JPH0333475Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本考案は、互いに対接するサーマルヘツドとプ
ラテンとの間に、サーマル転写用インクシートと
記録用紙とを重畳的に挿入し、サーマルヘツドの
発熱パターンに応じた模様でインクシートのイン
クを記録用紙に転写記録するサーマル転写記録装
置に関する。

＜背景技術＞ この種の装置では、サーマル転写用インクシー
トはロール状のシート供給源から引出され、サー
マルヘツドとプラテンとの間を送られた後、シー
ト巻取体に巻取られる。従つてシート供給源の残
量がなくなると、インクシート移送系より残つて
いるインクシートを除去し、シート供給源を新た
なものと交換し、かつそれより引き出したインク
シートをインクシート移送系にセツトする必要が
ある。

＜考案の開示＞ 本考案はサーマル転写用インクシートの交換を
容易ならしめるための構造を提供するもので、基
本的にはサーマルヘツドとプラテンとを分離可能
となして、分離状態でのサーマル転写用インクシ
ートの交換をを容易になし、かつ、インクシート
交換後のサーマルヘツドとプラテンとの再対接を
も容易ならしめたものである。

＜実施例＞ 第１図はサーマルヘツド１とプラテン２との対
接状態を示している。サーマル転写用インクシー
トの供給源となるインクシートロール３から引き
出されたインクシート３ａは、案内ローラ４，５
を経てサーマルヘツド１と回転自在なプラテン２
との対接間を通り、更に第１駆動ローラ６と押圧
ローラ７との対接間を通過した後、案内ローラ８
を経て巻取りロール９に巻取られる。

第１駆動ローラ６は図示しない伝達ギヤを介し
てモータ１０により回転駆動され、又巻取りロー
ル９は図示しないベルトを介してやはりモータ１
０から巻取り力を受ける。よつて、モータ１０が
回転すると、第１駆動ローラ６の送り作用により
インクシートロール３からインクシート３ａがく
り出され、最終的に巻取りロール９に巻取られ
る。

記録用紙挿入路１１は、その上方より挿入され
た単葉の記録用紙をプラテン２とインクシート３
ａとの間に案内する。案内された記録用紙はプラ
テン２とサーマルヘツド１との間をインクシート
３ａの移動に伴つて通過し、その後、排出ガイド
１２を経て上方に排出される。

記録用紙挿入路１の途中には、第２駆動ローラ
１３と押圧ローラ１４とが対接配置され、一方排
出ガイド１２には第３駆動ローラ１５が対接配置
されており、記録用紙がこれら対接間を通ること
により記録用紙挿入路１１内への引き込みと、排
出ガイド１２外への排出とが夫々強制される。こ
れら第２、第３駆動ローラ１３，１５の駆動力
は、これらローラの各端部に同軸結合した各プー
リ、ベルト１６、プーリ１７、更にベルト１８及
びプーリ１９を介してモータ１０より与えられ
る。

サーマルヘツド１は軸２０を中心に、バネ体２
１により時計方向に回動付勢されており、プラテ
ン２に弾接している。よつてモータ１０が回転す
ることにより、インクシート３ａの送りがなさ
れ、このとき記録用紙挿入路１１に記録用紙を挿
入すると、記録用紙はインクシート３ａと共にプ
ラテン２とサーマルヘツド１との対接間を通り、
この時サーマルヘツド１の発熱パターンに応じた
模様でインクシート３ａのインクが記録用紙に転
写記録される。

上記の各部品は一対の固定側板３０及びこれら
固定側板の若干内側にこれらと平行に配された一
対の可動側板３１に取着されている。尚、一対の
固定側板３０の一方、及びそれに近接する可動側
板は共に手前に位置するため図には現れていな
い。

一対の固定側板３０により支持されているの
は、インクシートロール３、案内ローラ４，５、
第１駆動ローラ６、案内ローラ８及び巻取りロー
ル９の各回転軸、サーマルヘツド１の軸２０、更
にはモータ１０及び該モータと第１駆動ローラ６
や巻取りロール９との間の伝達系等である。イン
クシートロール３は、その交換を可能になすため
に、一対の固定側板３０に取着した軸受３２にイ
ンクシートロール３の両端より突出せる回転軸を
乗せているだけである。又巻取りロール９は、や
はりその交換を可能になすため、第３図に示す如
く、巻取りロール軸９ａを中空になすと共に、そ
の両端より左右のリール板４０，４１で押圧挾持
されている。左リール板４０は一方の固定側板３
０に固設された軸４２にプーリ４３と共に一体的
に回動自在に取着され、右リール板４１は他方の
固定側板３０に固設された軸４４に該軸方向に進
退かつ回動自在に装着され、更にバネ４５により
左方向に弾発付勢されている。よつて右リール板
４１をバネ４５の作用に抗して後退させることに
より巻取りロール９の装着及び取りはずしを簡単
に行うことができる。

