JPH10132593A - 車載用ナビゲーション装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ユーザの実走により得られた情報を利用する。 【解決手段】ユーザが自動車を走行させると、そのとき
に得られる経路や所要時間等の走行情報がディスクに書
き込まれる。その後、ユーザにより操作キー１１により
目的地点の入力が行われると、まずディスクのＩＤの確
認がなされ、演算回路５により現在位置の情報が算出さ
れる（ステップ５１，５３）。続いて、過去の走行情報
の中から出発地点、目的地点等が完全又は一部一致する
データが検索される（ステップ５４，５５）。検索され
た経路の中から最短時間で目的地点に到着しているもの
が最短時間経路として決定され（ステップ５７）、ディ
スプレイに表示される（ステップ５８）。本発明ではユ
ーザが実際に走行したときの情報を活用することにより
道路事情に対応した高精度な最短時間経路を求めること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は車載用ナビゲーショ
ン装置に関する。詳しくは、自車の走行情報（走行履
歴）を記録する情報記録手段を設け、記録された過去の
走行情報に基づいて道路事情に対応した高精度な最短時
間経路を算出することができる車載用ナビゲーション装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、自動車に搭載されるナビゲーショ
ン装置として種々のものが開発されている。例えば、全
地球測位システム（ＧＰＳ（Global Positioning Syste
m））に基づいて自車位置を判別し、この自車位置の近
傍の道路地図をＣＤ−ＲＯＭ装置の如き大容量記憶装置
から読み出して、自車位置をＣＲＴの画面に地図情報と
共に表示させるものがある。

【０００３】ＧＰＳとは複数の人工衛星から発射された
電波が受信点に到達するのに要する時間を測定し、衛星
軌道からの距離に基づいて現在位置を求めるシステムで
ある。このＧＰＳは他の測位センサと比較して安価でか
つ精度が高いことから、多くの車載用ナビゲーション装
置に適用されている。

【０００４】また、現在市販されている車載用ナビゲー
ション装置には経路自動探索機能が備わっている。すな
わち、ユーザが目的地点を設定すれば、ＧＰＳにより求
められた現在位置に基づいて目的地点までの最短時間経
路が算出され、これがＣＲＴの表示地図上に表示され
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の車載
用ナビゲーション装置では最短時間経路が地図上の距離
や規制速度等の情報に基づいて計算される。しかし、実
際に目的地点に到達するまでの時間は交通事情や時間帯
等により変動する流動的なものである。

【０００６】このため、ＣＲＴに表示された最短時間経
路を走行しても、必ずしも表示された時間で到着しない
場合が多い。さらに、ＣＲＴに表示された経路に渋滞等
があり、遠回りである別の経路を走行した場合が早く到
着することも考えられる。

【０００７】このようなことから最短時間経路を道路事
情に対応させるべく、ＦＭ電波等を通じて提供される交
通情報を加味して最短時間経路を算出することも考えら
れる。しかし、このような交通情報は主要幹線道路のみ
について提供されるものであり、幹線道路以外の道路を
走行する場合には必ずしも道路事情に対応した最短時間
経路が算出されるとは限らない。

【０００８】一方、ユーザが自動車で実際に走行するこ
とによって、混雑する箇所の通過所要時間、混雑を回避
する迂回路等に関する情報が経験的に得られる。しか
し、従来の車載用ナビゲーション装置のＣＤ−ＲＯＭ装
置は再生専用であるため、このような情報は記録され
ず、ユーザが同一経路を再度走行するときに利用される
ことはなかった。

【０００９】そこで、本発明は上述したような課題を解
決したものであって、ユーザの実走により得られた情報
に基づいて、道路事情に対応したより正確な最短時間経
路を求めることができる車載用ナビゲーション装置を提
案するものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明においては、現在位置を算出する演算処理手
段と、道路地図情報による道路地図を表示すると共にこ
の道路地図上に現在位置を表示する表示手段と、地図情
報が再生されると共に走行情報が記録される情報記録再
生手段とを有し、目的地点が設定されると、記録された
走行情報に基づいて最短時間経路が算出され、表示手段
に最短時間経路が表示されるようにしたことを特徴とす
るものである。

