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JPH0984461A - 育苗方法及び装置 - Google Patents

育苗方法及び装置

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Publication number
JPH0984461A
JPH0984461A JP7271755A JP27175595A JPH0984461A JP H0984461 A JPH0984461 A JP H0984461A JP 7271755 A JP7271755 A JP 7271755A JP 27175595 A JP27175595 A JP 27175595A JP H0984461 A JPH0984461 A JP H0984461A
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JP
Japan
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active liquid
seedling
liquid
plant
mother
Prior art date
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JP7271755A
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English (en)
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JP2859569B2 (ja
Inventor
Masahiro Ookouchi
允博 大河内
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Fukusuke Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Fukusuke Kogyo Co Ltd
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Publication date
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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Hydroponics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物の苗を短期間で確実に育成することがで
き、ひいては苗の生産性を向上させることができる育苗
方法及び装置を提供する。 【解決手段】 植物体の一部を本体から切断・分離し、
その分離された植物部分104を苗の母体とし、その植
物部分104の切断部104aを活性液体Lと接触さ
せ、その切断部に根104bを発生させることにより苗
106を得る。活性液体Lは、腐食質の形成に関与する
微生物を生きた状態で保持する微生物保持体に対し、水
を主体とする液体を流通させ、その流通によって微生物
保持体中の微生物を液体中に生きた状態で混入させるこ
とにより得られるものが使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は育苗方法及び装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、果樹や花木あるいは植林用の樹木
等の苗(苗木)を育成する方法としては、一般に挿し木
法と呼ばれる無性繁殖法が広く使用されている。これ
は、枝や葉等、植物体の一部を切り取って切り口の側を
土にさし、その切り口部分に不定根を発生させて苗木を
得るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のような挿し木法
においては、土中にさした植物体の切り口から不定根が
発生して着床するまでに相当の長時間を有し、また不定
根が十分発生せずに植物体が枯死してしまうなど着床に
失敗するケースも少なくなく、苗の生産性が悪い欠点が
あった。
【0004】本発明の目的は、植物の苗を短期間で確実
に育成することができ、ひいては苗の生産性を向上させ
