードナーカラー値4と
なるまで添加したところ、添加後のろ液の次亜塩素酸ナ
トリウム水溶液濃度は5重量%であった。
【0020】実施例3 参考例1で得られた重合体スラリー300gを1Kgの
水中に投入し、水洗、濾過を行った。この時の排出ろ液
を減圧蒸留し、NMPを回収した。蒸留後の釜残固形物
に水500gを添加したところ、この水溶液はpHが1
3で濃い黄色(ガードナーカラー値8)に着色してい
た。この水溶液に有効塩素12重量%次亜塩素酸ナトリ
ウム水溶液を、該水溶液濃度が3重量%となるように添
加したところ、薄い黄色(ガードナーカラー値4)とな
った。
【0021】実施例4 重合体スラリー300gに硫酸1.00gを添加して1
20℃でろ過を行ない、ろ残とNMPろ液を得た。ろ残
は、水250g中に投入し、攪拌後、ろ別した後、さら
に水250gで洗浄してろ残とろ液を得た。NMPろ液
(酸性)とろ液(アルカリ性)を混合したところ、沈殿
物(低分子量重合体)があった。この混合液(pH4)
を水酸化ナトリウムでアルカリ性にして、次いでこのろ
液を蒸留してNMPを留去した。蒸発乾固した残渣に水
を加えて不溶分をろ過除去した。この様にして得られた
ろ液(pH11)は、濃褐色(ガードナーカラー値1
8)をしていた。このろ液に有効塩素12重量%次亜塩
素酸ナトリウム水溶液を、該水溶液濃度が15重量%と
なるように添加したところ、薄い黄色(ガードナーカラ
ー値4)となった。
【0022】実施例5 実施例3で得られたろ液(pH13)に0.1mol/
dm3の塩酸を添加してpHを9に調整した後、有効塩
素12重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液をガードナー
カラー値4となるまで添加したところ、添加後のろ液の
次亜塩素酸ナトリウム水溶液濃度は8重量%であった。
【0023】
【発明の効果】本発明の排水処理方法によれば、着色排
水の脱色が容易である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機極性溶媒中でアルカリ金属硫化物と
    ポリハロ芳香族化合物とを反応させて得られたポリアリ
    ーレンスルフィドを含有する重合体スラリーからポリア
    リーレンスルフィドを単離精製する工程において排出さ
    れる着色排水に次亜塩素酸化合物を添加することを特徴
    とするポリアリーレンスルフィド製造時の排水処理方
    法。
  2. 【請求項2】 前記排水のpHを7〜10に調整した
    後、次亜塩素酸化合物を添加する請求項1記載の排水処
    理方法。
JP9346306A 1997-12-16 1997-12-16 ポリアリーレンスルフィド製造時の排水処理方法 Pending JPH11169870A (ja)

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