JPH09503985A - ビードを備えた、種々異なる直径の缶のための閉鎖部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ビード（２）を備えた、種々異なる直径の缶（１）のための閉鎖部材に関する。ドイツ連邦共和国特許出願公開第３４２５９２０号明細書によれば、複数の部分より構成されたばね弾性的な端縁部ウエブを著しく簡単かつ安価に構成しようとする試みがなされている。これは、ループ状の膨らみ（１５）を備えたばね部材が、閉鎖部材のプレート状のベース体（５）の下側に設けられた半径方向の滑動ガイド（１３）内でガイドされている。缶（１）側に向けられたループウエブ（１７）は、端縁部ウエブ（７）内に移行しており、この端縁部ウエブ（７）は、これによって缶（１）のビード（２）にばね弾性的に下側から係合する。缶（１）側に向けられたループウエブ（１６）は、ベース体（５）で支えられていて、これによってばね張力を生ぜしめる。

Description

【発明の詳細な説明】 ビードを備えた、種々異なる直径の缶のための閉鎖部材 本発明は、ビードを備えた、種々異なる直径の缶のための閉鎖部材であって、 この缶の蓋内に、注ぎ出し開口を形成するための引きちぎり舌片が配置されてい て、該引きちぎり舌片は、蓋にスナップ式に被せ嵌められる、合成樹脂製のプレ ート状のベース体より成っており、該ベース体は、定置の端縁部ウエブと、この 定置の端縁部ウエブの反対側に配置された、少なくとも１つのばね弾性的な端縁 部ウエブとによって、スナップ接続式に前記ビードに下側から係合し、ばね弾性 的な端縁部ウエブは、ベース体の滑動ガイド内で半径方向で摺動可能であって、 この際に、ベース体と蓋との間で、蓋の注ぎ出し開口を取り囲むリングシールが 緊締可能となっている形式のものに関する。 このような形式の閉鎖部材は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第３４２５９２ ０号明細書により公知である。管を覆うプレート状のベース体の下側には、スラ イドガイドが配置されており、このスライドガイド内で、複雑な合成樹脂部材が 可動となっている。滑動部材とベース体の縁部領域との間に圧縮コイルばねが緊 締されており、この圧縮コイルばねは、滑動部材を管 縁部に向かって押しつけるためのものである。滑動部材は、２つのばね弾性的な 脚を有しており、これらの脚の、管側の端部には、管のビードに下側から係合す る突起が設けられている。管の閉鎖部材を外すために、ばね弾性的な脚は互いに 内方向に押しつけられ、これによって突起は管のビードから外すことができるよ うになっている。このような配置は、滑動部材がベース体内で不十分にしかガイ ドされず、しかも圧縮コイルばねは汚れ及びこれと類似のものが堆積し易いとい うことは度外視しても、製造技術的に複雑であって、組み付けが面倒で、コスト が高い。 そこで本発明の課題は、冒頭に述べた形式の閉鎖部材を、ばね弾性的な端縁部 の構成に関連して、非常に簡単で安価なものにし、前記欠点を取り除くことであ る。 この課題は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第３４２５９２０号明細書から出 発して、ばね弾性的な端縁部ウエブが、ループ状の膨らみを有する、自己ばね弾 性的な（selbstfedernd）ばね部材として構成されていて、該ばね部材の一方の ループウエブがベース体で支えられていて、他方のループウエブが、前記ばね弾 性的な端縁部ウエブを備えた操作部材に移行していることによって解決された。 このような構成の利点は、ばね部材を一体的に構成することができ、ループ状 の膨らみによって、充分に 大きい固有のばね力が生ぜしめられ、従って安価に製造することができ、特に簡 単に組み付け可能であるという点にある。ばね部材のこのような構成に従って、 ベース体の下側における良好なガイドが得られる。 本発明による閉鎖部材の有利な構成は、請求項２以下に記載されている。請求 項２によれば、ばね部材がほぼ方形の横断面より成っている。請求項３によれば 、操作部材の特に簡単な構成が得られる。この操作部材は、異なる直径の缶に被 せはめること及び缶から閉鎖部材を取り外すことに関連して、特別な意味がある 。つまり、操作部材が楔状の厚み部として構成されていれば、この操作部材は、 傾斜した滑動面を形成し、この滑動面は、閉鎖部材を缶縁部上に載せる際に、ば ね部材をばね力に抗してずらして、係止させるように働く。他方では、操作部材 のこの楔状の厚み部は、缶から閉鎖部材を解除したい時に、ばね部材を引き戻す 可能性を提供する。何故ならば、楔状の厚み部は、指のための好都合な作用面を 形成するからである。 本発明のばね部材が充分なばね力を生ぜしめるようにするためには、請求項４ に記載した構成が有利である。これによって、ループ状の膨らみは、プレート状 のベース体の面に対して直角に延びている。