【００１１】ユーザが自動車を走行させると、そのとき
の経路や所要時間等の走行情報が情報記録再生手段によ
って記録される。その後、ユーザにより目的地点の入力
が行われると、演算処理手段により現在位置の情報が算
出される。続いて、過去の走行情報の中から出発地点、
目的地点等が完全又は一部一致するデータが検索され
る。検索された経路の中から最短時間で目的地点に到着
しているものが最短時間経路として決定され、表示手段
に表示される。

【００１２】

【発明の実施の形態】続いて、本発明に係る車載用ナビ
ゲーション装置の実施の形態について、図面を参照して
詳細に説明する。

【００１３】図１は本例のナビゲーション装置１の構成
を示すブロック図である。このナビゲーション装置１は
記録及び再生用のディスク装置（情報記録再生手段）
２、例えばＭＤ（ミニディスク）ドライブを有する。こ
のディスクにはベクトルデータ化された道路地図情報が
記憶され、また後述するようにユーザが実際に走行した
際に得られた各情報も書き込まれる。

【００１４】ディスク装置２はディスクコントローラ３
の指令に基づいて、ディスクから地図情報を読み出し、
これをバッファメモリ４を介して演算回路（演算処理手
段）５に供給する。一方、ＧＰＳレシーバ６は複数の人
工衛星から送信される信号（航法メッセージ）を受信
し、これに含まれる時刻データを解読する。この時刻デ
ータは各衛星が保持するＧＰＳ時（原子時計が刻む時
刻）に基づくものであり、演算回路５に供給される。

【００１５】この演算回路５では、供給された時刻デー
タと内蔵時計の現在時刻の差から人工衛星と自車との距
離を算出する。このように自車に対する複数の人工衛星
との距離を算出することにより、地球上における自車の
現在位置が特定される。

【００１６】算出された現在位置情報はディスプレイコ
ントローラ７に供給される。このディプレイコントロー
ラ７は、システムコントローラ８からの指令に基づい
て、ディスク装置２からバッファメモリ４を介して供給
される道路地図情報により道路地図をディスプレイ装置
（表示手段）９に表示させ、また現在位置情報に基づい
てこの表示地図上に現在の自車位置を表示させる。

【００１７】ここで、ユーザの走行による走行情報（走
行履歴）の記録動作について説明する。まず、ユーザが
記録用のディスクをディスク装置２に装着する。このと
き、ディスクのＩＤが読み出され記憶される。次回のデ
ィスクの装着時にはそのディスクのＩＤと記憶されてい
るＩＤとの照合が行われる。これは１枚のディスクに対
して記録を継続するために、異なるディスクが装着され
た場合に所定の表示を行ってユーザに注意を促すためで
ある。

【００１８】そして、ユーザが操作キー１１を通じて目
的地点の設定を行う。自動車が実際に走行を開始する
と、自車の位置、走行速度、日付、時刻等のデータがバ
ッファメモリ４を介してディスク装置２で記録される。
このようにユーザが走行を行うことによって、ディスク
装置２に装着されたディスクには走行情報が蓄積され
る。

【００１９】次に、蓄積された走行情報に基づく最短時
間経路を求める演算回路５の判断動作を図２のフローチ
ャートを参照して説明する。ユーザにより操作キー１１
により目的地点の入力が行われると、まずディスク装置
２に装着されたディスクのＩＤが適正か否かが判断され
（ステップ５１）、設定されているＩＤと異なっていた
場合には、ディスクが異なる旨の表示がなされる（ステ
ップ５２）。

【００２０】ディスクのＩＤが適正である場合は演算回
路５により現在位置の情報が算出され、出発地点として
設定される（ステップ５３）。続いて、過去の走行情報
の中から出発地点、目的地点、休日又は平日、時間帯が
完全一致するデータが検索される（ステップ５４）。

【００２１】ここで、休日平日と時間帯に関するデータ
を考慮するのは、休日と平日とでは著しく交通事情が異
なり、また時間帯については朝夕に混雑が集中するのが
一般的であるため、このようなデータを考慮しなければ
実情に合った最短時間経路を算出できないからである。
なお、豪雪地方や観光地等のような一定の地域では季節
や天候によっても交通事情が異なるため、季節又は天候
に関する事項を検索条件に加えてもよい。

【００２２】また、ステップ５４で完全一致するデータ
が存在しなかった場合には、経路の一部が一致し、休日
又は平日、時間帯が一致するデータを検索する（ステッ
プ５５）。これは、異なる日に走行したときに記録され
た複数のデータを結合すれば、最短時間経路を求めるこ
とができる場合があるからである。