一対の可動側板３１に支持されているのは、記
録用紙挿入路１１、第２駆動ローラ１３とその押
圧ローラ１４、プラテン２、排出ガイド１２、第
３駆動ローラ１５及び押圧ローラ７である。

一対の固定側板３０間に差し渡し固定された支
持杆３５が一対の可動側板３１を貫通し、可動側
板３１を支持杆３５を中心に回動自在となしてお
り、かつプーリ１７を回動自在に枢支している。

一対の固定側板３０の後方上端間には、停止杆
３３が差し渡されており、支持杆３５を中心とす
る一対の可動側板３１の時計方向の回動は、一対
の可動側板３１の後端が停止杆３３に当接するこ
とにより、制限される。斯る制限状態で一対の可
動側板３１は安定し、この時サーマルヘツド１が
プラテン２に弾接すると共に、押圧ローラ７が第
１駆動ローラ６に対接する。尚、斯る状態でのプ
ラテン２の位置は以降所定位置と称される。

第２図はプラテン２をサーマルヘツド１から分
離した状態を示す。この状態は可動側板３１を支
持杆３５を中心にはね上がることにより達成さ
れ、このときインクシート３ａの大部分が露出
し、従つてインクシートの交換が容易となる。

一方、サーマルヘツド１は、それに対接してい
たプラテン２が離れたため、バネ体２１の作用で
軸２０を中心になおも回動移動するが、一対の固
定側板３０間に差し渡し固定されたストツパ軸３
４に当り、その移動長が適宜のところで制限され
る。よつてインクシートロール３を新たなものと
交換し、それより引き出したインクシート３ａを
その移送系に沿つてセツトした後、可動側板３１
をおろせば自動的に第１図の如く、プラテン２が
所定位置にてサーマルヘツド１と弾接する。

＜効果＞ 本考案によれば、サーマルヘツドとプラテンの
対接間にサーマル転写用インクシートと記録用紙
とを挿入し、サーマルヘツドの発熱により記録用
紙への転写記録をなす装置においてサーマルヘツ
ドとインクシートロールの装着部とインクシート
の巻取り部とインクシートの移送系とを一対の固
定側板間に設け、記録用紙の挿入・排出系とプラ
テンとを一体の可動側板間に設けているので、一
対の可動側板をはね上げることで、サーマルヘツ
ドとプラテンとの対接が大きく分離されると共
に、サーマルヘツドの回転移動長はストツパ軸に
より限定されるため、サーマル転写用インクシー
トの交換が容易であり、かつインクシート交換後
のサーマルヘツドとプラテンとの再対接も容易、
確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案実施例の異なる状態
を示す側部断面図、第３図は同一部拡大断面図で
ある。 １……サーマルヘツド、２……プラテン、３…
…インクシートロール、９……巻取りロール、１
１……記録用紙挿入路、１２……排出ガイド、２
０……軸、２１……バネ体、３０……固定側板、
３１……可動側板、３４……ストツパ軸、３５…
…支持杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サーマルヘツドとプラテンとの対接間にインク
   シートと記録用紙とを挿入し、上記サーマルヘツ
   ドの発熱により上記記録用紙への転写記録を行う
   サーマル転写記録装置において、一対の固定側板
   と、これら固定側板の若干内側にこれらと平行な
   状態で、上記一対の固定側板間に差し渡された支
   持杆を中心に回動自在に設けられ、部分的に上記
   固定側板間より出没可能な一対の可動側板とを備
   え、上記固定側板に植設された軸を中心に回転自
   在に支持された上記サーマルヘツドと、上記イン
   クシートを供給するインクシートロールの装着部
   と、インクシートの巻取り部と、上記インクシー
   トを上記インクシートロールから上記インクシー
   トの巻取り部へ移送する移送系とを上記一対の固
   定側板間に設け、上記記録用紙の挿入・排出系
   と、上記可動側板の一部が上記固定側板間に没す
   る状態において上記インクシートを介して上記サ
   ーマルヘツドに対接する上記プラテンとを上記一
   対の可動側板間に設け、更に、上記一対の固定側
   板間には、上記サーマルヘツドを上記軸を中心に
   回動付勢して上記プラテンに対して弾接させるバ
   ネ体と、このバネ体の作用による上記サーマルヘ
   ツドの可能な最大回転移動長を限定するストツパ
   軸とを設けたことを特徴とするサーマル転写記録
   装置。