ることができる育苗方法及び装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上述の課
題を解決するために、本発明の育苗方法は下記の工程を
含むことを特徴とする。すなわち、 腐植質の形成に関与する微生物を生きた状態で保持す
る微生物保持体に対し、水を主体とする液体を流通さ
せ、その流通によって微生物保持体中の微生物を液体中
に生きた状態で混入させることにより得られる活性液体
と、苗の母体とを接触させる。 その母体に活性液体を吸収させることにより、該母体
を生育させて苗を得る。
【0006】上記方法において、苗の母体としては、植
物体の一部を本体から切断・分離し、その分離された植
物部分を使用することができる。具体的には、樹木から
切り取った枝あるいは葉等が使用可能である。この場
合、その植物部分の切断部を活性液体と接触させ、その
切断部に根を発生させることにより苗を得ることができ
る。一方、苗の母体として、植物の種子あるいは種イモ
等を使用することもできる。
【0007】本発明者は、上述のような苗の母体と上述
の活性液体とを接触させて、その活性液体を母体に継続
的に吸収させることにより、下記のような効果が得られ
ることを見い出したのである。すなわち、苗の母体が、
植物本体から切断・分離された植物部分である場合に
は、比較的短期間で確実にその切断部に十分な根が発生
し、その後の苗への発育も従来の挿し木法等に比べて速
くなる。また、苗の母体が種子や種イモ等である場合に
も、その発芽までの時間及び発芽後の生育速度が大きく
なる。
【0008】以下、上述のような活性液体を製造する方
法について詳しく説明する。まず、微生物保持体は、腐
植質を主に含有したものとして構成することができる。
この場合、保持体に保持される微生物として、その腐植
質の形成に関与している微生物(例えば放線菌類、糞性
菌等の真菌類、酵母類等、以下腐植形成微生物という)
が使用されるが、目的に応じて他の微生物を付加しても
よい。
【0009】腐植質は、フルボ酸やフミン酸等の弱酸性
の低分子物質又はその鉄錯体を含有するものを用いるこ
とができ、特にフルボ酸を含むものが好ましく用いられ
る。腐植質に含有されるこれらの物質は、液体中に溶け
込んでそのpHを下げるので、嫌気性微生物(例えば大
腸菌や各種病原性微生物)が液体に混入してもその繁殖
が抑えられ、腐植形成微生物のみを含んだ良質の活性液
体を得ることができる。特に、それら低分子物質が鉄錯
体となっている場合は、特開平6−39397号公報に
記載されているように、液体から活性酸素が発生する反
応が促進されるので、上記嫌気性微生物の繁殖をより効
果的に抑えることができる。ここで、微生物保持体中に
おける上記弱酸性の低分子物質の含有量は、上記効果が
不足しない範囲で調整され、例えば5重量%以上が適当
である。
【0010】微生物保持体は、さらに具体的には、上記
腐植質を粘土鉱物等の粘結物質とともにペレット状に成
形したものを用いることができる。これにより、液体中
での保持体の形状維持力が高まり、また微生物及び腐植
質放出の持続性が改善されて、保持体の寿命を延ばすこ
とができる。このような微生物保持体として、例えばエ
ンザイム株式会社からEZ−901の商品名で市販され
ている腐植ペレットを使用することができる。
【0011】微生物を保持する微生物保持体は、水分や
栄養素等、微生物を生きた状態に保つのに必要な物質
や、保持体自身の形状を維持するための物質等により構
成され、液体と接触しない状態では微生物を捕獲維持す
る一方、液体と接触することにより、捕獲していた微生
物を液体中に放出する機能を有する。ここで「生きた状
態」とは、保持体中の水分量が低く抑えられていたり、
低温にさらされたりして、微生物がその生命活動を一時
的に停止した状態も含むものとする。なお、保持体に保
持させる微生物は、保持体成形前にその形成物質に含ま
れるようにしても、成形後に保持体内に侵入させてもい
ずれでもよい。
【0012】一方、活性液体のベースとなる液体は、水
を主体とし、かつ微生物が生存可能な液体が使用され
る。ここで、微生物の生存状態を極端に妨げない範囲で
あれば、種々の成分が溶解した液体を用いてもよく、例
えば微生物の生命維持や増殖に効果のある成分を溶解さ
せておくことができる。
【0013】上記のような保持体が容器等に集積され、
適当な循環通路を介して液体が流通・循環されて、保持
体中の微生物が液体中に混入することにより活性液体が