これはつまり、膨らみがベース体の 下側にくるということを意味している。従ってこの膨らみは、缶の処理を妨げる ことはない。 請求項５に記載した閉鎖部材の構成は、ばね部材が半径方向で端面側からベー ス体の滑動ガイド内に侵入できるという利点を有している。この場合、滑動面は 、従来技術におけるよりも著しく大きいので、ばね部材はどのばね一においても 充分にガイドされている。従って、ばね弾性的な端縁部とは反対側に向けられた ループウエブをベース体の凹部内に係止させることができる。このことはもちろ ん、ばね部材の所定の変形を前提としている。ばね部材の係止は、工具なしで手 動で行うことができる。これに対してばね部材を係止位置から抜き出すことは、 有利な形式で補助工具によって行うことができる。この補助工具は、主としてル ープ状の膨らみを圧縮することによって行うことができる。 このような考え方によって、緊締されたばね部材は絶対に安全にガイドされ、 怪我の原因になることはない。ばね部材をばね弾性的な端縁部ウエブの解除位置 内に摺動させることは、指によってループ状の膨らみを押しつけるか又はばね部 材を楔状の厚み部でずらすことによって、特に簡単な形式で可能である。 従来技術とは異なり、本発明によるばね部材は、このばね部材自体がばね弾性 的な端縁部ウエブを有しており、しかも、この端縁部ウエブは特別に操作する必 要はない。端縁部ウエブはばね弾性的である必要はなく、ばね部材のばね弾性的 な構成に従ってばね作用を 有するように構成されている。請求項６によれば、このばね弾性的な端縁部ウエ ブは、凹状の湾曲部を有しており、この湾曲部は、ばね部材の構成部分である。 請求項７には、ばね部材を一方ではガイドし、他方ではそのばね弾性を保証す るための、ばね部材の特別な構成が記載されている。 ばね部材の特に安価な製造は、請求項８に記載されているように、ばね部材が 、弾性的及びばね的な特性を有する合成樹脂より成っていることによって保証さ れる。このような合成樹脂としては、特別に着色されているか、又は着色されて いないポリオキシメチレンが有利である。以上の及びその他の詳細については図 面に概略的に及び例として示されている。 図１は、断面図で示された閉鎖部材を備えた缶の側面図である。 図２は、図１の矢印Ａ方向で見た閉鎖部材の下側図である。 図３は、図１の矢印Ｂ方向で見た閉鎖部材の正面図である。 図４は、本発明によるばね部材の側面図である。 図５は、図４で示したばね部材の平面図である。 図１に示した実施例では、缶１の側面図が示されており、この缶１は、開放側 で、環状に延びるビード（bead；環状隆起部）２と蓋３とを有している。蓋３内 には注ぎ出し開口４が配置されており、この注ぎ出し 開口４は、図示していない引きちぎり舌片によって形成されている。符号２６で 閉鎖部材の断面図が示されており、この閉鎖部材は、引きちぎり舌片が引きちぎ られて注ぎだし開口４が開放された時に、種々異なる直径を効果的に閉鎖するた めに適しているものでなければならない。 閉鎖部材２６は、特に合成樹脂より成るプレート状のベース体５を有しており 、このベース体５は、缶に覆いかぶさっている。このベース体５は、一方側で、 定置の端縁部ウエブ６を有していて、他方側でばね弾性的な端縁部７を有してお り、この端縁部７は、缶１のビード２に下から係合している。充分なシールを保 証するために、ベース体５と缶の蓋３との間に、リングシール８が設けられてお り、このリングシール８は、ベース体５を缶に載せる際に、蓋３に押しつけられ 、缶の注ぎ出し開口４を取り囲む。このリングシール８は、内側が、はめ込み可 能なキャップ９によって支えられていて、このキャップ９は、注ぎ出し開口４に 対して同心的な貫通開口１０を有している。閉鎖部材２６は、継ぎ管状の注ぎ出 し口を有していてもよいが、これは必ずしも必要なものではない。図１の実施例 では、注ぎ出し口１１は、ねじ山を介して装着可能な閉鎖キャップ１２を備えて いる。この注ぎ出し口１１を省く場合には、ベース体５は連続的にプレート状に 形成される。 ばね弾性的な端縁部ウエブ７は、ばね部材１４の構成部分であって、このばね 部材は、半径方向の滑動ガイド内で、プレート状のベース体５の下側に沿って摺 動可能である。 特に図４及び図５に詳細が示されているように、ばね部材１４はループ状の膨 らみ１５を有しており、このループ状の膨らみ１５によって、２つのループウエ ブ１６，１７が形成される。ループウエブ１６は、縁部１９がプレート状のベー ス体５の凹部２０内に係止され、これによってばね部材１４のばね作用のための 支持力が生ぜしめられるように、設計されている。ループウエブ１７は、操作部 材１８と、この操作部材１８に設けられた端縁部ウエブ１７とを有している。こ の端縁部７はばね弾性的ではない。この端縁部７のばね作用は、ばね部材１４の ばね特性によって得られる。操作部材１８は円錐形の厚み部を有しており、この 厚み部は次のような２重の作用を有している。