【００２３】一部一致する経路に関するデータが複数存
在していた場合はそれらを結合して、出発地点から目的
地点に至る経路が構成できるか否かが判断される（ステ
ップ５６）。一部一致する経路に関するデータが存在し
ない場合又は経路が構成できない場合は、該当データが
存在しない旨の表示がなされる（ステップ５２）完全一
致する経路についてのデータが存在していた場合又は複
数のデータから経路を構成することができた場合は、そ
の経路の中から最短時間で目的地点に到着しているもの
を最短時間経路として決定する（ステップ５７）。

【００２４】そして、この決定された最短時間経路がデ
ィスプレイの表示地図上に表示される（ステップ５
８）。このとき表示された地図上に道路の色と異なる色
で経路を表示する。これによってユーザは一見して経路
を把握することができる。

【００２５】同時にディスプレイの隅に予想される所要
時間が表示される。なお、同一の経路を複数回にわたっ
て走行したデータが記録されている場合は、これらの実
走時間の平均を予想所要時間として表示してもよい。

【００２６】このようにユーザが実際に自動車で走行し
たときの混雑する幹線道路の通過時間、混雑を回避する
迂回路等に関する情報をディスクに記録しておくことに
よって、ユーザが同一経路を再度走行するときはこの情
報に基づいて道路事情に対応した最短時間経路を求める
ことが可能となる。

【００２７】特に、ユーザが自動車で通勤する場合や一
定の顧客に対して定期的に配送を行う場合では出発地
点、目的地点及び時間帯がほぼ同一であるため、より高
精度な最短時間経路を求めることができる。

【００２８】なお、ユーザが操作キー１１を操作するこ
とにより表示された最短時間経路を画面から消去し、２
番目以降の経路を順次表示させるようにしてもよい。こ
の場合、ユーザが上位の複数の経路を比較して、自己の
経験により最短時間経路を決定することができる。

【００２９】また、ディスクに記録されたデータを選択
して消去する機能を設け、道路幅の拡張やバイバスの開
通により道路事情に合致しなくなったデータや日付の古
いデータを消去すれば、誤った最短時間経路が算出され
るのを防止することができる。

【００３０】さらに、ステップ５６において出発地点か
ら目的地点に至る経路が構成できない場合であっても、
データがある区間についてはそれに基づく所要時間を採
用し、データがない区間については地図上の距離及び規
制速度等により所要時間を算出して、これらを結合する
ことによって一定の精度で最短時間経路を求めることも
可能である。

【００３１】この場合、ディスプレイ装置９にはデータ
がある区間とデータのない区間を色が異なるように表示
する。これによって、表示された最短時間経路の精度に
関する客観的な判断材料をユーザに提供することができ
る。

【００３２】ところで、上述した最短時間経路を求める
処理について、例えば道路交通情報通信システム（ＶＩ
ＣＳ（Vehicle Information and Communication Syste
m））による交通情報を考慮すれば、より高精度な最短
時間経路が求められる。この交通情報はＦＭ電波等を通
じて提供される。

【００３３】図３はＶＩＣＳを利用したナビゲーション
装置２１の構成を示すブロック図である。このナビゲー
ション装置２１の構成は図１の例とほぼ同様であるが、
さらにＶＩＣＳレシーバー（交通情報受信手段）２２を
備えている。このＶＩＣＳレシーバ２２はＦＭ多重放送
等により提供される交通情報を受信するものである。受
信されたＶＩＣＳ情報は演算回路５に供給されて、最短
時間経路を求める処理に利用される。

【００３４】図４は、蓄積された走行情報及び交通情報
に基づく最短時間経路を求める演算回路５の判断動作を
示したものである。同図において過去に走行した経路に
ついてのデータから完全一致又は一部一致のデータを検
索するまでは同一の処理である（ステップ５１〜５
６）。

【００３５】次に、検索された複数の経路について、Ｆ
Ｍ多重放送等により提供される例えば渋滞、事故、工
事、交通規制等についての交通情報の中から、各経路に
ついて該当する渋滞又は障害情報があるか否かを判断す
る（ステップ７１）。

【００３６】ある経路の一部区間について渋滞又は障害
があった場合、ＶＩＣＳ情報による通過所要時間に基づ
いてその経路全行程の所要時間を修正する（ステップ７
２）。なお、経路のいずれの区間にも該当する渋滞又は
障害がなかった場合は、通過所要時間は修正しない。