生成される。このとき、微生物とともに保持体の構成物
質が液体中に流出する場合がある。また、微生物は、保
持体の構成物質や液体中に溶解した物質等を消費しなが
ら、保持体中で、あるいは循環される液体中で増殖する
場合がある。
【0014】次に、苗の母体が、植物本体から切断・分
離された植物部分とされる場合、活性液体を流動状態と
し、植物部分の切断部をその流動する活性液体に浸漬す
る方法が可能である。これにより、植物に対する活性液
体の吸収効率を一層高めることができる。
【0015】また、活性液体は、少なくともその一部を
吸収媒体に吸収・保持させた状態で使用することができ
る。この場合、植物部分の切断部は、その吸収媒体中で
保持されることにより、これに吸収・保持された活性液
体と接触させられることとなる。このような吸収媒体と
しては、例えば通常の土壌ないしその合成物で構成する
ことができる。また、軽石あるいは多孔質セラミックス
焼成体(例えば商品名:クレーボール)等の多孔質粒状
体あるいは砂礫等を使用することもできる。特に多孔質
セラミックス焼成体を用いた場合には、活性液体中の微
生物の活動ないし増殖を促進できる場合がある。さら
に、ガラス繊維、合成繊維、木材パルプ等を主体に形成
された繊維形成物を使用することもでき、このような繊
維形成物を上記多孔質粒状体あるいは砂礫等と混合して
使用することもできる。
【0016】さらに、吸収媒体としては、多孔質のセラ
ミック粒子を含有する粉体を使用することもできる。こ
れにより、植物部分からの根の発生、及びその後の苗の
発育をさらに活発化させることができる。
【0017】上述のような粉体としては、含水アルミニ
ウムケイ酸塩を主成分とする各種粘土鉱物及びその精製
物(以下単に粘土鉱物という)を特に本発明に好適に使
用することができる。その代表的なものとして、スメク
タイト、モンモリロナイト、ベントナイトのほか、カオ
リナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、セリサイ
ト、クロライト、イライト等、及びそれらの精製物を使
用することができる。さらに、各種粘土鉱物の複数種を
混合して使用することもできる。また、上記各種粘土鉱
物と類似の組成あるいは結晶構造を有する合成無機物質
も使用できる。そのような合成無機物としては、例えば
合成スメクタイト(例えば製品名:スメクトン、クニミ
ネ工業株式会社)を好適に使用することができる。一
方、粘土鉱物以外にも、活性白土、珪藻土、活性アルミ
ナ等各種無機物質粉体を使用できる。また、それらを粘
土鉱物と混合して用いることもできる。
【0018】上記方法においては、植物部分が吸収媒体
中において根を発生させることにより得られた苗を、そ
の根が吸収媒体に覆われた状態で移植することができ
る。例えば所望の場所へ苗を移植して着床させる場合
に、その根と移植場所の土とのなじみが問題となるケー
スが多いが、上記方法によれば、苗はその根が吸収媒体
になじんだ状態で移植されることとなり、移植後におい
て、根をその移植先の土と比較的スムーズになじませる
ことができる。また、苗を育苗装置から取り出した後、
すぐに移植を行わない場合も、苗の根が微生物を含んだ
吸収媒体に覆われているために、その正常な生育状態を
維持することができる。
【0019】次に、上述の育苗方法を実施するための本
発明の育苗装置は、前述の活性液体が収容された活性液
体収容部と、その活性液体収容部に収容された活性液体
との接触を許容した状態で苗の母体を支持する母体支持
部とを含むことを特徴とする。ここで苗の母体が、植物
体の本体から切断・分離された植物部分とされる場合に
は、母体支持部は、その植物部分の切断部を活性液体と
接触させた状態で該植物部分を支持するものとされる。
本装置により、前述の育苗方法を効率よく実施すること
ができる。
【0020】次に、活性液体収容部は、上面側が開口す
る容器体として形成することができる。前述の活性液体
は、その内側に収容されることとなる。ここで、前述の
植物部分は、複数のものをその容器体に対し、その開口
部から上方に立ち上がった状態で所定の間隔で配列する
ことができる。この場合母体支持部は、その開口部の近
傍において、それら各植物部分を少なくともその側方か
らそれぞれ支持する側方支持体を備えたものとされる。
これにより、容器体の限られた収容スペースを有効に活
用しつつ、植物部分を比較的高密度で配置することがで