つまり一方では、側面２７が、閉 鎖部材２６が缶１上に載せられた時にばね部材１４を戻しずらすために使用され る。何故ならば、ビード２が側面２７にぶつかるからである。また、端縁部７が ビード２の下側にスナップ係合すると直ちに、側面２７又はループ状の膨らみ１ ５は、ばね部材１４を手動でばね力に抗して戻しずらして、閉鎖部材２６を缶１ から解除するために使用される。 図２及び図３の実施例においては、滑動ガイド１３ を形成するためのプレート状のベース体５の詳細が示されている。滑動ガイド１ ３は、２つの脚２１，２２によって形成され、これらの脚は、アンダーカットさ れた溝２４を有している（図３参照）。これらの溝２４内に、ばね部材１４のガ イド条片２３が係合する。アンダーカットされた溝２４は、半径方向外方に開放 しているので、ばね部材１４は、そのガイド条片２３の全体が、外方から半径方 向で滑動ガイド１３内に非常に簡単に挿入させられる。次いで、ループウエブ１ ６（図１参照）を内方に押し込んで、凹部２９無い係止させるための手段が必要 なだけである。従って、ループウエブ１６は、ループウエブ１７よりも長くなっ ており、これによってループウエブ１６の縁部１９は、プレート状のベース体５ に確実に固定させることができる。 アンダーカットされた溝２４は、折り曲げられた脚２１，２２によって形成さ れ、これらの脚２１，２２は、プレート状のベース体５の下側に配置されている 。これらの脚２１，２２の間に、ばね部材１４のループ状の膨らみ１５を貫通さ せるために充分な大きさの中間室が形成されている。 図５に示した実施例によれば、ガイド条片２３と凹状に湾曲された端縁部７と によって取り囲まれた、ばね部材１４の領域は、中空室２５を有しており、この 中空室２５によって、材料の節約ができ、しかもばね 力を大きくすることができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ビード（２）を備えた、種々異なる直径の缶（１）のための閉鎖部材であ って、この缶の蓋（３）内に、注ぎ出し開口（４）を形成するための引きちぎり 舌片が配置されていて、該引きちぎり舌片は、蓋（３）にスナップ式に被せ嵌め られる、合成樹脂製のプレート状のベース体（５）より成っており、該ベース体 （５）は、定置の端縁部ウエブ（６）と、この定置の端縁部ウエブ（６）の反対 側に配置された、少なくとも１つのばね弾性的な端縁部ウエブ（７）とによって 、スナップ接続式に前記ビード（２）に下側から係合し、ばね弾性的な端縁部ウ エブ（７）は、ベース体（５）の滑動ガイド（１３）内で半径方向で摺動可能で あって、この際に、ベース体（５）と蓋（３）との間で、蓋（３）の注ぎ出し開 口（４）を取り囲むリングシール（８）が緊締可能となっている形式のものにお いて、 ばね弾性的な端縁部ウエブ（７）が、ループ状の膨らみを有する、自己ばね弾 性的なばね部材（１４）として構成されていて、該ばね部材（１４）の一方のル ープウエブ（１６）がベース体（５）で支えられていて、他方のループウエブ（ １７）が、前記ばね弾性的な端縁部ウエブ（７）を備えた操作部材（１８）に移 行していることを特徴とする、ビードを備えた、種々異なる直径の缶のための閉 鎖部材。 ２．ばね部材（１４）が、一体的にほぼ方形の横断面で構成されている、請求 項１記載の閉鎖部材。 ３．操作部材（１８）が、端縁部ウエブ（７）と所属のループウエブ（１７） との間の、ばね部材（１４）の、手動操作用に形成された楔状の厚み部として構 成されている、請求項１又は２記載の閉鎖部材。 ４．ばね部材（１４）のループ状の膨らみ（１５）が、プレート状のベース体 （５）の面に対して直角に延びている、請求項１から３までのいづれか１項記載 の閉鎖部材。 ５．ベース体（５）が、その下側に、半径方向に延びて、外方に開放する、ば ね部材（１４）のためのアンダーカットされたガイド部（２１，２２）を有して おり、該ガイド部（２１，２２）内にばね部材８１４）が外方から挿入可能であ って、ばね弾性的な端縁部（７）とは反対側に向けられたループウエブ（１６） が、前記ガイド部（２１，２２）を越えて突き出る縁部（１９）によって、ベー ス体（５）の凹部（２０）内で支えられている、請求項１から４までのいづれか １項記載の閉鎖部材。 ６．ばね弾性的な端縁部ウエブ（７）が、凹状に湾曲して構成されている、請 求項１から５までのいづれか１項記載の閉鎖部材。 ７．ばね部材（１４）が、側方に突き出るガイド条片（２３）を有しており、 該ガイド条片（２３）が滑 動ガイド（１３）の脚（２１，２２）のアンダーカットされた溝（２４）内に係 合し、ばね部材（１４）のループ状の膨らみ（１５）が、脚（２１，２２）の間 に存在するスペースを通って下方に突き出ている、請求項１から６までのいづれ か１項記載の閉鎖部材。 ８．ばね部材（１４）が、弾性的及びばね的な特性を有する合成樹脂より一体 的に成っている、請求項１から７までのいづれか１項記載の閉鎖部材。