【００３７】その上で、その経路の中から最短時間で目
的地点に到着しているものを最短時間経路として決定す
る（ステップ７３）。この決定された最短時間経路が予
想される所要時間と共にディスプレイの表示地図上に表
示される（ステップ７４）。

【００３８】このように本発明ではユーザが過去に走行
したときのデータに加えて、更に交通情報を利用するこ
とにより、道路事情に対応した高精度な最短時間経路を
求めることができる。

【００３９】本発明に係る車載用ナビゲーション装置
１，２１は可搬性を有するディスクを記録媒体として利
用しているので、他車で記録されたディスクを自車のデ
ィスク装置に装着すれば容易に他車の走行情報を利用す
ることができる。従って、未だ走行したことのない経路
であっても、最短時間経路を容易に辿ることが可能であ
る。

【００４０】また、運送会社やタクシー会社のように多
数の自動車を同時に運行させている場合、各車のナビゲ
ーション装置に通信装置を接続し、電波を利用して相互
間で走行情報を転送してもよい。この場合、同一経路を
直前に通過した他車のデータを活用することにより、リ
アルタイムで高精度な最短時間経路が求められる。

【００４１】さらに、通信装置により転送された走行情
報を別のコンピュータで一括管理してもよい。この場
合、最短時間経路の算出のみならず、自動車の運行管
理、例えば燃費やメンテナンスの管理を容易に行うこと
ができる。

【００４２】なお、本発明では現在位置の算出にＧＰＳ
を用いたが、慣性航法による現在位置を特定してもよ
い。また、ディスク装置２としてＭＤドライブを使用し
たが、他の情報記録再生装置、例えばＰＤドライブ等で
あってもよい。

【００４３】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、自車の走
行情報を記録する情報記録手段を設け、過去の走行情報
に基づいて最短時間経路を算出するようにしたものであ
る。

【００４４】従って本発明によれば、ユーザが実際に自
動車で走行することによって得られた渋滞箇所の通過所
要時間、混雑を回避する迂回路等に関する情報に基づい
て最短時間経路が決定されるので、道路事情に対応した
高精度な最短時間経路を算出することが可能となる。ま
た、交通情報等を考慮した場合にはさらに高精度な最短
時間経路を算出することが可能となる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る第１の実施の形態であるナビゲー
ション装置１の構成を示すブロック図である。

【図２】第１の実施の形態における最短時間経路を求め
る処理を示すフローチャートである。

【図３】本発明に係る第２の実施の形態であるナビゲー
ション装置２１の構成を示すブロック図である。

【図４】第１の実施の形態における最短時間経路を求め
る処理を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１，２１・・・ナビゲーション装置、２・・・ディスク
装置、５・・・演算回路、６・・・ＧＰＳレシーバ、９
・・・ディスプレイ装置、２２・・・ＶＩＣＳレシーバ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｇ０９Ｂ 29/00 Ｇ０６Ｆ 15/21 Ｃ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 現在位置を算出する演算処理手段と、 道路地図情報による道路地図を表示すると共にこの道路
   地図上に現在位置を表示する表示手段と、 上記地図情報が再生されると共に走行情報が記録される
   情報記録再生手段とを有し、 目的地点が設定されると、記録された上記走行情報に基
   づいて最短時間経路が算出され、上記表示手段に上記最
   短時間経路が表示されるようにしたことを特徴とする車
   載用ナビゲーション装置。
2. 【請求項２】 現在位置を算出する演算処理手段と、 道路地図情報による道路地図を表示すると共にこの道路
   地図上に現在位置を表示する表示手段と、 上記地図情報が再生されると共に走行情報が記録される
   情報記録再生手段と、 交通情報の受信手段を有し、 目的地点が設定されると、記録された上記走行情報及び
   上記交通情報に基づいて最短時間経路が算出され、上記
   表示手段に上記最短時間経路が表示されるようにしたこ
   とを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
3. 【請求項３】 上記演算処理手段ではＧＰＳ装置からの
   位置情報に基づいて現在位置を算出することを特徴とす
   る請求項１記載の車載用ナビゲーション装置。
4. 【請求項４】 上記演算処理手段ではＧＰＳ装置からの
   位置情報に基づいて現在位置を算出することを特徴とす
   る請求項２記載の車載用ナビゲーション装置。