き、ひいては苗の生産性を高めることができる。
【0021】また、流動状態の活性液体に苗の母体を接
触させる方法を実施するために、活性液体収容部に収容
された活性液体を、流動・循環させる循環手段を設ける
ことができる。
【0022】また、上記装置においては、活性液体の少
なくともその一部を吸収媒体に吸収・保持させた状態で
活性液体収容部に収容し、植物部分の切断部をその吸収
媒体中で保持するように構成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、い
くつかの実施例により図面に基づいて説明する。 (実施例1)図1(a)は、本発明の育苗装置の一実施
例を示す斜視図である。すなわち、育苗装置101は、
上面側に開口部102cを有する偏平容器体として形成
された活性液体収容部(以下、単に収容部ともいう)1
02と、その開口部102cを塞ぐ母体支持部としての
網103とを備え、収容部102の内部には活性液体L
が収容されている。本実施例においては、苗の母体は樹
木の枝を切断して得られた植物部分104とされてお
り、同図(b)に示すように網103の網目103aに
対し植物部分104が差し込まれ、その下端側が活性液
体L内に浸漬されるようになっている。すなわち、網1
03は、植物部分104を側方から支持する側方支持体
の役割を果たしている。なお網103は、収容部102
の深さ方向において互いに異なる高さに2枚設けられて
おり、かつ同図(c)に示すように、それら上下の網1
03の網目103aを互いにずらせて配置することで、
各網目103aに差し込まれた植物部分104を、その
側方において互いに異なる方向から支持するようになっ
ている。
【0024】なお、網目103aの全てに対し植物部分
104を差し込むことも可能であるが、植物部分104
の大きさを考慮してその配列間隔が適切なものとなるよ
うに、適宜間引いて差し込むようにすることがより望ま
しいといえる。また、網103は活性液体収容部102
に対し、金具ないしねじ等を使用して固定するようにし
てもよいが、例えば図1(b)に示すように、収容部1
02の内面に突出支持部102aを設けておき、この突
出支持部102aにより網103を、その周縁部におい
て収容部102に対し着脱可能に支持させる構成とする
ことができる。こうすれば、網103を取り除いた状態
で活性液体Lを収容部102に補充したりあるいは交換
したりできるので、より便利である。
【0025】次に、図2は上記活性液体Lを生成するた
めの装置の一例を概念的に示したものである。活性液体
生成装置Aは、保持体収容部1、液体貯留部としてのタ
ンク3、収容部1とタンク3とを互いに連結する循環通
路としての管路4及び5、送液手段としてのポンプ6等
を有するものである。
【0026】保持体収容部1は、例えば鋼鉄製の圧力容
器であって、本体1aと、その上側開口部に対しボルト
1c等で固定されてこれを塞ぐ蓋1bを有するものであ
る。その本体1aの下部には、バルブ8aを備えた液取
出口8が設けられている。保持体収容部1の内部には、
メッシュ、フィルターあるいは穴開き板等により液通に
構成された1ないしそれ以上の保持体ケース7が収容さ
れ、その内部に例えば腐植質ペレット等で構成される微
生物保持体2が充填されている。この微生物保持体2と
しては腐植ペレット、例えばエンザイム株式会社からE
Z−901の商品名で市販されている腐植ペレットが使
用されている。一方、保持体ケース7の下側には曝気機
構9が設けられている。この曝気機構9は、噴出口9b
から空気を噴出する空気噴出部9a、それに空気を送る
曝気ポンプ9c等を備える。
【0027】タンク3は、バルブ10aを有する液供給
口10とバルブ11aを有する液排出口11とを有し、
管路4及び5により保持体収容部1と連結されている。
管路5は、一端が保持体収容部1に連通するとともに、
その中間にはポンプ6が設けられて、液体Lをタンク3
から保持体収容部1へ送り込む。一方、管路4は、保持
体収容部1内の液体Lをタンク3内へ導くものである
が、その一端はタンク3内に進入し、その進入部に吸引
用の回転翼13及びこれを駆動するモータ14等からな
る液体吸引機構12が補助の送液手段として設けられ
て、液体Lをタンク3側へ吸引している。このように、
保持体収容部1→管路4→タンク3→管路5→保持体収
容部1の順序で液体Lの循環経路が構成されている。
【0028】次に、活性液体生成装置Aの作動とそれを
用いた活性液体の生成方法について説明する。まず、微
生物保持体2を保持体ケース7に詰めて収容部1にセッ
トし、バルブ10aを開いて液体Lを液供給口10より
タンク3に注入する。この状態でポンプ6及び液体吸引
機構12を作動させると、液体Lは矢印の方向に循環し
ながら保持体収容部1内で保持体2と接触し、保持体2
に保持されている微生物が液体Lに混入する。また、曝
気ポンプ9cを作動させると、噴出口9bから空気が噴
出され、液体Lが曝気される。保持体収容部1あるいは
タンク3に設けられたヒータ等(図示せず)により、液
体Lを適当な温度に昇温保持しながら循環させることも
できる。なお、液体吸引機構12は省略してもよい。
【0029】所定時間の循環の後、液体Lが所望の量の
微生物を含有する活性液体となれば、バルブ11aを開
いて液排出口11より液体Lを回収する。このとき、ポ
ンプ6あるいは液体吸引機構12を作動させながら液体
Lを回収しても、作動を停止して回収してもいずれでも
よい。さらに、液供給口10及び液排出口11から液体
Lを連続的に供給・排出させながら、循環を行ってもよ
い。また、保持体収容部1の液取出口8は、保持体収容
部1内において微生物の含有量が特に多くなった液体L
を取り出したい場合等に用いることができるが、省略し
てもよい。
【0030】ここで、微生物保持体2の寿命が尽きた
り、別の種類のものを使用したい場合は、液体Lの循環
を停止し、保持体収容部1内の保持体ケース7を取り出
して保持体2を新しいものと交換する。なお、ネット等
により保持体2の管路5等への流出が防止できる場合
は、保持体ケース7を省略して、保持体2を直接収容部
1に充填する構成としてもよい。
【0031】保持体収容部1内の曝気は、図3に示すよ
うに、内周面に噴出口9bが所定の間隔で形成された空
気噴出部9aを保持体収容部1の内側面に沿って配置
し、保持体収容部1の内側へ向けて放射状に空気を噴出
させることにより行うこともできる。ここで、空気に代
えて酸素又は酸素混合ガスをボンベ等から保持体収容部
1内へ導入して曝気を行ってもよい。また、タンク3に
大気連通部を設けることもできる。さらに、曝気機構9
はタンク3内に設けることもできる。この場合、タンク
3内に攪拌機を設け、上記大気連通部からの空気と液体
Lとを混合・攪拌して曝気を行うようにしてもよい。な
お、曝気機構9は省略することもできる。
【0032】次に、育苗装置101の使用方法である
が、図4(a)に示すように、植物本体としての樹木1
05から植物部分104を切り取り、同図(b)に示す
ように、その切断部104a側が下になるように、植物
部分104を網目103aから育苗装置101に差し込
む。これにより、各植物部分104の切断部104aは
活性液体L中に浸漬された状態となり、それぞれその切
断部104aから活性液体Lを吸収する。なお、蒸発や
植物部分104による吸収に伴い、活性液体収容部10
2内の活性液体Lの量が減少した場合には、図1(b)
に示すように活性液体Lを補充してやればよい。
【0033】植物部分104は活性液体Lを吸収して、
図5(a)に示すようにその切断部104aの近傍から
根104bを生じさせる。そして、その根104bが十
分発育した状態となれば、植物部分104は苗木(苗)
106として使用可能な状態となる。こうして得られた
苗木106は、例えば図5(b)に示すように、所定の
場所の土107中に移植することができる。
【0034】次に、図6(a)に示す例においては、網
103に代えて、2枚の板状体110が使用されてい
る。これら板状体110にはそれぞれ板厚方向に貫通す
る複数の孔部110aが形成されており、それら孔部1
10aに植物部分104がそれぞれ差し込まれるととも
に、同図(b)に示すように、上下の板状体110の孔
部110aは互いにずれた位置に形成されて、植物部分
104をそれぞれ互いに異なる方向から支持するように
なっている。なお、孔部110aの配列間隔は、差し込
む植物部分104の大きさに応じて調整される。ここ
で、板状体110は前述の網103と同様に、突出支持
部102aにより支持されている。
【0035】一方、図7(a)に示す例においては母体
支持部は、活性液体収容部102の開口部102cに対
し互いにほぼ平行に張り渡された複数の棒状体111に
より形成されている。これら棒状体111の列は、収容
部102の深さ方向において異なる高さに2組設けられ
ており、各棒状体111の両端部は、同図(b)に示す
ように、活性液体収容部102の内面に形成された凹状
の嵌着部102bに嵌合することにより、それぞれ固定
されている。植物部分104は、隣接する棒状体111
の隙間に挿入されるとともに、上下の組の間で棒状体1
11は、その配列方向において互いにずれて配置されて
おり、同図(c)に示すようにそれぞれ植物部分104
をその側方において互いに異なる方向から支持するよう
になっている。
【0036】さらに、図14(a)及び(b)に示すよ
うに、母体支持部は、活性液体収容部102の上面開口
部の一部を塞ぐように、これに固着された板状体118
とすることもできる。この板状体118は、その一方の
縁部側にラッパ状に開口する複数の切欠部120が形成
されており、その切欠底部の内縁にはゴム等の弾性部材
で構成された押さえ部材121が嵌め込まれている。そ
して、同図(c)に示すように、植物体104を切欠部
120の底部に向けて押さえ部材121を弾性変形させ
ながら押し込むことにより、植物部分104は、両側の
押さえ部材121に挟み付けられた状態で支持されるこ
ととなる。
【0037】一方、図14(d)に示すように、切欠部
120に代えて支持孔部122を板状体118に形成す
ることもできる。この支持孔部122は逃がし穴122
aと、これと一体に形成されて先端へ向かうほど幅を縮
小するテーパ部122bとを有しており、逃がし穴12
2aに植物部分104を差し込んでテーパ部122b側
へスライドさせることにより、植物部分104はテーパ
部122bに嵌着・支持されることとなる。この構成に
よれば、植物部分104の断面寸法が一定しない場合に
おいても、テーパ部122bの幅がその断面寸法に対応
するものとなる位置において、該植物部分104をテー
パ部122bに対し安定に嵌着させることができる利点
がある。この場合、植物部分104の挟み付けを確実な
ものとし、かつテーパ部122bからの過剰な摩擦によ
り植物部分104が傷つけられたりしないように、板状
体118は、少なくともそのテーパ部122bの周辺部
をプラスチック等の弾性変形可能な材質で構成すること
が望ましい。
【0038】(実施例2)図8に示す育苗装置101に
おいては、両端がそれぞれ活性液体収容部102の内側
と連通する管路125が設けられており、その中間に送
液手段としてのポンプ126が設けられている。そし
て、このポンプ126が作動することにより、収容部1
02内の活性液体Lは、管路125に対しその一方の端
部側から入り込み、これを通って他方の端部側から収容
部102に戻されて循環する。これにより活性液体L
が、収容部102内の植物部分104に対し常に流動状
態で接触することとなる。この場合、管路125及びポ
ンプ126が循環手段を構成している。なお、図9に示
すように、図2の活性液体生成装置Aに組み込まれたも
のと同様の構成の保持体収容部1を管路125の中間に
設け、その内側に収容された微生物保持体2と活性液体
Lとを接触させつつ、これを循環させるようにする構成
も可能である。
【0039】(実施例3)図10は、活性液体を吸収媒
体に吸収保持させた状態で、植物部分と接触させる育苗
方法の一例を示すものである。すなわち、図10(a)
に示すように、吸収媒体としての多孔質セラミック粉
末、例えば含水アルミニウムケイ酸塩を主成分とする粘
土鉱物粉末127(例えばベントナイト等)と、活性液
体Lとを所定量ずつ練り混ぜて湿潤粉体物128を形成
する。そして、同図(b)に示すように、この湿潤粉体
物128を活性液体収容部102内に所定の厚さで敷き
つめ、植物部分104の切断部側をこれに差し込んで保
持させる。植物部分104は、この湿潤粉体物128に
含まれる活性液体Lを吸収し、同図(c)に示すように
湿潤粉体物128中に根104bを張ることとなる。こ
の場合、湿潤粉体物128自身が母体支持部としての機
能を有していると見ることができる。
【0040】ここで、上記湿潤粉体物128の粘性が、
差し込まれた植物部分104が倒れずに上方へ立ち上が
った状態を維持でき、かつ植物部分104からの根10
4bの生育が妨げられない程度となるように、粘土鉱物
粉末127と活性液体Lとの混合比率を調整することが
望ましい。具体的には、粘土鉱物粉末127の配合重量
を1とした場合に、活性液体Lの重量は、おおむね0.
5〜4の範囲で調整される。しかしながら、育苗装置1
01に網103等の側方支持体を設けることで、植物部
分104が倒れることが防止できる場合には、活性液体
Lの混合量を上記よりも多くすることができる。なお、
植物部分104による吸収ないしは蒸発により、湿潤粉
体物128中の活性液体L量が減少した場合には、図1
0(b)に示すように、活性液体Lを湿潤粉体物128
の表面に振りかけてこれを補ってやればよい。
【0041】ここで、植物部分104の正常な生育を維
持するためには、湿潤粉体物128に含まれる微生物の
活動が妨げられないように、そのpH値が弱酸性となる
ように調整することが望ましく、具体的にはそのpH値
を5〜6.8、望ましくは5.5〜6.5の範囲となる
ように調整するのがよい。しかしながら、粘土鉱物は多
くの場合弱塩基性を示すことが多く、そのまま活性液体
を混練したのでは湿潤粉体物128のpHが塩基性に偏
ってしまう場合が生じうる。この場合は、微生物の活動
に悪影響を及ぼさない適当な酸性物質をpH調整剤とし
て添加することができる。そのような酸性物質として
は、例えば木酢液、酢酸、その他の脂肪酸等の各種有機
酸類、弱酸性を示す鉱物類、さらには木炭等を好適に使
用することができる。
【0042】このようにして、植物部分104が湿潤粉
体物128中に根を張って苗木106に生育すれば、図
11(a)に示すように、その根104bの周囲を湿潤
粉体物128(すなわち吸収媒体)で覆った状態で収容
部102から取り出し、これを別の土107中に移植す
ることができる。ここで、苗木106を出荷・販売した
りするために、これをすぐに移植しない場合には、根1
04bを覆う湿潤粉体物128から水分が蒸発すること
を抑制するために、図11(a)に示すように、例えば
湿潤粉体物128の周囲を樹脂シート等の防水被膜12
9で覆っておくことが望ましい。
【0043】なお、吸収媒体は上記のような多孔質セラ
ミック粉体に代えて、図12(a)に示すように、軽石
あるいは多孔質セラミックス焼成体(例えば商品名:ク
レーボール)等の多孔質粒状体131あるいは砂礫等を
使用することもできる。また、同図(b)に示すよう
に、ガラス繊維、合成繊維、あるいは木材パルプ等を主
体に形成された繊維形成物132を使用することもでき
る。さらに、多孔質粒状体131と繊維形成物132と
の混合物を使用することもできる。
【0044】(実施例4)図13は、苗の母体が種子で
ある場合の育苗方法及び装置の例を示している。すなわ
ち、育苗装置151においては、活性液体収容部102
内に母体支持部及び吸収媒体としての繊維形成物152
が充填され、これに活性液体Lが吸収保持されるように
なっている。そして、図13(a)に示すように、その
繊維形成物152の表面もしくは内部に、草花や野菜等
の種子153を播種することにより、同図(b)に示す
ように、種子153は繊維形成物152に保持された活
性液体Lを吸収して発芽し、苗154に成長する。ここ
で、種子153からは根154aが繊維形成物152中
に張り出し、成長した苗154を支持することとなる。
従って繊維形成物152は、充填密度が比較的低い繊維
形成物、例えばガラス繊維あるいは合成繊維を主体に綿
状に形成されたものなど、根154aの張出しを妨げな
い材質で構成することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の育苗装置の斜視図及び断面
図。
【図2】活性液体の製造装置の一例を示す概念図。
【図3】その曝気機構の変形例を示す平面断面図。
【図4】図1の装置を使用した育苗方法の工程説明図。
【図5】図4に続く工程説明図。
【図6】図1の育苗装置の変形例を示す斜視図及び断面
図。
【図7】同じく別の変形例を示す斜視図及び断面図。
【図8】実施例2の育苗装置の概念図。
【図9】同じくその変形例を示す概念図。
【図10】実施例3の育苗方法の工程説明図。
【図11】図10に続く工程説明図。
【図12】吸収媒体の変形例を示す断面図。
【図13】実施例4の育苗装置の断面模式図とその作用
説明図。
【図14】母体支持部の変形例を示す説明図。
【符号の説明】
2 微生物保持体 101、151 育苗装置 102 活性液体収容部 103 網(母体支持部) L 活性液体 104 植物部分(苗の母体) 104b 根 105 樹木(植物の本体) 106 苗木(苗) 110 板状体(母体支持部) 110a 孔部 111 棒状体(母体支持部) 125 管路(循環手段) 126 ポンプ(循環手段) 127 粘土鉱物粉末(吸収媒体) 152 繊維形成物(吸収媒体) 153 種子(苗の母体) 154 苗

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腐植質の形成に関与する微生物を生きた
    状態で保持する微生物保持体に対し、水を主体とする液
    体を流通させ、その流通によって前記微生物保持体中の
    前記微生物を前記液体中に生きた状態で混入させること
    により得られる活性液体と、苗の母体とを接触させる工
    程と、 その苗の母体に前記活性液体を吸収させることにより、
    該苗の母体を生育させて苗を得る工程と、 を含むことを特徴とする育苗方法。
  2. 【請求項2】 植物体の一部を本体から切断・分離し、
    その分離された植物部分を前記苗の母体とする工程と、 その植物部分の切断部を前記活性液体と接触させて、前
    記切断部に根を発生させることにより苗を得る工程と、 を含む請求項1記載の育苗方法。
  3. 【請求項3】 前記活性液体は流動状態とされ、前記植
    物部分の切断部はその流動する活性液体に浸漬される請
    求項1又は2に記載の育苗方法。
  4. 【請求項4】 前記活性液体は少なくともその一部が吸
    収媒体に吸収・保持された状態とされ、 前記植物部分の切断部は、その吸収媒体中で保持される
    ことにより、これに吸収・保持された前記活性液体と接
    触させられる請求項2又は3に記載の育苗方法。
  5. 【請求項5】 前記植物部分が前記吸収媒体中において
    根を発生させることにより得られた苗を、その根が前記
    吸収媒体に覆われた状態で移植する工程を含む請求項4
    記載の育苗方法。
  6. 【請求項6】 前記吸収媒体として、多孔質のセラミッ
    ク粒子を含有する粉体が使用される請求項4又は5に記
    載の育苗方法。
  7. 【請求項7】 腐植質の形成に関与する微生物を生きた
    状態で保持する微生物保持体に対し、水を主体とする液
    体を流通させ、その流通によって前記微生物保持体中の
    前記微生物を前記液体中に生きた状態で混入させること
    により得られる活性液体が収容された活性液体収容部
    と、 その活性液体収容部に収容された前記活性液体との接触
    を許容した状態で、苗の母体を支持する母体支持部と、 を含むことを特徴とする育苗装置。
  8. 【請求項8】 植物体の一部を本体から切断・分離し、
    その分離された植物部分を前記苗の母体とするととも
    に、前記母体支持部は、その植物部分の切断部を前記活
    性液体と接触させた状態で該植物部分を支持するものと
    される請求項7記載の育苗装置。
  9. 【請求項9】 前記活性液体収容部は上面側が開口する
    容器体として形成され、その内側に前記活性液体が収容
    されるとともに、 前記植物部分は、複数のものが前記容器体に対し、その
    開口部から上方に立ち上がった状態で所定の間隔で配置
    される一方、 前記母体支持部は、前記開口部の近傍において、それら
    各植物部分を少なくとも側方からそれぞれ支持する側方
    支持体を備えている請求項8記載の育苗装置。
  10. 【請求項10】 前記活性液体収容部に収容された前記
    活性液体を、流動・循環させる循環手段が設けられてい
    る請求項7ないし9のいずれかに記載の育苗装置。
  11. 【請求項11】 前記活性液体は少なくともその一部が
    吸収媒体に吸収・保持された状態で前記活性液体収容部
    に収容されており、 前記植物部分の切断部は、その吸収媒体中で保持される
    ようになっている請求項8ないし10のいずれかに記載
    の育苗装置。
  12. 【請求項12】 前記吸収媒体として、多孔質のセラミ
    ック粒子を含有する粉体により形成されている請求項1
    1記載の育苗装置。
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